俺のボーダーとしての青春はまちがっている。【俺ガイル編】   作:ばけねこ

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【第一章 動き始めた歯車】

「門(ゲート)発生、門(ゲート)発生、座標修正誤差0.38」

本日のオペレーターの留美が告げる

 

「了解」

 

「アイーサー」

 

「はーだりー」

 

俺達は今ゴーストタウンのような街並みの中にいる。ここは一般人の立ち入り禁止区域だ

学生である俺達はなぜか二人が銃を持ち残った一人は剣を装備している

 

そうここC県三門市には一般人が立ち入る事の出来ない区域があり、俺達はボーダーと呼ばれる組織で日々異世界からの侵略者と戦っていた

その立ち入り禁止区域の中心には高く巨大な建造物が建っている。その建物こそが境界防衛機関ボーダー本部である

 

「まったく。ごみぃちゃんっは・・・」

 

「八幡まじめにやって」

 

「・・・よし半分は八幡のノルマな」

 

「おい、ちょっとまて・・・」

 

「くるぞ」

 

二郎により俺のセリフは遮られたわざとやってるな

 

俺の目の前では門(ゲート)と呼ばれる黒い穴が出現し見た目ロボットのような姿の異物が複数姿を見せている

留美からの情報ではモールモッド10体にバムスターが5体らしい

 

モールモッドとは10本足に鎌を持った接近戦闘用のトリオン兵でバムスターは人の捕獲機能を持つ大型のトリオン兵だ

さっそく俺と二郎は姿を見せたトリオン兵にイーグレットで攻撃を仕掛け始めた。なにも相手の準備が整うのを待つ必要なんてないからな

 

「小町残りモールモッド10だ」

 

4年前の侵攻時にも数百人の人間が捕えられ異世界へ連れ去られた事がある

俺の隊では率先してバムスターを倒す事にしている

 

「ほい、小町の出番だね」

 

俺の妹の小町のメイン武器は弧月と言う剣型トリガーであるため接近しなければ攻撃が出来ない

俺の視界の中にグラスホッパーで飛び回りながらモールモッドを切り裂いていく小町が映る

 

俺?勿論戦ってますよ。サブのスコーピオンを使ってね

 

門発生から2分もかからずに全てのトリオン兵を倒した俺達はその場でくつろぎながら再度会話を続けた

 

「なあ、なんで俺だけノルマが厳しいんだよ」

 

虐め?八幡泣いちゃうよ

 

「討伐数ボーナスを譲ってやった俺の優しさがわからんの?」

 

「わーい、おにいちゃんに何奢ってもらおうかな」

 

「八幡、私41のアイスクリームでいいよ」

 

「お前等のは決して優しさじゃない・・・」

 

こうして俺達は防衛任務を終え引き継ぎと報告をすました後に割り与えられた隊の部屋でくつろいでいる

なんとA級部隊や功績のある部隊は専用の作戦室を貰えるのだ

 

俺の隊[比企谷隊]は現在A級10位なのである。まあ簡単に言うとA級の最下位なんだけどね

 

メンバーは俺こと比企谷八幡、親友の佐久間二郎、妹である比企谷小町、小学生の鶴見留美の4人で構成されている

あのとき俺がグーを出していなければ佐久間隊となっていたはずだったんだが・・・

 

4年前の近界民(ネイバー)の侵攻で俺と佐久間が両親を亡くし施設送りになるところを自らボーダーになることで自立生活を獲得した

 

ボーダー入隊時に同じような境遇である二郎と意気投合しB級昇格とともに隊を組むこととなったのも当然ではないだろうか

若干コミュニケーションに難のある俺としては大変助かった事は言うまでもない

 

俺に遅れる事1年で小町もボーダーに入隊し、その一年後に二郎に連れられた留美が入隊した

 

当初は二郎と2人だけだった為他の隊と合同で任務にあたり古株のボーダー達とはそれなりに顔なじみとなっている

 

しかしながらボーダー内では目の腐ったグールと性悪デビルのコンビとして有名になったのは大変遺憾である

 

「次は留美が出るからね」

 

「ああ、次オペレーターは俺がやってやるよ」

 

二郎の答えに満足したのか留美はトリガーを装着し自分用にカスタマイズされたイーグレットをいじっている

隊のランクがA級に上がったので工房へカスタマイズなどを依頼できるようになったおかげだ

 

