やっほ、ミツさんだよー
今は、ちょっと前から僕を見てた人間とお話してるところだよ。
「で、お兄さん前から見てたけど何の用かな?」
「いや、あーうん、生態調査だ。というか、意味わかるか?」
「うん、ユクモの人に色々教えて貰ってるからね。でも、僕別に何かした訳じゃないよ?」
「アイルー保護して人間と会話してる時点で手遅れだよっ!?」
ゑ、そんなん知らない。可愛いから保護した、以上。
人間に興味があった。これで済む話じゃないの。
あ、どうでも良いけど服は着てるよ。人間で言うところのミツネ装備だね。
鱗とかが変化してるみたいだけど。ただ、女物なんだよねぇ。
.......雄だよ!錦ビレ小さくても雄だよ!
話、戻そうか。
「要するに、お兄さんは僕のやってる事が、人間からすると可笑しいから調べてるって事だよね。」
「まあ、そういうことだな。」
「可笑しいねえ、害は無いんだし問題は無いと思うんだけど.....」
「まあ、調べておいた方が人間としては得ってだけだよ。」
「あ、ちょっとそろそろ戻るね。用事あるから。」
「は?野生のモンスターに用事?」
「村の人にちょっと道具売りに行ってくる。」
「は!?」
アイルー達の作った装備とかを売ってるんだよね。
零れ落ちた鱗とか毛を使って装備とか作ってるみたい。
基本あの子達で売りに来てるけど、折角だからついでに売り来たんだよ。
あの子達は自分達でやるって言ってたけどね。
「それじゃ、お兄さんまたね。何か用があるならネコ婆さんの所に僕の所に居る子が案内役として居るから頼むと良いよ〜」
「えっ、ちょまっ!?」
研究員の叫びも虚しく村に消えていった...
アイルーside
ニャ、僕はミツさんの群れのアイルーのココアだニャ。
僕は元々オトモアイルーとして頑張ってたニャ。だけど、旦那さんに『狩りの邪魔すんな!出て行け!』って殴られ、追い出されたのニャ。
それから、生きる為に渓流で食べ物を探してたけど、殴られた時に当たりどころが悪かったみたいで動くのが難しくて。
そのまま倒れて、目を覚ました時はミツさんの背中にいたニャ。
もちろん、喰われると思ってたニャ。そのまま巣に連れて行かれて、食べられるのかニャ...って思ってたら泡に包み込まれて、それからケガが治っていったのニャ。
なのに僕は戸惑って、ケガを治してくれたミツさんを殴っちゃったのニャ。それなのに、ミツさんは食べやすいようにある程度潰したアオキノコや生肉をくれたのニャ。
アレが一番、今まで食べた何よりも美味しかったニャ。
それから、ミツさんの元で過ごしてると。
だんだん会話出来るようになって、遊んでくれたり、色々お話したニャ。
その時から解るんニャけども、ミツさんは錦ビレが目立たなくて雄に見えないニャ。
ミツさんは本当に優しくて、それからも住処がなくなった群れとかを連れてきてご飯をあげたりしてたニャ。
それからは、ミツさんが手伝ってくれたお陰で助けられたアイルー達の村を作って、ミツさんの鱗や討伐したモンスターの素材で元々オトモ装備を作ってたアイルー達に鍛冶屋を作ってそこで装備量産してお金を貯めたりして、細やかながらもミツさんにお礼が出来るようになったニャ。
きっと、僕たちはミツさんが居なかったら今頃死んでるニャ。だから僕達は返せるような物じゃニャいけど、ミツさんに恩返しして生きていくのニャ。
改行うまくいかぬ。