久しぶりの優美目線。うまく書けてたら嬉しいです!
私たち3人は学校のすぐ近くにある、和食屋さんに来ていた。お昼どうしょう?って考えてたしちょうど良かったかも!
「ここよく来るんだよね~。色々揃ってるし結構美味しいよ~!」
「あ、俺も前に家族と来たことあったわ。魚料理がオススメかな」
へぇ~、そうなんだ!せっかくだし、林崎くんのオススメの魚料理にしよう!
各々料理を頼むと、圭はトイレ、と席を外した。と、麻由美がニヤリとした顔で優美の方を向く。
「優美~?仲良せげじゃ~ん?前よりも進展した感じ?」
「え!?いや、進展とか、そういうのわかんないし…」
「私の目はごまかせないよ!林崎くんと話してるときの優美、前よりキラキラしてるし」
うわあ…、全然無意識だったけど私そんな感じになってたんだ…。
「で!どうなの!?文化祭成功したら告白するの!?」
「告白っ!?」
告白ってあの告白!?あ、そもそもあの告白ってなんだろう!?いやいや、そうじゃないそうじゃない!
「そ、それは…しない、かな…」
しないというか出来ない。だって自分の気持ちがまだわからないし…。
「しないのかー…。取られちゃってもいいのかねぇ?」
「と、取られるって…だから、そういうのまだわからないし…」
「ふうん、じゃあさ、ちょっと聞くけど」
「う、うん」
「アナタは今、どこか楽しい場所に来てます。そうね、じゃあ遊園地とか好きでしょ?遊園地に来てます」
「うん」
「今そこで一緒に遊んでいる人は誰かなー?」
「えっ?」
モヤモヤっと少し想像したら…林崎くん…隣にいてくれたら…。
「誰だったかなあ~?」
はっ!ついつい妄想に夢中に~!
「私が当ててあげましょう!…林崎くんかな~!?」
そう言われた優美はどんどん顔が赤くなる。だけど、
「ち、違うしっ!」
恥ずかしくて思いっきり否定した。
「ふ~ん、まあ私は別に知らなくても?で、ちなみに思い浮かんだ人は今一番大切な人なんだって!」
「え~!!」
違…いや、違くないけど…。
「これはまあ占いみたいなもんだから信じるも信じないもお好きに!」
とそこで圭が帰って来た。
「なんか楽しそう。なんの話してたの?」
「秘密かな~!ねぇ、優美?」
「う、うん!対した話じゃないけどねっ」
めっちゃ動揺しちゃってるよ~!どうしよう~!
「そう、なんだ」
ちょっと怪しまれてるけど…大丈夫、大丈夫!
それから頼んだもねが運ばれてきてそれぞれ食べ始めた。
食べながらも会話は弾む。
「ねぇねぇ林崎くん!なんで優美の依頼受けようと思ったの?私も相談に乗ったんだけど降参しちゃったくらいの難題だと思うけど~?」
別にそれを聞くくらいは普通のことのはずなんだけど何故かドキドキする。
「うーん、熱意に折れたって感じかなあ。ぶっちゃけ自分も解決出来るかどうかはわからなかったし」
「なるほどね~!確かに熱いよね!わかるわかる!あ、ちなみになんだけど」
「すこ~しくらい、この子が可愛いからやってあげたい!みたいなのはあったかな~?あ、ちなみに可愛いって言うのは見た目もだけど性格的にもって意味ね!」
「え!?ちょっと!」
「まあまあ、優美だって実はそういうの気になるんじゃないの~?」
ええ~!ま、まあそりゃあ私も女の子だし?気にならないことはないけど・・・。
優美はさすがに圭に聞こえるようには言えず、麻由美の耳元で、
「き、気にはなる・・・。むしろ聞いてみたいかも・・・。」
と告げた。すると麻由美は了解という感じに優美へとウインクをした。
「で、林崎くん!さっきの質問の返事なんだけどどうかな~?」
「え、いや、その・・・」
「うんうん!」
す、凄く緊張する・・・。
「見た目とかそういうのの話はちょっとしにくいけど」
「真面目で熱心だし、俺が助けてあげたい、とは思ったかも・・・。」
え、え~!!そ、その嬉しいけどいきなりは恥ずかしいよ~!
「おお~!林崎くん、よく言ったね!カッコいいぞ~!」
「は、はあ?本音を言ったまでですが・・・」
「だそうだけど、今のどう思った?優美は?」
う・・・そういうこと聞くかなあ・・・。で、でも林崎くんも本音って言ってたし私も・・・!
「素直に嬉しい、です・・・」
そう言ったはいいがやっぱり恥ずかしく、優美はうつ向いてしまった。圭の方は少し戸惑ったように「ありがとう」とだけ返事をした。
するとたまらず麻由美が、
「リア充め~!見せつけてくれますな~!」
と。優美は「違うし!」と言おうと思ったが、それは先に発言した、圭の少し感情的な言葉によって遮られた。
「確かに俺は竹下さんのことは色々な面で凄くいい人だとは思っている。だから依頼が難しかろうが受けたんだ」
「だけど俺にとって彼女は依頼人なんだ。彼女から受けた依頼を解決することに努力しなきゃいけない」
「だから、だから・・・そういう感情が自分の中に芽生えそうになっても・・・」
そこまで言って圭は言葉につまってしまった。
「そう、なんだ・・・。うん、凄いね」
麻由美はいつもの感じとは違う、かなり真剣な表情でそう短く答えた。私は・・・私はどう思ったのだろう?真面目とか、熱心とか、いい人とか、やっぱりそういうのは嬉しい。でも最後の言葉・・・私のことが・・・好き・・・なの・・・?
なんか胸が熱い。ドキドキする。・・・変な感じ。私は私は・・・。
「私は・・・」
そうついいつものクセで声に出してしまっていた。言葉を発したため、2人と目が合う。でもこの後の言葉は私は言うことが出来なかった。いや、口に出すなどこの場では出来なかったのだろう。
私の言葉の続きを待っていた2人だったが、そのまま沈黙が続いたため、耐えきれなくなったのか麻由美が話す。
「いやー、なんか暗い雰囲気になっちゃったみたいでごめんごめん!ご飯も冷めちゃうし、ホラッ食べよう!?」
「そう、だな。せっかくの美味しいものが美味しくなくなるよね」
「あははっ、確かに!」
2人の笑顔をつられて優美にも笑顔が戻り、それからは学校の話や勉強の話で楽しく食事は過ごした。
× × ×
優美は家に着くなり、ベットへ飛び込みうつ伏せになった。
「私は・・・」
誰も助けてくれることが出来なかった私の悩み、彼は助けてくれた。嫌な顔一つもせずに自分たちのわがままも聞いてくれる。何よりもどんなことも真剣に考えてくれる優しさ。
「私は・・・あの人のことが好きなんだよね」
たぶん恋。でも初恋だからホントに恋かはわからない。それに・・・。
「『そういう感情が自分の中に芽生えそうになっても』か・・・」
彼が言った通り私と彼は依頼人と請負人。そういう感情が芽生えちゃダメなのかもしれない。
「私の初恋は・・・どうなるんだろう・・・?」