バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 今回はちょっと語り手(?)を数人に分けてみました!

 あと、戦闘が他の方のssに比べてかなり単純だと思いますけど・・・・・・よ、読みやすいということで堪忍してやってください!バトル系ssを描く人にコツを聞くのが吉か…!?

 そんなこんなで、皆さまの好みの内容になっているかどうか不安ですが・・・読んでいただければ!


 ―――では、ごゆっくりお読みください。

 


攻防―バカ、じゃなくてあたいは最強なのよさ!

 

 

『木下!そっちの豊川の援護についてやってくれ!私はこっちのDクラス連中を相手してやるぜ!』

 

『了解じゃ!』

 

『ああ?一人でDクラスメンバーを相手にするだと!?なめてると痛い目に遭うぞ!』

 

『へっ!そんな言葉を言う奴に限って真っ先にやられるんだぜ!?』

 

『ぬかしやがれっ!試獣召喚(サモン)っ!』

 

『さあて、試獣召喚(サモン)っ!』

 

 

 

「吉井!魔理沙(まりさ)達がDクラスの連中と渡り廊下で交戦状態に入ったわ!」

 

「みたいだね!」

 

「アタイ達も行くわよよしー!」

 

「まだだよチルノ!僕たちはここにいるの!」

 

「え~!」

 

「ほらチルノ、あめ玉よ!」

 

「わ~い!」

 

 

 いよいよ始まったDクラスとの試験召喚戦争!僕たちは今、AクラスからDクラスがいる新校舎と、僕達FクラスとEクラスが根城としている旧校舎を繋ぐ渡り廊下で衝突したところだ!ビビることなくDクラス相手に挑発なんて、霧雨(きりさめ)さんはたくましいなあ。この小さな女の子、チルノもそうかもしれないけれど、こちらは絶対考えナシだよ。ただのアホだね。

 

 

「バカなよしーには言われたくないのよさ!」

 

 

 アホのくせにエスパーだって!?

 

 

「あめ玉で機嫌を良くして全てを忘れる君の方がバカだ!」

 

 

 僕がそんな奴よりバカなはずないじゃないか!たったあめ玉一つで周りを見なくなる奴なんてこのチルノを除いてどこに―

 

 

「ほら、バカなよしーに仕方ないからアタイのあめをあげるわ。」

 

「こら、チルノ!舐めたあめを人にあげたりしたらダメじゃない!」

 

「ありがとうチルノ!じゃあ遠慮なくいただきまぐべっ!!?」

 

「吉井ぃっ!何女の子が舐めたあめをためらいもなく食べようとしてんのよ!!」

 

「な、なんてことをするんだ島田さん!僕は別にチルノがなめたからなんて変態的な考えはしていないよ!ただ、僕は食べ物を食べられるなら変態的な行動も辞さないんだけなんだっ!!」

 

 

 島田さんは知らないかもしれないけど、僕の食生活はそこら辺の野良犬と変わらないレベルなんだ。だから食べれるときには食べる!これが僕の生み出した思考だよ!

 

 

「・・・・・・チルノ。こんな奴にバカなんて言われて辛かったわね・・・でも、絶対吉井の方がバカってウチは信じるわ。」

 

「だよねっ!さすがみなみは分かってるわ!」

 

 

 僕はとても大切なことを言ったはずなのにっ、なぜ僕を見る島田さんの目はゴミクズを見る目なんだ!!そしてチルノ!その腹が立つ笑顔をやめるんだ!

 

 

「ふっ…アタイの方が上手(じょうず)だったわね、よしー。」

 

「違うよ!?読み方間違ってるよねそれ!こんな単純な漢字を読み間違えてドヤ顔するチルノより僕の方がかしこ―!!」

 

「吉井、戯言を言う部分を潰してあげるわ。頭?それとも喉かしら?」

 

 

 どっちも急所だ。選択をさせる意味があるのそれ?

