私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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こんばんは~!

2話前に優美のイメージ画を投稿しましたが、亜由美と麻由美のイメージ画も書こうと思ったんですが、なかなかうまくいかず(*´з`)

今回は新しいキャラが登場します!


「私も気になるっていうかね~!」

月日は少し飛んで10月の初旬。生徒総会は終わり暑さもやっと収まってきた。

 

ちなみに生徒総会は今年も無駄な(?)盛り上がりを見せ、制服変更案が最終的に決まった。すぐにどうこうというわけではないが、これから生徒会と教師などど話し合いが進むことになった。

 

これから下旬には生徒会役員選挙があったり、その先には修学旅行もあったり、イベント目白押しである。

 

 

そんな中、圭は2つのことで悩んでいた。

 

1つは亜由美からの新しい依頼。ぶっちゃけ昨日まで総会の準備やらで全くこっちに手をつけてなかった。さすがに申し込みの締め切りに1か月切っており、考えざるを得なくなってきた。

 

もう1つは・・・。

 

 

「どうした?こんなときにわざわざ個別に相談なんて」

 

俺は今、生徒会室で現生徒会長と話をする場を設けてもらった。

 

「すいません、受験も忙しいのに」

 

「いや、それは大丈夫だよ。それで?」

 

「その、ですね、以前から次の会長は林崎しかいないなあ!って言ってたじゃないですか」

 

「ああ、そうだな!」

 

「自分もそのつもりで考えていたのですが、最近ちょっと気持ちが揺らいできてしまって・・・」

 

ちなみに会長が俺を推す理由だが、まず、伝統的に生徒会長となるものは、1年役員を経験したものとのこと。それと単純に俺の仕事ぶりを評価していること(演劇部の件もかなり評価してくれた)。それから他に2年生は2人いるが、会長には的さないとのこと(まあこれは消去法だが)。

 

それを聞いた会長は、多少動揺するがすぐに圭への言葉を発する。

 

「そう、か。何があったのかはわからないが、林崎がそう思うってことは余程のことがあったのだよな」

 

「まあ、会長が思ってるほどのことではないかもですが、そんな感じですね」

 

「あ、生徒会は引き続きやろうとは思ってます。ただ、会長となると仕事も増えますし・・・」

 

会長はふむ、考えている。俺はまだ言いたいことがあったので続ける。

 

「選挙のときになっていきなり会長になりませんじゃあ他の候補を立てることも出来ませんし、早めに相談をしたんですが・・・」

 

「やっぱり忙しくても自分がやるのがいいと思いますか?」

 

会長はうーんと少し悩んだ後、そうだな、と切り出す。

 

「俺はそれが今まではベストだと思っていた。ただ、言えるのは俺はもう引退だ。林崎が会長にならなくても生徒会を続ける以上、後はキミや2年の2人と相談して決めるのがいいんじゃないか?」

 

その通りである。2人も生徒会を続ける意思はしており、どう転んだとしてもこの3人を中心に活動する。ここからは会長がどうこう言う範疇では ないだろう。

 

「・・・わかりました。後は自分たちで決めます。忙しいのにわざわざありがとうございました」

 

「これくらい大丈夫さ。なんかあったらいつでも相談には乗るぞ?」

 

そうは言われたが、頼ってはいけないよね。

 

「あ、話は変わるがな。」

 

「はい?」

 

「彼女?出来たんか?」

 

「あ・・・」

 

それからはからかわれ、真実を言ったものの、なかなか信じては貰えず、めちゃくちゃ疲れましたとさ・・・。

 

 

× × ×

 

 

次の日の昼休み、俺は購買へお昼を買いに行った。と、帰り際に見知った顔に会う。

 

「あれ~?林崎くんじゃん!」

 

「あ、梅田さん、ども」

 

「・・・どしたん?なんか浮かない顔してるけど?なんかあったの?」

 

どうやら気持ちが顔にも出てしまっていたらしい。麻由美は心配そうに圭を見る。

 

「いや・・・まあ、その」

 

「なんでもない」とは言えなかった。もしかしたら、という気持ちはあったのかも知れない。

 

「もしさ、よければだけど私が話聞くよ?」

 

「え・・・?」

 

「うん。それにね、私も林崎くんに話すべきかな~ってことでありまして。どうかな?」

 

圭はそれを聞くと迷わず、

 

「話、しよっか」

 

と。

 

「オーケー~!じゃあ私も今お昼買ってくるから」

 

「了解」

 

麻由美はパタパタと購買の方へと行った。麻由美に話せることになり、圭は少し気持ちがホッとした。

 

 

購買でお昼を買った麻由美と中庭へ移動した。人が多くなく、ベンチもあるここは話すには丁度いい感じである。

 

「どっちから話す~?」

 

「キミから話しかけてくれたんだからキミからでいいよ」

 

「うん、わかった~!」

 

麻由美は飲み物を飲んだ後、少し力を入れて話し始める。

 

「あのね、私、生徒会選挙に出ようと思うの」

 

「え?」

 

「どうかな?」

 

「マジで?」

 

「マジマジ!」

 

「本当にマジなんだな」

 

圭は最初聞いたときは驚きはしたが、驚きは段々と嬉しさへと変わっていく。おそらく単純に知り合いが生徒会に入ることと、生徒会の仲間が増えることが嬉しかったから。

 

そこからは圭の質問のターンになる。

 

「文実やって、そういう仕事が好きになったから?」

 

「うんうん!そうそう!あとは林崎くんを見てて楽しそうだなって思ったりもしたかな~!」

 

