―――――、変態に目を付けられた。
解せぬ(´;ω;`)
第一試験はヌメーレ湿原へと突入し、湿気てて嫌だなあとか思いながら走っていた。
しかも霧が濃くて1m先すらまともに見えねえ。おかげでゴン達とはぐれちゃったよ。
まあ、試験官のサトツさんとか言う人物はなんか気配が濃い(感覚的なことを言うなら光ってる)のでなんとなくどこにいるか分かるからついていけてるが気配隠されたら多分ついていけないな……
おそらく後半はそういう相手の気配を探りながら危険を避けられるかという、狩りにおいて重要なことを試す試験なんだろう。
持久力も試されるしな。
で、他のついていけてない人たちの悲鳴をBGMに聞きながら危なそうなところを避けて走ってたら後ろの方からレオリオっぽい悲鳴が聞こえてきた。
……無視、出来ないよな。
というわけで、引き返し、声のした辺りに行くと倒れているハンター試験受験者がたくさんおり、そしてなんかレオリオとクラピカは変なのと、対峙している。
……いや変なのって何だよって言われるかもしれないけど、変なやつ。
確かトンパさんはヒソカとか言ってたっけ。
ハンター試験受けに来る奴はイロモノ多かったけどその中でもとびっきりでイロモノだ。
だって、ピエロの格好してるし。
ギタラクルとか言う顔に針刺さってた奴もいろいろすごかったけどな。痛くないんだろうか?
てか、あいつなんか嫌な感じがするな……
例えるなら、暗黒大陸にいた、わりと強い奴の気配。
と、なんかいきなり嫌な予感がしたのでその場から飛び退く。
そして、よく目を凝らすと飛びのいた場所にはなんか光るオーラ?みたいなのが張り付いていた。
げっ……『アレ』使えんのかよ……
『アレ』っていうのは暗黒大陸大陸を旅していた時に偶に見かけるやつである。
なんというか、目を凝らしてみるとすっごい光ってて、生命力に満ち溢れたやつ。
おっさんは『念』とか言ってたっけ?
なんだかよくわかんないが、俺からすると結構強い、びっくり箱みたいなやつだ。
なんせ、何してくるか見た目から全く読めん。
しかも、戦闘中ずっと目を凝らしていないと攻撃すら見えないとか厄介な奴。
こっちの大陸にも居るんかよ……
まあ、おっさんも使ってたし、こっちでも使える奴は居るんだろう。
と、そんなことを考えているとなんかこっち見てニヤァってヒソカが笑った。
背筋と……お尻にゾゾッ!と怖気が走る。
そしてやつは言った『君すっごい美味しそうだね♥完全に熟してる♦どんな味がするのかなあ♠』と
……ヤバイ人だ。なんなの?ホモなの?
熟して?まあ確かに数百年単位で熟されてるだろうさ。熟しすぎて醸されてるレベルだよ。ロマネコンティだよ。
つかストライクゾーン広いな!何なん?数百歳年上まで範囲内なの?
てかこの見た目(大体20歳位)だけど俺の実年齢分かんのか、さすが変態、妙な特殊能力持ってやがる。
って、そんなこと言ってる場合じゃねえ逃げろ!掘られる!
そして逃げようとした瞬間ヒソカの頭に何かがぶつかった。
ん?ルアー?糸が伸びてる。
そして糸の方向を見るとゴンがいた。
おお!ゴンさん!ゴンさん来た!これで勝つる!ありがとう!ありがとう!本当にありがとうございました。
そしてゴンに邪魔されたせいかヒソカは苛立った気配を見せながらゴンの方に近づいていく。
あ、ゴンの方に行っちゃった。逃げろ!
だが、ゴンは怯えているのか足が止まっている。
そしてゴンの首をクイッと上げるヒソカ。あ、変態っぽい。いや変態だったわ……
まるで蛇が舌をチラチラと出すように品定めしてるようだった。
おまわりさんこの人変態です。あ、おまわりさんいなかった(´;ω;`)
そして、一言告げる『合格♥』と。
……ホント対象年齢広いな。さすが変態。しびれないし憧れないけどさすが。
で、ある程度ゴンの品定めが終わると顔がこちらを向いて……追いかけてきた。そのままゴンに行けよ!何で俺に来るんだよ!糞が!
