艦娘の咆哮 ~戦場に咲き誇る桜の風~   作:陣龍

30 / 55
夜勤前に投稿する日常の一コマ。感想で受けました助言を元に書き方を換えてみました。コレで良いですかね?


第二九話  深山艦隊のとある一日『午前中のお話』

「……ふぁ…………うーん…朝……」

 

 マルロクマルマル、つまりは午前六時の朝方。自身の正確な体内時計に基づき離床した黒髪の少女・・・駆逐艦娘『桜風』は、布団から起き上がって軽く背伸びした後、手早く寝具の片付けに移る。今『桜風』が泊まっている部屋は陽炎と不知火が入居している部屋である。硫黄島沖演習後にようやく『桜風』の入居部屋が決定したのだ。因みに最終段階まで陽炎と不知火の部屋と青葉たち第6戦隊の部屋とのどちらに入るかで縺れ込んでいた。

 

 

「おはようございます、『桜風』」

 

「あー、『桜風』ー。おはよー」

 

「二人ともおはよー」

 

 

 『桜風』が起きる少し前に既に起きていた陽炎型の長女と次女。艦娘を統括する海軍庁隷下の、主に軍事作戦等を担当している筈の軍司令部の策動により魔改造されたこの深山艦隊が使用する元公立学校の艦娘宿舎は、人類と艦娘の共存のテストケースやら情報収集やらと様々な名目を付けていた事も有り、元は極々普通の教室であった筈なのに今では各部屋には必ず洗面所やトイレ、居間風の空間に大型テレビやテーブルが据えられ、その他の設備も設置されている。ホテルと言うよりかは旅館の一室に近いかもしれない。

 

 

「今日は珍しく遅めに起きましたね」

 

「やっぱりつらかった?昨日の神通さんと那智さんの教練」

 

「あはは…………うん、正直に言えば。体力よりも、精神的に」

 

 

 そんな話をしながら、『桜風』は寝間着から普段着でもある制服に着替え始める。成長途上の青い果実とも言うべきかもしれない瑞々しい三人の肌の内、『桜風』だけには相変わらず無数の傷痕が刻まれている。何回も艦娘用の高速修復材に浸かったり、人間の医者に診察して貰ったりしたのだが、結局このままだった。

 

 

「…不知火」

 

「了解です、陽炎姉さん」

 

「う?…え、ちょ、ちょっと!?」

 

 『桜風』の返答を聞いた陽炎型の長女と次女、阿吽の呼吸にて不知火は『桜風』を確保し、陽炎は『桜風』の両足をまじまじと確認し始める。三人とも綺麗な美少女だから良い物の、役者が変われば確実に犯罪臭しかしない絵面である。

 

 

「…うん、確かに足は治ってるね」

 

「昨日、ちゃんと明日には治るって言ったよね…?」

 

「『桜風』の言葉は信用出来ませんので。特に無茶しかしない『桜風』自身の身体の事となれば」

 

「うぅー…」

 

 

 何故こんなことをしたのかと言えば、昨日駆逐艦娘『桜風』は『通常艦娘との船団護衛共同戦闘訓練』を行い、その際他艦娘と速度を併せる為に『機関の出力を強引に抑え込んで速度低下させ、僚艦と共に行軍する』と言う無茶を行い、その結果最終的に訓練こそ終えられたものの()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言う大事故を引き起こしていたのだ。船団護衛の為に艦隊陣形を乱す事無く僚艦と同じく10ノットを出す必要が有ったし、それに神通や那智から聞いた通常の艦娘や艦船が行うボイラーの圧力調整を『桜風』なりの解釈で行った結果の大事故だった。当然艦娘の身体にもそれは反映され、本人は平然としていたが鎮守府に帰ってきた『桜風』の両足には焼け焦げた跡が有った。当然、『桜風』は工廠にて説教を受けている。

 

 

「ああいう艦隊行動は一度もやった事無いから、私なりに頑張ったんだけど……」

 