「そうなんだ。まあ確かに楽しい人には楽しいかもね。ちなみにどの役職に立候補するの?」

 

「うーん、それは今は考えてないよ~!他の人とかぶっちゃって当選漏れしちゃったら嫌だから空いてるところかな~?」

 

「空いてるところか~。来期となると・・・あ・・・」

 

そこまで言って圭は思ってしまことがあった。「空いてるところ」、つまり生徒会長も空いてるじゃないかと。

 

だが、さすがに麻由美に生徒会長を任せるわけにはいかない。

 

「どうしたの?」

 

様子がおかしくなったのを見て透かさず麻由美が反応する。

 

「いや、なんでもないよ」

 

「ホントに~?怪しい・・・」

 

「怪しくな・・・あ・・・」

 

圭はこの話からさっさと逃げようかと思ったが、よくよく考えたら、麻由美への話って会長になるならないの話もじゃないかと思い、考え直す。

 

圭は少し考えたあと思い切って言うことにした。

 

「あのさ」

 

「うんうん!」

 

「俺がキミに話したかったことなんだけど」

 

「うん?」

 

「実はね・・・」

 

俺は一連のことを麻由美に話した。

 

「そう、だったんだ・・・」

 

麻由美は少し驚きはしたものの、辞退したい理由を話したら納得の表情へと変わる。

 

「そっか~!ってかまさか私の話と林崎くんの話が繋がるとはね~」

 

「俺も今さらだがびっくりしたわ」

 

麻由美はうんうん、なるほどね~、と少し考えたあと、

 

「じゃあ私が生徒会長になっちゃえばいいんだよね~!」

 

驚きのセリフのはずだが、さっきそれを考えたこともあり、全く驚かなかった。むしろ仮に冗談だったとしても、彼女の方からそう言ってくれてホッとした部分もある。

 

「・・・アレ?驚かないん?もしかして」

 

そこまで聞いた圭は途中で彼女のセリフを遮る。

 

「今さら嘘なんて言えない。ぶっちゃけ本気でキミが生徒会長になってくれたら、なんて考えた。俺のもやもやが解決されるから」

 

「だけどやっぱり申し訳ないとも思う。今の会長も現役員の中から次期会長に、と言っているし、俺もそう思うから」

 

それを麻由美に告げたということはある意味、自分が会長になる、そういう覚悟もあった。が、驚いたことに麻由美は反論した。

 

「だから何よ!?そんなの関係ないじゃない!確かにその通りかもしれないよ」

 

「でもさ、そんなのやってみなきゃわからないよ!だって私、本気で生徒会長になりたいって思ってるもん!」

 

「林崎くんを助けたいってのもあるけど、なれるチャンスがあるならやってみたいわ!」

 

今までの麻由美とは違い、力強く、気持ちを込めた口調でそう言われた。

 

俺だってこんなこと言われてなお否定するほどバカじゃない。

 

「・・・そう、だな」

 

彼女の強い気持ち、見過ごすわけにはいかない。

ただ、勢いで言ってしまい後で後悔するのもマズイと思うのでそれは彼女に言わないと。

 

「そこまでの気持ちがあるなら俺だって応援したい。だけど、やっぱり冷静になってもう一度考えてみるのもいいかもね。勢いで言ってしまってあとで後悔はして欲しくないから」

 

それを聞いた麻由美は、少し冷静を取り戻し、

 

「そう、だね。周りの人にも迷惑かけちゃうことになっちゃうしね。もう一度考えてみるよ」

 

圭を意見を飲み込む。

 

「まあ、何かあったら相談にのるよ」

 

「うん!ありがとう~!」

 

その後は話に夢中で全然お昼を食べてなかったことあり、少し急ぎ気味に食事をとった。

 

「じゃあ、また~!ちゃんと決まったら報告するね~!」

 

「うん、オーケー」

 

そんなことを話してたら麻由美の友人らしき人が話しかけてきた。

 

「あれ?麻由美?・・・と、確か林崎くんだっけ?」

 

「やっほ~!そう林崎くんだよ~!」

 

「あれあれ?2人で何してたん~?」

 

友人はニヤニヤ顔で聞いてくる。

 

「う~ん、ひ・み・つ!」

 

なんでまた、そういう意味深な言い方するんすかね・・・。

 

「なにそれ!?もしかして逢い引き!?いやいや!それ優美ちゃんに悪いんじゃないの?」

 

「むっふっふ~!優美が好きになるような男の子なら私も気になるっていうかね~!」

 

麻由美は圭に向けてウインクをする。それはなんの意思確認なんですか!

 

「・・・な~んて!冗談に決まってるじゃ~ん!」

 

「え~!ほんと~!?」

 

とそこで予鈴が鳴る。

 

「あ、もうこんな時間なんだ~!じゃあまたね、林崎くん!」

 

「お、おう、よろしく」

 

麻由美は友人と話しながら自分の教室へと戻って行った。彼女の意味深発言は気にはなったが、前にもこういうことがあったのでただの冗談だと思い、あんまり深くは考えないようにしようと思う。

 

麻由美と話し、1つの悩みは解決した。もう1つの悩みも最初は聞いて欲しかったけど、これは俺が解決しなきゃいけない気がした。麻由美の熱意を見てると俺も頑張らなきゃ、って改めて思った。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?今回も優美は登場しませんでしたが、ヒロイン交代では決してありません!(2回目)次話ではちゃんと登場します!

麻由美の意味深発言は、前にも言いましたがご想像にお任せします('◇')ゞ

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