ソードアートオンライン ater & violaceus(一時休載中)   作:Nyan0726

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ども、お久しぶりです。

毎度、投稿遅くなってすみません。
やはり、自分には作文の才能は無いようです。
会話文はまだいいんですけどね……地の文が……

そ、それでは、お楽しみ下さい!


005《ビーター》

キリト達、約40人で編成されたフロアボス攻略レイドは迷宮区を目指し、鬱蒼と生い茂った木々の間を進んでいた。

 

「よし、じゃあもう一度ボス戦の情報を確認しておこう。」

 

「「わかった。」」

 

「俺達F隊の相手はボスの取り巻き、ルイン・コボルトセンチネルだ。俺がセンチネルの攻撃を弾くからユウキとアスナはスイッチして、ダメージを与えてくれ。センチネルは全身金属鎧でがっちり固めてるからただ攻撃をしただけじゃダメージは入らない。だから、狙うのは喉元だ。そこなら鎧に防がれない。」

 

「了解。」

 

「……………」

 

「どうしたんだ?アスナ。」

 

「……………スイッチって……何?」

 

俺とユウキは同時に肩を落とした。

 

 

 

 

 

俺達は難なく迷宮区最上階のボス部屋前までやってきた。

 

疲れた……

 

「大丈夫?」

 

「……何も問題ないぞ?」

 

「……ウソ。」

 

「……………」

 

やはり、ユウキには隠しても無駄か。

 

「……ちょっと、疲れただけだよ。」

 

仕方が無いので正直に言った。ユウキは先程と同じ質問をする。

 

「大丈夫?」

 

「あぁ。」

 

「まだ10回も戦ってないのに、そんなんで大丈夫なの?全く………」

 

「いや、別に戦闘で疲れた訳じゃ………」

 

俺はチラッともう一人のパーティーメンバーを見た。

 

「???………あぁ~」

 

わかってくれたようだ。

 

「確かにボクも少し疲れたよ……どこかの誰かさんが『よし、この機会にネトゲなんかについて出来る限り教えとこう。』なんて言うもんだからね~」

 

「うぐっ………別にいいだろ、そのおかげでアスナの死亡確率が少しでも下がったんだから。」

 

「まぁ、そうなんだけどさ。キリトもよく言うけど、一番大事なのは自分なんだからね。」

 

「あぁ、わかってるよ。」

 

話が終わったところで丁度レイドリーダーのディアベルから話があった。

 

「皆、今日は1人も欠けること無く集まってくれてありがとう!俺から言えることはたった1つだ。………勝とうぜ!」

 

「「「オォ!!!」」」

 

「よし、行くぞ!」

 

ディアベルは大きな扉をゆっくりと押し、皆を引き連れて周囲を最大限警戒しながらゆっくりと真っ暗なボス部屋の奥まで進んでいった。少し進むとパッと部屋が明るくなり、その数秒後には目の前にフロアボス《イルファング・ザ・コボルト・ロード》、続いて俺達が相手をする《ルイン・コボルト・センチネル》が現れた。

 

「総員、戦闘開始!」

 

その一言を合図にして両者同時に突撃を開始した。

 

 

 

 

 

ボス戦が始まってかなりの時間が経過した。ボスのHPは4本の内の最後の1本まで減っていた。

 

「アスナ、スイッチ!」

 

「わかった。」

 

アスナの《リニアー》は見事にセンチネルの喉元を貫き、鮮血の代わりに赤いエフェクトが鮮やかに舞い散った。

やがて、センチネルは白く光り、ポリゴンの破片となって消滅した。

 

「よし、ひと段落ついたな。今のうちにポーション飲んどけよ。」

 

「りょーかい。」

「えぇ。」

 

「本隊はどんな感じになってるのかしら?」

 

「うーん…あ、丁度ボスのHPが赤くなったとこだね。」

 

「なら、そろそろ武器を持ち替えるころだな」

 

俺が言った通り、簿すが斧とバックラーを投げ捨て……あっ。

 

「ユウキ、アスナ、避けろ!」

 

ユウキ達はすぐさま小休憩をとっていた場所から飛び退け、そこからはカーンッ!という金属が強く叩きつけられる音がした。

 

「なんでこんな所までバックラーが飛んでくるのさ……」

 

「さぁな。正式版で、武器を投げ捨てるときに近くのプレイヤーを狙うようになったのかもしれない。」

 

「全く………って、あれ?キリト?ボスが持ち替える武器ってなんだっけ?」

 

「ヤツは終盤になると、斧から湾刀(タルワール)に持ち替えるぞ。」

 

「でも、アレって………」

 

