暗黒大陸経由、5大陸行き   作:センチメンタル小室

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グリードアイランドへ行きたいかぁー!!?

―――――、ぼっち再び。

 解せ……いや自分からぼっちになってたわ。

 さて、どうしようかね?

 今考えられる選択はおおまかに二つ。

 ①『G・I(グリードアイランド)』の情報を集めることに専念する。

 ②別のものを探しながら9月からヨークシンで始まるオークションを待つ。

 そのどちらかだ。

 G・Iに専念するメリットは9月以前でもG・Iを入手できる可能性があること。

 情報を集める過程で、もしかしたらオークション以外の入手方法を手に入れられるかも知れない。

 また、オークションで使用する金額を抑えることが出来る可能性がある。

 もちろん、金額については糸目を付けないが、それでも、G・Iを入手することだけがこちらに来た目的ではないし、その後を考えると少しでも使用する金額を減らすことは十分なメリットになる。

 他にも、G・Iの攻略情報など、G・Iをプレイするときに有利になる情報を得ることも出来る。

 デメリットとしてはその期間を拘束されることだろう。

 その過程で、他の物品の情報も得る可能性があるが、それはG・Iに専念せず、無差別に情報収集を行ったほうが効率がいいのは確かだ。

 また、情報を全く入手できないということもありうるだろう。

 その時にその時間が無駄になりうるというのは問題だ。

 

 別のものを探すメリットとしては、まあそのまんま、別のものが見られるということだ。

 また、G・Iに専念した時の情報が入手できないというリスクをある程度、分散できる。

 デメリットはG・Iを入手した時に情報不足のせいで攻略においてやや不利な立場に置かれる可能性があることや、もしかしたら最悪の場合、オークションが中止になったり、いくら払っても手に入れたいという富豪が現れた場合、入手できない可能性があり、その際にG・Iを手に入れるためのスタートで遅れを取ることがあるかもしれない。

 現在の予算は約1兆8千億J(ジェニー)

 もともとは2兆くらいあったが、いろいろと使用したりした結果、2000億が消えている。

 国家予算にも匹敵する額ではあるが、長者番付を見た限りもし(if)が無いとも限らない。

 情報を集める過程で他のものに目が行き、欲しくて使ってしまうことも十分考えられる。

 

 さてどうしたものか。

 現在の優先順位的には1番はG・Iを手に入れること。2番目は他の面白いものを見ることだ。

 G・Iについてはどうしても見てみたい。

 それはこちらにしか存在しないモノだからだ。

 文明の極みとも言えるTVゲーム。未開の地であった、暗黒大陸にはあるはずもない。

 猶予期間は一月前に現地入りすることも加味して半年くらい、だいぶ短い。

 となると、選択は一つか。

 というわけで、俺は一足先にヨークシンに行くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――、ジン=フリークスに会った。

 殴っておいた。やったぜ( ・´ー・`)ドヤァ!

 でも殴り返された。解せぬ(´・ω・`)。

 で、なんか殴り合いをした結果仲良くなった。

 安っぽい青春ドラマかよ……

 なんかこの一族とはそういう縁になることが多いな。

 おっさんとも似たようなことしたことあるし。まあ、ゴンには怒られて叩かれるパターンがほとんどだったけど。

 なんでも、暗黒大陸の情報が欲しいらしい。

 それで、俺の名前がハンターリストに載ったこと、暗黒大陸産の物品を持っていたことをどこからか入手して近づいてきたそうだ。

 あー、そういえば俺の名前、おっさんの探検日誌に名前載ってるらしいしな。

 俺は読んだこと無いけどな。書きかけのやつ読ませてって言ったけど恥ずいだろ!とか言われて読ませてくれなかった。照れ屋か!

 今度こっちで見つけたら読んでやろう……

 まあそれは置いといて、多分、それ繋がりで関連性があると踏んで来たんだろう。

 それで、話を聞くと、暗黒大陸に渡るには『許可』、『手段』、『資格』、『契約』の最低4つが必要らしい。

 あれ?俺帰れなくね?……今は気にしないでおこう。アレなら『許可』も『契約』も無視して、無理やり行って数百年ほどやり過ごして有耶無耶にするって手が取れるしな。

 で、まあ今はソレは手に入ってないので、取りあえず、向こうに渡った後のことを考えているそうだ。

 んー、自分の情報ねえ……。おっさんのほうが詳しいと思うんだがその辺。

 こっちにいないの?って聞いたらいないと言われた。

 まだおっさん向こうにいるのか、すれ違ったかな?