留美は当初は年が若いこともありオペレータとして扱っていたが小学生ながらB級にあがり時々防衛任務も行うようになっている

正直スナイパーの才能があり遠距離射撃などの精度は俺や二郎を凌ぐぐらいだ

 

「ごみぃちゃんも偶にはオペレーターやってよ」

 

いやいや正直俺はオペレーターには向いていないから、だってしゃべらないといけないから

「いや、だって俺はアレがアレだから」

 

言い訳にならない言い訳を言いながらも俺は現在の生活に満足している。今ではここが俺の居場所だからだ

 

俺は高校に進学はしたが出来るだけ目立たなく過ごしている毎日だ

親のいない俺が学校で何か問題を起こしなどしたら何を言われるかわからんからだ

 

そうそう高校と言えば入学式当日に犬を助けて交通事故を起こし入院した再には二郎と小町には大変お世話になった

だからこそ俺はこいつらには頭があがらない挨拶の時に毎回土下座してもいいとまで思っている

 

現状に満足している俺はこんな平和な生活が永遠に続くと思っていたさあの時までは・・・

 

 

[高校生活を振り返って] 2年F組 比企谷八幡

 

高校生活とは無事に卒業し学歴をとる為の手段である。けっして一部のリア充のように青春を謳歌する為のものでは断じてない。

 

リア充は自分の失敗を青春の名の元に正当化し決して反省などしない

 

テストで赤点を取ろうが根拠のない噂を流し他人を貶めようが青春の1頁の思い出として人の迷惑をまったく考えていない

 

そんな奴等にぜひ一言言いたい、そんな自分勝手な青春の思い出作りに俺を巻き込むな

 

俺はここでそんな青春を送りたいとは思わないのだから、静かに問題なく過ごしたいだけだ

 

時は金なり妹を養っている俺にとっては青春などにうつつをぬかしている暇などないのである

 

なにが悲しくて放課後の貴重な時間を無駄に浪費せねばならないのか学生であるのならば勉強や運動などいくらでもやることはあるだろう

 

結論を言おう親のスネカジリ共よそれでも俺の貴重な時間を浪費したいのであれば砕け散れ

 

 

「・・・なあ、比企谷 私が出した課題はなんだ」

 

「[高校生活を振り返って]って最初に書いてありますよね」

 

「そうだな・・・高校生活を振り返ってだ・・・だがな、なぜそれが犯行予告になってるんだ」

 

国語教師の平塚静は俺を睨みながら言い放つ。なんか怖い

 

「犯行予告などどこにも書いてないじゃないですか。どこを指して言ってるんですか」

 

「まあいい、これは書き直しだ」

 

咥えタバコを灰皿に押し付け女教師は俺を更に睨みつける。やっぱ怖い

 

「先生、どこが悪いか指摘してもらわないと書き直しも何もできませんが

 これは国語の授業で出た課題ですよね。どこの文法に誤りがあるのか誤字脱字がどこなのか指摘して下さい」

 

「屁理屈はいい小僧」

 

なんなんだ人の話を理解できないのかこのアラサーは!だから結婚できないんだろう

そう思っているとアラサーの拳が俺の顔面直前で止まる

 

「次は当てるぞ」

 

ボーダーで訓練している俺にとってはこの程度の拳はなんでもないさ。だって当てるつもりがないのは見てわかったからね

ホントダヨハチマンウソツカナイ

 

「いったいなんのつもりですか?そんな態度なら出るとこに出ますよ」

 

そうそうボーダー本部を通して苦情を言えばこんな教師の一人や二人簡単に飛ばせるだろう

例え教育員会がごまかしても侵略から市民を守っているボーダーに害をなすものは世論が黙っていない

 

「ま、まて、比企谷お前にとって高校生活はそんなに苦痛なのか」

 

「どちらかと言えば苦痛ですね。できるだけ平穏に過ごし早く卒業したいです」

 

そう出来ればボーダー本部で一年中暮らしてもいいまである

 

「そ、そうか。ところで、お前友達はいるのか」

 

「一人いますね。親友と言ってもいい奴が」

 

「なんだと、それは誰だ。現実にだぞ」

 

「いったい何が言いたいんですか、この国語の課題と何が関係あるのか理解できませんが」

 

「ふふふ、やはり言えないか。そうだろうそうだろう」

 

はぁ?なにを言ってるんだこいつは、まったく理解できないんだが・・・

 