 

 

「ご、ごほん!二人とも今は戦争中なんだよ!?関係ない話をする暇があるのならた秀吉達の援護に入る時を見とかないと!」

  

 

 命のブザーが聞こえたので慌てて話を切り替える。僕たちが秀吉達を援護しなきゃ誰が守るのさ!

 

 

「そうだった!アタイ達の出番ねっ!」

 

「・・・それもそうね。じゃあ、指示はどうするの、部隊長?」

 

 

 そう、僕は今知らない間に任命された中堅部隊の隊長だ。秀吉達先方部隊がどうなるか次第で、僕たちがとるべき行動は変わってくる。それを皆に支持するのが僕の役目だっ!

 

 まずは戦闘の様子をこの耳で入手しよう。え~と?

 

 

 

『ほらよっとお!』

 

『い!?な、何でー!?』

 

『私をなめたのが運の尽きだぜ!努力をすれば報われるって覚えとけ!』

 

『その通りだ!さあ来い!この負け犬が!』

 

『て、鉄人!?嫌だ!補習室は嫌なんだっ!』

 

『黙れ!捕虜(ほりょ)は全員この戦闘が終わるまで補習室で特別講義だ!終戦まで何時間かかるか分からんが、努力を無下にしたことも含めてたっぷりと指導してやる!』

 

『た、頼む!見逃してくれ!あんな拷問(ごうもん)耐え切れる気がしない!』

 

『拷問?そんなことはせん。これは立派な教育だ。補習が終わる頃には趣味が勉強、尊敬するのは二宮 金次郎といった理想的な生徒に仕上げてやろう。』

 

『お、鬼だ!誰か助けっ―イヤァァー(バタン、ガチャッ)』

 

『へへ!迷わず成仏してくれよなっ!そんじゃあ次は―』

 

『魔理沙!至急こちらに手を貸してほしいのじゃ!三人やられてしまっとる!』

 

『げっ、まじかよ!?すぐい―』

 

『魔理沙さん、覚悟!試獣召喚(サモン)っ!』

 

『くっ!いいタイミングでせめてきやがるぜ…!木下!なんとか切り抜けろよっ!』

 

『ぬうっ!誰か手が空いておるものは急いで来てくれっ!!』

 

『やあっ!』

 

『う、うおお!?あんま点数補充出来てないってのに…!こ、こっちもヘルプだぜー!』

 

 

 

・・・よし!やるべきことが決まったね!

 

 

「島田さん、中堅部隊全員に通達を!」

 

「了解!先方部隊と入れ替わるのね!?」

 

「総員退避だ!」

 

「この意気地なしがっ!」

 

「ぎゃあ!目が、目があっ!」

 

 

 なんて躊躇(ちゅうちょ)ない突きなんだ!目玉も同じく無くなるところだよ!?

 

 

「いい吉井?ウチらの役割は木下達の前線部隊の援護で、アイツらが戦闘で―」

 

「みなみ!アタイには何を言ってるか分かんない!もっと簡単に!」

 

「そろそろウチらの出番ってこと!」

 

「なるほどね!」

 

 

 チルノ、分かるも何も最後まで聞いてないよね?

 

 

「待ちくたびれたわ!アンタ達!いよいよアタイ達の出番よ!」

 

 

『うおーっ!』

 

 

 待つんだチルノ!僕に代わって指揮を執れなんて言ってないぞ!だいいち!チルノにそんな大役がはたせるわけ―

 

 

「最強のアタイがついてるんだから負けなんてありえない!」

 

『おーっ!』

 

『アタイが負けないってことはアンタ達にも負けは無くなったわ!』

 

『おおおおおおっ!!!』

 

『あとはどれだけ最強に勝てるかよ!アンタ達もかっこいい終わらせ方をしたいでしょ!?』

 

『当然じゃあああああああっっ!!』

 

「なら!アタイも頑張るから、アンタ達もめいっぱい頑張るのよおおおおおおお!」

 

『めいっぱいやっちゃらあああああああああああ!!』

 

