渓流暮らしの泡狐竜   作:狐火(宇迦之御魂)

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地味に復旧させるの辛い。


ミツさん、優しすぎて惚れられてしまいます。

やっほー、タマミツネのミツだよー

蜜じゃないからね?

 

今はあの研究員の人と別れて露店みたいなのをしてるんだ。

道具は嬉しいことにどんどん買ってくれるんだけど。

流石にアイルーの装備は売れないんだよね。

 

道具としては、僕の鱗で作った簪や櫛、あとはルドロス達の未熟な海綿質を乾燥させて乾燥した物に僕の滑液を染み込ませると入浴剤に成るらしいんだ。

これが一番売れてるみたい。

 

そのまま滑液を入れちゃうとお風呂が全部泡になっちゃうんだよね。

あの子達、これを売ってるのは僕に助けて貰った恩返しをするためなんだよね。

気持ちは嬉しいけど、僕は自分達で稼いだお金は自分たちの為に使って欲しいな。

 

あの子達を連れ帰ったのは、僕の自己満足以外の何物でもなくて感謝される物じゃないから。でも、こういうのは受け取らない方があの子達に失礼だからね。

さて!気を取り直して売ろうか!

 

「渓流の素材だけを使ったミツネコ印の道具、買っていってくださいね!」

 

なんか、商隊にいた子が『ブランドがある方が売れますニャ!これからの事も考えるとブランドのある品が一番ですニャ!』って言って、僕の名前を使ったんだって。

別にいいけど、その....ちょっと、恥ずかしいかな。

 

「ミツネネコ装備一式と入浴剤貰っていいか?」

 

「あ、はい、2470zですよ。って、レイス君かい。久しぶりだね。」

 

「あの時はありがとうございました。いや、でも人になるとは思いませんでしたよ。」

 

「僕だって思いもしなかったよ、はい入浴剤。使うのは良いけどしっかり肩まで浸かるんだよ?風邪引くから。」

 

「あ、はい!」

 

「うん、それじゃあね。出来れば僕は狩らないで欲しいかな。」

 

「ミツさんを狩れとか言われたら取り敢えずギルドに大タルGで殴り込みに行くので大丈夫です!」

 

「あはは、それは心強いけども自分を大事にするんだよ?それじゃあ、頑張ってね!いつでもおいでよ、歓迎するよ。」

 

「ミツさんのもてなしを受けれたら取り敢えず5年は1乙もしなさそうです!では。」

 

「またねー」

 

素直で優しい良い子だなあ本当に。結構売れて、売上上々!喜ぶだろうね、あの子達。さて、温泉でも行って帰ろうか〜

 

泡狐竜移動中.....

 

うーん、相変わらず凄い湯気だね。

 

「すいません、お風呂の鍵ください。」

 

「はい、50zです。....どうぞごゆっくり。」

 

モンスターだけど、温泉は好きだよ。体の芯まであったまるよ.......

 

.....................あ、これ女性の鍵だ。変えてもらわないと。一悶着起きたけど、取り敢えず入ろうか。

あの子、新人さんだろうな。見た事なかったしね。

この服、鱗とかが変形した物だけど脱げるんだよね。

 

....脱いだ状態で戻ったらどうなるんだろ。止めとこう、死にそうだし。

 

「あー、生き返るニャー!」

 

「ジジくせえぞお前。」

 

「ニャ!?少女に向かってニャにいうニャ!」

 

スパコーン!

 

「痛かった....今のは痛かったぞ!」

 

「当然の報いニャ!」

 

「あれ?人居ないと思ったら居たんだね。」

 

「あ、五月蠅くしててすいませ.....ってミツさん!?」

 

「あはは、さっき振りだね。」

 

「ニャ?姉さん来てたニャか。」

 

「シュガー、僕は雄だって。」

 

「だったら錦ビレ大きくしてその人間でも女の姿直すんニャね。」

 

「むー......」

 

「ニャハハ、冗談ニャよ。にしてもレイス?おーいレイスどーしたニャ?」

 

「ミツさんの裸体を拝める日を迎える事が出来るとは....襲うか、いや、襲うなら今しかなブッ!?」

 

「姉さん、ちょっとこの馬鹿が居ると姉さんが風呂に入れないから上がるニャ。」

 

「え?気にしないから良いよ?」

 

「そーいう問題じゃニャイ。とにかく上がるニャ、ポポミルク買っておくニャ。」

 

「ありがとうね、シュガー」

 

「お安い御用ニャ。」

 

シュガーちゃんは元々群れに居たけど、オトモになって稼ぎに来たんだよ。

まだ、出て行く時に渡したナイフ持ってたんだね。

 

フッと、ユクモ村の公衆浴場に少し大きな泡が浮かび上がった。

 

それは、ユクモ村の人にとってはとても、とても有り触れた物。

儚く散る泡が夜空に浮かび、月を映し割れていく。

少し変わった泡狐竜の魅せる物。

 

レイスside

 

「あ......ぁあ?」

 

俺は、一体何を...

