このスバラシイ神機使いに祝福を!   作:トメィト

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今回は短いし、話が進んでいません。

え?理由?F/GOのコラボで力尽きました……。


あの強敵と遭遇を?

 

 

 

 レベルが12になった。めぐみんやダクネスからは異例の速さだと驚かれたが相手しているモンスターを言うと納得したらしい。レベルって結構すごいんだな。デュラハンのベルディアと戦った時に比べて7レべ上がったけど、体がとても軽いし、ちょっとの力でもかなりのパフォーマンスが可能になった。レベルが一気に上がりすぎた所為で、上がった身体能力に少しだけ振り回されたこともあった。

 そして、上がった身体能力も完全に掌握し、ついにこのときが来た。魔王軍の幹部、ベルディアと一戦交える時が来たのだ。なんだかんだでベルディアが去ってから一月経って、向こうも待ちくたびれている頃だしな。

 

 

 「というわけで、今からちょっと行ってくる」

 

 

 「いやいやいやいやいや!ちょっと待て!そんなちょっとコンビニ行ってくる的な流れで魔王の幹部に勝負挑みに行くなよ!」

 

 

 一応パーティーを組んでいるカズマに報告をしてからさぁ出発だといったところで、報告をした相手であるカズマに肩を掴まれてその場に留められた。なんぞ。

 

 

 「なんぞじゃねーよ!お前、ちょっとは段階ってモンを踏め!始まりの町から一歩も出てないのにいきなり魔王軍の幹部に挑むやつが何処に居るってんだよ!?どうした?このパーティーの中で、俺たちは同じ立場だったじゃないか!一癖も二癖もあるパーティーメンバーの愚痴を言い合った仲じゃないか!なのに、ここ最近お前は変人(むこう)側よりなんだよ!?」

 

 

 「お前だって人の事いえないだろ。公衆の面前でパンツ盗む奴と露骨に仲間だと見せ付けさせられたり、よくわかんないロト擬き俺に押し付けたりしやがって!」

 

 

 「それ言われると結構キツイ!」

 

 

 なにやら色々好き勝手言っているのでこちらも負けじと言い返す。すると思いのほかクリーンヒットしたようでカズマが若干たじろいだ。

 

 

 「そもそも、何で今日に限ってそんなにやる気なんだお前?」

 

 

 「ほら、あのベルディアというデュラハンさ。俺たちがびっくりするくらいいい人そう………というかまともな性格してただろ?」

 

 

 「確かに」

 

 

 あの町に来た理由は至極最もな理由だし、今回は忠告だけと言って、直接的な攻撃は殆どせず、あっさりと引き下がったからな。ベルディアが攻撃したのも元々俺が仕掛けたからだし。

 そのことを言うと、カズマも同じ気持ちなのかうんうんと頷く。

 

 

 「そのことから改めて考えるとさ……意外と俺のこと待っているんじゃないかという疑念が浮かび上がったんだよ。元騎士とか言ってたしさ」

 

 

 「言ってたな………約束というか自分の発言は違えなさそうだ……」

 

 

 「だからさ、きっと待ってるんだよ。めぐみんが爆破して半壊になった廃城で……」

 

 

 「…………」

 

 

 「…………」

 

 

 「……勝算は?」

 

 

 「十分だ」

 

 

 「よし、行って来い!」

 

 

 「じゃあ、行って来る!」

 

 

 俺の言いたいことが分かってくれたのか、カズマは最低限の問いかけだけして快く俺のことを見送ってくれた。

 まってろよ、ベルディア(いい人)!十分勝算があるレベルにまで達したから、今からお前に挑みに行くぞぉ!

 

 

 

 

 

 

            ―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 これで、仁慈がデュラハンを倒してくれたら万々歳だな。弱いモンスターもまた出現するようになって仕事の幅も増えるだろうし。もちろん、それだけが理由で仁慈を送り出したわけじゃない。流石に誰か別のやつがあのデュラハンに1人で挑みに行くとなったら止めに入るが、挑みに行ったのは何を隠そう仁慈である。

 常識で測りきれない奴に常識を迫ったところでまったくの無駄骨だし、レベル5だったあいつが今ではレベル12まで急成長したらしいじゃないか。ならもういけるんじゃないかな。

 

 

 「カズマ、仁慈知りませんか?私が起きたとき既にベットに居なかったので探しているのですが……」

 

 

 と、仁慈と入れ替わる形でギルドにやってきためぐみんが言う。

 

 

 「仁慈ならこの前お前らが怒らせたデュラハン倒しに行ったよ」

 

 

 「はぁ!?カズマはそのことが分かってみすみす仁慈をデュラハンの元に向かわせたのですか!?」

 

 