「行くのよさあああああああああ!!」

 

『うおおおおおおおおおおおっっっ!!』

 

 

 とてもやる気に満ちた顔で、チルノを先頭に中堅部隊全員が前線へと突っ込んでいった。・・・・・・あれ、僕の役職って何だっけ?皆をまとめる部隊長じゃなかったかな?なんだか、チルノが思った以上に上手く士気を上げてたような気が・・・

 

 

「吉井、あんたよりチルノの方がしっかりしてるわね。」

 

「ぼぼっ、僕だってチルノのまねをすればあんなこと簡単に出来るよっ!!」

 

「チルノのまねをしているところでチルノに負けてるでしょうが。」

 

「そ、そんなことはないよ!なら見ててよ!?今から僕がチルノ以上に活躍してやるから!」

 

 

 あのチルノに出来て僕に出来ないことはバカをするところだけだ!今からそれを島田さんに教えてあげるよ!

 

 

「ふ~ん?ならやってもらおうじゃない。」

 

「いいとも!じゃあ手始めに秀吉達を助け―」

 

 

「ふい~やばかったぜ~!」

 

「まったくじゃな。チルノには感謝せねば…ん?お主らもおったのか?」

 

「何してんだ?私たちの代わりなら早く行った方がいいんじゃないか?」

 

「・・・・・・だれを手始めに助けるんだっけ?」

 

「・・・ふっ、ここはチルノに花を持たせてあげたんだよ。」

 

「無駄口叩く暇があるならさっさと動くわよ。この役立たずが。」

 

 

 僕の心をなめないでもらおう………とっくにひびが入って崩れかけてるよ!

 

 

 

 

 

 

 

「……(カリカリ)。」

 

「……(カリカリ)。」

 

 

 う~~ん。Dクラス戦が始まってからどのくらい経ちましたかね?

 

 私と瑞希さんは戦争が始まってからずうっと試験を受けています。というのも、試獣召喚戦争で必要となってくるのはテストの点数と技術。特に点数に関しては召喚獣の強さに比例していくので点数が必要不可欠なわけです。にもかかわらず、私や瑞希さんは理由は違えど振り分け試験でワースト一位となる0点をとっちゃったんです!なので召喚獣の強さは全くない状態となっているのですよ・・・

 

 それを強くするために、今私たちは補充試験と言う点数を貯蓄するテストをうけているわけです。魔理沙も0点だったそうなんですけど、ちゃっちゃと済ませて勝負の場へと向かっちゃいました。勝負をしに行きたいのはいいんですけど、負けちゃっても知りませんよ?

 

 

「2人とも。この計画の要はお前たちとなるから、出来るだけ素早く正しく回答してほしい。」

 

「は、はいっ!」

 

「なかなか難題ですけど、まあやってみます!」

 

 

 代表である坂本君の声を聞きながらも私たちは手を止めません。

 

 

“I love him all the more for his sincerity.”

 

 

 えっと、「彼は誠実なのでいっそう私は彼を愛する。」っと。次は・・・作文ですか。「~というよりむしろ…」は…確か咲夜さんに良く出ると言われて教えてもらったような・・・・・・ not so much ~ as… でしたっけ?

 

 

「・・・・・・やはり大したものだな、紅(ホン)。明久とは比べ物にならん。」

 

「あはは、苦手な人は苦手ですから仕方ないですよ。」

 

「いや、あいつの場合、その訳を『私は』としか訳せないと思うぞ。」

 

「・・・あ、愛ぐらいは訳せるでしょ~・・・」

 

 

 小学生の低学年でも分かると思いますよ?

 

 

「と言っても、咲夜さんに比べればまだまだですよ。」

 

 

 なんせ私に勉強を教えてくれた先生なんですからね~。咲夜さんには頭が上がりませんよ!

 

 

「少なくとも、Dクラスとの試召戦争では大きな戦力になるのに違いないさ。」

 

「そうですよ、美鈴(メイリン)さん。今は自信を持っていきましょう。」

 

「・・・そうですね、すいません!」

 

 

 モチベーションを下げてしまうような事を言ってはいけませんね。反省反省!

