私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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さあ、いよいよ大会に向けての準備が本格的に始まります(*'▽')

今回は名前ありの新キャラも久々に登場しますよ~!

後書きまで読んでいただけたら嬉しいです(^^♪


「そういうのは2人きりの時に言いなさい」

亜由美へ依頼の返答した日から数日後のこと。ホームルームも終わりさあ今日はどうしようかと思っていたら、名前を呼ばれる。

 

「林崎くん」

 

呼ばれた方を振り向くと優美と亜由美がいた。

 

とりあえず教室を出て彼女らの方へと行く。

 

「どうしたの?」

 

「突然で悪いのだけれども、今日これから大丈夫かしら?」

 

いきなり、とは珍しい。何か問題でもあったのかな?特に用事はないしオーケーする。

 

「良かったわ。じゃあ早速学校を出るから荷物持って来て」

 

「え?」

 

と、よく見たら2人も荷物を持っている。いったいどこへ向かうのか?

 

言われるがままに一度教室へと戻り荷物をまとめて2人の元へ行く。

 

「えっと・・・どちらへ?」

 

話ながらも移動する。

 

「何から話せばいいかしら?」

 

「いや、何がなんだかわからないのにそう言われてもなあ」

 

と、今まで口を閉じていた優美が話す。

 

「ごめんね、説明もしないで」

 

手をあわせて苦笑い。うん、そういうのも可愛い!じゃなくて、だ。

 

「俺たちはどこへ向かっているの?」

 

まあ、とりあえずこっからだな。

 

「えーとね、B高校、の演劇部」

 

「B高校?なんでまた?」

 

「亜由美の中学の頃の部活仲間がいて、そこと一緒に大会に出よう!って感じかな~!」

 

あ、なるほど。そういうことか。話が繋がりました。だから任せても大丈夫って言ってたのね。

 

「つまり挨拶に行くわけだね」

 

「あ、そうそう!そんな感じだね!」

 

亜由美の知り合いがいるとなれば割りと話はトントン拍子に進みそう。

 

そんなことを考えてると心を読まれたかのように亜由美から。

 

「話だけ言ってるだけだし、詳しいことは何も決まってないわ。結構時間かかりそうだから早い方がいいと思ったのよ」

 

そういうことらしい。まあ俺も呼ばれた時点で、そういう話に参加して欲しいってことだもんね。

 

ちなみにB高校であるが、俺たちの高校からは徒歩で10分ほどのかなり近い場所にある。運動部等は近いということや、実力も割りと似たような感じの部活が多いため練習試合をよくするらしい。

 

どうでもいい話だが、B高校の制服はおしゃれとうちの生徒からは評判である。

 

そんなことを考えていたら、優美がそう言えば、と話始める。

 

「そう言えばB校って受けようかと思ったけどちょっと駅から遠いからやめたとこだった!」

 

「遠いって・・・今から5分くらいしか変わらないじゃないの?」

 

すかさず亜由美が突っ込む。まあ俺も突っ込みたかった。

 

「え!だって夏は暑い中、冬は寒い中歩くの辛いじゃん!」

 

まあそれはわからんでもないが・・・。

 

「たいして変わらないわよね?」

 

「まあ、そうだけど!ってか制服可愛いの知ってたらB校受けたかも・・・?」

 

おいおい、さっき辛いーって言ってたのに!

 

そう思っていると、あ!っと優美が。

 

「でもさ、よくよく考えたらB校だったら林崎くんに会ってなかったね!・・・ってそういう意味じゃないよ!?」

 

自分の言ったことの恥ずかしさに気がついたのか、混乱し始める。

 

「優美、そういうのは2人きりの時に言いなさい」

 

俺は嬉しかったけどなるべく顔に出ないよう気持ちを抑える。

 

「いや、だからね!違うって!あ!亜由美にも会えなかったじゃん!だから良かったかなって! 」

 

「その私がついでみたいな言い方はどうなの?」

 

必死に話を変えようとしていたが、逆に反撃にあった。まあ、見てると亜由美も笑っているからそう言われて嬉しいんだよね!

