第二幕の始まりに相応しいような話が動く感じになってます。
※あとがきにて優美のイメージ画を添付いたしました。大学ノートに鉛筆で書いたのをそのままスキャンしたのでちょっとアレですが、あくまでこういうイメージというのが読者に皆さまにわかっていただけたらと思いました!
林崎くんが以来を引き続き受けてくれることが決まってから数日後の昼休み、私と亜由美に加え、珍しく麻由美ちゃんが私たちのところに来た。
「あゆちゃん、優美~!お昼一緒に食べてもいい~?」
「あら、どうしたの?珍しいじゃない?」
「いやあ、いつもの友達が部活の大会で休みだから~」
「いいよいいよ~!」
特に断る理由もないしね。ちなみにだけどうちのクラスの女子はみんな仲がいい。グループとかも完全に出来ているわけじゃなく、休み時間ごとに話す人も様々に変わる感じ。まあ、私はいつも亜由美と一緒だけどね!
「じゃあお邪魔しま~す!」
おのおのお弁当を広げ、食べ始める。ちなみに私は今日はちょっと寝坊しちゃったのでお母さんの作ったお弁当だったり(笑)
さっそく、と言わんばかりに麻由美ちゃんが質問をしてきた。
「そういえばさ~、彼には手伝って貰えることになったの~?」
私は亜由美と顔を合わせたあと2人で頷いた。その後亜由美が答える。
「ええ、引き続きやってもらえることにはなったわ」
「へえ~!よかったね~!」
「ただね、夏休みとは違って生徒会の仕事も結構あるみたいだし、前みたいに一緒に活動とかは出来ないみたいで・・・」
「そっかあ~!生徒会かあ・・・。確かに生徒総会とか選挙も近いしね~!」
「うん、林崎くんもそんなこと言ってた。総会の方は副会長ってこともあって色々大変らしいし」
あんまり詳しく聞いたわけじゃないけど、2週間後に迫った総会まで放課後はずっとそれの準備するらしいしね。
「ここの学校の生徒総会は昔から結構盛り上がってるみたいよね。校則とか新しい部活とかそういうのも総会がきっかけで出来たとか過去にあったらしいわ」
さすが亜由美、詳しい。今年も何か起きるかも・・・?私がそんなことを考えていると麻由美ちゃんは真面目な顔になる。
「あのさ、総会のあとに選挙あるじゃん?私もさ、出てみようかな~?って思うんだけど・・・」
「「え!?」」
亜由美と2人で同時に驚いた。いや、ホントにめちゃくちゃ驚いたんだけど!
「麻由美、本気なの・・・?」
驚きを隠しきれない亜由美だけど、麻由美ちゃんへ改めて聞く。
「うん、本気。文化祭終わってから考えてたの」
「そうなんだ。だけど、どうして?」
私は素直な質問をぶつける。
「あんまりうまくは言えないけど・・・ええとね~、文実やったじゃない私。それで学校のために何か出来ることってすごくいいなあって」
「あとは林崎くんを見てたからかな~?あゆちゃんと優美をホントに助けちゃって!凄いと思った。私も彼みたいな、ああいう人助けが出来たら、っていうのもあるね~!」
「簡単だけどそんな感じ?単純に興味があるってのもあるけどね~!」
そう、麻由美ちゃんは楽しげに話した。私が彼女と会って、一番キラキラしてた気がした。
「そう、なんだ。凄いね、麻由美ちゃん」
ちなみにそれを聞いた亜由美は賛成してた。
「いいんじゃないかしら?ちゃんと考えて選挙に出るなら。私も出来る限り協力するわ」
「あゆちゃ~ん!ありがとう~!助かる!」
2人は仲良くそんなことを話してた。私はというと少し、もやもやした気持ちになってた。このときはあんまりわからなかったけど、後で思えば嫉妬だったのかも知れない。
× × ×
土曜日の夜、食事と風呂を終えた俺は自室でゆっくりしてた。明日も休みか、何かしようかな?と思っていたら、携帯が鳴る。メールか、誰だろうと見たら意外な人だった。
From 小松亜由美
こんばんは、夜分失礼します。
明日、お時間空いてるかしら?
珍しい。というかメールは初めてかも。優美じゃなかったとはちょっと寂しいと思いつつ、いきなりの誘いに驚く。驚きながらも依頼の件かな?と察した俺は特に用事もないのでそのまま返す。とすぐ返事がくる。
From 小松亜由美
それはよかったわ。
それじゃあお昼過ぎ、14時に〇〇駅(圭の最寄り駅)でどうかしら?
彼女の家からだとそこそこ距離があるが、彼女からだしここはこのままでいいか。そのまま返信、と。
From 小松亜由美
それじゃあよろしくね。
おやすみなさい。
事務的で効率的なメールなこと!まあ、悪いわけじゃないけどね。とにかく、明日は亜由美と会うことが決まった。あれ?よくよく考えれば彼女と2人で会うのは初めてだよね?そう考えると多少緊張する圭であった。
× × ×
翌日、予定通り駅へと向かった。少し早く来たこともあり、待つこと5分、亜由美が来た。
「こんにちは」
「ども」
そんな短い挨拶を済ます。亜由美の私服を見るのは初めてであるが、白いブラウスに黒のスカートという彼女らしい服装だった。別にときめいたりはしないよ?
「こんなところで立ち話もなんだし移動しましょう」
「了解」
それから俺たち2人は近くの喫茶店へ入った。
「どうしたんだ?キミから呼び出すなんて」
「私も正直自分の積極さに驚いているわ。優美のが移ったのかしら?」
ふふふ、っと笑みを浮かべる。確かにそれはあり、そう?
「まあとにかく早くあなたに聞いて欲しいことがあって。平日は最近忙しいみたいだし今日しかないと思ったの」
周りからみたら羨ましいようなセリフ回しだよね(笑)
「やっぱり部活のこと、なんだよね?」
今更聞くのもアレかと思ったが、一応確認はする。
「ええ、そうよ。じゃあさっそくいいかしら?」
「うん」
それを聞いた亜由美は、次の言葉を発するのに少し緊張しているように見えた。かなり重要なことだとこの時点でも俺はわかった。
「・・・私たち、大会に出てみようかと思っているのだけれど、どうかしら?」