 

 

「今帰ったぜ!」

 

「帰ってきたのじゃ。」

 

「あ、お疲れさまでした!」

 

 

 そこへ、先見部隊である魔理沙や秀吉君たちが帰ってきました。

 あら・・・いったときより人数が少ないという事は、やられて西村先生の補習室にいっちゃいましたか。なのに急ごしらえのの点数の魔理沙が行かないとは、運が良かったのか、あるいはその点数よりもFクラス男子の点数が低いのか…?出来ることなら前者を願います!

 

 

「おう、どうだった?」

 

「少し攻められてるってところだぜ。やっぱり1人1人の点数は向こうの方が高いな。」

 

「今は明久たちが代わりに交戦しているところなのじゃ。」

 

 

 つまり少し劣勢というわけですか。でも少しだけ攻められてるという事なんですから、役目は十分果たしているでしょう!

 

 

「そうか。ならお前たちは点数の補充を始めてくれ。」

 

「おう。」

 

「了解じゃ。」 

 

 

 指示通りそれぞれが席に戻って補充試験の準備を始めます。0点にならなければ何度でも補充できるのが良いですよね。逆に言えば、相手が何度も復活するという事ですけども。

 

 

「坂本君。私も出ましょうか?」

 

 

 ある程度科目をしぼれば満足した点数です。だからピンチの時はいつでも出発することができますので指示を仰ぎます!

 

 

「いや、まだ待つんだ。あいつらがどのくらいDクラスの戦力を減らせるか、それにDクラスがどう対抗してくるかを見てからでも遅くは無い。」

 

「分かりました。」

 

 

 は~、坂本君は頭が回るんですね?吉井君をおちょくってる時とは別人みたいです。

 

 

「・・・そろそろあいつが逃亡しようとするころか。横田!」

 

「?なんだ代表?」

 

「…よし。これを明久の奴に聞かせてこい。」

 

「おう、分かった。」

 

 

 あれ?坂本君が何かを書いて横田君に渡し、どこかに行かせました。

 

 

「坂本君、何を渡したんですか?」

 

「なに、明久の野郎を励ますための一言を書いたメモだ。」

 

「おお、優しいですね~!何て書いたんです?」

 

「秘密だ。が、あれを見れば奴は必ず必死になるさ……恐怖から逃れるために。」

 

「全然優しくなかった!?」

 

 

 どんな時でも坂本君は坂本君でした・・・

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、最強のアタイとやるのは誰!?」

 

 

 チルノが仁王立ちをしてDクラスの面々を見渡す。これが貫録のある人なら、おじ気ついて引き下がるところだろうね。でも、

 

 

「俺がやってやるよ!」

 

「さっさと補習室送りにしてやれ本堂(ほんどう)!」

 

「雑魚(ざこ)がしゃしゃり出てるだけだぞ!」

 

 

・・・全く効果ないね。僕だって絶対気にせず挑むよ。小柄な女の子の上にバカなんだもん。怖いどころかむしろ可愛いぐらいだよ!チルノだから全く感じないけどね!

 

 

 

「藤田先生!本堂卓也が英語で勝負します!」

 

「はい、承認しました。」

 

「ふふん!ザコって呼べるのも今の内よ!」

 

「試獣召喚(サモン)!」

 

 

 その言葉が、召喚獣を呼び出す合図。本堂君という男子の足元に、幾何学模様が浮かび上がり、そこから小さな生物らしきものが現れてくる。顔は本堂君の顔を可愛らしくアニメ要素にしたデフォルト顔で、体を西洋の甲冑(かっちゅう)で包み、手には両刃の剣が一本。これが召喚獣だ。

 

 

 

『Dクラス 本堂卓也  英語101点』

 

 

 

 そう左側の空間に表示されているのは本堂君の英語の試験点数と、今の召喚獣の強さ。これがゼロになれば戦死者扱いされて、戦闘不能になるってこと。でも、やっぱり上のクラスなだけはある!僕でさえも負けてしまってるよ!