「そうそう、お前は部活もやっていないよな」

 

「ええ、やっていませんよ。放課後の貴重な時間を部活などで潰すつもりはありませんから」

 

俺達の隊は全員が学生である出来るだけ防衛任務を土日か平日の放課後にしている為部活などしている暇などないんだ

 

まあ俺の隊にだけ本部に居れば待機手当がでることも理由の一つなんだが・・・

 

特に留美などは小学生である為深夜に防衛任務を入れることも避けているぐらいだ

一度黙って防衛任務を入れた時に仲間外れにしたと泣かれたことがあったので仕方ないだろう

 

「そうか、ならば付いてきたまえ」

 

思考の海を漂っているとアラサー教師はいきなり生徒指導室を出て行ってしまった

俺これからボーダー本部に行かなくてはいけなんだが・・・

 

「早く来い」

 

戸惑っている俺は襟首を掴まれ強制連行されたのだが特別煉と呼ばれる旧校舎の部屋の前で解放された

 

「雪ノ下入るぞ」

 

教室のドアを無造作に開けるアラサー教師が部屋にいるであろう奴へ声をかけた・・・雪ノ下って誰?

 

「先生ノックをして下さいと何度もいってますよね」

 

「君はいつも返事をしないではないか」

 

「返事をする前に入ってくるからです」

 

教室の中にいた女生徒と意味のない言い争いをしているアラサー教師、俺早く帰りたんだけど・・・

 

「君への依頼だ」

 

「その後ろにいるヌボーとしている男が依頼人なのですか」

 

ヌボーってなんだよと教室の中を見ると、そこには椅子に座っている艶やかな美少女がいた

 

まあ普通の男子高校生ならばその容姿に見惚れていたのだろうが、なぜか美女と美少女の多いボーダーで鍛えられた俺には通用しない

ほんとボーダーの採用枠に容姿の点数でもあるのではないかと疑っているぐらいだ

 

「ああこいつを新入部員としてこの部へ入れる。さあ比企谷挨拶しろ」

 

「はあ新入部員って何の話ですか俺は部活なんかやるつもりは全くないですよ」

 

何言ってるんだこのアラサー人の話を聞かないばかりか勝手に部活に入れって教師としてより人としてどうなんだ

 

「あんなふざけた課題を出した罰だ異論は一切認めん」

 

「ふざけてるのはどっちですか。課題への問題点も指摘しないでいきなり罰とか意味わかりませんよ」

 

「異論は認めんと言ったはずだ。君はこのまま社会に出たら問題がある、それをここで矯正してもらう」

 

「お断りします」

 

いきなり女生徒が口を挟んできたので俺も相乗りすることに

 

「何をふざけた事を言ってるんですか。俺はこの後用事があるんで失礼します」

 

そう言って俺はその部屋をさっさ出た後ろから何か叫ばれているが本部待機をしなければいけなんだよ俺は

あんなふざけた論理で邪魔されてたまるかと駆け足で本部へ向かったんだが俺は悪くない

 

 

余計な事で時間に遅れてようやく作戦室につくと妹の小町が既にスタンバっていた

 

「今日おにいちゃん遅かったね」

 

「ああ、なんか教師にいちゃもんつけられたんだ」

 

「また、ごみいちゃん捻くれた事したんでしょ」

 

「八幡が悪い」

 

おいおい小町に留美理由も聞かずに俺を責めるな傷つくだろう

 

「で、何があったんだ。詳しく言えよ力になるぞ」

 

さすが二郎は頼りになるな。俺は起こった事を説明した国語の課題の内容にいちゃもんを付けられた事と強制的に部活へ入部させられようとした事を

 

「それでおにいちゃんボーダー任務があるって説明したの」

 

「いや、俺アレがアレだから・・・」

 

「これだからおにいちゃんは」

 

「まあ総武でボーダーなのは八幡しかいないからなボーダーと提携もしてないし」

 

「そうだよな二郎ボーダーだって言っても何もしてくれないだろうし目立つだけ損だろだから俺は悪くない」

 

俺がふんぞり返っているとあきれた二郎がため息とともに

 

「だがこれは鬼怒田さんに相談しておいた方がいいな。話を聞くかぎりその教師かなり問題あるぞ」

 

鬼怒田さんとはボーダーの本部開発室長である一応俺達の上司となっているのだ。通称狸と呼ばれているのは内緒だからな

各種トリガーの改良や運用テストを俺の隊が時々手伝っている関係でこうなってしまった

 

早速、鬼怒田さんには総武で起こった部活動へ強制勧誘や防衛任務への影響などをまとめメールをしたところ

本部である程度の対処をしてくれるとの返事を貰ったので一安心だ

 

 

しかし二郎の懸念通り翌日放課後また呼び出されましたよしっかりと

 

最初は俺への謝罪かと思い行ってみるとなぜか昨日の女生徒までいましたよっと

 

「さて比企谷、昨日帰った言い訳を聞こうか」

 

はあ?ボーダー本部から連絡いってないのか?

