私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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夏休み最後のお話です。

タイトル、仕事でもそうですけど、部下を信じて仕事をしないと、結局自分が一番大変なのが最近わかってきました(笑)

今回は主人公は登場しません☆⌒(>。≪)


「信じるしかないんじゃないかしら?」

夏休みも残りもう3日。毎年のことだけどだんだん名残惜しくなってくる。

 

今日は日曜日なため稽古はお休み。私は課題等終わっており、朝から好きな本を読んでいた。

 

すると携帯が鳴る。

 

誰かと思いきや麻由美ちゃんだった。

 

「はーい、どうしたの?」

 

『おはようっ!今日これから暇?』

 

「うん、暇だけど」

 

特に出かける予定もないし。

 

『じゃあ今からちょっと遊ばない?あゆちゃんも来るよ~』

 

「うん、いいよ!家にいても退屈だし」

 

ちなみに麻由美ちゃんと亜由美は中学が一緒だったこともあり、家も近く仲がいい。

 

『じゃあいつものところに11時で~』

 

「うん!じゃあまた」

 

 

× × ×

 

 

そんなわけで私はいつもの場所に来ていた。二人まだかな~?と待っていると、

 

「お待たせ~!」

 

「おはよう!」

 

「おはよう優美」

 

ちなみに2人とも普通に可愛い。だがら2人と遊ぶと私だけ浮いちゃってる気がするんだよね(笑)

 

「じゃあ行こっか~ 」

 

私たち3人が遊ぶとなるとだいたい決まってる。まずボーリングで体を動かしたあとご飯食べてそれからカラオケって感じ。

 

ボーリングはいつも負けるけどカラオケは私が一番かなー(自称)!まあ元合唱部だし!

 

 

× × ×

 

 

いつも通りボーリングをやったあと、私たちはお昼を食べにお店に入った。ボーリングの結果?・・・いつもと一緒で最下位でした!

 

「優美は相変わらず下手よね」

 

「う・・・違うよ!亜由美たちがうまいだけだよ!」

 

「ガーター連発してるのは下手な証拠じゃないのかな~?」

 

亜由美に続いて麻由美ちゃんまでからかってくるよ~!

 

「つ、次は勝つもん!」

 

「それ何回聞いたかしら」

 

「優美がガーターなしでも私が勝てそうだな~!」

 

2人ともひどいよぉ・・・まあ慣れてるんだけど!でも最近、いつもなら林崎くんが助けてくれたりするんだよなあ~・・・!

 

「優美優美?どうしたの?ボーッとして」

 

「え!?」

 

「あ!わかった~!彼のこと考えてたんでしょ~!」

 

うっ!なんでそんなに鋭いのさ!

 

「う、うん。そ、そうだけど・・・」

 

顔が赤くなってくるのが自分でもわかるため素直に言う。

 

「ねぇねぇ、あゆちゃん!2人って今どんな感じなの~?今の反応の感じだと付き合ってはなさそうだけど~」

 

今のだけで付き合ってないとかわかっちゃうもんなんだ・・・事実だけど!

 

亜由美がなんて答えるのか気になる・・・。

 

「そうね、3人で稽古してるときは前とは変わってないかしら?私がいないときはどうなっているのかは聞いてないからよくわからないけど」

 

「ふ~ん!そうなんだ~!で、今の聞いて優美はどう思った~?」

 

「え!?そりゃあ亜由美がいるときは・・・」

 

そこまで話すと麻由美ちゃんが口を挟んできた。

 

「なるほど!じゃあいないときは・・・2人の距離は近づいているってことなんだね~!優美ったらわかりやす~い!」

 

「あっ!ちがっ!その!」

 

う、迂闊だった~!というか私が余計なこと言っただけかな・・・。

 

「私気になるな~!あ、もしかして夏休み中に2人でデートとか行ったり~?」

 

「うぐぅ!」

 

「こりゃあ行ってますねぇ、亜由美さん」

 

「そうね、間違いないわ。優美がわかりやすい人で良かったわ」

 

良くない!良くない!

 

「あ、でもさ、林崎くんなら『わかりやすい竹下さんも可愛くて好きだよ』とかデート中言ってたりして~?キャー!」

 

「そんなこと言われてないよ!」

 

「優美、デートのことは否定しないのね」

 

あ・・・。

 

「もう!こうなったら何でも話すよぅ!」

 

私が観念しそう答えると2人とも勝ち誇った顔になる。

 

「じゃあ2人のデートの話!聞かせてちょーだい!」

 

「私も気になるわ」

 

 

それから優美は圭と水族館デートに行ったことを話始めた。話してる途中にあれこれ聞かれると思ってたけど、意外と静かに最後まで聞いてくれました(笑)

 

「という感じなんだけど・・・」

 

「へぇ~!ねぇ今の話聞く感じだと林崎くんって絶対優美のこと好きなんだよね?」

 