 常識的に考えてありえないのですよ!と豪語するめぐみん。そんな彼女に俺はやさしく肩を叩いて諭すように口を開く。

 

 

 「いいか。あいつに対して常識なんて何の役にも立たないんだ。今まであいつがやってきたことを思い出してみろ」

 

 

 そうして俺自身思い返すことが出来るのは、カエルの両断、魔王幹部との戦い、チート勇者を速攻で地面に沈めた姿……それらの姿はレベル差から来る圧倒的不利をまったく感じさせない。はっきり言おう。あいつが敵に追い詰められ、地面に膝をつけている姿がまったく想像できない。

 めぐみんは俺たちが町でバイトをしている間、仁慈といくつか仕事を請け負ったという。その中には当然討伐系も含まれていた。つまり、仁慈の理不尽さをこの中で誰よりも見てきたのはめぐみんなのである。

 

 

 「……今日は帰りが若干遅くなりそうですね。廃城まで結構距離ありそうでしたし」

 

 

 「まぁ、そうなるな」

 

 

 もう主人公はあいつでいいよ。

 初めは物語の主人公のような扱いを受けたいとも考えていたけど、よくよく考えると戦いなんて痛いだけだし、苦労は進んでするものじゃないし、何より本物はあそこまでぶっ飛ばなきゃいけないって言うのが自覚できたし。

 一年もすれば魔王倒せるんじゃないか?

 

 

 めぐみんといつ頃仁慈が帰ってくるかを話し合っているとダクネスも来たり、アクアが騒いだり、チート持ち勇者が来たり、アクアが女神だと認めてもらえなかったりと色々な事が何時ものごとくあったが、それらの出来事を全て吹っ飛ばす放送がキャベツの時と同様に入った。

 

 

 『緊急、緊急!全冒険者の皆さんは直ちに武装し、町の正門に集まってください!特にサトウカズマさんのパーティーに在籍しているカシハラジンジさんは大至急でお願いします』

 

 

 「この町、駆け出し冒険者が集まる割には色々忙しいのな」

 

 

 三度目となればもうなれたもので、さっさと正門に到着した俺たちはこの前とまったく同じ場所に現れているデュラハンを見つけた。

 

 

 「またアイツか…………」

 

 

 「貴様らぁ………どうして忠告したにも関わらず、毎日毎日爆裂魔法をぶつけて来るんだ!!後、あの狂戦士は何で俺の城に来ないんだぁあああああ!!!」

 

 

 

 「…………」

 

 

 本当に律儀に待っていたのかこのデュラハン。

 声の大きさが、どれほどそのことに対して頭にキているかが示しているようにも感じられる。

 というか、

 

 

 「爆裂魔法?もう仁慈は付き添っていないって行っていたはずだけど……」

 

 

 「あぁ?アレから毎日変わらず撃ち込まれているわ!!おかげで、半壊していた天井は全て破壊され、もはや建物として機能していない状態だ!!」

 

 

 「めぐみん」

 

 

 「すみません。もう廃城に準ずる強度と大きさのものでないと私の欲求は満たされなくなりました」

 

 

 「お前、後で説教な。仁慈から」

 

 

 「―――――――っ!?」

 

 

 この世の全てに絶望したという表情で地面に両手をつけるめぐみんを一瞥し、彼女を連れて帰るための役目は誰が補ったのかということに思考ソースを使う。ダクネスを見てみるが首を捻るだけで知らない様子であった。ならばとアクアを見ると、露骨に視線を逸らし、音もならない口笛を吹いた。

 

 

 「お前が犯人か……」

 

 

 「だ、だってあのデュラハンの所為で碌なクエストがないから……」

 

 

 だからって腹いせにしろぶっ放すなよ……。

 

 

 

 「えぇい、もはや頭のおかしい爆裂娘のことなどどうでもよい!それよりも、この前俺と剣を交えた狂戦士、カシハラジンジは何処へ行ったのだ!?」

 

 

 「今朝、廃城に向かって不在だけど」

 

 

 「は?」

 

 

 「だから、入れ違い」

 

 

 

 「はぁあああああああああああああああ!!??」

 

 

 

 

 俺の言葉を飲み込んだ魔王の幹部様はそれはそれは大きな叫び声をあげたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ―――――――――同時刻

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『天井もない場所であの狂戦士を待つことに限界を感じたので、自分から行って来ます。配下の者共、昼食は各自で用意せよ』

 

 

 

 「………はぁあああああああああああ!!??」

 

 

 無数のアンデットたちの屍を築き上げて、天井がない廃城のいかにもボスの間というところにようやく到着した仁慈は、なんとベルディアと同じタイミングで叫んでいた。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近これ短編ではないのでは?と言われ、もうベルディア倒したら終わりでいいんじゃないかと思い始めた……。

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