「だからと言ってあんな『頑張り』をされたら困ります」

 

「次に何か思いついたことをやる時は、必ず誰か年長者と相談する事!じゃないと皆で囲んでお説教よ、良いわね?」

 

「ひぃん」

 

 

 そんな話を交わしながら、三隻の駆逐艦娘は着替えを終え、食堂へと向かう。この三隻、特に『桜風』は化粧などには手出ししないタイプで有る為、女性としては結構早く行動に移れるのだ。まあ普通にお洒落を楽しむときも有る陽炎やそれに引きずられる不知火とは違い、『桜風』はファッション等には『良く分からない』との事にて興味が全然無いが。

 

 

「おお、陽炎に不知火、『桜風』もか。足の状態は大丈夫か『桜風』?」

 

「陽炎、不知火、『桜風』、おはようございます。『桜風』は、足の方は大丈夫ですか・・・?」

 

「那智さん、神通さん!おはようございます!」

 

「おはようございます」

 

「あ、おはようございます。はい、もう足は何とも有りません。もうこの通りに・・・」

 

「いや今私達しかいないがこんな往来のど真ん中で見せなくても良い。大丈夫ならそれでいいんだ」

 

 

 マルナナマルマル。『桜風』達は丁度食堂に向かう廊下にて重巡洋艦娘の那智と軽巡洋艦娘の神通と遭遇。昨日の演習での『桜風』の奇行を目にした二人は『桜風』の怪我を心配するも、当の本人は至って元気な様子で有り、演習を監督する立場にあって『桜風』の奇行を予測できず、大事故を発生させたと気に病んでいた真面目な二人は安心した。だがそもそも擁護すれば、まさか『一番遅い前進1ギアでも18.4ktで固定だけど僚艦の10ktに常時合わせる』為に『機関部の設計や仕様を無視して力づくでボイラーの圧力を抑える』と言う暴挙に出るなどと、誰が予想出来るのだろうか。

 

 

「あー!『桜風』さん!もう足は大丈夫なの!?」

 

「『桜風』さん、それに皆さん。おはようございます、なのです」

 

Доброе утро(おはよう)、皆、それに『桜風』さん。足はもう大丈夫そうだね」

 

「ふぁぁ~…あ、み、皆さんお早う御座いましゅ?!…あぅー…」

 

 

 そうして食堂では、先の演習で僚艦となった第六駆逐隊とも遭遇し、挨拶を交わす。若干一名は気付くのが遅れた為にえらい事になったが、極めて些細な事である。その後も多数の艦娘が集まり、『桜風』の奇行に対して様々な言葉や反応を掛け、間宮食堂は何時も以上に騒がしく朝食の時が過ぎる。『桜風』がこの艦隊に加入して以降、結構な確率で何がしのイベントを起こす為、硫黄島沖大演習で魅せた冷厳な声色や表情は、割とアッサリ受け入れられていた。まあこの艦隊の場合、『桜風』とは全く違うミステリアスかつ『美しい怖さ』とも言える恐ろしい薙刀使いで姉弄りが大好きな竜田揚げが得意料理の軽巡洋艦娘が居るからかも知れないが。

 

 

 

 

「…うん、やっぱり誰も居ない。好きなだけ動けそう」

 

 マルハチマルマル、つまりは午前8時。演習後で有る為に休日が与えられた『桜風』は、今日は武道館へと足を運んでいった。因みに今では深山提督の手伝いとして書類整理などの仕事は行っていない。何故ならこの仕事に対しては真面目である『桜風』、書類整理等でも自身の処理能力を全力全開で発動させて極めて素早く処理出来るが為に『深山提督の仕事量が消滅して、提督が落ち着かなくなる』と言う顛末を齎してしまうからだった。仕事人間、ワーカーホリック症候群を罹患しているこの女性は、仕事が何も無いと自然と忙しなくなってしまうのだ。現在治療を進めているので、段階的に削って行って、最終的には数日間仕事なしでも大丈夫な様に全力で修正中であるが。

