渓流暮らしの泡狐竜   作:狐火(宇迦之御魂)

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サブタイまでメモってなかった。
これからも若干のリメイク入れながら復旧させます。


人の醜さ、人には解らず。

はろはろ、ミツさんだよ。

昨日のガノトトスはみんなで美味しくいただきました。

 

淡白な味で美味しいんだよねぇ....まだちょっと残ってるから干物にしてまた今度アレと一緒に美味しく頂きます。

今日は、月に一度の村に商隊が来る日だから群れ、というか村の子達も取引の準備してるよ。

 

ガノトトスの素材を売るらしいよ、他にもユクモの木とかアオアシラの素材。

御得意様には堅木を売るらしいけど、結構な値段でね。

 

割と珍しいんだって。

もちろん、僕も行くよ!

 

「駄目ニャ。」

 

「御袋、場合によっちゃ俺たちの全てを賭けて止めるからニャ。」

 

こんな感じで行かせてくれ無いんだよね.....何でさ!?

僕が一体何をしたんだよ?

 

「まあまあ、ミツさん。ちゃんと理由があって引き止めてるんニャよ?」

 

「むー...一体何なのさー?」

 

「行商隊が、最近ミツさんの素材の出処をしつこく聞いてきてニャ。そんな時に人になってるとはいえ、一部の人に認知されてるミツさんが行けば最悪、タチの悪い連中に襲われるかもしれ無いニャ。」

 

「それなら尚更行かないと。」

 

「ミツさん話聞いてたニャ!?」

 

「聞いてるよ?でも、皆僕の素材についてしつこく聞かれてるんなら、それぐらい辞めさせ無いと。」

 

まあ、もしもの時はあの子達をを呼べば良いからね。

来てくれるかな......

 

 

「....はぁ、もういいニャ。ミツさんの御人好しは今に始まった事じゃないニャ。」

 

「あはは...でも、君たちが絶対というなら行かないけど。」

 

「いや、いいニャ。折角何とかしてくれるって言ってるのを断ったら、そっちの方が失礼ニャ。」

 

「うん、ありがとうね。ついでに、マタタビ買って来てあげるからね。」

 

「ニャ!?いいのかニャ!?」

 

「うん、のんびり待っててね。それじゃ、先に行ってるよ。」

 

獣人&男の娘移動中.....

 

 

 

 

 

「この硫黄の匂いはいつまで経っても慣れないなぁ。」

 

「匂いしますか?」

 

「微かな物だけどね?ところでシュガーちゃんも元気かな?」

 

「いやーそれが、虫歯で医者に通ってましたね。」

 

「あー....それだったらコレ使ってみて?危ないけど効果は実証済みだよ。」

 

「ありがとうございます...って、なんですコレ?」

 

「粘着草に粉末状のニトロダケを混ぜた歯磨き粉だよ。使うと虫歯が治りやすくなるから。」

 

「申し訳ないです、今日渡しておきますね。」

 

「うん、よろしくね。」

 

「はい!ところで...今日空いてますか?」

 

(レイス!姉さんに手出してみろ!村の全勢力挙げて御前をあの世に強制連行するからニャ!)

 

「......いや、ナンデモナイデス。」

 

「そう?じゃあ、ちょっと村の子に用事が有るから僕は行くけど、レイス君来る?」

 

「是非!いや、行かせてください!」

 

「ありがとうね、レイス君。」

 

ラノベの鈍感主人公だろうか、ミツさんは。

 

 

 

 

 

「...いい..ん言...れ。」

 

「....わるゼヨ。」

 

....何か聞こえるね。

 

「言わないって言ってるゼヨ!」

 

 

 

アイルーside

 

我は、姉御の村で財政を担当する。タツタゼヨ。

元々我は人の元で流通について学ぶ為に商隊に入り働いていたゼヨ。

 

今は村で今はそこそこの大きさになった商隊を率いてるゼヨ。

多分、人の元で働いていれば今頃楽も出来てたと思うゼヨ。

でも、あんな連中と付き合って動くなんてもう、真っ平御免被るゼヨ。

 

あの商隊でのアイルーの扱いは最底辺だったゼヨ。

食事も安上がりの物で済ませる。

村では似たような境遇の仲間が居たから、どうも話が合ったゼヨ。

 

