バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 どうも、村雪です!

 前回は間を空けると言っていたのですが、どうせならきりのいいところで間を空けようと思いまして、今週も投稿をさせていただきました。相変わらずいい加減な作者で堪忍でございます!

 それでは、強化合宿前日の最終回。明久たちは登場しませんが――

―――ごゆっくりお読みください。


通話―顔、が見えないからこそ気楽に話せるんですよね~

「そういうわけで、西村先生とFクラス男子連合の合戦は西村先生の勝利だったわ」

 

「あっはっはっは!さすがはあの先生だ!一人で戦って勝つたぁ格好いいねぇ!」

 

「に、西村先生は本当に強いわねぇ……」

 

「……ああ。私も、あの人数に1人で勝つのはおかしいと思う」

 

「へ~!西村先生って先生はすごいんだね!一回会ってみたいな~!」

 

「わ、わ、私は遠慮しておくわ!だ、だってそんな人に会ったら何をされるか分からないものっ!」

 

「いやいやレミィ。西村先生はそんなひどい先生じゃないわよ?ちゃんとしっかりした先生で、今回もきちんと生徒をケガさせないように手加減をして……」

 

「てっ、手加減をしてそんなに強いなんてどんな人なのよぉ!?そのおじさん、絶対に人じゃないわっ!」

 

「ひ、人ですよレミィ!?西村先生はれっきとした人間の男性だからね!?」

 

「……正直、私もレミリアに同意」

 

「担任を信じてあげて妹紅さんっ!?」

 

 

 西村先生が傷ついちゃいますからっ!先生って体力とかはものすごいですけど、メンタルまでは分かりません!ですからそんなこと言ったらダメですよー!?

 

 

「いや~、一度は彼と酒を飲みたいもんだよ。美鈴、また明日からの合宿中にでも伝えといてくれないか?」

 

「ん、わ、わかったわ。どう返事をされるか分からないけど伝えとくわ」

 

 前に知り合いということで、Aクラスの担任である高橋先生を咲夜さんに誘ってもらったそうですが、まさか西村先生も誘うとは。母さんの積極的な呼びかけには驚くばかりね~。

 

 

 

「そっか。明日からはメイリンたちがいなくなるんだねー。なんだか静かになりそうだなぁ~」

 

「ふんっ。少しの間会えないだけじゃない。だからさみしがる必要なんかないわ。………で、出来れば早く帰ってきてほしいなんて思ってないわよっ!!」

 

「うっ。ご、ごめんね2人とも~っ!」

 

 

 だからそんな寂しそうな顔をしないでーっ!私もできるのならあなた達と一緒に合宿に行きたいの!でもさすがにそれは無理だから仕方ないじゃない!うう~!何日もレミィ達と会えないなんて悲しすぎるわよぉおお!!

 

 

「といっても、5日後にはちゃんと戻ってくるわ。だから2人とも、元気にしてるのよ?」

 

「うんっ!咲夜たちも元気でね!」

 

「妹紅もちゃ、ちゃんと無事に帰ってきなさいよ!じゃないと許さないからねっ!?」

 

「……合宿に行くだけなんだけど……まあ、ちゃんと帰ってくるよ」

 

 

 そう言いながらも妹紅さんは少し微笑んでいて、レミィを見る目はとっても穏やかです。わ、私はまだそんな表情を見せてもらったことがないのに、やるわねレミィ!私もいつかは成し遂げて見せるわよっ!

 

 

 

「しかし、Fクラスは現地集合とは……文月学園は本当にはっきり区別をしてるのね……」

 

「まったくですよ!そりゃまーFとAクラスが一緒なのはおかしいってわかりますけど、だからって現地集合ってのは度肝を抜かされますよね!?」

 

「……親が文句を言ってもおかしくない。あれは」

 

「うん!妹紅さんの言う通りですよっ!」

 

 

 しかし、それがあの文月学園の方針であり、それをふまえての入学ですので文句を言う筋合いはないのかもしれませんが。自分で言っておいて自分で否定する私でございました。

 

 

「はっはっは。まあそう言うな2人とも。ちゃんと電車代とかは渡すから、電車の旅を楽しみゃあいいじゃないか!バスにはない楽しみもあるさ!(ごくごく)」

 

「そ、そりゃあそうだけど~」

 

「……電車代ぐらいは出してくれてもいいと思う」

 

 

 そして私たちの母さんは、全く怒るそぶりも見せず楽しそうにお酒を飲むばかり。もお~っ!いちおう娘たちが不満を言ってるんだから、ちょっとは話に乗ってあげてもいいじゃない!正論だけど!確かに母さんの言うことは正論なんだけどっ!!