 

 

「じゃあアタイも、試獣召喚(サモン)っ!」

 

 

 なのにチルノは無謀にも召喚獣をだしちゃった!やっぱりバカだ!

 

 

「チルノっ!僕が負けてる相手にチルノが勝てるわけがないよっ!?」

 

「よしー、あんたが負けるのはバカだから仕方ないことよ。」

 

「心配してあげてるのになんて言い草なんだっ!」

 

 

 間違ってない!僕が普通でチルノがバカなのは本当なはずだよねっ!?点数が53点の僕のどこがバカなんだ!

 

 

「でもね、アタイは最強なのよ。」

 

 

 チルノの足元にも幾何学模様が浮かび上がり、だんだんとその姿を現す。

 

 青色のワンピースで、ひらひらした部分だけが白のギザギザ模様となっているとても涼しそうな姿だ。

 

 

「そんなアタイが負けるですって?」

 

 

 そして手には、中央の刃を軸に左右にも刃が取り付けられているトライデントと呼ばれる武器が。

 

・・・ぼ、僕の武器よりは見栄えがいいみたいだね。でもそれはきっと見かけ倒しでしょ?点数が無ければすぐにポッキリいっちゃうナマクラになるってこともあるのさ!それなら僕の見た目が悪くても質の良い(と思う)木刀の方がましなのさ!!

 

 

 じゃあ、ここで一つチルノの点数を見て実力の差を見せてあげるとしようか!僕がバカだと言ったことを後悔するんだねチルノ!

 

 

 さあ、点数は―――

 

 

 

 

 

 

「―――最強をなめるんじゃないのよさ。」

 

 

 

 

 

『Fクラス チルノ・メディスン  英語168点』

 

 

 

『「ば、バカなああああああっっ!!!?」』

 

 

 本堂君達Dクラスと揃って声をあげちゃったよ!!

 

 え、ええええ!?何その点数!?軽く本堂君どころかDクラス平均より上なんじゃないの!?僕が思い切り実力を見せつけられたよ!!バカなチルノがこんなに賢いはずがない!!

 

 

「誰がバカよ!アタイはバカじゃなくて、最強、よっ!」

 

「あ。う、うわっ!」

 

 

 チルノの召喚獣が素早く本堂君の召喚獣へ近づいて、一気に獲物で貫いた。あ、ナマクラでも無かったね。

 

 

 

『Dクラス 本堂卓也       英語   0点

       VS

 Fクラス チルノ・メディスン  英語 168点  』                            

 

 

「く、くそおっ…!」

 

「最強のアタイに挑んだことは褒めてあげるわ。」

 

 

 一瞬で本堂君は戦闘不能になった。それが意味するのは、

 

 

「戦死者は補習ううううっ!!」

 

「いやだああああああああ―!!」

 

 

 もの凄い速度で鉄人が走ってきて、本堂君を軽々と持ち上げて補習室へと連行した。

・・・・死んだあとには地獄。ああ、なんて悲惨な末路なんだろう。

 

 

「さあ、次にアタイとやるのはどいつだああ!!」

 

 

 チルノが見渡すけどすっと目を逸らすDクラスメンバー。まさかの伏兵に、さっきまでの威勢はなくチルノに怯えるばかりだ。そして僕も実力の差を知ってチルノに怯えまくりだ。チ、チルノにバカと呼んだことで同士討ちされないよね?速攻死ぬよ僕!

