私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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登場人物の苗字ですが、すべて木へんがついたり、あるいは木に関係ある名前になってますが、わざとつけてます(*'▽')理由?まあなんでもいいじゃないですかね?w

優美だけ木へん付かないけど、亜由美・優美・麻由美で松竹梅にしたかっただけ(笑)

ちなみに優美と美結の名前が反対なだけなのもわざとです(笑)

本編は前回の続きとなっております!




「恋人になれたらさ、もっとしてね!」

「えっと、B校の部員って他にもまだいて、それで合わせて5人以上になるんじゃ・・・」

 

林崎くんもだけど、私だって驚いた。だって私もB高校の演劇部員はまだいて、彼は話を聞くだけのためにここに来たと私も思っていたから。

 

私がびっくりして何も話せないでいると、亜由美は林崎くんに何やら耳打ちして2人で部室を出て行ってしまった。

 

「行っちゃった・・・」

 

亜由美は林崎くんに話があるのだろうけど、私たち3人は取り残されたような感じになってしまった。

 

私たちは顔を見合わせてお互い笑い合う。

 

「ボク、なんかまずいこと言ったでしょうか・・・?てっきりそういう感じかと思って」

 

自分を責める村崎くん。これはマズイよね。

 

「ううん、大丈夫だよ。さっきの話は気にしないで」

 

「そう、ですか。わかりました」

 

村崎くんはホッとした表情になる。

 

「えっと、高森さんは聞いてたの?」

 

「ちょっとかな。そちらの部員が2人というのも知ってたし助っ人がとか言ってたから」

 

なるほどね、そこまで言っちゃったらこうするしかなかったかも。

 

「あ、私のことは美結でいいかな。これからよろしくね」

 

高森さん、改め美結ちゃんは優しい笑顔で微笑んだ。

 

「私も優美でいいよ~。美結ちゃん、よろしく!」

 

と、美結ちゃんの隣にいた村崎くんが、

 

「ボクも優美センパイって呼んでいいですか?」

 

と。優美センパイか~!なんかいい響き・・・うふふっ。

 

「うん、大丈夫だよ~!・・・あっ!」

 

「どうしました!?」

 

よくよく考えたら林崎くんより先に名前で呼ばれるんだよね。それはちょっと複雑かも・・・。

 

「複雑って何がですか?」

 

「え!?」

 

また声に出てたの~!?

 

「い、いや!なんでもないよ!」

 

「あ、ボクわかりました!他に名前で呼ばれたい人がいるんですね?」

 

「ゔっ!」

 

その通りだけど・・・これ以上は言えない!

 

村崎くんはわくわくしながら私の話の続きを待ってるけど・・・。

 

と、ここで助け船が入る。

 

「ごめんね、ムラくんが変なこと言って。ムラくん、優美ちゃんに変なこと聞いちゃダメだよ?」

 

た、助かった~!それにしても美結ちゃん、村崎くんのお姉さんみたいだね。

 

そんな話をしてたらガララとドアが開く。

 

 

× × ×

 

 

「林崎くん、ちょっといいかしら?」

 

亜由美にこそこそって耳打ちされ、部室を2人で出ていく。

 

「ごめんなさい、騙すつもりはなかったの」

 

亜由美はペコリと頭を下げ、圭に告げる。

 

「えーと、つまり・・・?」

 

俺は謝って欲しいわけではなく、どうしてそうなったのかが知りたかった。

 

「ええ、もともとあなたを頭数に入れてB高校と合わせて5人ということにしたのよ」

 

「だけどここへ来る前にそれを言ってしまったらあなたは悩むだろうし、美結たちにも迷惑がかかると思ったの」

 

「もちろん、忙しいのは十分わかってるしかなり出番が少ない役で考えていたわ」

 

亜由美は申し訳なさそうにそう理由を話す。確かに言われた通りかも知れない。先にそういう話をされていたらスムーズにここへは来れなかったかも。

 

「とりあえずわかったよ。キミが思うままに進めて大丈夫だよ」

 

圭は迷惑じゃないと亜由美に伝えたかったため、笑顔でそう彼女へ話した。

 

「どうもありがとう。中へ戻っても大丈夫かしら?」

 

「大丈夫だよ。3人とも心配してるだろうし早く戻ろう」

 

俺たちは部室へと戻る。

 

 

部室へ戻ったら、3人ともニコニコしてる。あれ?全然心配してないじゃないか・・・実は俺だけに話されてなかったり?ありうるから怖い(笑)

 

「ごめんなさい、もう大丈夫よ。話を続けるわ」

 

そう言えば村崎くんの質問の途中でしたね。

 

「さっきの質問の答えだけれども、彼を入れて5人でやることになるわ」

 

「ただ、彼は部員ではなく助っ人という扱いになるから練習も毎日参加出来るわけじゃないし、セリフも少ない役ということで話を進めていいかしら?」

 

これでダメです!とか言われてもどうにもならないですがね・・・。

 

「ボクは大丈夫です。ただでさえお誘いいただいた身なのにワガママなんて言える立場じゃないですから」

 

「私も大丈夫。ムラくんと理由は同じ」

 

2人に納得してもらい圭は安心し、ふーっと息を吐く。

 

「あとは何かあるかしら?」

 

亜由美がそういうと美結の手が控えめに上がる。

 

「ええと、台本はこの間言ってくれた通り、あゆちゃんにお願いしちゃって大丈夫なんだよね?」

 

「ええ、大丈夫よ。1週間くらいかかるけども」

 

今1週間って言ったよね?学校の授業もあるし普通に凄いわ!

