渓流暮らしの泡狐竜   作:狐火(宇迦之御魂)

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.....最終回。


初めも終わりも、それは曰く唐突に。

ミツさん一行が現代に来て一ヶ月。

ゆけむり村への帰還は.....未だ糸口すら掴めていなかった。

まあ、それはとある事が原因なのだが。

そんな、中でミツさん達は.......

 

「びゃぁああああうまぃいいいいい!って感じだわ。というか....うま~」

 

「家事スキルEXの実力は半端じゃないというのを改めて思い知ったわな。」

 

「まだ材料はあるから、好きなだけ食べてね。」

 

ミツさんお手製のケーキやらマフィンやらクッキーやらでお茶会してた。

お前ら、帰る気あんのか。

 

「そこらのスィーツ店より遥かに美味い。これは世界で通用するね。」

 

「そういえば、纏ちゃん。外はどうなってる?」

 

「うーん、さっきメイド長に見てもらったけど。相当数、まだ居るよ。」

 

「やっぱり、いっその事出ちゃった方が良いんじゃ無いかな......」

 

「絶対駄目だって、マスゴミなんて汚く捏造真実無しがモットーなんだから。下手に情報流れて、何書かれるかわかったもんじゃ無い。」

 

以前の強盗撃退によってマスコミやらファンが押し掛けた為に外出不可となっている。

その為、この様な事になっていた。

 

「.....使用人の人達に紛れて行けば外に出られ無いかな....」

 

「うーん.......あ、でも....いや、行けるね。」

 

纏がゲッスい顔を浮かべて部屋から出て行き。

残りはそのまま御菓子をもっしゃもっしゃしていた。

 

そして数分後

 

「ほい、てな訳で御着替えよろすく!」

 

纏が持ってきたのは執事服1着、メイド服3着。

 

「......ねえ纏ちゃん、男物が足り無いんだけど....」

 

「え?いやいや、男物は陽炎君、女物は私と晴嵐ちゃんにミツさんで足りてるよ。」

 

「............くっ!」

 

ミツさん は せいしんてき ダメージ を 10000 うけた!

 

「そういえば、言ってなかったな。母様は一応男だ。」

 

「......まったまたぁ~こんな、美人が男な訳無いじゃんか~」

 

「纏ちゃん....君まで、君まで皆と同じ事を言うんだね.....」

 

「え.....いや、うせやろ......あんな家事スキル高くて、こんな美人なのに....男.....だと?」

 

「酷く...酷く屈辱的だ.....」

 

まあ、そんなこんなでミツさんが執事服だとどうやってもバレる。

という理由でミツさんは泣く泣くメイド服になったそう。

そして纏の「プライバシーの侵害でサツ呼ぶぞ!」の声でマスコミをパニクらせ。

大パニックに紛れて脱出を図ったのだった。

 

 

そしてまあ、なんやかんや起こさず従者服から普段着に戻り。

彼等が異世界に降り立つ元凶となった靄が存在していた筈の、その場所に再び戻って来た。

が、無論其処には何も無く、地味に居たぬこがニャーと鳴いていた。

 

「おお、ぬこだ。そいや、そっちの世界の猫は喋るんだっけか?」

 

「二足歩行だし喋るね、こっちの世界の猫が人間みたいな進化した?みたいな感じかな。」

 

「何それ見たい.....まあ、それはいいんだけどさ。やっぱり、異世界転移物のテンプレは転移した時と同じ事する.....だよね。」

 

「あれと同じ事をしても妾と陽炎が怪我するのが見えておるわ。」

 

意見を速攻叩き潰された纏だったが。

ぬこを手懐けてモフモフしてるミツさん。

今度何処か買い物に行こうとか何とか話している晴嵐と陽炎。

それを見て、コイツ等戻る気無いだろ。とか思ってた。

 

「いや.....お前等マジで帰る方法見つける努力をだな.....」

 

現時点、本来無関係の纏が一番頑張っているという。

そんな時だった、ミツさんがモフモフしていた猫が突如駆け出し。

近くから何かを咥えてミツさんにヘィ!パッス!して来たのは。

その様を表すなら.....そう、カプ麺を食べる時に凄い勢いで麺を啜って顔面に麺がビターンからのウボァッ!ってなった感じのソレだった......