 

 

「誰もいないなら・・・アタイからいくわよおお!!」

 

「!チルノ隊長に続けええ!!」

 

『おらあああああああ!!!』

 

 

 僕の隊長の座はチルノに剥奪(はくだつ)されたみたいだ。隊長の勇ましさに気を昂(たか)ぶらせて、皆がDクラスの先兵へと突っ込んでいく。

 

 

「ひ、怯むな!やるぞDクラス!!」

 

『はあああああああっっ!!!』

 

 

 Dクラスの隊長らしき人の声で召喚獣を迎撃態勢にして、Dクラスは僕たちを睨みつけ・・・・衝突した。

 

 

『おりゃああああっ!』

 

『いやああああっ!』

 

『さ、さくらーっ!』

 

『次はあんただああ!!』

 

『さ、さくらのかたきいいいっ!』

 

『隊長に負けんじゃね、ぐはあっ!?』

 

『芋沢!あっさり負けてんじゃねえ!』

 

『しょせんFクラスだ!そのチルノ以外は雑魚なはずだから、そこから攻めていけえっ!』

 

『誰が雑魚だあ!?なめてっと痛い目にあげっ!?』

 

『痛い目にあってんじゃねえ沢井いっ!』

 

『絶対ここは通すな!』

 

『倒せ!Fクラスへの道をこじ開けろ!』

 

『ならアタイも倒してみろおっ!』

 

『ぐおおっ!?』

 

『く・・・!チルノとやる奴は倒そうとするな!時間を稼ぐのと点数を削ることだけに専念しろっ!』

 

『『『了解っ!』』』

 

『チルノちゃんを守るぞお前らあああああ!!』

 

『『『っしゃあああああああっ!!』』』

 

 

 

 

「・・・・・・島田さん。一つ提案があるんだ。」

 

「奇遇ね吉井、ウチもあるわ。」

 

 

 皆が覚悟をして戦ってる中、元隊長の僕と副隊長の島田さんは離れた場所で話し合う。

 

 

「「撤退しよう(しましょう)。」」

 

 

 部下に面倒事を押し付けて逃げ去る上官2人。経験を積ませてあげようとする、なんて部下思いの上司なんだろう!

 

 

「僕よりもチルノのほうが強かったからね。だからきっと上手くやってくれるよ。」

 

「そうね。後であめ玉をあげたらきっと許してくれるわ。」

 

「うんうん。僕たちはお呼びじゃなかったんだよ。」

 

 言い訳をしないところも僕らの美点だよね!

(※してます。汚点の間違いでは)

 

 

「吉井。」

 

「あれ、横田君?」

 

「こんなところにどうしたのよ?」

 

 

 こんなところから教室に戻ろうとした僕らの後ろには、教室配備となっているはずの横田君が。

 

 

「坂本代表から伝言だ。」

 

「坂本から?」

 

 

 え、雄二から?ひょっとして何か作戦の事?それだったら隊長のチルノに伝えてほしいなあ・・・絶対聞く余裕なんてないと思うけど。

 

・・・じゃあ仕方ないか。大人である僕が聞くだけ聞いてもいいよね。

 

 

「えーと、雄二はなんて?」

 

 

 

「『逃げた奴は紅の体術をくらわせる』、とのことだ。」

 

 

「いくわよ吉井いいい!!!」

 

「了解いいいいいいいっ!!」

 

 

 やっぱり仲間は見捨てられないZE!僕たちは仲間の待つ戦場へと駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

「――と言う感じで、吉井と島田はがむしゃらに戦地に向かって行った。」

 

「予想を裏切らないなあのバカは・・・」

 

「ち、チルノちゃんに押し付けるなんてひどいです、吉井君、美波ちゃん・・・」

 

「ま、まあ補習は嫌って気持ちは分かりますけどね。」

 

 

 横田君の報告に呆れと悲しみと苦笑が浮かぶのみです。というか二人とも!チルノの世話は頼みますって言ったのに、何逆に世話を焼かせてるんですか!?ちょっと反省しなさーい!!