まあ、もちろん逃げますわな。全力で。
というわけで、俺とヒソカの命がけ(俺の貞操的な意味で)の鬼ごっこが始まった。
あ?レオリオ?クラピカ?逃げたんじゃねえの?ていうかそんなこと言ってる余裕ねえよ。察しろ。
―――――、逃げ切った。
やったよ。カーチャン、俺、やったよ(´;ω;`)
だいぶ辛かった。
変態に追われながら、そこら辺で罠にかけようとしてる動物たちを躱し、サトツさんの気配を手繰って第二試験会場についた時は感動のあまり涙が出た。
どうやらこの変態。人がいっぱいいるところだと手を出してこないらしい。
まあ捕まるしな、そのへんは良識あるみたいだ。良かった。いや変態はよくない。
でも、近づいてきて、『つれないな君は♦』とか言われた時には飛び上がるかと思った。やめてください死んでしまいます。
そしてしばらく待っているとゴンたちも来たようだ。
クラピカとレオリオにはなんか同情するような目で見られたんだけど、ゴンはなんか羨ましそうな目で見てた。
……え?ゴン?そっちの道行っちゃうの?ミトさん泣いちゃうよ?え?違う?
まあなんだかよく分かんないけどそんなことを話していると第二試験の時間になったようだ。
二人の試験官が現れ、お題を出す。
片方はおっぱいでかい女の人だ!( ゚∀゚)o彡°おっぱい!おっぱい!
メンチって言うらしい。かわいい。
もう片方は単純に体がでかい男だ。関取みたいだ。男はお呼びじゃないんだよ!
で、どうやら料理を作るそうだ。
一つ目の料理は豚の丸焼き。
こっちは結構簡単だった。
だってそのへんに居る豚適当に殴って皮剥いで、内臓取り出して焼くだけだし。
暗黒大陸での経験が生きてるのかこの手の解体はお手の物だ。
なんか鼻が硬かったけど、殴ったら砕けたのでなんとかなった。きっとカルシウム不足の豚だったんだろう。牛乳飲めよ。
そして、問題の二次試験、後半。
お題は……スシだった。
―――――、ハンター試験落ちました。
解せぬ(´;ω;`)
何があったかって言うと、試験内容はスシを作れって課題だった。
スシ……スシって、寿司だよな?
もしかして同名の別の料理があんのかな?とも考えたが、『ジャポン』の民族料理ということと、『ニギリズシ』と言うワードから十中八九、日本の料理の寿司で間違いないと思う。つか、こっちの世界にも日本あるんだな。よく考えなくても不思議な世界だ。パラレルワールドっていうやつだろうか?
しかしここ、森だけど魚いるのか?ていうか、寿司ってほとんど海水魚……と、そこで俺の脳裏に電流走る。
あ、魚じゃなくてもええやん、と。
というわけで、3分クッキングのお時間です。テレレッテテテテ!テレレッテテテテ!頭のなかであのBGMを流す。
まず、取り出したるは、先ほど捕まえた豚の内臓の残り。
こちらの肝臓を使います。レバーですね。
そして一口大の大きさにスライス。そして塩をまぶしておいてある程度余計な水分を抜きましょう。
続きまして取り出すのは『香草』。
こちらは暗黒大陸にて入手したものをドライリーフにして保存しやすくなったものを使用しています。
フレッシュの方が風味が強いですが、今回は豚本来の風味を活かしたいのであえてドライリーフを使用しています。
生と乾燥、両方作ってみて風味の違いを見てみるのも面白いですね。是非、試してみてください。
そして、油を入れたフライパンにスライスしたにんにくと香草を加え、油に香りを移しながら弱火で温めていきます。
葉っぱや、にんにくが茶色くなってきたら、焦げないうちに取り出して、そこに先ほどスライスしておいた、レバーを投入。
中に完全に火が通るまで焼いたら、握ったご飯の上に乗っけます。
最後にお皿に盛りつけたら、『豚レバーの握り、香草を添えて』の完成です!
やったね!てかこれ三分じゃねえな。
まあいいや。出来たので試験官に持っていく。
さて実食。出したら、美味いんだけど邪道なので、不合格とか言われた。お粗末!
ふざけんな!本場の日本だとな!ハンバーグずしとかあるんだよ!カルフォルニアロール出さなかっただけマシだろ!乳でけえからってなめてんじゃねえぞ!
なんか知らんが魚で作れとのこと。というわけで魚を取りに行くも取って
解せぬ(´・ω・`)
―――――、なんだかんだで二次試験合格になったよ!
