自分はよくするんで色々な人に噂されてる可能性が・・・?
麻由美と話した日からは土日を挟んで次の週になった。
とにかく色々考えた。何かいい方法はないかと。何個か案は浮かんだが、どれもこれもこれだ!という案ではなかった。
今日も登校しながら何かないか何かないかと考えながら歩いていた。
と、後ろから声をかけられる。
「おはよ~!」
「竹下さんおはよ」
「なんか久々?2話出番なかったからね~!」
「え?何言ってるの?」
「あはは~!なんでもないよ~!」
そんな会話をしながら俺たちは並んで歩く。隣でニコニコしてる優美を見てるとちょっと気持ちもほっこりする。なんか嬉しいことでもあったのだろうかと思ったのでちょっと聞いてみることにした。
「朝からニコニコしてるけどなんかいいことでもあった?」
それを聞いた優美は待ってました!と言わんばかりに表情になる。
「あのね!土曜日に女子バスケ部の友達が大会で勝ったって言ったの!」
「へえ」
なんだそれだけか、と圭は思ったが、ある事実に気が付いた。
「あれ?そういえば女バスって3年生いなくなったあと4人しか部員いなかったと思うけど?」
「そうそう!だからね、ほかの学校と合同でチーム組んで大会出たの!」
なるほど、そういうことか!それで勝ったのは確かに凄いかも。優美がうきうきになるのもわかるね。
「それは確かに凄いな!」
「でしょ!でしょ!そういうこともあるんだなあって思ったよっ!」
「確かにその手があったか!って感じだ・・・あ!」
圭は何か思い出しかのようにその場で歩くのを止める。不思議に思った優美から声をかけられる。
「どしたの?」
優美には声をかけられたが、圭はもう自分の世界に入っていた。
「これだ・・・!これでいこう・・・!」
「えと・・・あの・・?」
優美は圭に心配そうに近づく。と同時に圭は優美を手を握りながら興奮して話す。
「ありがとう!!キミのおかげでなんとかなりそうだよ!!」
「え!?え!?え!?」
何がなんだかわからない優美は困惑する。それを見た圭はアレ?っと思う。
「あれ・・・?もしかして知らなかったり・・・?」
「え?知らないって?・・・何のこと?」
どうやら亜由美からあの件については何も聞いてないらしい。たぶん、察するに優美には決まってから伝える感じなのだろう。というわけで黙っておかないと亜由美に怒られそうなんで言わないことにした。
「いや、こっちの話だよ」
「なんか気になるんだけど・・・」
そう言いながらジト目でこっちを見てくる。ちょっと可愛いなと思って心が揺らぎそうになったが、気持ちを抑える。
「気にしない、気にしない!」
「そ、そう?じゃあ大丈夫!」
あとは適当に雑談して学校へついた。とりあえず回避出来てよかった。あとは気づかれずに亜由美に話さなくては。メールでもしてお昼休みに呼ぶのがいいかな。
× × ×
というわけで昼休み、亜由美にメールをして時間を作ってもらい、中庭に呼び出した。さすがに優美がいる教室に行くのはマズイもんね。
「わざわざごめん」
「いえ、大丈夫よ。話があるってことは・・・何かいい案が思い付いたってことかしら?」
さすが亜由美。察しがいい。
「まあそんなところだね。ってかその前に聞いて置きたいことがあるんだけどいいか?」
「え?何かしら?」
まさかの質問に少し驚く。
「竹下さんにはあの依頼のこと言ってないんだよな?」
「ええ、そうだけど」
「なんか一応理由あるんかなって思って。俺に言ってあの子に言わないのはどうしてかなって」
「・・・そうね、変に言って期待持たせて、ガッカリさせたくないってところかしら」
それに続き、あんまり言いたくないけど、と続け、
「あの子に言っても結局あなたに相談するだけじゃないかしら?とも思ったわ」
言ってることはなんかひどいが、確かにそうだなあと圭は思った。
「・・・なんとなくその気持ちわかってしまう」
「ふふふ、優美こと、だんだんわかってきたみたいね」
嬉しいようなそうでないような、まあどちらにせよ理由は分かった。
「じゃあ本題にいくよ」
「ええ」
「結論から言おう。ほかの学校の演劇部と合同で大会に出る、これが今思いついてる一番の答えだ」
「なる、ほど・・・」
亜由美は手を顎に当てて、うんうんの考えている。なんかその動作がめちゃくちゃ様になっている。
「問題はいくらでもあると思う。まずは君たちの演劇部みたいなところを探すところからだな」
今は考えられないが、そのほかにも色々ありそう。
と、反応がない亜由美に答えを圭は求める。
「・・・どうかな?」
「え?あ、ごめんなさい、ちょっと考え事をしてたわ」
考え事?いったいなんだろう?
