ソードアートオンライン ater & violaceus(一時休載中)   作:Nyan0726

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皆さんこんばんは!
3度の飯よりアニメ、ラノベが好き!Nyanでございます!

最近『幼女戦記』にハマり、小説も1,2巻を購入しました!

何故1,2巻のみなのか? 
だってあれ、1冊¥1,080─するんですもん。
学生には痛い出費です。

それでは、《圏内事件》お楽しみ下さい!


011《圏内事件》

「なんで、皆が迷宮区に挑んでいるっているのに、貴方達はこんな所でのんびり昼寝なんてしてるのよ!」

 

やぁ。キリトこと桐ヶ谷和人です。俺は今何故か理不尽な叱責を受けています。

 

「今日はアインクラッドで最高の季節で、最高の気象設定だ。こんな日に迷宮区に潜っちゃ勿体無い。」

 

多分状況は変わらないだろうが、とりあえず反論しておこう。

自分の意見を相手に伝えるのは良いことだ。うん。

 

「はぁ!? 貴方何言ってるの!? こうしている間にも私達の貴重な時間が刻一刻と奪われているのよ!?」

 

「でも、今俺達が生きているのはこの世界(アインクラッド)だ。」

 

俺の目の前にいる、アインクラッド最有力ギルド【血盟騎士団】副団長のアスナは言葉を詰まらせる。

 

「まぁまぁ、二人とも。」

 

対して、俺とコンビを組んでいる、【絶剣】ことユウキが気持ちよさそうに寝転びながら2人をなだめる。

 

「アスナも寝てみればわかるよ。」

 

「はい!?」

 

「…ああ、そうだな。寝てみればわかる。」

 

俺は、ユウキの言葉に賛同し、再度寝転ぶ。

ぽかぽかと暖かな太陽の光が照り輝き、そよそよと心地よい風が吹く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん………」

 

30分位たっただろうか。満足して体を起こすと、熟睡しているふたりの女の子が目に入ってきた。

いや、確かに寝ろと言ったのはこちらだが、そこまで無防備に寝るか!?全く。

 

仕方ない、護衛でもしてるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日も沈みかけ、空がオレンジ色に染まる頃、ようやく1人、栗色の髪の毛をした女の子が起きた。

 

「ん……?」

 

アスナは状況が飲み込めないといった様子で、あたりを見回している。

 

「おはよう。よく、眠れた?」

 

俺はそんなアスナに声をかけてみた。

アスナは ポケ──ッと俺を見つめた後、我に返って、一瞬で立ち上がり腰にかかっている細剣(レイピア)に手を掛けた。

 

「うわっ……あわわわわわ!」

 

塀の上に座っていた俺は焦って、落ちてしまった。

恐る恐る顔を出してみると、プルプルと震えたアスナの姿があった。

 

「1回……」

 

「え?」

 

「なんでも、いくらでも1回奢る!それで、チャラ。いい!?」

 

「いや、俺は全然気にしてないし……」

 

「そっちが気にしてなくても、こっちが気にするの!」

 

アスナの大きな声で、もう一人、ユウキも起きたようだ。

 

「ん〜、どうしたの?アスナ…」

 

まだ寝たりないのか?すごい眠そうだな。

 

「ううん、何でもないよ。そんな事より、ご飯食べに行かない?奢るわよ。」

 

「本当に?やったー!」

 

ユウキは相変わらずだな。

さて、これで俺への恩返しは恩返し(強制)へと進化してしまったので仕方なくついていくとしよう。

なんで誰も B ボタンを押してくれなかったんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第57層【マーテン】 レストラン『Oazo』

 

店に入るとウェイトレスNPCが、空いてる席へと案内してくれた。

席について呼吸を落ち着けると周囲の声が少し聞こえてくる。

 

「おい、あれって血盟騎士団のアスナだよな…」

 

「本当だ!でも、なんで【閃光】がこんなところに?」

 

「おい、あっちは【絶剣】じゃないか?」

 

いやー、流石アスナとユウキだな。こんなところにも名が知れ渡ってるなんて。

 

「おい、マジかよ……一緒にいるあの男は誰なんだ……?」

 

なんで、俺だけ何もないんだよ…っ!