 取りあえず、向こうにいる生物のことでも話すか、と、幾つかの生物について話してやった。

 で、代わりに自分が探してるG・Iに関する情報聞いたら、ジンが作者だった。

 ……てめえが作ったのかよ。なんとなく腹立つな。なんでコイツが作ったやつ真剣に探してるんだか。

 まあ気にしないことにする。作者のつてで手に入ったりしない?とか聞いても見たけど自分で手に入れろだそうだ。

 総合入手難易度はGだし余裕だろ?ってドヤ顔された。ムカつく(# ゚Д゚)。

 絶対手に入れてやる!とジンに宣言してそれで別れた。

 あ、ゴンのこと聞くの忘れた。すまん、ゴン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――、G・Iについて調べ始めてから一ヶ月が経った。

 それで所有者に関する情報を集めていたわけなんだけど、そこで一人の人物に行き当たる。

 大富豪バッテラ、彼がG・Iの殆どを所有しているらしい。少なくとも三割は持ってる。

 そして一つの疑問が思い浮かぶ。なんでコイツ、こんなに持ってるんだ?と。

 コレクターとしての性?いや、流石に全部集めるとかそんなクレイジーな真似は普通しない。

 だって一本58億だぜ?しかも値上がりしてて最低でも100億近くの金が要求される。

 全部集めるつもりでも国家予算はゆうに超える。

 んー、遊ぶ用、観賞用、保存用にしては持ちすぎだしな。

 更に、彼がG・Iに関する情報が世間に行かないようにしているのも気になる。

 おかげで情報収集に手間取った。許さん!

 となると、G・Iを持っていることで何かがあるのか?

 いや、バッテラは、クリアデータに報酬をかけていた。

 なら所有することに意味は無い。となるとおそらくクリアした時に手に入るモノがバッテラの目的。

 そして、それを他の人に手に入れられたくないから買い占めを行っている。

 そう考えるのが自然だ。

 そして、入手しやすいように情報を制限した。そういうことだろう。

 ただ、それが何か?ということが問題である。

 今までクリアしたことのないゲームをクリアしたという実績?いや、バッテラ自身が攻略するわけではないのでそれはない。

 となると、何かのアイテムが手に入るってことか?

 何なんだろう?クリア報酬については完全に情報がシャットアウトされているため手に入らない。

 それはハンターサイトであってもそうだった。

 くっそ、こんなことならジンに聞いときゃよかった。

 だが、今更ジンに聞くのは癪に障るし、今どこにいるか知らん。

 電話番号とホームコードくれなかったしな。

 それに何だよ。極秘指定人物って。ネット上に情報一切ねえとかアイツなにもんだよ!

 で、手に入るアイテムの予想だが大きく分けて3つ考えられる。

 

 1、何でも病気の治るアイテム。

 2、そこでしか手に入らない、宝石や財宝。

 3、G・Iそのものを自分の所有にできる。

 

 1についてはゲームということもあって回復アイテムか何かが手に入る可能性は非常に高い。

 もし身内に病人がいるとすれば是が非でも欲するのは自明の理だ。

 2はそのまま。コレクターとしてどうしても欲しいアイテムがあるからそうやっているということ。

 だがこれはないだろう。だって、支出について調べてみたけどG・I関係以外ほとんど存在しない。

 そう言うコレクターなら他のものも望むのが当然のことだ。

 所有している美術品や、調度品を見ても特に高価なものはなかったので多分そうだろう。

 3はGREED 『ISLAND』と言うワードから考えた結論だ。

 クリア者に対してその島が手に入る。まあ、島一個手に入れてどうするんだって話なんだが、もしかすると中のアイテムが全て手に入るのかもしれない。ゲームだし呪文とかもあって、それが自由に使えるとかあれば欲しくなるのも仕方ないだろう。

 さて、問題はどれかなんだけど、1か3だろう。

 で、どっちだ?1なら余裕で手に入るどころか、すでに持ってる。3なら無理。

 んーこの辺り賭けだな。

 会って確認したいけど、どうやってバッテラに接触すればいいか……

 そしてそれを考えていると、一つの答えが出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――、更に四ヶ月後。

 社長になったよ!やったぜ( ・´ー・`)ドヤァ!