ボスの方を向いてみると、ボスは丁度武器を持ち替え終わった所だった。装備している武器は湾刀(タルワール)では無かった。鎌倉時代に好んで作られた、刀身が3尺(90.9cm)を超える太刀、《野太刀》である。

ディアベルはパーティーを後退させ、ソードスキルを発動させていた。

 

「駄目だ!全力で後ろへ飛べッ!!」

 

俺の忠告も虚しく、ディアベルには聞こえなかったようだ。

ディアベルはボスの動きに惑わされ、ソードスキル《浮舟(ウキブネ)》の餌食になった。《浮舟(ウキブネ)》を食らったディアベルは宙に浮き、上、下の連撃、そして一拍置いての突きが襲う。三連撃ソードスキル《緋扇(ヒオウギ)》。この攻撃により、ディアベルは20m以上も吹き飛ばされ、俺達F隊の目の前に叩き付けられた。ディアベルのHPバーはすでに赤色に染まって、未だ急速に減り続けている。ユウキがポーチから回復ポーションを出してディアベルに渡そうとするが、ディアベルはそれを拒否。

 

「頼む………ボスを倒」

 

全部言い終わる前にアインクラッド初のフロア攻略パーティーリーダー、ディアベルはポリゴンの欠片となって消えた。俺は立ち上がりボスの方を見据えた。

 

「「ボク(私)も。」」

 

「あぁ。頼む」

 

周りを見てみるとやはり士気が落ちていた。まぁ、リーダーが死んでしまったのだから仕方がない。

 

「よし、行くぞ!手順はセンチネルと同じだ!」

 

「了解!」

「わかった。」

 

俺達がボスに向かって走って行くと、ボスの野太刀が赤いライトエフェクトに包まれた。俺はボスのソードスキルをソードスキルで相殺した。

 

「ユウキ、スイッチ!」

 

「りょーかい!せあぁぁっっ!!………アスナ!危ない!」

 

ボスの攻撃がアスナ………のフード付きケープを切り裂いた。ケープの耐久度は0になり四散して、アスナの素顔が見えた。恐らく、このボス攻略の場にいた男共は同じ事を考えただろう。綺麗だ。

 

「キリト!」

 

ユウキの声が聞こえ、振り向くと目の前には野太刀の刃があった。その刹那、俺はボスの攻撃をモロに受け、アスナを巻き込みながら吹っ飛ばされた。立ち上がろうと顔を上げると、目の前ではボスが刀を上段に構えている。刃はまたもや赤いライトエフェクトに包まれている。《緋扇(ヒオウギ)》だ。アスナが細剣(レイピア)で防御しようとするが、無理だろう。

 

「ウオオォォリャァァァ!!!」

 

会議でキバオウに反論をしたエギル……だったかな?両手斧ソードスキル《ワールウィンド》で、《緋扇(ヒオウギ)》を打ち消した。

 

「あんた達が回復するまで俺達が、支えるぜ。」

 

「あんた………」

 

そう言うなり、エギル達A隊が果敢にボスへと挑む。が、少し経つとボスのソードスキルによって皆、打ち上げられてしまった。ボスが上へと飛びソードスキルを発動させる。クソッ、まだ回復が………

 

「危ないッ!」

 

ユウキも上へと飛びソードスキル《ソニックリープ》を発動。このスキルは現状、片手剣スキルの中で唯一上へと攻撃できるスキルだ。ユウキの攻撃は見事命中。ボスは地上へと叩き落とされた。最後の心配は、ユウキの落下ダメージだ。だが、そんな心配は要らなかった。ユウキはボスの腹をトランポリンのように使って、ダメージを無くした。もちろん、ボスの方には多少のダメージが入った。

 

「ユウキ、アスナ。ラスト、同時に行くぞ!」

 

「うん!」

「えぇ!」

 

まず、俺が突撃し、今まで通りボスの攻撃を弾く。

 

「ハアアアアアァァァァァァ!!」

「セヤアアアアアァァァァァ!!」

 

先ず、ユウキの《レイジスパイク》、アスナの《リニアー》。

 

「ハアアアアァァァァァァァ!!!」

 

ワンテンポ遅れて、俺の《バーチカル・アーク》が《イルファング・ザ・コボルトロード》を襲う。ボスのHPはどんどん減っていき、消滅した。それと同時にボス自身もポリゴンの欠片となり消滅した。

 

 

Congratulations!!

 

 

歓声が湧く。

俺の目の前にはウィンドウが表示されていた。

 

You got the last attacking bonus!

