IF~転生先で、私は鬼子を拾いました。   作:ゆう☆彡

52 / 55
後……一話か二話か……。

長い間、たくさんの応援ありがとうございました!
今回はアンケートがあります!!
私の活動報告の方にございますので、お答えしてほしいです!!


気づいた気持ち。~軌跡

 

 

10年以上、この未来に向けて私は生きてきた。

 

例え嫌われたとしても、裏切り者だと軽蔑されたとしても。

 

 

私が最も愛した君たちが助かるなら、と。

悲しいとか嬉しいいう感情は、極力抑えてきたんです。

そうしなければ、君たちへの本当の気持ちの大きさに対して、軽蔑された時に耐えられない気がしたから。

 

 

 

でも、

 

 

『手助けは不要でしたか、葵?』

 

私を愛してくれた父は、私を信じてくれていた。

 

 

『葵姉ちゃんを知らないお前が、葵姉ちゃんを悪く言うな!!』

 

血の繋がった弟は、分かってくれていた。

 

 

全員が自分を取り囲み、自分が見せてきた背中を見せてくれた。

守られていると、実感した。

 

 

そして、

 

『葵のことを悪く言うのだけは許さねぇ。』

 

 

そう、あなたが叫んだ時。……私は気づいたんです。

 

 

 

『お姉ちゃんが大好きだから…………。。』

 

あなたに出会った時、

 

 

『葵姉がその刀を抜かなくてもいいように、 俺が強くなる!

 

だから心配すんな!!』

 

ちょっと前まで、私が守っていかなきゃと思っていた君に、もう守られていたんだと気づいた時、

 

 

 

 

そんなにも前から、私は君の姉として守りたかったのではない。

 

 

『鬼子拾い』と言われだしたあの日、

あなたと戦場で出会ったあの日から、

 

 

 

 

 

 

 

──“坂田銀時”という人物が、好きだったのだと。

 

前世でも、この世界に来てからも、感じることのなかったあの感情。

銀時に『葵』と呼ばれた時の、変な気持ち。

 

 

……本当にあの時、戦ってなくてよかった。

 

 

 

 

気づいた、気づくことの出来たたくさんの気持ち。

向けられたたくさんの感情。

大切な人の笑顔。

溢れんばかりの愛。

 

私が貰えなかった、欲しかったものが全部ここにあった。

 

 

私は幸せな世界で生きてた。

輝く素敵な世界を生きることが出来た。

 

 

自分の命を犠牲にしてでも、という存在にまた出会えた。

今度は守ることが出来た。

 

 

 

 

「……私、上手くやれたかなぁ。」

 

決して拾われることはないと思っていた、独り言。それは、

 

 

「頑張ったわよ、葵は。」

「!!」

 

優しくて、安心する声。すぐに感じた浮遊感。

 

 

目を開くと、辺りは色鮮やかな世界。……感じる懐かしさ。

 

 

 

「久しぶり、葵ちゃん?」

「。

 

小さい文字、止めたんだ……神様。」

「うん。僕も色々あったからね。」

 

 

来るのは三度目。真っ白な空間だったそこは、既に、その面影はなかった。

 

「葵ちゃんの軌跡だね。」

 

私が出会った人たちの色。支えられてきた跡。

 

 

 

そして、その空間に存在する……愛の色。

 

「晴香さん……?」

「久しぶりね、葵。」

 

 

私の母。松陽先生の愛した人。

私にたくさんのことを、たくさんの愛を教えてくれた人。

 

 

──ギュッ

 

「!!」

「頑張ったね。お疲れ様、葵。」

「晴……」

「あら、晴香じゃないでしょ?」

「!!

 

 

……母上っ、!!」

 

 

いつぶりだろう。

 

自分が強くならなくては、と思ってずっと我慢してきた。

本当は、みんなと一緒にいたかった。もっとたくさん笑っていたかった。

 

それでも我慢してきた。

 

泣いてしまったら、決意が緩んでしまう気がして。

あの暖かい空間に戻りたくなってしまう気がして。

 

 

「っ、……、っ、」

「……。」

 

母上は、黙って私を抱きしめてくれた。

私は止まらない涙を感じて、初めて自分が追い詰められていたことに気づいた。

 

 

 

 

 

「さてと。葵ちゃんも、落ち着いた?」

「……うん。

 

私は……死んだの?」

 

この空間に来た時点で、死んだのではないと思ったが、母上がいるなら話は別だった。

 

「ううん、ここは葵ちゃんの精神の中だからね。ここが存在するうちは、葵ちゃんは死んでないよ。

 

だけど……」

 

 

神様が指さした方向を見ると、そこには明らかに何かしらの境界線があった。

そこから先は“無”の世界。何も無かった。

 

「侵食されてるんだ。もうすぐこの世界は消えちゃう。」

「!?」

「あの侵食が、葵ちゃんの命のリミットだよ。」

「……そっか。」

「……意外と落ち着いてるんだね?」

 

命のタイムリミットが迫ってると言われても、あんまり同様はしなかった。

 

「まぁ、覚悟はしてたからね。」

 

 

逆に、あそこまで生きれた方が凄かった。

やるべき事はやりきった。やりたかった事は、全部やってきたんだ。

 

 

 

「葵……、本当にいいの?」

「!」

 

聞いてきたのは母上だった。

 

 

「気づいたんでしょ?自分の気持ちに。

もっとみんなと過ごしたいって、思ったんでしょ?」

「……。」

 

 

母上の言う通りだった。

みんなと一緒にいたいって、思ってしまった自分がいた。

もっといろんなものを見たいと、思ってしまった。

 

 

……もっと一緒にいたい、大好きな人の存在に気づいてしまった。

 

 

「葵。あなたは頑張ったんだから。

 

自分の好きな道を選んでいいのよ。」

「!」

 

「困った、手のかかる弟はたくさんいるかもしれないけど、

 

私と松陽さんから見れば、あなたはこれからもずっと、私たちの子どもなんだから。」

「……。」

 

 

 

「さぁ、葵ちゃん。どうする?

 

 

ここで僕らと一緒に行くも、元の世界に戻るも、君次第。

好きな方を選んで。……後悔しない方を!」

 

 

 

「私は……、」





《アンケート》

吉田葵の運命を決めるのは、あなたの意見!
この後、葵ちゃんをどうして欲しいですか??

生きて欲しい!とか死んでも、感動的な終わり方にしてほしい!!とか簡単な意見でも、
詳しくこんな感じ……と言っていただいても構いません!!

ぜひ、ご意見お願いします!!

※注意
本小説の感想欄に書いていただいても、規定により削除されてしまいますので、活動報告の方にお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。