 

 

「…ノートに名前を記載して……、何でか近接武器持ってる木曽さんや天龍さんたちは兎も角、何で演舞場利用者ノートに那珂さんの名前が有るんだろ。あの人何か武術でもやってるのかな?」

 

 『桜風』視点では、軽巡洋艦娘の那珂が『あいどる』なる面妖な慰撫活動をしている事は知っていたが、こういう武技を磨く場所を頻回に利用するような艦娘ではないと記憶していたので、この事に多少の疑問を抱きはしたが『まああの人も武人なんだろう』と一人納得して、道着に着替えた後敷き詰められた畳へと昇る『桜風』だった。

実際の那珂の利用理由である『アイドル活動の為にここを踊りや歌の練習会場に利用している』と言う発想は全く浮かばなかった様だ。因みにここ深山艦隊の那珂は、出演した動画の多くがミリオン動画を達成し、とある大手芸能プロダクションの社長が入社してくれるように直々に交渉に来る程度には人気である。現在艦娘は『兵器』扱いなので、法律上の規制に加えて本人の意向と合わせてその社長の願いは叶っていないが。

 

 

 

 

「…よしっと。じゃあ…時間は一時間刻みでの合計3時間、使用武器は…素手にしよう。仮想敵は……適当で良いかな」

 

 ここで『桜風』の言った『適当』とは、軍隊用語的意味での『適当』である。つまり3時間ぶっ続けで対精鋭歩兵相手の仮想組手練習をするのである。人間どころか鍛え方が不十分な艦娘でも途中で根を上げかねないが、そうなっても『桜風』は『自身の限界を知ることが出来る』と考えているので、問題無かった。

 

 

「…ふぅーー……」

 

 

 一度深く息を吐き、軽く構えを取る『桜風』。自身の『記憶』に残る、駆逐艦『桜風』の乗員だった精鋭陸戦隊の動きを脳裏と肉体に呼び覚ましつつ、持ち込んできた時計の秒針が12時を刻んだ瞬間に、目の前の存在しない敵兵に対する『攻撃』を開始する。その動きは、空手や柔道の様なスポーツ化した『武芸』では無く、敵兵を最効率で殺せるように磨き上げられた『武術』……『軍隊格闘技』である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…うわぁー……すっごーい」

 

「『桜風』さんが動く度に、空気が唸りをあげてるわねぇ…」

 

「む、睦月たちは、今とんでもない物を見てるにゃしぃー…」

 

 ヒトマルマルマル。『桜風』の無手格闘演習を、御団子の様に頭を重ねて柱の陰より隠れながら覗く三人の少女。名前は下から順に睦月、如月、皐月の三名。この三隻の駆逐艦娘は遠征任務を終了後に、深山提督からサプライズにて間宮食堂のデザートを自由に選べる『間宮券』を貰い、歓喜した三隻は即座に給糧艦間宮からデザートを確保後『あそこの屋根からだとまた宿舎とは違う良い景色が見られるから』と皐月の提案で武道館に来たところ、偶然『桜風』の無手格闘演習を目撃したのだった。

 

 

「動きは小さく、そして鋭く……。なんか映画を見ているみたいだね、睦月姉」

 

「にゃしぃ…」

 

「映画よりも、もっと張り詰めた雰囲気とかが有るけどねぇ」

 

 

 小声で『桜風』の修練を見て、三者三様の感想を漏らす少女たち。アニメやゲーム等で有る様な派手だったり、大振りな動きは少ない。最小限の動きで、最大限の攻撃力を叩き出す。格闘には殆どと言って良い程知識の無い三隻の駆逐艦娘でも、『桜風』の動きが見様見真似だったりカッコつけたりしているような物で無い、本格的で並外れた物である事は、何となく『心』で理解できた。『本能』と言い換えても良いかもしれないが。

 

 

「…ふぅー…。…ねぇ、4人とも。私の格闘練習を見ていて、そんなに面白いかな?」

 

