私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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こんばんは(`∇´ゞなんだかんだでもう3話ですね!

今回は圭目線ですが、亜由美が暴走します(笑)

少し短めですが本編をどうぞ!


「あなたたちのやり取りは面白いわ」

圭が優美のクラスへ行った日、「そうと決まったらさっそく何かいい案が出ないか話合おう!」との優美の一声で圭・優美、それと亜由美の3人は学校近くの喫茶店へと向かっていた。

 

「いきなりこうなるとは俺も予想してなかったよ」

 

確かに時間は限られているので早いに越したことはないがまさか即日になるとは・・・。

 

「なんとかは急げって言うじゃん?時間もまだ早かったし。あ、もしかしてなんか予定でも・・・?」

 

優美が不安気に上目使いで聞いてくる。それは男子高校生には効きますね・・・。

 

「いや、別に。生徒会の仕事もないし大丈夫だよ」

 

「良かった~!断れないからとかだったらどうしょうかと思ったよ~」

 

そう優美が言った瞬間、2人とは一歩ほど後ろを歩いていた亜由美が突然ひょこっと顔を出して、

 

「もしプライベートで予定があったとしてあんなお願いされたら断りにくいんじゃないかしら?」

 

そう告げた亜由美は圭の方を向きニヤリと笑い、

 

「実は家に帰ってみたいテレビとかやりたかった趣味とかあるでしょ・・・?」

 

「ま、まぁ帰ったらテレビで野球を見ようかなー?とは思ってたけど・・・。ってかよくわかったね。そんな素振りみせた感じでもなかったと思うけど?」

 

「そうね。全然わからなかったわ。ああいう感じで聞いたらボロが出るかもと思ってわざと聞いてみたの」

 

な、なんて人だ!俺はこういう人には二度と騙されないぞ!

 

そう圭が思っている横ではそのやりとりを聞いていた優美が顔を下に向けていた。

 

「ご、ごめんね・・。言ってくれれば良かったのに・・・」

 

「だ、大丈夫だから!ホントホント!大丈夫だから!」

 

「ホ、ホントに・・・?」

 

「大丈夫、大丈夫!」

 

「じゃあ良かった~!」

 

そう言いながら優美はパア~っと笑顔に戻っていた。

 

そんな2人のやりとりを見ていた亜由美はまたニヤニヤしながら、

 

「今日会ったばかりだけど、あなたと優美のやりとりを見るのは本当に楽しいわね。あ、ちなみにそういうのが見たくてああいうこと言ったわけじゃないわよ?」

 

そうは言いながらも亜由美はクスクス笑っていた。この人、絶対ワザとあんなこと聞いたよな・・・。

 

「亜由美ったら、あんまりからかわないでよ!は、恥ずかしいじゃん!」

 

そう言われた亜由美だが、悪びれた素振りも見せず、何やら優美の耳元でボソボソと話していた。

 

「~~~~!!」

 

そうしたら優美が顔を真っ赤にして声にならない叫びをした。あの子、何言ったの!?怖いよ!

 

そうしたら真っ赤になってまだお魚みたいにパクパクしている優美から離れ、亜由美がこっちに来て耳元で囁いてきた。

 

「頑張ってね」

 

いや、今の流れで何を頑張ればいいのかわからんが。まあ普通に考えれば依頼を頑張って解決してくれってことだがなんか意味深である。

 

「・・・さっき竹下さんに何を言ったの?」

 

さすがにあそこまで恥ずかしがると何を彼女が言われたのか気になり、聞いてみた。

 

「そうね、なんだと思う?」

 

「いや、質問したのこっちだけども」

 

「質問っていうのは考えて考えてわからないときにするものよ」

 

・・・なんか面倒なことになってきたなあ。これ以上この質問しても無駄だな。

 

「聞いたこっちが悪かったです。ってことかな?で、あの子はあのままなんだけど大丈夫なの?」

 

亜由美に変なこと(仮)を言われてから後ろでポカーンとしてる優美をチラリと見ながら聞いてみた。

 

「そうね。あなたが何か言って戻してみて?私には無理そうだから」

 

うーん、この人・・・。絶対に「あなたたちのやりとりを見るのがが面白いから」とか思ってるんだろうなあ・・・。

 

「何を言われたのかわからない人に何を言えばいいのかわからんけど」

 

それを聞いた亜由美は、ふむ、とか少し考えた後、

 

「じゃあ私の言うとおりのセリフを言ってみて」

 

いや、それ自分で言えばいいじゃん・・・と思いつつも言っても無駄だろうと改めて思った。

 

そう言うと亜由美は優美の元へ行き、

 

「優美、林崎君から何かお話があるみたいよ」

 

その言葉を聞いた優美はボーっとしながらもこちらに目を向けてきた。

 

「な、何かな・・・?」

 

「じゃあ私が言うとおりに復唱して」

 

と、耳元で囁かれセリフを告げられる。

 

「・・・(ボソボソ)」

 

「好きって言ってくれて」

 

「・・・(ボソボソ)」

 

「嬉しかったよ」

 

「・・・(ボソボソ)」

 

「俺も好きだから一生大事にす・・・る・・・?」

 

あーれー?気のせいかも知れないがなんかおかしなこと言ってないか俺。・・・好き?・・・大事にする?

 

「何とんでもないこと言わせてくれたの!?」

 

催眠術(?)が溶けた圭はたまらず亜由美に向かって叫んだ。

 

「さすがに途中で気がつくと思ったのだけど・・・ふふっ!ホントに・・・くふっ!面白いわ・・・ふっふふ!」

 

してやられた!と思うと同時に自分の馬鹿さ加減に頭を抱え座り込んだ圭。一方、優美はさらに真っ赤になって「どうしようっ!」とか「まだ早いよぉ!」とか言って顔を手で隠していた。

 

頭を抱えた人・顔を隠して恥ずかしがってる人・ずっと笑ってる人・・・周りから見たら可笑しな目で見られたのだろうなんて3人は誰も気がつかなかったのであった・・・。

 


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