ジュエリー REAL   作:ふたなり2

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ついにアクセイベントが開催された、展示等で大忙しのいろはに

留美や八幡達、順調にいってる所へオーナーがやって来た。








アクセイベント

 

 

 

イベント当日を迎え前日の夜は何かと支度をし、大忙し大変でした。

 

「ショーケースの搬入とかは前日に親会社の仲間がある程度やってくれたから助かったな、去年は全部やらされたから死んだぞ。」

 

「商品展示も大変ですよ、こんなにあるんだし品出しだけでも結構な時間かかりますね。」

 

「大丈夫だよ、八幡私がやるから任せておいて、あっ、一色さんは掃除と段ボールの片付けをお願いね!」

 

「ちょっと留美ちゃん?一緒にやらないの?あたしが品出しすると不味い事、あって?」

 

「だって~一色さんのセンスより私の方がいいと思うし~、ねっ、八幡そう思うでしょ?」

 

「兎に角だ、仲良く綺麗にな。分からない場合は俺に聞いてくる事、喧嘩はダメしないように!」

 

「誰のせいで喧嘩になってると思ってるのよ全く…」

 

「ホントよね、全然振り向きもしないんだから…」

 

隣に来た留美ちゃんと並んで深い溜め息ついた。

 

「さあ、元気出していこ、留美ちゃん!頑張ろう~!」

 

「そうね、一色さんやりましょうか!」

 

「ジュエリー屋さんも他社多様なんですね、色んな業者さんがいて面白い。あっ、

あそこの業者さんの所は時価2000千万円の金塊を触らせてくれるサービスだって…

後で行こうかな。」

 

「ははっ、初めて来ると目移りするからな。興味があるなら覗いて来いよ。」

 

「あっ、いや、別にあたしはここで店番に専念しますから大丈夫ですよ~先輩!」

 

「あら、じゃあ八幡?休憩の時一緒に見に行こうよ!」

 

「る~みちゃん?」

 

「俺は見慣れてるし二人で見てこいよ。」

 

「そうね、行こうか留美ちゃん。」

 

「仕方ないわね、行ってあげるわ一色さん。」

 

何で上から目線なのよ、ホントに。

 

先輩が可笑しそうに笑ってる…最近よく笑うようになったな先輩。

 

お昼近くになった時間にオーナーの陽乃さんが顔を出した、一応久しぶりの再会なんだけど

あんまりいい顔が出来ないや。

 

「お久しぶりだね~一色…いろはちゃん?だっけ、今日はうちの出店手伝ってくれて

ありがとね♪比企谷君からも聞いてるしうちのスクールにも通ってくれてるって。」

 

「あはっ、はい…お久しぶりです。オーナーいや、陽乃先輩。」

 

「こちらの可愛子ちゃんは…?比企谷君の妹さん…だっけ?」

 

「いえ、鶴見留美って言います。オーナー初めまして、いつも八幡がお世話になってます。」

 

「ん~苗字が違うのにうちの…ほ~ん

比企谷君?あたしと言ういい人がいるのに浮気~?」

 

うっすら口許に微笑みを浮かべながら八幡の耳をグイっと引っ張ってる。

 

「ちょっと何言ってんの留美?それとオーナー!耳は俺の1番敏感な所だからダメだって、

てか痛い、イタイ!」

 

「留美は俺のバイト時代の生徒で今日は手伝いをしに来てるだけですよ、それにオーナー

あんたにも立派な旦那さんと綾乃ちゃんがいるのに俺にチョッカイ掛けてると起こられますよ、全く。」

 

「駄目だよ~今は旦那も綾乃も居ないんだから比企谷君のイケず~!」

 

「へ~陽乃先輩旦那さんと子供さんがいたんですね~それにお店のオーナーだなんてあたし、尊敬します!」

 

「あら~いろはちゃんだっけ?嬉しい事言ってくれるわね~比企谷君なんか、何かと煩いから。」

 

「どっちが煩いんですか、よく言いますね。」

 