 

 

「でも、いいじゃない2人とも。私はバスなのよ?バス酔いが激しい私にとっては、拷問に等しいと言っても過言ではないわ」

 

「む、咲夜さん。そうは言いますがね…」

 

 

 話を聞いていた咲夜さんが、私たちの電車への文句に不満をぶつけはじめました。確かに咲夜さんは乗り物に強い方ではないのですが・・・

 

 

「咲夜さんたちは普通のバスに乗るってわけじゃないですよね?」

 

「ええ。まあ……リムジンバスに乗るわ」

 

「ほらぁ!ものすっごいリッチじゃないですかっ!?」

 

 

 やはりそのセレブのような待遇の良さがうらやましいっ!ちくしょうっ!初めてAクラスになっておけばって思ってしまいました!!

 

 

「えっ…でっ、でも!私は本当にバスが一番苦手なの!だから、どんなバスでも苦痛は苦痛よっ!!なんなら電車と替わってほしいわよ!!」

 

「私だって替われるものなら替えてほしいですよ!!ねえ妹紅さん!?」

 

「(こくこく)……人の多い電車なんか絶対嫌だ……!」

 

 

 当然妹紅さんも咲夜さんに羨望の眼差しを向けます。

 

 高級感が溢れて快適に過ごせるリムジンバスと、快適どころか椅子に座れるかも定かではない満員電車(満員かどうかも分かりませんけど)。どっちかを選べと言われたら10人が10人バスを選ぶはずです!なのに新たな11人目になってどうするんですか咲夜さーん!

 

 

「り、理解できないわっ!バスに自分から乗りたいだなんて!あんなの人を目的地じゃなくて地獄に送る巨大な棺桶よ!2人とも正気なの!?死にたいの!?」

 

「何勝手にバスを処刑道具にして私たちを自殺志願者にしてるんですかぁ!私たちとバス会社の皆さんに謝りなさい!」

 

「三半規管の弱いあんたの問題だろうが……」

 

「ほっ、ほほっときなさい!!私の三半規管が弱いことが迷惑をかけたのかしらっ!?」

 

「……今、私らにかけてるし」

 

「う…!?い、いつの間にか言うようになったわね妹紅さん…!そっちがその気なら私だって遠慮しないわよ!?」

 

「……こちとら、濃い連中ばかりのクラスにいて良くも悪くも成長してんだ…!」

 

「あ、あはは。確かに妹紅さん、以前よりもたくましくなってますよね~」

 

 

 Fクラスというあまりにも個性の強い面子が揃うクラスにいるせいで、妹紅さんはあまり動じることなく咲夜さんとも口を交わします。その姿に私は思わずホロリ。ワイルドな口調の妹紅さんも大好きですよ!

 

 

 

プルルル プルルルルルッ

 

『ん?』

 

 

 すると、突然無機質な電子音が鳴り響きます。皆が一斉に音の発信源へと目を向けました。

 

 

「携帯かしら?」

 

「……誰の?」

 

「あ、私のですね。すいません、ちょっと外しますね」

 

 

 置いておいた携帯を取って私は立ち上がります。こういう時は静かな場所で電話を取るのがマナーですからね。そういうところはきちんとする女で私はありたいのですっ!

 

 

「なんだいなんだい?美鈴、とうとう春でも来たのか~?」

 

「まさか。あいにくそんな心当たりはないわよ~だ」

 

 

 ニヤつきながら的はずれなことを言ってくる母さんに言葉を返し、廊下に出て携帯のディスプレイを見ます。えっ~と、いったい誰から……?