我が居た頃、連中は基本粗悪品を高く売り付けるのがもっぱらだったゼヨ。

騙された人が殴り込みに来る...なんて当たり前だゼヨ。

 

我は、捻れ曲がった連中だとしても技術は学んで脱隊したゼヨ。

姉御には、今の場所を作ってくれた恩があるニ....ゼヨ。

 

姉御とは、脱隊してユクモ村の足湯で寛いでる時に会ったゼヨ。

姉御が、村に来るのを見つけて。その時に後ろで今は我の指揮する商隊が居るのを見てたゼヨ。

 

何処だろうとアイルーと云うのは優れていれば疎まれる。劣っていれば貶される。

立場の狭い物ニャ....ゼヨ。

 

だけど、あの時人の元で居ながらも明るい目をした彼奴らを見て。

何か惹かれたんだと思うゼヨ。姉御に、商隊へ入れてくれと。頼み込んだゼヨ。

 

それからは、商隊で働いて皆に隊長として抜擢されて今に至るニャ....ゼヨ!

そして月に一度ユクモ村に各地の商隊が集まるバザーは、稼ぎ時と同時に商隊で一番憂鬱な日でもあるゼヨ。

 

姉御には、ありがたく貰ってる素材。

親切心で渡してくれてる物を我達には断る事なんて勿論ながら出来ないゼヨ。

それにこの素材が無くなると村の経営が危ぶまれるゼヨ。

 

勿論ながら、コレは相当な貴重品。

連中は毎回しつこく出処を聞いてくるゼヨ。教える訳無いゼヨ。

そして今日、連中が力で吐かせようとしてきたゼヨ。

携帯してる刀を使おうとした時。姉御がきたゼヨ。

 

隊員の一人が攻撃を受けようとしたのを、姉御が停めてくれたゼヨ。

 

「君達...何してるのかな?」

 

「あ''?なんだテメェ?」

 

「僕は、何をしてるか聞いたんだよ?」

 

「邪魔するな!」

 

「それはこっちの台詞ゼヨ!」

 

「俺達は、御前等みたいな小さい所よりコレを活用してやるって言ってんだよ!」

 

「タツタ君、落ち着いて。...ふぅ、君達?今すぐこの場から立ち去って貰うよ。」

 

「ハア?お前に一体何の権利があってそんな事を!」

 

「バザールの主催者である村長からはトラブルが起きた際の決定権を貰ってる。これ以上騒ぎを大きくするなら、バザールの参加禁止令と共に牢に入って貰うよ。」

 

姉御....何でそんなの貰ってるゼヨ....

 

「ッ!?この...獣人何かを守るのかよ!?」

 

「人も獣人も関係無い。理不尽な暴力をこの場で認める訳にはいかない。」

 

「ッッツ!この!ギャアギャアうるせぇ!」

 

ダンッ!!!!!!

 

「それは....君達の方だよ。」

 

商人が音をたて合気で地面に叩きつけられる。

 

「現行犯で別隊への度重なる迷惑行為でバザールの参加禁止令と暴行未遂で懲役3ヶ月だ。ミツさんのお陰で刑が短くなったんだ、ありがたく思えよ。」

 

商人が、同行していたレイスによって押さえ付けられる。

 

「レイス君、お疲れ様。」

 

「ありがとうございます。参加者に警告出しておくんで安心してください。」

 

「うん、連行お願いするね。」

 

バザールから帰る、でも、今日は最悪だったゼヨ。

姉御にも、ハンター殿にも....

 

「姉御......その....」

 

「タツタ君、いつも皆に言ってる事だけど。君達に負い目なんて何一つ無いよ。」

 

「だけども....元は行商を始めた我らが....」

 

「ふふっ、それだったら行商を始める原因の僕が悪いって事で良いと思うよ。」

 

「そんな事無いゼヨ!」

 

「ひうっ!?」

 

「姉御はいつもいつもそうゼヨ!誰かが問題を起こしても!それを解決して自分の所為にして!もっと自分を大切にするゼヨ!」

 

「でも...君達は本当に何も悪くなくて、原因を作った僕が...」

 

「可笑しいゼヨ!姉御は親切に、村の皆を助けて!そして我等が恩返しをして何かしても姉御はそんな事をさせたと謝って!何でそんなに自分を犠牲にするゼヨ!どうして!どうして...我等を頼ってくれ無いゼヨ....」


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