 

そんなことを考えていると自然と顔が緩む。

 

「林崎くん、な~んか笑ってるけど・・・」

 

「変なことでも考えてるのかしら?」

 

突っ込まれた。

 

 

× × ×

 

 

B高校についた俺たちは、校門のところにいた演劇部員に声をかけられた。

 

「あゆちゃん」

 

声の主の方を見ると小さく手を振って笑顔の女の子がいた。

 

「あら、わざわざここまで来てくれたのね」

 

亜由美はその子に近づき、何やら話をしている。

 

すると先ほどの女の子がこちらへトテトテを近づいてくる。

 

「あ、始めまして。B高校演劇部部長の高森美結(たかもりみゆ)と言います」

 

そう言いながらぺこりと頭を下げる。

 

「あ、他にも今日一緒にお話する部員はいますので、2人の自己紹介は後でで大丈夫です。立ち話もなんですし部室へ移動しましょう」

 

美結に連れられ俺たち3人は部室へと移動した。

 

 

× × ×

 

 

部室の前に来ると美結はドアのノック。中から声が聞こえる。

 

「はい、どうぞ?」

 

ガララと美結がドアを開ける。

 

「あ、美結センパイでしたか。ノックなんてするから誰かと思いました」

 

ドアから中を覗くと男子生徒が1人いる。美結を先輩と呼んでるから1年生だろう。

 

「あのね、昨日言ってたA高校の演劇部のみなさんが来てるの」

 

「あ、そうなんですか!」

 

その男子生徒は立ち上がり、ドアをガラガラと全開にする。俺たち3人視界の目の前に彼が現れる。

 

「お待ちしておりました!ささ、中へ中へ!」

 

なんかめちゃくちゃ歓迎されてる?勢いに押され中へと入る。

 

「狭いけど適当に座ってください」

 

美結に促され適当に腰を 降ろし、一同が落ち着く。

 

ここからは私のターンかしらと言わんばかりに亜由美が声をあげる。

 

「今日は2人ともどうもありがとう。まずは自己紹介からかしら?」

 

そこから1人ずつの自己紹介が始まる。

 

彼はB高校1年生の村崎健太(むらさきけんた)くん、という名前。4月から演劇部に入っているという。

 

それとB高校の演劇部についても美結から説明があり、4人いた3年生が9月いっぱいで引退してしまったとのこと。

 

ちなみにだが、亜由美は美結を通してこのことを夏くらいから知っており、今回の件で誘ってみたとのことらしい。

 

一通り美結からの説明が終わると、亜由美もA校のことを話す。

 

「・・・という感じかしら?何か質問ある?」

 

パッと健太の手が上がる。

 

「いくつかあるのですが、いいでしょうか?」

 

「ええ、出来たら1つずつのが助かるわ」

 

「あ、はい。合同での出場については問題ないのですか?」

 

実はそれは俺も少し思っていた。

 

「大会に出るという意思が確定してから確認を取ろうと思っていたから、確定ではないけど2年前に例があったから多分大丈夫よ」

 

仮に今はダメだったとしても私がルールって言ってOKにしそうだから大丈夫そうですね。

 

「あ、わかりました。あと、練習はどこでやるのでしょうか?」

 

「こちらからのお願いというわけなのでB校メインでやろうと考えてるわ。後は状況にもよるけども」

 

「え!?」

 

優美が反応する。家から遠いからアレなんでしょうね。

 

でも今はとにかく一緒に大会に出てくれるという方が大事であるため、俺は優美に相槌を打つ。

 

「あ、ごめん、なんでもないからっ!」

 

「あ、こちらこそ気を遣ってくださってすいません」

 

健太も謝る。まだ会って少しであるが、彼の人柄の良さはわかった。

 

「あと最後になんですが、こちらの部員は2人、そちらも2人と聞いておりますが、えっと、林崎センパイは参加してくださるのでしょうか・・・?」

 

「え!?」

 

優美じゃないけど驚いた。というか今更になるが、

 

「えっと、B校の部員って他にもまだいて、それで合わせて5人以上になるんじゃ・・・」

 

俺の言葉に一同が一瞬固まる。どうやら失言だったらしい。

 

だが俺だって会長になる可能性は低いとはいえ、生徒会の仕事はある。夏休みみたいにはいかない。優美の依頼だって今回の件だって「時間があれば」と伝えてた。舞台に出る以上かなりの時間を練習に割かなければならないはずだ。

 

ただ、亜由美だってさすがに何も考えないでこんなことは言わないはず。そう考えていたら亜由美がこちらと来る

 

「林崎くん、ちょっといいかしら?」

 

亜由美そう耳打ちされ、部室の外へと連れだされた圭だった。

 




B高校との打ち合わせ編、前編という感じでしょうか?中途半端なところで終わってしまって申し訳ないです(´・ω・`)

今回の新キャラですが、気が向いたら活動報告にでも新キャラ設定という感じで書こうかと考えています(^^ゞ

ではまた、次話でお会いしましょう!

※第43話にて美結とA高校B高校の挿絵を記載いたしました(8/21編集)。
今話中で優美が「B高校の制服は可愛い」と言っていたのでせっかくなので書いてみました( *´艸`)

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