 

「俺はボーダーですので防衛任務があるんですよ。本部から連絡は行ってるはずですが」

 

「確かに職員会議で、うちにボーダー隊員が一人いるからとの話はあったが・・・

 そんな腐った目のお前がボーダー隊員なわけないだろう。どこで盗み聞きしたかしらんが嘘を付くな」

 

「そうね嘘をつくならもっと真実味のある嘘をつくべきだわ。例えばゾンビとか?」

 

おいおい人の話を聞く気がないのか、ってか一緒にいた女生徒まで初対面の俺に何言ってくるんだよ

けっして俺の目が腐ってるから人間扱いされていないんじゃないよね?

 

「今日もこれから防衛任務が入ってるんです邪魔しないでください」

 

「だから嘘を付くなと言っている。架空の友達がいるとか自分がボーダー隊員だとか現実逃避もいいかげんにしろ

 どうだ雪ノ下、こいつはかなり問題があるだろう」

 

「そうですね虚言癖といい腐った目といい社会的問題ですね。しかも自覚がないところが致命的です」

 

なんで俺はここまでいわれないといけないんだ?俺の目のせい?

 

このままでは話が進まないと思ったので責任者この学校だと教頭先生に任せる事にしたのは当然であろう

だって人の話を聞かない奴には権力で対抗するしかないから

 

しかしながら生徒指導室を出て職員室へ入ったところでアラサーに肩を掴まれたのだ。この人体罰系なのか?

 

「まて比企谷どこへ行くつもりだ」

 

「はあ、本部からの連絡を確認するんですよ」

 

俺は肩を掴まれたまま教頭先生を呼ぶ

 

「私に用があるのは君かね」

 

「はい、本部から連絡があったと思いますがボーダー隊員の比企谷八幡です」

 

「おお君が比企谷君かね連絡は受けているよ」

 

「これから防衛任務なのですが、この先生が帰してくれないのです」

 

「そうかわかった、ここは私に任せたまえ」

 

「はい失礼します」

 

俺はやっとボーダー本部へ向かう事に成功したのだ。やっぱ権力最高

 

「さて平塚先生詳しく話を聞きましょうか」

 

「いや、この生徒がボーダーだと嘘をついていたので・・・」

 

との会話が聞こえてきたが俺関係ないよね。さっさと帰ったよ・・・

 

 

「門(ゲート)発生、門(ゲート)発生、座標修正誤差1.23だ。聞こえてるか目の腐ったボーダーさん」

 

「二郎俺の目は濁ってるだけだ腐ってない」

 

「目が腐ってるのは今さらだよおにいちゃん」

 

「八幡往生際悪い」

 

くそー学校であった話をしたもんだから誰も俺に優しくない

 

「この前より修正誤差が大きくなってるな誘導装置かなんかが故障でもしたのか」

 

「門(ゲート)もバラけてるな一応鬼怒田さんに言っておいた方がいいだろう」

 

「たまたまかもしれないが報告は上げておくか」

 

こういったちょっとした変化も報告しておくのもボーダーの仕事だネイバー側も技術革新があるだろうから過去の事例もあてにならない

 

そうそうメディア対策室長の根付さんが今回の俺の問題で総武高のボーダー検査実施を勝ち取ったと言ってたな

 

あのアラサー教師の態度が問題となり総武高としては正式にボーダーと提供を結ぶそうだ

その一環として全生徒のボーダー検査を実施し才能のある生徒をボーダーに入れ実績を作りたいとのことである

 

本来ボーダー検査は自己申請で行われる物だがなかなか才能のある者は見つかっていないのが現状で

現行隊員の数も少なく大抵が学生である事も問題があるのだが・・・

 