やったぜ( ・´ー・`)ドヤァ!
あの後、ハンター協会の方からなんか言われたらしく、爺さん降臨。ハンター協会の会長らしい。
文字通り降ってきた、飛行船から。
まあ、俺も一回世界樹から滑って大気圏外から落ちたことあるので爺さんでもあの高さなら大丈夫なんだろう。
実際空気抵抗の関係上、どんな高さから落ちてもある一定以上の速度は出ないしな。
そして、別の試験ということで、ゆでたまご作れって言われた。
使う卵は『クモワシ』の卵。
陸生動物に喰われないように断崖絶壁の崖に巣を作る鳥らしい。
崖を飛び降りて卵を取りに行けとのことだ。
というわけでおじさん崖から飛び降りちゃうぞ―!
あ、クモワシの巣に掴まれなかった。運悪いな。糸が近くに無いところだったよ……
そのまま崖の下に落下。川に落ちてドッボーンと水しぶきが上がる。
やべえ、流される!流されたら試験落ちる。
と、全力で流れに逆らって泳ぎ、崖に捕まる。
そしてそのまま崖をよじ登ってクモワシの巣のところまで行って卵を取って帰ってきた。
あっぶなー、不合格になるところだった。
あ、卵は美味しかったよ。
コクが有って超うまかった。オムレツにしてもうまそうだ。もう一回取りに行こうかな。え?あんまりとっちゃダメ?絶滅危惧種なの?そうですか。ならなんで試験内容にした(# ゚Д゚)ゴルァ!
あ、ゴンたちも普通に合格したみたいだよ。なんでびしょ濡れなの?って笑われた。
下の川に落ちたんだよって言ったら、皆、「ああ……」ってなんか遠い目してた。
解せぬ(´・ω・`)
というわけで無事二次試験も終わり、三次試験のため俺たちは飛行船に乗り込むのだった。
あ、乗り込むときにあの寿司に使ってた材料何?ってメンチに聞かれたけど暗黒大陸で採れた香草って言ったら白目剥いてた。
目にもの見せてやったぜ( ・´ー・`)ドヤァ!
―――――、呼び出しくらった。
なんかしたっけ?(;^ω^)
呼びだされた先にはサトツさんとメンチとブハラさんと、あと会長の爺さんがいた。
それでなんかいろいろと聞かれた。
一つ目の質問は名前についてだった。
本名か?って聞かれたけど、一応本名って答えといた。
おっさんに付けられた名前だけどそこそこ気に入ってるしな。
それで二つ目は暗黒大陸に行ったことあるか?って質問だった。
まあ、そこからきたしな。むしろあっちがホーム。
三つ目は何か証明するものはあるか?って聞かれたから、さっきの香草のドライリーフ数枚とニトロ米が一合位入った袋渡しといた。
そしたらなんか皆頭抱えてた。
唯一、爺さんだけホッホッホッと笑ってたけど冷や汗が隠れてない。
なんか不味いことでもしたのだろうか?
それで話を聞くと、暗黒大陸を往来するには許可が必要らしい。
で、許可を得ずに向こうに行って、しかもリターンを得てるとかいろいろヤバイらしい。
……そんなにやばかったのか。てかおっさんもこっちに一回帰ってきてるし普通だと思ってた。
内緒にしとけと言われた。バレたら得てきたモノ巡って争いが起きるらしいし。ヘタしたら殺されるってさ。
なにそれ怖い((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
それで、そんな奴が試験受ける意味なくね?ってことになってハンター証もらった。
え?終わり?これで終わり?ハンター試験合格ですか?
なんかあっさりと締まらない結末だった。
次いで、裏ハンター試験の合格も言い渡された。
ん?裏とか有ったん?いつ受けたんだろ?
まあいいや、ゴンに自慢しに行こっと。
それで話はそれだけだったので俺はその場を後にした。
ちなみに、ゴンは疲れて寝てた。
叩き起こしたら機嫌悪かったのか殴られた(´;ω;`)
解せ……いや流石にこれは俺が悪いわ(´・ω・`)
というわけで俺はハンターになった!やったぜ!
主人公は念を知らない。
ただ鳥が空を飛べるようにどういうものでどう使えばいいのかを知ってる。そんな感じです。
まあ、メルエムも直感的に凝使ってたしな