「ちょっと八幡、本当にこの人と浮気してないでしょうね?」

 

「あほか!手ぇ~だして見ろ、俺なんか抹殺されるぞ。」

 

「そんな事ないよ~比企谷君だったらいつでもOK待ってるわ~。」

 

「ははっ、遠慮しときます…」

 

 

「……ふ~ん、お姉さんまたまた面白そうな物見つけちゃったかな、ふふっ。」

 

 

一瞬「ゾクッ」と背中に冷たい物が走った気がした。

 

 

イベントは盛況で即売会にも大勢のお客さんが押し寄せました。今回、REAL一押しの

新作は…先輩力作の神話シリーズ、堕天使のペンダントにブレスなどのラインナップです。

リアルに造形された他店にない美しい作品で手にとって見た時の感触や高級感、所有者の

満足感を十分に味わえる物となっている。これが思いもよらず評判で一部の作品が

専門誌やファッション誌の取材を受け次号に掲載されるみたい。

 

「凄いよ八幡のアクセ、メチャ目立ってるし雑誌の取材も受けて評判いいみたい…売れるかも。」

 

「先輩が作ったんだから売れるに決まってよ、留美ちゃん。」

 

「悔しいけど、その意見には賛成だよ。」

 

「ウフフ、比企谷君のお陰で大盛況ね~そうだ…こんなシリーズ名はどう?『リアルゴッドシリーズ』って?」

 

「ちょっとオタクっぽいけどいいですね!」

 

「うん、いいと思う…ね、八幡!」

 

「まぁ…いいんじゃないですか。」

 

「もぉ~!ブランドチーフデザイナーなんだからもっと、ドヤ顔してくれなきゃあ、

あたしも鼻が高いんだから!」

 

「本当に綺麗なアクセ…でも、このアテナの顔って…オーナーに似てない?八幡」

 

「あぁ、知性、戦神だからな…それと美人だしモデルにさせてもらった。」

 

「あら~あらん♪嬉しいかも~嫌だな~ア・テ・ナなんて…フフっ、旦那に自慢しちゃおかな~

あたしの彼氏があたしをモデルにアクセ作ってくれたよって言ったら妬いてくれるかなぁ~、

ねっ比企谷くぅ~ん!」

 

うっ、そう言ってオーナーの陽乃先輩は八幡の二の腕に自分の腕を絡め出した。豊満な胸を

腕に押し付けて嬉しそうにしてる。

 

「ちょっとオーナー!先輩も嫌がってますしオーナーには旦那さんや子供さんがいるんですからダメです!」

 

「え~、何で一色ちゃんがダメ出しすんのよ~比企谷君だって嫌がってないよ~?」

 

「からかうのもいい加減にして下さいよ、オーナー。他の業者さんも見てますし。」

 

「だって~いいじゃん、比企谷君てばぁ~。」

 

「兎に角、ダメです!」

 

「ケチぃ~詰まんないの。」

 

隣で見てた留美ちゃんが顔をプルプルさせて真っ赤になってる。

 

「おや、留美ちゃんどうしたの大丈夫~?お姉さんがお兄さん取りそうで怒ってるのゴメンねぇ~

じゃ、次回からは留美ちゃんのいない所で比企谷君とイチャつく事にするからそんなに怒らないでね~♪」

 

「オーナー、先輩に絡み過ぎです!兎に角、精神衛生上よくないですから先輩に絡むの控えて下さいね。

先輩も気を付けて下さい!」

 

「あ~ん、比企谷君の彼女じゃない一色ちゃんに怒られちゃったよ比企谷君、何で

比企谷君に絡むと一色ちゃんや留美ちゃんが怒るのかな~不思議だね~比企谷君?」

 

「知りませよ、そんな事は。兎に角、ああ言ってますから今後はオーナー気を付けて下さいよ。

示しがつきませんから。」

 

「は~い、比企谷君が言うのなら陽乃…言う事聞く~。」

 

 

殴っていいですか?このオーナー殴っていいですか?