根付さんは今回の検査で才能のある者がいた場合積極的に口説き落とすとも宣言していた

 

 

翌日のHRでボーダー検査の通達がなされた休み時間教室はおろか全校がボーダーの話題一色であった

流石ボーダー本部仕事が早い

 

「総武高にボーダー隊員がいるみたいだけど、それって隼人君の事じゃねえの?」

 

「それな」

 

「あるある」

 

「え~隼人ボーダー隊員だったの」

 

俺のクラス2年F組のトップカーストである葉山グループのメンバ達が大声で喚き散らしている

男子グループは葉山をトップに戸部、大和、大岡の4人で女子グループは三浦をトップとした由比ヶ浜、海老名の3人だ

 

他のクラスメート達も興味があるのか聞き耳をたてているが俺?俺は興味ないから寝たふりしてるよいつものようにね

 

「いや、俺はボーダー隊員じゃないよ」

 

「またまた」

 

「じゃあ誰なんだろうね」

 

「この学校に隼人君以上の奴なんていないっしょ」

 

「あれはJ組の雪ノ下さんとか」

 

「いや彼女も違うみたいだな3年生かなんかじゃないのかな?」

 

悪かったな俺みたいなのがボーダー隊員でここでバレたら何を言われるかわからんから聞こえないふりしてるけどね

 

「さっさと席につけ」

 

いつの間に休み時間が終わったのか問題のアラサー教師が入ってきた。なぜか俺を睨んでいるのだが解せぬ

 

「ねえ先生うちの学校にいるボーダー隊員って誰だが知ってますか?」

 

「ああ、そこにいる比企谷だ」

 

おいこのアラサーは何言ってくれちゃいますか、クラスメートの数人から俺に視線が集まる

大半は比企谷って誰?そんな奴このクラスにいたのか?って反応だけど・・・俺4月からいたよねこのクラスに・・・

 

「さっさと授業を始めるぞ。それと比企谷は昼休みに来るように放課後でなければ問題あるまい」

 

その日午前中の休み時間は全て席を外したのは言うまでもない。あんな視線の中では寝たふりも出来ないからな

 

 

「失礼します」

 

「よく来たな。まずは先日の謝罪をしよう君の言葉を信用せずに悪かった」

 

「あなたの様な人でもボーダーになれるのね。驚いたわ」

 

部室にいた女生徒もいたのだが謝罪してないよねこれ・・・これからの話に何か関係でもあるのか?

 

「さて早速だが今度うちの高校で一斉にボーダー検査が実施されるのは知っているな」

 

「はい直接本部から聞いてますよ」

 

「そこで生徒達の誘導や案内を彼女としてもらいたいのだ」

 

「いやいや本部から適任者が来ますので俺の出る幕はないです」

 

働きたくないでござる。広報なんかは俺の仕事じゃないからね

 

「あなたのような下っ端の話では当てにならないでしょうけど・・・

 そうですね私とその適任者が連携すれば問題ないかと思います」

 

「私はこの雪ノ下と君の二人にやってもらいたのだ。生徒達も同じ学校の生徒の方が安心できるだろう」

 

「お断りします。この男と二人なんて身の危険を感じますので」

 

そう言って腕で身体を隠す女生徒・・・残念ながらその平らな・・・。俺だってお前みたな奴と二人なんて嫌だぞ

 

「雪ノ下そこは保障しようこの男のリスクリターンを考える能力は高い。犯罪になるような事はしないはずだ」

 

「そうですか・・・小悪党と言うことですか・・・」

 

何二人で話すすめてるのこいつ等

 

「俺の一存でそんな事できるわけないでしょう勝手に話を進めないで下さい」

 

まあ無理言えばできるんだけどね。ここでは言わない

 

「下っ端のあなたでは無理でしょうね。先生この件はボーダー側と調整しなければ話を進められないと思います」

 

何かと俺へ口撃をするこいつはいったい何を考えているのかね

 

「そうか、ならこの話はここまでだ」

 

やっと終わったかと思ったら続きがあったでござる

 

「ここからが本題なのだが君にはこの雪ノ下が所属している奉仕部へ入ってもらいたいのだ」

 

「はあ?ですからボーダーである俺は部活なんかには入れませんよ」

 

「任務も毎日あるわけではあるまい。午前中に任務を行えば放課後は空くはずだ問題ないだろう」

 

問題ばかりなんですが、そもそも俺の意思を無視してますよね

 