「にゃしぃぃぃーーー?!」

 

「あ、あはは・・・気付いていたの?」

 

「あらあら、まあ面白いというよりも、興味深いって感じかしらねぇ。…4人?」

 

 

 そうした中、動きを止めて一息吐いた『桜風』が唐突に睦月達の方向を向いて語り掛け、一応『桜風』からは分からない様に隠れていたつもりだった睦月達はそれぞれ驚きの反応を返す。『桜風』視点では、いくら陰に隠れていようとも輝く三者三様の髪や瞳が視界の端にチラチラ映り込んでいたのだから、気付いて当然と言う意識だったが。

 

 

「……一人出て行ったみたいね。まあ良いか」

 

「『桜風』さん、どうして格闘練習しているのか、理由聞いても良いかい?艦娘にこういった技術が求められる事って、あんまりないと思うんだけど…」

 

「皐月ちゃん。…まあ、そうだろうけどね。特に深い意味は無いよ。単純に今の自分の依代で何処まで動けるかなぁ、って思ってね」

 

「でも、その理由ならランニングでも良いんじゃない?」

 

「…まあ、ちょっと『艦娘の状態で何処まで戦えるか』と言う疑問が有ったのは事実だけど」

 

「どうしてそんな疑問が出てくるか、睦月には分からないにゃしぃ~…」

 

 

 普通、艦娘は自分の艦船を繰り出して深海棲艦と戦う事は有っても、艦艇を出していない艦娘の状態で『何か』と戦う事は先ず無い。艦娘は人間体型の状態でも、それなりに鍛えた一般的成人男性よりも身体能力は上回っている為、仮に人類から喧嘩を売られても容易に逃走可能だからだ。勿論何事にも例外は存在するし、そもそも『深海棲艦に対する唯一の特攻兵器』である艦娘に対して暴力的、精神的問わずに攻撃を仕掛ける様な団体はそれほど多くは無いし、第一艦娘が居る鎮守府に近付けさせない様に警察や公安がそう言った団体には常々注意を向けている。最近は特に横須賀鎮守府周辺の警邏に当たる警官や公安の仕事が激増しているようだが。

 

 

「ところで、三人はどうしてここに?」

 

「ボク達は、ここの武道館の屋根で間宮券でもらったおやつを食べようと思って来たんだ」

 

「今日は珍しく良いお天気で、涼しい風も吹いているからねぇ」

 

「うーん…そうだ、『桜風』さんも睦月達と一緒におやつ食べるにゃしい?」

 

「え?いや、そのおやつは三人の…」

 

「たくさんあるから大丈夫だよ!」

 

「それに『桜風』さん、大分運動した見たいだから、少し休憩を入れた方が良いんじゃないかしら?ほら、こんなに汗が滴り落ちて……」

 

「にゃにゃにゃ?如月ちゃんが『桜風』さんの髪を触る姿、これが秋雲さんの言う『ナマメカシイ』と言う物なのかにゃ?」

 

 

 睦月が陽炎型か夕雲型か良く分かっていない某駆逐艦娘から吹き込まれた言葉が純粋な睦月の口から飛び出すも、他の三人は敢えてこの睦月の発言は聞かなかった事にし、畳張りの道場から二階、そして屋根へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…よ、よし。やってる事には気付かれずに脱出出来た……」

 

 『桜風』が言った『4人』の最後の一人である駆逐艦娘の秋雲。彼女は睦月型三姉妹が顔を覗かせる少し前に偶然『桜風』の無手格闘演習を発見し、下駄箱の上に隠れて腹ばいになりつつ『桜風』をスケッチしていたのだ。勿論、許可など取ってはいない。

 

 

「『桜風』さん見たいなタイプは、今まで鎮守府には居なかったからねー。創作意欲が捗る捗る」

 