 

 

・・・・・・・

 

 

お昼を回って3時頃やっとオーナー…陽乃先輩は帰っていった。

 

 

「イベントよりオーナーがいる時の方が疲れかたが増すよ。」

 

「留美ちゃんに賛成~帰ってもらってホッとしたよ。」

 

「だから言ったんだ悪魔だって。」

 

「だけど違う意味で応援してくれてるみたいな感じが今回したかな、そう思わない留美ちゃん?」

 

「あのオバサンやるね…」

 

「それ本人いたらひどい目に遭うよ。」

 

「あはは、私達を苛めた仕返しよ。」

 

「ほんと、知らぬは本人ばかりかな…か」

 

 

オーナーが帰った後入れ替わるように結衣先輩がうちらのブースに顔を出してくれた。

 

「お邪魔するのが遅くなってゴメンね~ヒッキー、いろはちゃんに…留美ちゃん?ヤッハロー!」

 

「ヤッハローです、結衣先輩!相変わらずですね、その挨拶…」

 

「おう、由比ヶ浜よく来てくれたな。」

 

「こんにちは由比ヶ浜さん。」

 

「それにしても凄い人手だね~なかなか辿り着けなかったよ、っと…うわぁ~ヒッキーの

新しいアクセ凄いね~!」

 

「そうなんですよ、午前中に雑誌の取材受けてたんですよ、ねっ、先輩?」

 

「へぇ~ヒッキーやったね!綺麗…あっ、これ?」

 

「えっ?」

 

結衣先輩が声を出して、見詰めてる目線を追い掛けて新作をよく見てみた。

 

「このアクセ、ユキノンに似てないかな…」

 

「えっ?そう言われてよく見てみると、こっちのヘスティア様は結衣先輩に似てますよ。」

 

「先輩…?」

 

「ん?…まあ、その なんだモデルにさせてもらった・・・勝手に使ってその・・悪い。」

 

「え~いいなあ~二人ともアクセのモデルなんて。」

 

「えへへっ、嬉しいかも~ヒッキーありがとね!」

 

「まあ、付き合いが長いからな。」

 

「いいなぁ~あたしと留美ちゃんは次回ですか残念です!また期待しますね先輩!」

 

「あら、一色さん私モデルのアクセならもう既に八幡から作ってもらってお店のラインナップに

なってるの知ってるでしょ?」

 

「そういえば何時も留美ちゃんが着けてるフェアリーのプチペンダントって、まさかあれが…と思ってると。

 

留美ちゃんは白く細い首元に輝くフェアリーのトップを手に絡ませ自慢気に言った。

 

「私の誕生日に八幡がプレゼントしてくれたの、私の宝物よ。」

 

「………よかったね留美ちゃん。」

 

ジーっと先輩の方を見ていると

 

「何だよ一色。」

 

「いえ…別に…」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「何だよ…一色のモデルのは…ほれ、これだ…展示する時まで見せなかったしな。

気付いると思ったが…」

 

「えっ、このエンジェルあたしをモデルに?」

 

「どれ、うわ~可愛い~いいな~いろはちゃんのが一番可愛いよぉ~!」

 

「フンだ…八幡、あたしのはないの?」

 

「留美のは一番最初のに作ったぞ、それに既に製品化済みだ。」

 

「新しいのはないの?」

 

「また今度だ。」

 

「絶対よ、約束だよ八幡…。」

 

「あ~覚えてたらな。」

 

「直ぐにおねだりして作らせちゃうから!」

 

「ぐぐっ、まぁ~留美ちゃん?先輩も疲れてるから一息ついてもらわないとね。」

 

「何よ、自分は作ってもらったから『余裕~』みたいな雰囲気醸し出しちゃって。」

 

 

「みんな平等に作るから待ってろって。」

 

 

みんなには言わなかったけど、先輩が私にくれたコンビのプチクロスも今回

 

展示品の中に含まれてたのは黙ってよっと、ありがと先輩!

 

 

 







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