私たちの「舞台」は始まったばかり。   作:かもにゃんこ

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10話まで来ました!どこまで書くか未定なんでどのあたりまで来たかわかりませんが(笑)

今回は優美の恋模様の話もあります(*^o^*)


「全然気にならないからっ!」

「なかなか疲れたよ。演劇の練習ってこんなに大変だったんだね」

 

今は初練習を終え優美と一緒に下校していた。ちなみに亜由美は自転車通学のため校門のところで別れていた。

 

「私も結構疲れた~!今までこんなにやったことなかったからね」

 

ちなみにどんなことをやったかと言うと、まず準備運動・柔軟体操・軽くジョギング、それが終わったら発声練習。この発声練習が初めてだと相当しんどかった。まず腹式呼吸を覚えるのから始まり短く発声したり長くのばしたり。それから早口言葉とか。基礎連だけだったが相当体力使った。

 

「特にあの・・・なんだっけ?なんとか売り?ってやつ?アレやばい」

 

「あ~!外郎売りね~!私は部活のときもちょっとやったけど確かにアレは大変だね」

 

ちなみに外郎売りっていうのは江戸時代からある歌舞伎十八番の一つである。今でも俳優・声優の養成所やアナウンサーの研修等で発声・滑舌練習に使われているそう。詳しく知りたい人はググってください!

 

「何回も何回もやったせいか頭の中をぐるぐるまわっとる・・・」

 

「あははっ!林崎くんめっちゃ必死にやってたもんね!凄いって思った!」

 

そう笑顔でいう優美を見るとやっぱり可愛いし、少しドキッとなる。いかんいかん、変な感情は持っちゃだめだ。それに彼女は俺だけにこう優しいわけじゃないし、勘違いしちゃいかん。

 

「ねえねえ、そういえばさ、今日うちのクラス来たときあったじゃん?入り口で麻由美ちゃんと話してたけど知り合いだったの?何話したのかなあーって」

 

麻由美ちゃん?ああ、あの「自称お姉さん」の人か。

 

「いや、全くの初対面だったよ。いきなりでマジでびっくりした」

 

「ふーん、そうなんだ~。なんか仲良さそうだったけど~。で、何話してたの?」

 

なんか普段の笑顔じゃなくてちょっとジト目な感じで聞いてきた。その顔も可愛い…じゃなくて言わなきゃダメなんすかね…?

 

「いや、別に、キミに言うほどのことじゃないよ」

 

とりあえず適当に言って逃げるか。だってさすがに言うわけにはいかんでしょ!

 

「え~!そう言われると余計に気になるよ~?」

 

ぐぬぬ…。なんとか逃げる方法は…。あ!そうだ!

 

「いやね、キミの話をしてたんだよ。いい人だねー!そうだねー!みたいな感じで!だから言いにくかったというかね」

 

よし、これなら行けそうだ!

 

「そうなん!なんか嬉しいね~!友達に好かれるってね!」

 

とりあえずごまかせたみたい。嘘言ってごめんなさいねー。

 

そんなこんなで色々雑談しながら今日は一緒に帰った。

 

 

 

× × ×

 

 

 

「ふぅ~!今日は久々に疲れたな~」

 

私は今夕ご飯を食べてお風呂に入り、自室でゆっくりしてた。今日だけじゃなくて最近は今までにないくらい充実してる気がするなあ~!

って大事なのはこれからじゃん!しっかり練習していい舞台にしなきゃね!

 

ふと携帯に通話の着信音が鳴る。画面を見ると麻由美ちゃんからだった。

 

「はいはい~!どうしたの?」

 

『こんばんはー!元気~?夜だけど大丈夫~?』

 

「うん、別に大丈夫だけど。どうしたのいきなり」

 

よく麻由美ちゃんからのメールとかなら来るけど電話なんて珍しい。

 

『いやあね、ちょっと気になることがありましてねー。気になって寝られないと思ったんで』

 

「なにそれ~!それで、何のこと?」

 

『今日さ、優美がよく話してた噂の彼に会ったじゃない?でね、私ちょっと気になったから聞いちゃったの!』

 

「ん~?どんなこと?」

 

『ぶっちゃけ、優美かあゆちゃんのどっちか狙ってますか~!?って』

 

「ぶっ!」

 

ええ~!?驚いて思わずお茶こぼしちゃったじゃん!

 

『…なんて言ってたか気になる?』

 

ニヤニヤって感じで聞いて来た。楽しんでるね、これは~。

 

「いや、その、まあ、ちょっとだけ…。って!違う!全然気にならないからっ!」

 

『じゃあ教えないー!バイバーイ!』

 

「え、ちょっと!」

 

『なになに~?気にならないんじゃないの~?』

 

くそぅ~!鬼め~!そりゃ気にならないことはないけど…。

 

『やっぱり気になるんじゃ~ん!』

 

あれ?また声に出てた…?

 

「もう!わかったわかった!気になってこっちが寝れなくなるから教えて!」

 

『ふっふっふ!観念したね!いやあ、期待してるみたいで悪いけど、どっちか狙ってるとかそういうのないって』

 

え~!なにそれっ!あれだけ期待させておいて!いや、そういう意味の期待じゃないからね?たぶん…。

 

「そ、そうなんだ」

 

ここは自然体で…。

 

『でさ、優美はどうなのさ!』

 

「わ、私!?」

 

私は…うーん、どうなんだろう?

 

「凄くいい人だなあって思うけど…」

 

『うんうん!』

 

「恋とかしたことないし…なんかまだそういうのわからないかなあ…?」

 

これはホント。彼氏なんていたことないし好きな人だってまだ出来てない…と思うけど…。

 

『うわあ~!優美って意外とピュアだったんだね~!クラスでも男子と結構話してるから経験豊富かと思った』

 

「意外とって失礼ね~!だからね、わかんないんだよね」

 

でもね、でもね、

 

「でもね、わからないけど、なんかこう気になっちゃうっていうか…。目でよく追っかけることもあるかなぁ…」

 

『な~るほど~!まあまあ、今はその気持ちを大切にすればいいかもね!なんかあったら相談に乗るよ~?』

 

「なんかよくわからないけど?ありがとう」

 

『じゃあ聞きたいことも聞けたし疲れてると思うからまた明日~おやすみ~!』

 

「うん、おやすみ~」

 

…ふぅ。「恋」なのかなー…? だとしたら初恋…!?うわあ~!そう考えたら急に動揺して来ちゃったよぉ!

でも今はそういうことはあんまり考えちゃダメだよね?舞台を成功させなきゃ!…でもやっぱり気になっちゃう。

 

結局、話を聞いたら余計に気になってなかなか寝られなかった。


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