 

「......なんかぬこの首が凄い事になってたなう......っと。」

 

「何じゃ今の、猫の首が.......変な動きしたんじゃが。」

 

件の猫は逃げ去ったが、ミツさんの手には黒い。

例の靄と似通った色をした、角張った石が握られていた。

 

「.......ボールを相手のゴールにシュゥウウウウッ!」

 

「「「や、ヤメロォオオオオオオオ!!」」」

 

【速報】ミツさんが初めてネタを打ち込んだ。

【速報】ミツさんが初めてネタを打ち込んだ。

【速報】ミツさんが初めてネタを打ち込んだ。

 

「何か、頭にメッセージが飛んできてやった。後悔も反省もしてるよ。」

 

「普段超良い人&ちゃんと反省する分怒れない。有る意味、そこらの犯罪者よりタチ悪いぞ。」

 

以前犯罪者を壊滅させた連中の言う事ではないと思われる。

そんなチートスペック四人組はス○バで手に入れた石について考察をしていた。

ちなみに、ミツさんと晴嵐が抹茶クリームフラペチーノ。

纏がエスプレッソで陽炎がキャラメルフラペチーノだった。

選択が訳わかんねーよ。

 

「この石、恐らく自然に出来た物では無いと思われるの。」

 

「え?何で?普通の黒い石にしか見えないんだけど。」

 

「ふむ.....ハンターやミッちゃんみたいに凡人離れしていれば楽なんだがの。」

 

「キッパリ僕を凡人離れしているって言う所に悪意を感じるね。」

 

そんなミツさんの不満を交えつつも話は続き。

晴嵐曰く、この石は古龍が力を使う際妾なら暴風雨を、ソレを起こす際に使う源である。魔力や神力が凝縮・圧縮された代物で、自然にはこんな物は出来無い。十中八九、古龍か神の代物だろう。

そう言った。が、抹茶クリームフラペチーノを飲みながらの所為で格好良さなんて微塵も無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メロンパンッ!」

 

........何が有った.....あれ?

夢オチ?今回の回夢オチ?

あ、纏です。目が覚めたら謎の記憶と共にbedinしてた纏です。

 

「マジで何?怖いんだけど、いや、ミツさんがバトルドームした辺りから可笑しいとは思ったけど。」

 

地味に日は暮れかけてるし......

ちょっと様子でも見に行ってみるか....

 

「ミツさん達居る........あ。」

 

「「あ......」」

 

案件、目が覚めて扉を開けたら見知らぬ白髪美人と小ちゃい女の子がいた件。

ふぅ.....取り敢えずやることはひとつだ。

 

「お巡りさん!此処に不法侵入のロリコンがぁあああああ!」

 

「ちょっ!待ってくださいよ!バレなきゃ犯罪じゃあないんですよ!」

 

「バレてるよ!現在進行形でバレまくってるよ!携帯どこだ!お巡りさんを!」

 

「何だこれ.......」

 

落ち着け。

 

「んで?あんた達は何?」

 

「いや.....その、それは...えーっと....」

 

「コイツは話にならん、俺が話す。」

 

「........オレっ娘?」

 

「ブチ転がすぞ?」

 

冷酷な目だ.....まるで養豚場の豚を見るような、冷徹な目だ.....

徹底的にシリアスを破壊して行くスタイル。惚れてもええんやで?