 

 

「ご苦労横田。お前は配置に戻ってくれ。」

 

「おう。」

 

「…しかしなんじゃ。チルノがそれほど活躍するとは思わんかったのじゃ。」

 

 

 話を聞いていた秀吉君がとっても驚いた表情で分からなくもない事を言いました。

 

 

「そ、そんなこと言ったらダメです木下君っ。チルノちゃんだってきっと・・・・・・・・・・・・ちょ、ちょっとは勉強をしていたんです!…………た、多分。」

 

「姫路。そんなに気を遣わずとも、チルノは勉強はしてなさそうと言ったって誰も責めやしないさ…」

 

「そそっ!?そしょんなことおお思っていませんよっ!?」

 

「・・・優しいですね瑞希さんん~・・・!!」

 

「め、美鈴さん!?どうして泣きながら私の頭を撫で始めたんですか!?」

 

 

 あなたの優しさに感激したからです!いつまでもそれを持ち続けてくださいね~!

 

 

「で、紅はなぜチルノが活躍しているのか知っているのか?」

 

「ぐすっ、ああ。多分ですけど、英語の科目で勝負をしているんじゃないですかね?」

 

「…なるほど、母国語って事か。」

 

「「あっ。」」

 

 

 秀吉君と姫路さんがそろって声をあげました。

 

 チルノは名前からも分かるでしょうけど、日本ではなく海外出身なんです。それがどこかまでは忘れましたが、そこが日常から英語を使用する国だったとは思います。だからチルノは英語の文章など何のことなく読んで内容を捉えることが出来たのでしょう

だから、英語の点数だけは高いのだと思います。…他の科目は良くは無かったですが!

 

 

「なるほどな…だが、これは良い予期せぬ事態だ。先方部隊!今流れは俺たちに傾いている!お前らの補充が終わり次第すぐにチルノ達の援護に向かうんだ!」

 

『了解(なのじゃ)(だぜ)っ!』

 

 

 坂本君はにやりとワイルドな笑顔を浮かべて先方部隊の皆さんに指示し、それに従います。

 

 よしっ!私も頑張って点数を稼ぐとしましょう!頑張るんですよチルノ~!

 

 

 

 

 

 

 

 

「大越さん。今はあたいらが押されてるのは間違いないかい?」

 

「う、うん。ごめんなさい、お燐(りん)さん…』

 

「いや謝る必要はないよ。みんな立派に戦ってくれてるんだから、文句なんか言えないさね!」

 

「お、お燐さん・・・!」

 

「で、その原因はチルノなわけだね?」

 

「あ、はい!チルノって女子が結構点数があって、それで上手く攻めれなくて・・・」

 

「う~ん、予定通りにゃあいかないかあ。」

 

 

 Dクラスの教室の教卓前で、ガリガリとあたいは頭をかいた。

 

 チルノとは去年一緒のクラスだったんだけど、よもやそんな点数を稼いでいたとは知らなかったね。みくびっていたあたいを許してやっとくれよ?

 

 

「どうする、お燐さん?ここではもっとスムーズに進行する予定だったが…」

 

 

 そう言ってあたいに、代表である平賀君が話しかけてきた。あたいは今彼のサポートをする参謀みたいなもんで、彼と相談しながらDクラスメンバーの動きを指示してるってことさ。皆の事にも関わる大事なことだから、ここはきちんと考えなきゃいけないね!

 

・・・さて、どうするかね。Fクラスへ向かうための渡り廊下でFクラスと衝突して、そのままFクラスに行けたらと思ったけど、意外とてこずっちゃってるのが現状。このまま押し続けてFクラスメンバーの壁をのけれるならいいんだけど、残念ながらチルノのせいでそれは難しいみたいだ。さいきょーさいきょー言っていたけど、案外間違ってなかったんだね?にゃっはは!