 

 

 

「……あら(ピッ)」

 

 

 確認し、示されていた名前に少し目を丸くしながら私は通話ボタンを押しました。

 

 

 

 

 

「もしもし。どうかしましたか、秀吉君?」

 

『夕飯時にすまんのじゃ、美鈴。今よいじゃろうか?』

 

「ええ、大丈夫ですよ?」

 

 

 

 ドカリと二階への階段に腰かけ、クラスメイトの秀吉君のお話を聞きます。以前学校で連絡先を交換したことがあったのですが、こうして秀吉君と電話で話すのは初めてです。なにかこう、ほっこりしますね!

 

 

『良かったのじゃ。明日からの強化合宿の事なのじゃが、わしらは現地集合することになったじゃろう?』

 

「ええ。そのことで丁度騒いでたところですよ」

 

『騒いで?よく分からぬが、本当に電話をして大丈夫じゃったかのう?』

 

「あ~気にしないでくださいな。騒いだと言っても普段Fクラスで騒いでるような感じですから」

 

『なるほど。それならば確かに大丈夫じゃな』

 

 

 今の言葉で大丈夫だと分かってもらえるあたり、だてにFクラスにいませんね秀吉君!

 

 

「それで、明日の合宿がどうかしましたか?」

 

『うむ、実は先ほど明久達から、明日一緒の電車に乗って合宿場へ行かないかと誘われてのう。よければお主と藤原(ふじわらの)もどうじゃろうか?』

 

「ああ、それはありがたいですね~!」

 

 

 妹紅さんと二人で電車旅というのも魅力ですけど、こうやって誘いがあっては断る理由もありません。喜んで提案に乗らせてもらいましょう!

 

 

「じゃあ、私も妹紅さんとご一緒させてもらってよろしいですか?」

 

『そうかっ。良かっ、じゃなくて分かったのじゃ。明久達にもしっかり伝えておくのじゃっ』

 

「はい、お願いしますっ!」

 

 

 ん?どことなく秀吉君の声が弾んでるような・・・あっ!さてはあれですね!?お姫様みたいに綺麗な妹紅さんと一緒に行けるのが嬉しいんですかっ!あははっ!女の子みたいだなんだと言われてますが、きちんと男の子してるじゃありませんか~秀吉君!

 

(※……それもあるかもしれませんが………やはり、ねえ?)

 

 

「あ、ちなみに誰が来るか分かりますか?」

 

『えっと、わしにお主に藤原、明久と雄二とムッツリーニじゃ。最初に連絡したのがお主じゃから、姫路たちにはまだ確認しておらんのう』

 

「あ~、それでしたら女子の皆には私が連絡を取りますよ。任せっぱなしは申し訳ないですから」

 

 

 魔理沙とチルノは連絡先を元々知ってますし、瑞希さんと美波さんのは前に交換したので、女子全員に連絡を取ることが出来ます。女の子には女の子が連絡をするのが筋ってやつですね!

 

 

『おお、それは助かるのじゃ。わしは姫路たちの連絡先を知らなくてのう。お主の連絡先しか分からなかったのじゃ』

 

「なるほど。そりゃ連絡が取れませんね~。じゃあ私が連絡してどうするか聞いておきますよ」

 

『すまぬ。迷惑をかけるのじゃ』

 

「いえ。普段から秀吉君にはお世話になってますから、これぐらいはお安い御用ですよ」

 

 

 数少ない常識人である秀吉君がどれだけ私の心に安らぎを与えてくれたか!そんな人の頼みごとなら、たとえ火の中水の中咲夜さんの胸の中でございます!

 

 

『い、いや、わしは世話などしておらんのじゃ。むしろわしの方がお主に世話になっておるぞい』

 

「いやいや、秀吉君はあのFクラスではオアシスの一人!私はいっつもあなたに癒されてますよ~」

 

 

 だから謙遜なんかしなくても~。でも、そんなところも秀吉君の良いところですね!

 

 

『い、癒され……っ!?ま、ま、またお主はそういうことを言いおってからにぃ……!』

 

「?もしもし秀吉君?どうかしましたか?」

 

『な、なんでもないのじゃ!まったく!お主は無自覚すぎるのじゃ!突然言われるわしの身にもならんかっ!』

 

「は!?い、いきなりなんですか!?私何も変なこと言ってませんよ!?」

 

『それじゃっ!お主はもう少し自分の言うことの意味を理解せいっ!みょ、妙な勘違いをしてしまうじゃろうが!』

 

「妙な勘違いって何ですか!?ちゃ、ちゃんと自分の言ってることは理解してます!勝手に秀吉君がなにかと勘違いしてるんじゃないですか!」

 

『あ~もうこれじゃ!こっ、この天然女子めがっ!』

 

「ケンカ売ってるんですか秀吉くぅん!?わたしゃケンカふっかけられて黙ってるような女じゃありませんよ!?」

 

 

 さっきの言葉訂正!オアシスなのは間違いありませんけど、秀吉君も立派にFクラスのメンバーでしたっ!