 基本的に艦娘は、所属する鎮守府や泊地、そして艦娘として成長した経歴がそれぞれ違っていても同様の趣味を持っている事が多い。この秋雲の場合、過去の艦船時代の逸話からか絵を描く事が趣味である事が多い。…ただ、描くのが普通の人物画や風景画である様な大人しい性質の秋雲は少なく、大半は同人誌を制作している、所謂オタク系統の艦娘である事が多い。深山艦隊のこの秋雲も、後者に属する少女だった。

 

 

「さてさて、どんなの描きましょうかねー…。くっころ系は何か違う気がするし、純愛が王道?世間知らず、しかし才色兼備で心根も真っ直ぐ……うんうん、次に入稿する奴の内容は決まり!題名は…」

 

 

 その後者の部類の秋雲にも、またそれぞれ細分化できる程に多種多様なタイプがいる。一人で全てを書き上げるタイプ、その道に引き摺り込んだ同僚と共に同人誌制作をするタイプ、他鎮守府の秋雲と連携を取って作り上げるタイプ…。ジャンルにしても、現代、近代、中世、未来、ファンタジー、SF、王道、詭道、ほのぼの、シリアス、R18系、非R18系…兎に角ありとあらゆるタイプの同人誌を生み出す秋雲が、この世界には存在する。この秋雲はある意味一番悪質な『身近にいる艦娘を題材にするタイプ』だった。

 

 

「よぉし!そうとなれば早速…」

 

「どこに行くつもりかしら、秋雲」

 

「ちょお?!や、やややや矢矧さん!?ど、どどど、どうしてここに…?」

 

 脳内で次に出稿する同人誌の題材を纏めた秋雲が嬉々として一歩を踏み出した瞬間に、阿賀野型軽巡洋艦の三番艦で、鎮守府では艦娘の綱紀粛正に対処する事が多い、つまりは委員長的な事をやっている矢矧が出現する。周囲に誰も居ないと思い込んでいた秋雲の後方からいきなり声を掛けられれば、誰だって動揺するであろう。

 

 

「ランニングしていたら、明らかにコソコソした動きの貴女を見かけたのよ」

 

「そ、そそ、そうですか。いやその、ちょっと秋雲さんは自室に戻ろうとしただけで…」

 

「うふふ……今『入稿』とか『くっころ』とか言っていなかったかしら?秋雲さん?」

 

「ふひゃう?!ゆ、ゆゆ夕雲姉さんまで!?何時此処に!?」

 

 

 間髪入れずに、秋雲の視線が矢矧に向かっている隙にまたもや背後から秋雲に声を掛ける夕雲型駆逐艦の一番艦、夕雲。こう言った表現をすると、矢矧や夕雲にはステルススニーキング技能が有ると勘違いされそうだが、実際には秋雲には一度同人誌の事を考えるとそっちに集中しすぎるあまり、極端に知覚能力が激減する為、普通に近付いても秋雲が気付かないだけである。

 

 

「うっふふ……ねえ、秋雲さん?」

 

「はっ……はひ……」

 

 笑顔で秋雲に歩み寄る夕雲に対して、妙な重圧を一身に浴びていて金縛りに有ったかの如く身動きが取れない秋雲。良く見ると僅かながらに全身が震えている秋雲を他所に、夕雲は悠然と秋雲の肩に手を置き、こう声を掛けた。

 

 

 

「ちょっとお姉さんと…()()()()()()()…………しましょう?」

 

 

 

 

 

 

 

――秋雲は気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 後日、死んだ魚の眼をした秋雲が多数の薄っぺらい本を自ら焚火の中に投入し、その姿を少数の艦娘が監視している光景が目撃されるも、『桜風』には一切関係の無い話で有る為、あまり深くは触れないでおこう。なお、秋雲は未だに同人誌活動を辞めては無い。作風は今までの『P-18かつシリアス系』から『非R-18かつほのぼの系』へと様変わりしていたが。




因みにこの日以降、何故か同人誌業界で多数のネット販売実績を誇っていたとあるサークルとの音信が途絶したようですが、その件に関して深山艦隊の秋雲は一切関知しておりません(大本営発表風)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。