 

続いて、

 

 

  ◆BONUS ITEM◆

 

" コートオブミッドナイト "

 

「キリトーー!」

 

声のした方に振り向くとユウキが俺の胸目掛けて飛び込んできた。

 

「ちょっ……」

 

「お疲れ様ーーーー!!」

 

「ユウキ、苦しい!苦しいって!」

 

「あ、ゴメンゴメン。」

 

「二人とも、お疲れ様。一応言っておくけど、皆見てるわよ。」

 

アスナが言う。周囲を見てみると、

 

――リア充め…――

――爆発しろ――

 

などの声が聞こえ、中にはボス部屋の柱を殴っている奴も居た。ユウキは今更恥ずかしくなってきたのか顔を赤くして素早く離れていった。

 

「見事だな。congratulation. この勝利はアンタのものだ。」

 

エギルだ。

 

「なんでや!」

 

この声はキバオウか。

 

「なんで、ディアベルはんを見殺しにしたんや!」

 

「見殺し………?」

 

「そうやろが!ジブンはボスの使う技知っとったやないか!その情報を伝えとけば、ディアベルはんは死なずに済んだんや!」

 

「そうか!あいつきっと、βテスターだ!だから、ボスの攻撃方法を知ってたんだ!知ってて隠したんだ!」

 

他の人からも声が上がる。

 

「他にもいるんだろ!βテスター共、出てこいよ!」

 

まずいな………このままだと初心者(ニュービー)とβテスターの間に大きな溝ができてしまう。そうなると、このゲームは攻略できなくなるだろう。でも、どうすれば………………

 

あっ!

 

 

 

 

 

ユウキ side

 

 

βテストからの変更点くらいあって当然でしょ………まぁ、βテストがわからないから仕方ないか。ボク?ボクはもちろんキリトを信じてるからね。キリトが嘘をつくとは思えないし。……嘘ついてもすぐわかりそうだし。

 

「おい、お前……………「ハハハハハハハハッ!」」

 

ボクの隣に居たエギルの言葉を遮り、笑い声が聞こえる。キリトだ。

 

「元βテスターだって?俺をあんな素人連中と一緒にしないでくれないか。」

 

「な、なんやとぉ!」

 

「ソードアート・オンラインのβテストに当選した1000人のうちのほとんどはレベリングのやり方も知らない初心者だったよ。今のあんた等の方がまだマシさ。でも俺はあんな奴らとは違う。俺はβテスト時代、誰も行けなかった層まで登った。ボスの刀スキルを知ってたのは上の層で刀を使う敵と散々戦ってきたからだ。他にも色々知っている。情報屋なんか必要にならないくらいな。」

 

「そ、そんなんもう、βテスターどころやないやん。チートやチーターやろそんなん!」

 

――そうだそうだ!チーターだ!――

――βテスターとチーターでビーターだ!――

 

周りからも野次馬が飛ぶ。

 

「ビーター。いい呼び名だなそれ。そうだ。俺は、ビーターだ。これからはβテスター如きと一緒にしないでくれ。」

 

キリトはウィンドウを操作して、黒いコートを装備した。この層のLAボーナスかな?

 

「ハハハハハハハハッ!」

 

キリトはそのまま次の層へと向かっていく。ボクはそれを追いかけ声をかける。

 

「キリト!」

 

「ユウキ…………どうしたんだ?」

 

「どうしたって…………キリトに付いて行こうとしてるだけだけど?」

 

「……いいのか?」

 

「もちろん!キリトには2度も命を救われてるからね。次はボクがキリトを助ける番だよ。」

 

「ありがとう。」

 

「よし、じゃあ、パッパと次の層のアクティベートしちゃおっか!」

 

「あぁ、そうだな!」

 

「ちょっと待って!」

 

後ろからアスナの声が聞こえた。

 

「どしたの?」

 

「エギルさんから伝言。『次、ボスに挑むときは一緒にパーティー組もう』だって。」

 

いいね。あの両手斧のパワーは頼りになるよ。

 

「それと………私も一緒に行っちゃダメかな。」

 

「アスナ………やめておいた方がいい。君は強くなれる。だけど、俺と一緒に来るとギルドに入ることすらできなくなるだろう。ギルドには入っておいた方がいい。ソロプレイには絶対的な限界があるからな。」

 

「なら、あなたはどうするのよ。」

 

「キリトには僕が付いてるから。」

 

胸を張り、腰に手を当てて、言った。

 

「そう………じゃあ、あなたの言う通りにするわ。気をつけてね、二人共。」

 

「ありがとう。そちらこそ、気をつけて。」

「ありがとう。そっちこそ、気をつけろよ。」

 

二人は顔を見合わせ、一緒に笑ったあと、第二層へと歩みを進めるのであった。




ご愛読ありがとうございましました。Nyan先生の次回作にご期待下さい!





冗談です。

戦闘描写、ムズい。

まぁ、特に話すことも無いので、誤字・脱字など、ありましたら報告お願いします。

ご意見、ご感想もお待ちしております!

それでは!


To be continued …

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