うーん・・・。絶対、とは言い切れないかなあ。「好き」とははっきり言われてないし。

 

私が黙っていると亜由美が、

 

「好き、ではあるけど今は告白は出来ないっていう感じかしら?もしフラれてしまったら依頼を受け続けるのも大変でしょうし」

 

「でもさ~、告白はしてないけど気持ちは伝わってたら一緒じゃないの~?」

 

それについて私は違うと思う。流れでなんとなく付き合いました、みたいなのもあるけど・・・やっぱり私はちゃんと告白されたい。

 

「優美はどう思う?林崎くんとはお付き合いしたいのかしら?」

 

「えっ!」

 

うわぁ!いきなり過ぎて変な声出ちゃった!

 

「それ私も気になるな~!好き好き言ってるけど~」

 

「そ、そんなに好き好き言ってないよっ!」

 

まあ好きだけどね!

 

「お付き合い、かあ・・・」

 

それについては実際よくわからない。付き合うって具体的になんなの?って感じ。付き合ったとして私はどうすればいいのか。

 

付き合うって何か高いレベルの関係を求められてる気がする。私はまだそれには答えられない気がしちゃう。

 

だから・・・もし今告白されても・・・。

 

「もし今告白されても、保留にしちゃうかなあ・・・」

 

「私の質問の答えにはなってないけども、今じゃなかったらお付き合いはしたいと思ってるわけね」

 

「そうなのかなあ?そりゃあこれからも一緒にいれたら嬉しいなっていうのはあるけど・・・」

 

「それ世間では付き合いたいっていうのと一緒だよ~」

 

「そうなんだ・・・」

 

確かに男女が一緒にいれる関係になりたいっていうのは付き合う以外ありえないよね。

 

「林崎くんも内心優美とお付き合いしたいとは思ってるだろうし、私たちはもう見守るくらいしかないわね」

 

「だね~!もっとこう、手助けが必要な感じになるかと思った~」

 

「あははっ!2人ともありがとー!」

 

そう明るい感じで話したけど、気持ちは凄い不安。

 

今のうちにちゃんと伝えないと彼の気持ちも変わるかも知れない。

 

そもそも本当に彼は私をそういう目で見ているのか。

 

実は私が恋に恋をしてるだけで勘違いしてて、彼を困らせてるだけかも知れない。

 

 

それからは私の恋愛の話はせず、3人での時間は終わった。

 

だけどずっとモヤモヤモヤモヤそんなことを考えていた。

 

私、自分でもわかるくらい前向きな性格なハズだったんだけどなあ・・・。

 

よく恋は人を変えるなんて聞いたことあったけど、自分がこうなるなんて思っても見なかったと思う優美であった。

 

 

× × ×

 

 

家に着いてもなんとなくモヤモヤは続く。どうしようと考えてたとき電話が鳴る。

 

「・・・もしもし?」

 

『やっぱり元気ないみたいね。午後からずっと何か考えているように見えたから』

 

バレてた・・・。極力態度には出さないようにしてたつもりだったけど亜由美にはバレてたみたい。

 

「・・・私どうしよう。悪い方にばっかり考えてて・・・どうすればいいの?」

 

具体的なことは何一つ言わなかった。けれど亜由美には何もかもお見通しな気がして、それだけでもわかるような気がした。

 

『信じるしかないんじゃないかしら?』

 

「え?」

 

『今までだってそうだったじゃない?私たちを助けてくれると信じてここまで来たのだし』

 

『だから今回言われたことも信じてみたら?依頼が達成しるまで待っててくれるんでしょう?』

 

「それはそうだけど・・・でも・・・」

 

『あなたね、いつもの明るさはどうしたの!?』

 

相変わらず弱気な態度を見せた私に対して亜由美が強い口調なる。

 

『彼だって不安がないわけないじゃない。それにあなたが不安な態度をとっていたら余計不安になってしまうわよ?』

 

『優美、どっしり構えなさい。恋愛だけじゃない、演劇だってそう。もっと自分に自信を持って』

 

「亜由美・・・」

 

気が付くと私は泣いていた。亜由美に強く言われて傷ついたわけじゃなくて、私のことそんなに考えてくれてることが嬉しかったからだろう。

 

「私、もう下を向かない・・・!」

 

今までだって何にぶつかってもそうやって切り抜けたじゃない!だから、

 

「だから、『竹下優美らしく』明るく元気に前向きに頑張る!」

 

そう亜由美に言ったが、一番は自分にそう言い聞かせるため。

 

『ふふふ、もう大丈夫そうね。明日からの稽古、期待するわ!』

 

「任せなさいっ!」

 

うじうじしてた自分って馬鹿みたい!こんな自分もうこりごりだもん!

 

文化祭まであと一週間。改めて頑張ろうと誓った。

 

 


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