 

 まあ、ともかくチルノが原因であたいらの進行が上手くいかないんなら・・・ここはやっぱり戦力を投げ入れるところかね。そんでチルノに退場してもらう。そうしようか。

 

 

「大越さん。チルノの教科はなんだった?」

 

「英語でした。点数は…160点ぐらいだったかな。」

 

 

 なるほど、英語でその位の点数か。でも、少しは点数を減らしているはずだし・・・・・・。

 

 よし、そんなら――

 

 

 

 

「ルーミア!」

 

「?なんなのだー?」

 

 

 のんびりした声でトコトコと歩いてくる平賀君の親衛部隊の1人、ルーミアにあたいは命令する。

 

 

「ちょっと苦戦してるみたいでね。厄介な子が1人いるみたいだから、そいつを叩いとくれよ。」

 

「あれ?ここにいなくていいのか?」

 

「大丈夫だよ。構わないよね平賀君?」

 

「もちろんだ。」

 

「そういうこと。頼んだよルーミア。」

 

「んー、分かったのだー。」

 

「よし、大越さん。ルーミアの案内を任せていいかい?」

 

「了解っ!ルーミアちゃんこっちだよ!」

 

「うーん。」

 

 

 変わらない調子でルーミアが大越さんのあとをついていく。ちょっと危なっかしいけど、まあ大丈夫だね。

 

 

「さて、これでチルノにゃ退いてもらえたね。」

 

「そうなれば後は普通のFクラスの奴ばかりだそうだ。ずいぶんと楽になるな。」

 

 

 平賀君は幾分安堵した表情でそう言う。

 

 んー、まあ楽になったのは確か、なんだけどねえ・・・・・・

 

 

「まだ紅美鈴さんがいるから、完全に息を抜くことは出来ないね。」

 

 

 美鈴さんはFクラス基準で考えると、間違いなく最高の戦力となるはずなんだよ。そんな人をどうして戦線に出さないのか。あたいは気になって仕方ないんだよねえ・・・

 

 

「紅さんは…賢い人なのか?俺はそこら辺の事は知らないんだが。」

 

「少なくともFクラスでは最強なはずだよ。

 

 

 

 ――――お空をぶつけるのは、彼女が出る時って決めてたぐらいだからさ。」

 

 

「!?うつほは美鈴と勝負するの!?」

 

 

 おっと、美鈴さんと戦い合うって聞いて目を輝かせて入ってきたね。でも、今は点数強化も頑張りなよ?

 

 

「多分だけどね。場合によっては変わるかもしれないけれど、しっかり補充するんだよ、お空。」

 

「うんっ!」

 

 

 全く、子どもみたいに純粋な返事だよ・・・思わず頭を撫でちゃうじゃないかい。

 

 

「うにゅ~・・・。」

 

「さ、いつ出番が来るか分からないから準備しな。」

 

「わかった!」

 

 

 はにかんだ顔をしながら、お空は自分の席へと戻った。やれやれ、あたいもちょろいというかなんというか・・・・・・妹みたいに扱っちゃうんだよねえ。

 本人は気付いてるか知んないけど、お空ってなんだか放っておけない雰囲気があるんだよ。短くない付き合いだけど、最初以外はずうっとそうじゃないかねー?はてさて、あたいが心配しなくてすむ日はいつくるのやら?待ち遠しくもあり・・・ちょっぴりさみしいからやっかいだこりゃ。

 

 

「・・・・・・さってと…状況が動くまで、あたいらも補充しとこうかい?」

 

「そうだな。」

 

 

 そんな妹分のお空は奥の手。まだまだ出す時じゃあないのさ。最大の壁となるであろう美鈴さんが出てきたときがその時。向こうの作戦は分からないけれど、ひとまず美鈴さんを引っ張りだしゃああとはあたいらでなんとかなるはず。

 

 

だからルーミア・・・・・・美鈴さんが出てこざるを得ないぐらい、いっちょ流れを変えとくれよ?

 

 

 




 お読みいただきありがとうございます!
 
 やっぱり明久に語ってもらいますと書きやすいですね~。面白おかしく書けたんじゃないかなあ……と心底願います!

 ssを読み終えて下部にいったら評価だどうだとあり、それが非常に気になる作者、村雪でした! 
 
 次回も明久に話してもらうかもしれません!だって面白くなりやすいですもの!ルーミアの語尾はやっぱり『――か~』でいきます!

 それではっ!

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