 

「起きた?レイス君。」

 

「ふぁっ!?ミッツ......っ...っ!」

 

「レイス君!?」

 

「姉さん、気にしなくても良いニャ。舌噛んだだけニャ。ポポミルクとってきたニャ。」

 

「ありがとうね、シュガーちゃん。」

 

ミツさんの膝枕....柔らかい....そして優しい!

どこぞのオトモと違ってな!

 

「レイス君立てる?手貸そうか?」

 

ナニィ!?え、いいんですか?マジで?

その浴衣だとお胸がちょっと......

 

「これ以上姉さんに迷惑掛けるニャ!」

 

ゲシッ!

 

「おぅ!?シュガーお前マジで当たりキツくない!?」

 

「知らんニャ。」

 

くそう、コイツオトモなのに....おっと、紹介が遅れたな。

俺はユクモ村の駐在ハンターのレイスだ。

今はHR200と、G級ハンター候補になる程強くなったが、これは目の前にいる男の娘...げふんげふん、非常に優しく聡明な泡狐竜のミツさんによる物だ。

 

元々俺は、別に優秀な訳でも無かった。

むしろ、才能の一欠片もない落ちこぼれだった。

それでも何とか頑張って、ユクモ村の駐在ハンターになれた。

それから、アオアシラやジャギィ、ファンゴなどのよく現れて被害を出すモンスターを狩っていた。

 

だが、ある日奴が現れた。

渓流に、水獣・ロアルドロスが。

その時、既に俺は渓流のモンスターは楽々狩れるようになっていた。

 

だからなのだろう。ロアルドロスに挑み、あっさりと殺されかけたのは。

本当なら、モンスターとは小型ですら脅威になる物。

温厚と言われるガーグァやアプトノスだって本気で攻撃されれば常人なんて殺される。

 

それを、大型肉食獣の首領をなめて掛かったのだ、やられて当然だ。

そして、回復薬が尽き、体も動かなくなり、もう殺されるのが目に見えていた。

その時、水辺から緑色の泡が飛んできた。

 

それは俺に直撃したが、すると体の傷が癒えていったのだ。

体が動くようになり、ロアルドロスの攻撃を回避し、時々飛んでくる赤と緑の泡に援護されて何とかロアルドロスを倒した。

 

だが、その時の俺は倒したロアルドロスよりも自分を助けてくれた存在に釘付けになっていた。射し込む月光を、虹色に輝き反射する竜を......その後、村長に話を聞いてそれが泡狐竜・タマミツネと知った。

 

村長云く、それは偶然だろうと言った。

だが、俺は見つけた。その姿を。

それからタマミツネを血眼になって探していると、狩場に指定されたフィールドからそこそこ離れた場所にアイルーの村があった。

その中心に居たのが、ミツさんだった。

ミツさんは俺を見つけて、襲うでも逃げるでもなく、絹のように柔らかい尻尾で俺を寄せて奥に連れて行った。

 

それからはミツさんがドキドキノコを食べて、絶世の美女になって普通に見惚れているところを起こされたりした。

それから、ミツさんは俺に戦い方などをモンスターから見た物を教えてくれた。

ミツさんからしたら迷惑でしかないだろうに、親身になって。

俺が村の近辺に現れたジンオウガの討伐に向かった時も、ミツさんが泡で援護してくれて、撃退した時も自分の事のように一緒に喜んでくれた。

 

相棒であるシュガーもミツさんが紹介してくれた。

俺の装備であるミツネ一式と太刀もミツさんが素材を分けてくれた物を使っている。

古龍である、アマツマガツチ襲来もミツさんが水ブレスなどで共に戦ってくれたから勝てた。

 

もしミツさんが居なければ、こんなにも優しく聡明な方でなければ俺は今頃ロアルドロスの養分だろう。

まあ、ミツさんからしたら、世話のかかる子供の世話みたいな感覚だったのかもしれないが。

 

変な奴だと思われるだろうが、俺はミツさんに惚れている。

コラそこ、きめぇ!とか言うなよ。照れるだろ。

まあしかし、ミツさんは雄なのだ。

雄、だがしかし、竜の時は錦ビレは目立たなすぎて雌に見え。

 

人の時も男の娘なのだから問題ねえ!(問題しかねえ!

で、そんな俺が今日。初めてミツさんの人型の時の裸体を見れた。

しかも膝枕まで。

 

俺、もう死んでも悔いは無いわ。

もし生きてたら、もう負けない。

モンスター?ミツさん以外は全て殺れますねもう。

食事スキル?いらん!

 

防具?いら!.....駄目だ、これはミツさんから頂いた物。よって絶対必要。

 

最近村にミツさんが来る様になって、嬉しい。ミツさん。

 

結婚してください。




ちょっとだけリメイク入ってきた。

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