 

 

『そ、そんなつもりはないが、わしだっていつも翻弄されっぱなしなのじゃ!たまにはがつんと言ったって良いじゃろうが!』

 

「だ~か~ら~何の話をしてるんですかっ!!私はただ秀吉君に癒されるって言っただけじゃないですかぁああああ!!」

 

『じゃからそういうところだと言っとるじゃろうがぁあああああ!!』

 

「うおおおうっ!?」

 

 

 まさかの逆切れ!?おおお……え、演劇部をやってるのは伊達じゃないですね。鼓膜がびりびりしてやがりますよ…!

 

 

『ぜい……ぜい…………うむ。心の中で思っていたことを少し吐き出せたのじゃ。すまんのう美鈴』

 

「い、いえいえ、それは良かったです。私の鼓膜にすごい衝撃を与えたという点にだけ謝罪をしていただければ全く問題ないのでありますよ』

 

 

 結構でかい声でしたから鼓膜がパンクするのを覚悟しましたよ。まあ特に被害なく、心底びっくりするだけでしたのですが。

 

 

「まあともかく、私はホントに秀吉君に感謝してますよ?いつもありがとうございますね、秀吉君」

 

『む………こ、こちらこそいつもありがとうなのじゃ、美鈴』

 

「あっはっは。何かお礼を言われるようなことをした記憶はありませんけど、ありがたくその言葉を受け取らせてもらいますよ(ガシガシ)」

 

 

 や~。誰からお礼を言われるのも照れくさいものですね~。私は気を紛らわすために強めに頭をかきます。

 

 

「しかし今更なんですけれど、吉井君が瑞希さんと美波さんに連絡をした方が3人共喜ぶ気がしませんか?」

 

『ああ、わしもそう思って言ってみたのじゃが、恥ずかしいからダメだと言っておったぞい』

 

「普段は色々大それたことをしているのに、変なところで気弱になりますね……」

 

『まったくじゃな。あやつはもう少し頑張る部分を変えてみるべきじゃ』

 

「でもまあ、吉井君はやるときはやる男子ですからね。この前も坂本君たちと―――」

 

『ふむ。それはまた――――』

 

 

 

 そのあと、私は秀吉君と雑談を続けました。Fクラスにいると常に何かが起こっているので話題の種は尽きず、誰かがバカをやったときの話や、はたまた見ていてむずかゆくなる青春の話(主に魔理沙とアリスの事や、吉井君達の事です)を和気あいあいとしゃべり、気づけば十数分の時間が経っていました。

 

 

「――とまあ、私としてはアリスももう少し魔理沙の気持ちに気づいてあげたらと思うんです」

 

『じゃな。どうなるかは分からんにせよ、あれじゃと魔理沙が生殺しの状態じゃからのう』

 

「うんうん。アリスってすごい出来る女の子なんですけど、そういうことに関しては吉井君と同じ感覚ですよね~!」

 

『……お主がそれを言うか……』

 

「あ、あれ?思ったよりも賛同をいただけませんでしたよ?」

 

 

 おかしいですね。今のは絶対に分かっていただけると思ったのですが……

 

 

『っと、すまぬ。長々と話してしまったのじゃ』

 

「ああ、そういえば結構経ってますね。こちらこそすみません秀吉君」

 

 

 友達と話しているとあっという間に時間が過ぎますねー。少し名残惜しいものを感じますが、ここで打ち切らせてもらいましょう!

 

 

「じゃあ、お互いお夕飯に戻るとしましょうか!お話しできて楽しかったです秀吉君!」

 

『う、うむ。わしも……た、楽しかったのじゃ。また明日も話そうぞいっ』

 

「ええ!それでは、また明日お会いしましょう秀吉君」

 

「ああ、明日からよろしく頼むのじゃ、美鈴」

 

「はい、こちらこそ!ではでは~(ピッ)」

 

 

 

 

 は~、思わぬ長会話となりましたが楽しかった~!