 

「話がズレた、御前は解ってるだろう?あの竜達を元の世界に戻しに来たんだ俺達は。」

 

「なん.....だと?」

 

「本来、この世界と龍界の行き来には俺とこの馬鹿の所有するゲートが要るんだが。この馬鹿がゲートを消し忘れてな、彼等が来る羽目になった.....という事だ、ゲートの破片を拾ってくれたお陰で漸く場所が解った。」

 

「おk、それは解った。で、なんであんな怪しく入った。正々堂々言えばこんな事にはならなかったのに。」

 

「それがな、この馬鹿が自分の所為で転移したのに、面倒臭いなどと抜かしたのでな。無理矢理引き摺ってきたらムードが欲しいなどと抜かしてな.........」

 

「全部包み隠さず教えるなんて酷いですよぉおおお!」

 

この時、纏は確信した。

この娘....見掛けより歳食ってるな、そして.....苦労してんな.....,と。

 

「ところで、その竜達は居るか?早めに帰したいんだが。」

 

「....居るね、後ろに。」

 

「うぎゃああああああああああ!?」

 

「嗚呼、居たのか。なら話も聞いていただろう早々に頼む。」

 

なんか、驚く方逆じゃね。

あと、え?終わり?あっさりし過ぎだろ。

 

「可能性は考えておったが、まさか本当に祖龍が原因だったとはの.....」

 

「龍界の村はどうにかしておいた、安心してくれ。」

 

そんな話と共に、元凶である。

ゲートが虚空から出現し、行き来が可能となった。

 

「纏ちゃん、起きたんだね。ス○バいきなり倒れるからさ...」

 

「ストレスかな?マスゴミ許すまじ。」

 

「なんか、あっさりしてるけど。これでお別れってことで....」

 

「うん、多分この一か月で生まれて一番疲れた。」

 

初めも終わりも、あっさりしてるなあ。

最初なんてアレだよ?アイドルの追っかけみたいなのからだからね?

いやー縁って凄いわ。

 

「纏ちゃん、この世界ではありがとうね。キッチンにまだお菓子残ってるから、食べるなり捨てるなりは任せるよ。」

 

「捨てるのは選択外。なんだかんだ、お疲れさま。龍界だっけか?でも頑張って。」

 

そんな、学生のお別れ会的なノリでミツさん達はゲートをくぐり。

その場から跡形もなく消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな、異世界転移から数日が経っちゃたゆけむり村では。

 

「ミツさぁぁあああ!無事で!無事で良かったニャァアア!」

 

「いや、本当に良かった。何時吊ろうか悩みだしましたもん。」

 

なんか吊るとかいう物騒なワードが流れながらも。

ゆけむり村は存外平和で、連日連夜ミツさんの帰投を祝いお祭り騒ぎだった。

晴嵐がマカロンパクって起きた事件は幕を閉じ。

 

ミツさんの帰投で死者も出ず。

あっさりした喜劇は、まあまあハッピーエンドで終わりを告げた。

そんな、渓流の溢れる話の一幕。

 

それに目を通したのは、また同じく。異界の者だろう。




いやー終わりました渓流暮らし。
なんだかんだ、この小説始めたのもミツネさんに惚れた。
様は唐突な思い付きなんですよね。

数か月の更新でしたが。
ご愛読、感謝致します。狐火の他作品にご期待ください。






























とでも言うと思ったか!?
っは!最終回?バカ言っちゃいけねえ!
この更新日はエイプリルフール!単純に季節に乗っかった!

渓流暮らしはまだまだやるぜ!狐火の気力が尽きるまで!
以前からの最終回をほのめかす発言してますけどねえ。
実際最終回とか考えとらんので、事実になる可能性も0じゃあ、ないんですわ。

ちなみに!エイプリルフールは午前中とかいうのは受け付けない。
だって、午前4時30分ぐらいに投稿してるから。
最後、あっさりしてるやろ?
今日の午前中までにやんないと、後に引けなくなるからネタが無い状態でやった。

一つ言おう....冗談抜きで読者様に殺されそ(白目)
せめて、油揚げにすんぞ駄狐で許してもらえたらとか思っちゃう。
ミツさん達は悪くない!(当たり前だろ死ね)

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