 まあ何したかって言うとM&Aでバッテラに関わりのある会社を買収した。

 すっごい強引な手だけど会う手段これくらいしか思いつかなかったんだよ。

 なんかバッテラ本人の警備すっごい厳しいし。

 同業者(ハンター)まで出てこられちゃ手に負えない。

 というわけで比較的安全にしかも後に無駄にならない手段として社長になりました。

 5000億ほどかかったけど後の利益考えればまあ、気にならない。

 元取るのにどのくらいかかるか知らんけど。

 元取る前に倒産したらどうしよ……まあ、ある程度回収し終わったら株売ればいいか。

 そして会談ということでバッテラにあった。

 G・Iの話題が出たことで警戒されたが、もしかするとあなたが求めているものを提供できるかもしれない、とほのめかすと食いついた。

 そして自分のバッテラが求めているものについての推論を述べる。

 どうやら1だったらしい。あと、若返りの薬とかも欲しいそうな。良かった。3ならどうしようかと諦めていたところだったよ。

 話を聞くところによると恋人が入院しており、いつ目覚めるとも知れない体になった。

 それで、助けるためにG・Iのクリア報酬として得られる回復アイテムが欲しい。

 そのためになら全財産投げ打つ覚悟だと言われた。

 そのあまりの迫力に気圧された位だ。

 そしてその様子を見たことで、『それ』を渡すことを決意する。……あんまり言ったらダメとか言われてたけどこの人は多分口が硬そうだ。

 そして提案する。自分の持っている『香草』と『ニトロ米』で、もしあなたの望みがかなったのなら、所有している一本を譲ってもらえないか?と。

 そして交渉の結果、半信半疑ながらも契約してもらった。

 更に数日後、少し若返ったバッテラが飛んできた。

 泣きながら、ありがとうと感謝していた。

 大したことはしてないんだがな、実際余ってるやつだし。

 それに、いずれ来る別れ()は避けられない。だからこれは先延ばしにしただけだ。

 そう告げたが、「私は一緒になることも出来ずに今までいた。そして、それは叶った。だから別れが来たとしても後悔しないよ」と返された。

 ……いい人だ(´;ω;`)

 で、交換条件としてG・Iをもらう話になったんだがそれと一緒に自分の全財産をくれるとまで言われた。

 いや、流石にソレはちょっと重いしとお断りしようとするも、「もともと財産は処分するつもりだったんだ。それを君に受け取ってもらえると嬉しい」と更に重いことを言われた。

 ……どうしよう。そんなん軽々しく受け取れる気がしない。それに軽々しく断るのもなんかあれだし……

 というわけで、頭でひねり出した結果、それを『クリア報酬』にすればいい、と思いついた。

 そう、提案するとバッテラさんは少々残念そうな顔をしながらもニヤリと悪い顔をしていた。

 「G・I症候群とまで言われた私の最後としてはふさわしいかもしれない」と。

 もちろん、今までどおりG・Iは買い集め、クリアできそうなプレイヤーを選別することは行う。

 バッテラさんの存命中にそれがなされなければいろいろと問題が起こるからだ。

 発売されてからすでに10年以上の時が立っている。だから、いつクリアされるかどうかはわからない。故にソレは必要な措置だった。

 そして、更にその数日後、報奨金の大幅な引き上げが世間に公開された。

 かくして、ここに、バッテラさんの全財産をかけた、ハンター達の壮絶な闘いが幕を開ける事となった。




ストップするって言ったのにねー
なんか筆が超進む。
これが『覚醒』か……

あ、他者視点についてはまた今度。
主人公視点の続き書くほうに筆が行ったのでもうしばらくお待ちください。

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