UA1000超え!嬉しいっす!・・・って何万も何十万もUAある作品からすれば「え?」って感じですけど、個人的に最初に目標にしていた数値なんで喜んでもいいですよね!?
感想・評価をしていただいている方、そして本作品を読んでいただいてる方、感謝感激です!
10月も半ばを少し過ぎ、下旬にある生徒会役員選挙までいよいよあと10日ほどになった。
今日から会長を初め、生徒会役員を希望する生徒が選挙管理委員会へと立候補する。
うちの学校では基本的にやりたい人は生徒会に入れるような選挙になっており、例えば役職があるものに立候補し、仮に落ちたとしても役員にはなれる。まあここ数年はそんなにたくさん立候補がある年はないが・・・。
「やっほ~、林崎くん!」
「わざわざごめんね」
「ううん、私も今日話したかったし大丈夫!」
俺は今、昼休みに麻由美に時間を作ってもらい、今は2人で中庭にいる。理由は生徒会選挙のことである。
「あれから色々考えてたくれたと思うけど・・・どう?」
あれからというは麻由美が圭に生徒会長になりたいと伝えた日。圭はすぐに了解はせず、彼女に考えるように言っていた。
「うん、あれからね、いっぱい考えたよ。私は本当にやりたいのかなって。その場の勢いで言っちゃったかな~って」
「でもやっぱり私、生徒会長なってみたい、って思う」
真っ直ぐに、真剣に、それでいて熱い思い。圭は彼女の表情だけで本気なんだと伝わってきた。
「理由とかもさ、色々考えてみたんだけどね。理由もなしにやっぱりやりたいんだ!だと変かなって思って」
あはは、と笑い話を続ける。
「でもさ、理由なんて並べたって結局はやりたいかやりたくないか、それだけかなって思って」
「やりたい、とにかくやりたいんだ、それでいいんじゃないかって」
苦笑いでそう続けた麻由美であるが、確かにそれは俺も思う。自分の趣味は、部活は、なんでやってるか。そんなの理由なんて大して必要ない。やりたいからやる、ただそれだけのこと。
そんなことを考えていると、ここからはさっきよりも更に真剣な顔つきへと変わる。
「だから私、どんなにキミに駄目だって言われてもやりたいものはやりたい。止められたって立候補するから」
麻由美は圭の目を真っ直ぐ見つめる。それには迷いなど一切ない、本気の眼差しだった。
俺はそんな彼女に立ち上がり、頭を下げ、こちらも本気であることを示した。
「よろしく、お願いします」
そう告げると麻由美はいつもの表情へと戻る。
「うん!よろしくお願いされました~!頑張りま~す!」
軽くガッツポーズをして明るくそう答えた。
「ありがとう」
「ありがとう~?私は自分がやりたいからやるだけ!だからキミからありがとうって言われるのはちょっと変かな~!なんてっ!」
「それでもありがとうって言いたかったよ」
確かに俺がならなかったのは俺のわがままであり、結局は彼女の意思で決めたことだからね。
「ふっふっふっ!生徒会長よりも好きな人への手伝いを優先した林崎くんを救った私偉い~?」
「それ言わなければ偉いって思うんだけどな!」
そんな冗談(多少は本気も入っているか?)を言い合いながらも2人は笑顔になっていた。なんとなく、最初からこれが正解だったのかなと圭は思う。
それから麻由美が次期生徒会長に立候補することが決まったため、現生徒会役員の2年生2人に報告。
俺がやらないのと麻由美がやることを伝えたらかなり驚いたが、麻由美の真剣さを見て、2人とも特に問題なく了解してくれた。
「2人とも良さそうな人で良かった~!」
「これから1年一緒にやるんだからいい印象で良かったわ」
「うんうん!」
あ、そう言えば・・・。
「そう言えば投票当日の演説は誰が応援演説やってくれるとか決まった?今日の放課後に選管行くならそれも決めないと」
「あ~、それは全然忘れてたなあ~!林崎くんは決まってるの~?」
「まあ、一応」
去年もやってくれた友人A(仮)がまたやってくれる。
「そっか~・・・あ、もしかして優美「違います」なんだ、違うんだ~!あの子とやったら絶対満票じゃない~?」
まあ確かに応援演説なのにめちゃくちゃ考えてきそうで、盛り上がりそうなのは見えるが。
ニヤニヤ~って感じでそう話していた麻由美だが、あ、でも~と続けて、
「非リア充からは投票ないから満票は無理かも~?」
いやいや、非リア充のが多いよね?そしたら信任で落ちるんですが。いや、まさかリア充のが多いとかないよね・・・?