 

「その……今日はありがとう、ガードしてくれて。」

 

「え?あぁ、いや……」

 

「街の中は安全な圏内だから、誰かに攻撃されたり、PKされたりなんてことは無いけど、寝てる間だけは別だものね。」

 

「デュエルを悪用した睡眠PK、だね。」

 

ユウキが会話に入ってくる。

ここで、睡眠PKについて知らない人達のために少し説明をさせてもらおう。

まず『デュエル』は主にプレイヤー同士での腕試しに使用されるシステムである。もちろん、デュエル中は圏内でもHPが減少する。

『デュエル』には3つのモードがあるが、全部説明すると長くかるので割愛。

今回重要なのは『完全決着モード』。このモードではどちらかが降参(リザイン)するか、HPが全損することによって勝敗が決定する。

そして、『睡眠PK』とは熟睡している相手に『完全決着モード』でデュエルを申し込み、相手の手を動かして無理やりOKボタンを押し、寝首をかく行為である。

 

「……って、おい。そんなこと言ってぐっすり眠ってやがったのはどこの誰だよ。」

 

と、何事も無かったかのように会話に入ってきたユウキの耳を引っ張る。

 

「痛い痛い痛い!」

 

「本当に貴方達は仲がいいわね。」

 

そんなことを言ったアスナの顔は少ししょぼくれている。

 

 

「キャ───────ッ!!」

 

 

と、突如マーテンの街に悲鳴が響き渡る。

 

「行くぞ!」

 

俺は二人に呼びかけ、急いで店を出る。

 

 

 

 

 

第57層【マーテン】 教会前

 

現場に辿り着いた俺達が目にしたのは、ショートスピアを胸に刺し、教会の窓から吊られている重装備プレイヤー。

 

「早く抜いてッ!」

 

ユウキが叫ぶと、そいつは槍に手を掛け、抜こうとするもなかなか難しいようだ。

 

「君は下で受け止めて!ユウキは全体が見渡せる所で監視をお願い!」

 

「「了解!」」

 

アスナの指示に元気よく返事をし、速やかに散開。

俺は吊られているプレイヤーの真下に立ち、いつでも受け止められるように待機する。

アスナはまだのようだ。こうしている間にも重装備プレイヤーのHPは減っていく。

突如そいつの動きが止まった。途端に、そのアバターに、青白く光り、その後四散した。

 

 

「キャ───────ッ!!」

 

 

また、さっきと同じ様な悲鳴が響く。

アバターが四散した。つまりは死んだということだ。《アンチクリミナル(犯 罪 禁 止)コード》発動圏内で死ぬってことは──

 

「皆!今すぐデュエルの Winner 表示を探すんだ!」

 

背後に居たプレイヤー達に呼び掛けたものの、誰もそれらしき表示は見つけていないようだ。

 

「キリト!」

 

そいつらの向こう側から素早く駆け寄ってくるユウキの姿が目に入った。

 

「少なくとも、ボクの見える範囲には、Winner 表示は無かったよ。」

 

「そうか……他に何か気になった事はあるか?」

 

「うーん…多分気のせいだと思うんだけど、一瞬、青い光が見えた様な気がする。」

 

「わかった。ありがとう。」

 

Winner 表示が無いとすれば、まず、考えられるのは《アンチクリミナル(犯 罪 禁 止)コード》を無視できるアイテム及び武器が存在する可能性。そして、何らかの理由により、《アンチクリミナル(犯 罪 禁 止)コード》が機能を失った可能性。

とりあえず、後者の可能性を払拭する為に腰からピックを取り出し、自分の掌に突き刺してみる。

HPは1mmも減っていない。

というか、そもそも《Immortal object》と記された紫色の障壁に阻まれて刺さりすらしなかった。

 

「ちょっと、キリト!なにしてんの!」

 

「いや、ちょっとな。」

 

その時、窓からアスナが顔を出してきた。

 

「おーい、アスナ。どうだった?」

 

アスナは申し訳なさそうに首を横に振る。

しょうがない。取り敢えず事情聴取だな。

 

「誰か、この騒動を最初から見ていた人、良かったら話を聞かせてくれ!」

 

すると、人混みの中から青い髪の女性が出てきた。

 

「辛い事があったのにごめんね。君の名前は?」

 

ユウキがその人に問いかける。

 

「えっと…私、ヨルコって言います。」

 

「さっきの人とは知り合い?」

 

「はい、元ギルドメンバーで、さっきまで一緒にご飯を食べていました。あの人はカインズって言います。」

 

「何か気付いたことはある?」

 

「…一瞬ですけど、カインズの後ろに誰か立っていた気がしました。」

 

ヨルコさんは答えた後に俯いた。

 

「その…ヤなことを聞くようだけど、何か心当たりはあるかな。…カインズさんが殺された。」

 

彼女は何も言わず、俯いたまま首を横に振る。

 

夕焼けの空にはカラス──の様な何か──が1羽寂しく飛んでいた。

 

 

 

 




お疲れ様でした!

今回の《圏内事件》予定では後2,3話続ける予定です。
アニメ版ではカットされた、あの人とのお話も入れるつもりです。

それでは、評価・感想お待ちしております!

To be contained…

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