「何言ってるんですか任務以外にも訓練やら後輩の指導、研究開発への参加やることは山ほどあるんですよ」

 

「あなたに後輩の指導が出来るとは思えないわね」

 

こいつはこいつでいちいち俺に突っかかってくるし無視が一番だな

 

「だがな私としては君に高校生活を楽しんでもらいたのだ」

 

「ボーダー内の生活で十分満喫してますので結構です」

 

「だが君はこの学校に友達もいないのだろう」

 

「ボーダーにはいますので問題ありません」

 

「あなたに友達がいるなんて無理して見栄は張らないほうがいいわよ」

 

「なぜ君は頑なに拒むのだ」

 

「俺は過去の経験で学校と言う集団を見限ってますので」

 

そう今までの人生経験で学校と言う集団の悪意を十分しっている俺としては期待などしない

 

ボーダー内は完全な実力主義だ他人の足をひっぱても自分が上に上がれるわけではない

そんな奴は半年もしないうちに消えて行った。

 

しかし学校と言う箱庭では話が別だ他人を蹴落として自分が優位に立ったと誤解し安心する奴等の多い事、教師すら例外ではない

 

「そうか・・・だが私は諦めんからな」

 

「これ以上何かするつもりなら正式にボーダー本部から抗議させてもらいますよ」

 

そう言って俺は話を切った

 

 

総武高のボーダー検査当日がきた、本部前に集合した生徒に広報担当の嵐山隊の嵐山さんが黄色い声に迎えられながら説明している

 

同じく嵐山隊の木虎がチラチラとこちらを見ているのは気のせいだろう。しかし嵐山さんは大学生なのに講義どうしたの?さぼり?

そういえばクラスの葉山って劣化版の嵐山さんみたいだな80%劣化だけど(笑)

 

「説明は以上になります何か質問はありませんか?」

 

「検査が終了した生徒はどのようにしたら良いのでしょうか」

 

なんかいつかの女生徒が嵐山さんへ質問しているが事前に説明あったよね。話を聞いてない生徒へ通知する為の配慮かな?

 

まあ俺は検査中はやることないし人ごみが嫌いなので本部をブラブラしていた

すると見つけてしまいましたよさっきの女生徒さん

 

「なあ、なんでお前こんな所にいるの」

 

「きゃあ、あ、あなたこそ検査はどうしたのかしら」

 

俺が声をかけたら驚いたように睨みつけてきた

 

「はあ?俺ボーダーだし検査なんか必要ないだろお前こそここは関係者以外立ち入り禁止区域だぞ」

 

「・・・迷ったのよ・・・案内板もないなんて不親切ね」

 

「しょうがねえな・・・付いてこいよ案内してやる」

 

しかたなく俺はこの女生徒を連れて検査後の集合場所へ向かった

 

「比企谷、昼間から逢引とは感心しないんだけど」

 

おいおい木虎に見つかっってしまった俺は不運に躍らされたようだ

 

「木虎お前も呼ばれてたのかご苦労様。こいつはただの迷子だ」

 

俺の先制攻撃、何か言われる前に言い訳を言っておいたほうがいいだろう

 

「ふ~ん迷子ね・・・調子こいて案内してたんじゃないの」

 

そんな俺をジト目で見る木虎

 

「俺にはそんなスキルはないから、木虎だって知ってるだろうそんなこと」

 

「そうねこんな男と一緒なのは遺憾なのだけど迷ってしまったのは私の不手際ね」

 

「って事だ。木虎後は頼んだ」

 

「まあはいいわ、比企谷今度奢りなさいよ」

 

「仰せのままに・・・」

 

と言って俺は迷子の女生徒を木虎に押し付ける事に成功したのだった

 

検査が終わり総武高へ帰って行ったバスに俺が乗っていなかったのだが問題なく発車したのは俺のステルス機能が高いからだよね

 

バス発車後の広場へ俺が駆け付けた姿を見て木虎は大笑いし嵐山さんは苦笑いをしていた

どうやら最終人数確認をして問題なかったらしい解せぬ。まあ元々本部に残るつもりだったから問題ないんだけどね

 

しかししばらく俺はボーダー内で幽霊総武高生だとかなんちゃって総武高生と言われたのはきっと木虎のせいだな

あいつ今度模擬戦でバラバラにしてやると誓いノートに書いた所を小町に見つかり叱られたショボーン

 


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