「・・・まあ、それはあり得ないからいいとして、応援演説してくれる人決まったら選管までよろしく」
「おっけ~!じゃあまたね!色々ありがとう~!」
「こちらこそ」
麻由美はパタパタと自分の教室へと戻っていった。
× × ×
放課後俺は選管(というか選管がいるのは生徒会室)へと向かう。
ちなみに選管は2年生の各委員長のどちらかがなる仕組みになっているため、選挙自体の運営に生徒会は関係ない。
と、生徒会へと続く廊下に麻由美、それと優美がいた。
「梅田さん竹下さん」
声をかけると2人は振り向く。
「あ、林崎くん。もしかして林崎くんも選挙の申し込み~?」
麻由美が尋ねる。
「うん、そうだけど。竹下さんは・・・?」
優美へ尋ねるとふふ~ん!という顔になり、
「私ね、麻由美ちゃんの応援演説やることになったんだよっ!」
そう誇らしげに告げる。
と麻由美がニヤリという表情になり、
「最初はね~、あゆちゃんに頼んだんだけど色々忙しいって言われて、そしたら隣にたまたまいたから、みたいな~?」
いくら友達でもそれは酷くないか?
「も~!たまたまじゃないし!私がやりたかったんだもん!」
優美はぷんすかという擬音が出そうな角口になる。その表情も「もん」も可愛いですね!
「あ、でもさぁ、ホントは私なんかより林崎くんの応援演説やりたかったんじゃない~?」
麻由美さんよ、なぜそこで爆弾を投下するんですかね・・・。
優美は顔が赤くなり漫画とかなら「かぁぁぁ////」っていうのが付きそうな表情になった。
「ちが・・・!あ、いや、違くないけど・・・って違うし!」
もう何がなんだかわからない!
と視線がこちらへと来た。
「林崎くんは・・・私だったら、どう・・・?」
顔だけこっち向いて見つめるというので、圭まで少し赤くなる。
「いや、まあその、嬉しいけども・・・」
嬉しいけどね?やっぱり恥ずかしさが勝るよね?男子高校生ならわかるよね?
優美は俺の後のセリフを待っているが・・・とそこでタイミングよく(?)生徒会室の扉が開いた。
「な~に外でリア充タイムしてんだ~?こっちまで恥ずかしくなるわ~!」
そんなこと言った出てきたのはまさかの会長だった。ぶっちゃけいきなりの登場で驚き(2人も)、そんなこと言われても恥ずかしさとか一気になくなった。
「会長!?なんでここにいるんですか?」
「生徒会長の俺が生徒会室にいちゃ悪いかっ!」
いや、悪くはないんですけど、選管の仕事で使ってるのにどうなんすかね?
「いえ、何か用事でもあったんですか?」
一応いる理由は気になったので聞いてみた。
「そりゃあ未来の生徒会長を見に来たからよ!」
そう会長が告げると麻由美に緊張が走る。
「・・・!」
会長はそれを見逃さず、麻由美へと声をかけた。
「そうか、この子が時期生徒会長に立候補するのか」
「は、はい!2年の梅田麻由美って言います!」
めちゃくちゃ緊張してる(笑)そりゃそうか。
そんな姿を見た会長は笑いがこらえきれず。
「はっはっはっ!そんなに緊張しないでいいよ!別に君を見定めて立候補するななんて言わんから!」
「あ、はい!なんか、すいませんでした」
麻由美は少し緊張が解けたようだ。すると会長が麻由美の目をじっと見始める。
俺は知っている。会長は目を見るだけでその人がどんな人か評価するのを。
「・・・あ、あの」
じっと見つめたら戸惑う麻由美。それと会長ってイケメンだから多少赤くなってるかも。
「・・・いい目だ」
「え!?」
「キミなら大丈夫だ。よろしくな」
そういうと会長は去って行った。本当に次期会長を見たかっただけらしい。
「今のって・・・?」
少し戸惑っている麻由美に俺は話しかける。
「そのままの意味だよ。会長に相応しい、いい人だって」
それを聞いた麻由美はめちゃくちゃ嬉しそうな顔になった。
「本当!?嬉しい!」
「よかったね、麻由美ちゃん!」
優美もそんな麻由美を自分のことのよう喜ぶ。
「よ~し!なんかめちゃくちゃやる気が出てきた~!あ、優美優美!」
「どうしたの?」
「あとは優美が応援演説で変なこと言わなければ大丈夫だね~!」
相変わらずこの人は・・・と圭は思った。
「もう~!そんなこと言わないでよぉ!余計緊張しちゃうからっ!」
麻由美は冗談でそう言ったと思うけど、優美は本気で受け取ったみたいでつい俺も笑ってしまった。
「林崎くんまで~!」
まあこういう反応するからからかいたくなる気持ちもわかります。
それからは圭も副会長へと立候補の手続きをし、生徒会を後にしたのだった。
いかがでしたでしょうか?
そう言えば活動報告でも書いてありましたが、36話の一部を変更しました。
大した理由ではないのですが、知りたい方いましたら教えてます('◇')ゞ