 

「うん、ありがとう」

 

美優が1週間って聞いて驚かないあたり、やっぱり中学のときからそんな感じなんだろう。

 

「後は大丈夫かしら?」

 

「私は大丈夫だよっ!」

 

「ボクもとりあえずは大丈夫です」

 

「わたしも」

 

「俺も特にはない」

 

4人の意思を確認した亜由美は大きく頷く。

 

「それじゃあA校B校合同で1月の大会に出ることを決定するわ」

 

亜由美は力強く宣言した。まだ本当に決定ではないけどね。

 

「みんな頑張ろうね!」

 

優美がそれぞれに向けて声をかけ始めると、それに倣った感じでそれぞれが思い思いに声をかける。と優美があっ!と言ったあとにある提案をした。

 

「そうだ。まだ時間もあるし、せっかくだからみんなで少し練習でもする?」

 

優美の意見にみんな賛成、練習をすることにした。

 

 

× × ×

 

 

それから7時くらいまで基礎練をし、下校時間になったので終わりになった。

 

優美の提案もあり、台本に専念する亜由美を除いて台本が出来るまでもみんなで練習をすることに。俺は時間あるときだけでいいと言われた。

 

亜由美と美結は家まで歩いても15分ほどの距離らしく、一緒に帰っていった。

 

俺と優美、それと健太の3人は歩いて駅まで向かう。

 

「今日はありがとうございました!これからもお願いします!」

 

「こちらこそ!これからよろしくね!あ、せっかくだし、聞いてもいい?」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「村崎くんはなんで演劇やろうと思ったの?」

 

「そうですね~、最初は中学から続けていた部活に入ろうと思ったんですけど」

 

「うんうん!」

 

「部活紹介で演劇部を初めて見たとき、凄く楽しそう!って思ったんですよ」

 

「それから見学とか仮入部とかして、自分も演劇やりたい!って確信して演劇部に入ったんです!」

 

その話を聞いた圭と優美は思わず顔を見合わせた。

 

おそらくだが、2人とも考えていることは一緒。

 

そんな俺たちを見た健太が不思議な顔をする。

 

「どうしました・・・?何か変なこと言ってしまいましたか・・・?」

 

「ううん!なんでもないよ?そう言う理由もあるんだなって2人で思っただけだから!」

 

慌てて優美が対応。ちょっと嘘っぽい理由だけど。

 

「そうですか。あ!せっかくだし竹下センパイも入った理由教えて下さい!」

 

「私はね・・・」

 

そんなこんなで3人での雑談は続いていく。

 

 

× × ×

 

 

「私たちはこっち方面だから、またね!」

 

俺たち2人が乗る方面の電車が来る。健太は俺たちとは反対方向の電車のため、ここでお別れとなった。

 

「うん、じゃあね!お疲れ様!」

 

「お疲れ、また」

 

「お疲れ様でした!」

 

健太とはここで別れ、2人の時間となる。

 

「さっき村崎くんが入った理由言ったときさ、林崎くんも同じこと考えてた?」

 

「たぶん同じだと思うよ」

 

健太がいる手前、思っていても口には出さなかったが、今の俺たちはあの話を聞けば同じことを考えるのが妥当だろう。

 

「やっぱりそうだよね。私たちもさ、いっぱい頑張れば村崎くんみたいな人が来てくれるんだよね」

 

「あの話聞いてさ、希望が膨らんだっていうかさ、さらにやる気が出たかなっ!」

 

もともとやる気がないわけではないが、そういう人もいるんだと実際言われるとやっぱり、よし!って思うよね。

 

「うんうん!私も!今回の大会も含めて、4月までにもっといい役者にならなきゃね!」

 

「俺は助っ人だから頑張るのはキミたちがメインだよね」

 

「ええ~!林崎くんも一緒に頑張ろうよ~!」

 

俺は言葉ではそう言っていたが、心の中では自分ももっと頑張らなければと思っていた。部員ではないが、役者として依頼を手伝っている以上、自分も演技の実力を上げなければいけない。

 

期待はさせてはいけないが、自分の中では頑張りたいと。

 

「まあ、出来るだけやるよ」

 

「頑張ろうね~!きゃっ!」

 

いきなり電車がガクッと止まった。いきなりの停止でつり革に掴まってなかった優美は、足をもたつかせ圭の方へと倒れてしまった。慌てて圭はつり革を掴んでいた右手を話し、両手で優美を抱える。

 

放送を聞いてる限りではどうやら非常停止ボタンが扱われたらしい。たぶん、その前に放送はしていたのだが、話に夢中で気が付かなかった。

 

「・・・大丈夫?」

 

「う、うん・・・ありがとう」

 

優美は少し顔を俯かせながら話す。俺はというとそのまま両手で優美を抱えている。ぶっちゃけ少し恥ずかしいが、嬉しい気持ちもあり、それに彼女から離れようとしないためここままでいる。

 

と、俯いていた優美が顔を上げる。

 

「もうちょっと、このままでいたいなあ・・・」

 

少し顔を赤く染め、恥ずかしそうにそう言う優美はめちゃくちゃ可愛く、俺は固まってしまう。

 

でも周りの目もあるし、ましてや彼女とは付き合ってるわけではない。心を落ち着かせ、優美から手を放す。

 

優美は圭から離れたことに残念そうな顔をする。と、優美が圭の耳元でささやく。

 

「恋人になれたらさ、もっとしてね!・・・なんてっ!」

 

優美のそんなセリフに今度は圭の顔が真っ赤になってしまう。やっぱりこの子、少し小悪魔属性入っているよね!

 

それから別れるまでは何事もなかったかのように普通に話を続けた優美であった。




優美とのイチャイチャシーン、最近少なかったですよねw
これからはもっと増やしていけたらなあって思うかもにゃんこです(^^♪

次回もある予定です。お楽しみに!

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