「私としてはとてもいいと思うわ。さすが林崎くん、その手もあったか、って感じね」
どうやらこれで進めるらしい。
「あはは、ありがとう。でもこれ、俺が思いついたってわけでもないんだけどね」
苦笑いで俺はそう答える。だってなんかそこまで喜ばれて全部自分のおかげ!みたいなのはなんかね(笑)
「え?そうなの?」
「実はね・・・」
俺は今日の朝あったことを簡単に説明した。話を聞くと亜由美は苦笑いになる。
「実は優美にこの話をしていれば、解決した可能性があっただなんてね」
「それは思っても言っちゃいけないと思います」
「今頃くしゃみでもしてるかしら?」
そんな会話をしながら2人で笑い合う。
「とにかく時間もないし、どんどん進めていかないと。まずは同じような境遇の演劇部を・・・」
とここまで言いかけると亜由美の言葉によって遮られる。
「それは大丈夫だわ。さっきちょっと思いついたの。ふふふ・・・」
さっき考えてたのはこれだったのか。不敵な笑みを浮かべてるところを見ると任せておけば大丈夫そう?
「それじゃあとりあえずお任せしちゃっていいかな?」
「ええ、大丈夫よ。優美へは私から言っておくわ」
「うん、ありがとう。なんかあったらいつでも」
話も一通り終わり、2人で教室の方へ戻って行く。
× × ×
夜、携帯に着信の音が入る。
From 竹下優美
こんばんば~!
亜由美から聞いたよっ!
ああいうことだったんだね!
私のおかげって言ってたけど、そんなことはないから(ヾノ・∀・`)ナイナイ
あの会話から思いつくなんてやっぱりすごいね!
優美からだった。仲はいいけど、そう言えばメールってあんまりしないんだよね。もちろん、好きな人からのメールが嬉しくないわけない。
To 竹下優美
こんばんは。
いや、俺も切羽詰まってたし、キミのあの話がなければダメだったね。
たまたまとはいえありがとう。
From 竹下優美
ありがとうだなんて・・・自分は何もしてないけど!
でも少しでも亜由美の力になれてよかったかな!
あと、その、大切な人の力になれたのも・・・。
圭はメールを見てええ!っと叫んでしまった。そう言われるのは嬉しい。けど、なんて返せば・・・。ってか優美は恥ずかしくないのかな・・・?
どうしようと悩んだけど、俺も出来る限りの気持ちで返した。
俺も、竹下さんこと、大切だと思ってるよ。
前にも言ったかもしれないけど・・・。
と、返した。ぶっちゃけ文字打ってるときも恥ずかしかったし、変に思われたらどうしようとも思って、どきどきしながら返事を待っていたら、3分後くらいにメールが届く。
「あれ・・・?なんだこれ?」
From 梅田麻由美
なになに~?優美とイチャイチャしてるのを見せつけるために私にわざわざメール~?
「大切だと思ってるよ」だって~!キャー!!
・・・送り間違えた。よりにもよって麻由美とは・・・いや、家族とかよりはマシだったか!
って!そういう問題じゃないわ・・・!
「うわああああああ!」
圭は誰もいない自分の部屋で恥ずかしさのあまり叫んでしまった。
結局、このあとに優美へ同じメールを送ったが、これ以上メールを続ける気力もなくなってしまい、まだ9時なのに最後に「今日はもう寝るね」と付け足した。
From 竹下優美
早いね?疲れてたのならメールなんかしてごめんなさい!
もうちょっと話したかったけど・・・。
おやすみなさいzzz
・・・なんか悪いことしたな。ってか俺が自分で自爆したんだがな!もうちょっと話したかったのは俺も同じです・・・!
麻由美へはって?余計に返信すると余計に面倒になりそうだから、無視しました!
メタ発言、と言えるかはわかりませんが使ってみました!これを使いたかった為に優美を2話出さなかったんだよ!(違う)
作者的にはどや顔で書いたのですが、評判はどうでしょうか?