 さて、電話も終わったことだし早く戻ってご飯を―――

 

 

 

 

 

「「………………!!(じ~~~っ)」」

 

「………くぅぅぅぅ…!!(ギリギリ)」

 

 

 

「…………え、ええ、と…?レミィ?フラン?そんなに好奇心いっぱいの目でこっちを見てどうしたの?で……さ、咲夜さんはどうしてそんな不満そうな顏をして親指をかんでらっしゃるのですか??」

 

 

 

「メイリンッ!やっぱり付き合ってるんだ~っ!」

「メ、美鈴は大人の女性になってたのねっ!」

 

「美鈴っ!つ、付き合うなとは言わないけれど、まずは家族に連絡をするのが筋っていうものでしょう!?」

 

 

「はぇ!?ちょ、ちょちょっと3人共っ!?」

 

 

 

――食べる前に、詰め寄ってくる3人を宥めなければいけなくなりました。

 

 

 なんとか数分かけて3人を落ち着かせることに成功し、部屋に戻った私を待っていたのは、満足そうにお腹を満たした母さんと妹紅さん。

 

 

 そして、部屋を出る前にあった料理が綺麗になくなったお皿の数々。

 

 お腹をすかせた私が涙を流すまで数秒前でございます。

 

 

 

 

 

 

 

『はっは。相変わらず美鈴は愛されてるね~、さすがは長女だ。んぐっんぐ』

 

『……すごい聞き耳を立ててるけど……そんな気にすることか…?』

 

『ふはぁ。まあ慕っている姉を盗られる感覚がしてつまらないんだろうさ。フランとレミィは純粋に好奇心みたいだがねぇ』

 

『……別にあいつらはそういう関係ではない……と思うけど…』

 

『ん?そうなのか?まあ私としちゃあ、付き合おうが付き合わなかろうが、美鈴が良いならそれで構わないよ。やりたいようにやるのが一番だ』

 

『……まあ、そうかも』

 

『ただまあ……』

 

『?』

 

 

『私の娘を悲しませたり傷つけたりするような奴がいたら、私は一切の慈悲なくそのクソボケを叩き潰すだろうがね』

 

『……………子が親に似るって言葉を、今ものすごく理解できた』

 

 

 

 

 

 

 

『ちょっと秀吉!晩ご飯だってさっきから言ってるでしょ………って、どうしたのよアンタその顔。ニヤニヤしてすっごい嬉しそうだけど、なにかあったの?』

 

『…………姉上。わしは今、心から湧き上がる嬉しさと興奮を抑えきれんのじゃが、どうすればいいのかのう』

 

『……よく分かんないけど、頭を貸しなさい秀吉。今からあんたを落ち着かせてやるわ』

 

『ってま、待つのじゃ姉上!それは落ち着かせるというよりわしの意識を落とすつもりじゃろうが!?わしは何もしておらんぞいっ!?』

 

『うっさい!うぅ~…!ほんっとうに幸せそうな顔をしてぇぇえ……!そんな乙女な顔を弟に見せられて、姉のプライドが傷つかないわけないでしょうがぁああああ!!』

 

『そ、そんな乙女の顔などしておらっ、ぐああぁああああ!?ア、アイアンクローはあまりにもひどすぎるのじゃぁあああああっ!』

 

 

 

 




 
 お読みいただきありがとうございます。

 今回は勇儀さんファミリーを中心に書かせてもらいました!だんだんと妹紅さんも打ち解けてきているようで何よりでございます!
 そして後半は、美鈴さんと秀吉による携帯トーク!うん、もうどっちが男の子なのか女の子か分からん!もう美鈴君と秀吉さんって書いても正直違和感ない気がしますよ!


 そんなイケ美鈴さんとピュア秀吉君の会話。久々にこの2人だけのシーンを書くことが出来たのですが、皆様はいかがでしたでしょうか?あわよくば満足していただけたことを願い、後書きとさせていただきます。

 それではまた次回っ!間が空くと思いますが、ようやく合宿当日となりますよ~!

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