どうも、村雪です!
さて、今回はプールに行くメンバーを集める回となります!とは言え基本的な流れは原作と同じで、あんまり変わった動きはない回なのですが・・・
一つだけ!おそらくほぼ全員の皆様の期待に添えなかった箇所がございます!読んでもらったら分かると思うのですが、先に謝罪をさせていただきます!申し訳ありません!!
そんな謝罪をしてしまいましたが、それでもやめずに読んでもらえることを願いながら・・・
――ごゆっくりお読みください。
「てなことがあって、おかげで散々な日だったよ……」
「いや、私から言わせれば一番の苦労人は西村先生です吉井君」
朝のFクラスの教室にて、ちゃぶ台につっぷしたままぼやく吉井君に私、紅美鈴はつっこみます。
学校がない日でもバカをするなんて、あなたは筋金入りのおバカなのですか。まあそれは、同じようにプールに忍び込んだチルノや坂本君にも言えたことかもしれませんが。
「というか、シャワーが使えぬから学校のプールに忍び込むというお主らの行動力にはいつも驚かされるのじゃ」
「何を言うのよさひでよし。夏は誰が何を言おうとプールじゃない。アタイらはやって当然のことをしただけよ」
「チルノよ。普通やらないことじゃから、お主らは怒られたんじゃろうとわしは思うのじゃ」
「まったくです。ある種の天才かとも思いますよね秀吉君」
反論するおバカ少女チルノにごもっともなことを言うのは、見た目は少女ですが性別は男の木下秀吉君。今日もその女の子らしさが輝いていて、私はうらやま妬ましいですよっ!
「それで週末はプール掃除だよ…はあ…」
「バカ野郎。ため息を付きたいのはおれの方だ」
「・・・重労働」
「まあ仕方ないですよ、勝手にプールに忍び込んだ吉井君達が悪いんですから」
ムッツリーニこと土屋康太君が言うように、文月学園のプールはまあまあの広さがありますので、すぐに終わるということにはいかないでしょう。吉井君が嘆くのも分かりますが、これが罰なのですから文句はダメです!
「まあ褒美というわけではないだろうが、『掃除をするのならプールを自由に使っていい』と鉄人に言われたぞ」
「あ、そうなんですか?」
「そうなの雄二?」
「まじ!?アタイ急にやる気が出てきたわ!」
つまり終わったらプールを貸し切り状態で泳げるってことじゃないですか!しかも当然無料ですし、なんとうらやましい!
「ああ。だから、秀吉とムッツリーニ、あと紅もプールに来ないか?」
「おっ!良いんですか坂本君!」
思わぬ坂本君からの勧誘です!むろんここは参加したいですね~!
「ああ。ただし少しでいいから掃除の手伝いをしてもらうが、いいか?」
「ええ。それぐらいならお安い御用ですよ!」
「うむ。ならわしもご一緒させてほしいのじゃ」
「・・・美少女3人の水着・・・っ!ブラシと洗剤を用意しておけ・・・!」
秀吉君、そして土屋君も参加することになりました。土屋君に関しては間違いなくプール以外のことが目的ですね。まだ何も見ていないはずなのに、もう目が血走ってますもの。
「んじゃ、あとは・・・おーい!姫路、島田、霧雨、藤原!」
「あ、はい坂本君!」
「ん?坂本、呼んだかしら?」
「なんだぜ坂本?」
「…………なに?」
坂本君の良く聞こえる声に、ふわふわロングヘア―で、学年随一の頭脳を持った姫路瑞希さんと、ポニーテールと面倒見の良さが素敵な島田美波さん。
そして非常に恋の話に興味ありまくりのやんちゃ少女の霧雨魔理沙と、もはや芸術と思えるほどの床まで届く綺麗な白髪の持ち主の内気少女、藤原妹紅さんの4人が何事かと集まってきました。
「4人共、今週末は暇か?学校のプールを貸し切りで使えるんだが、良かったらどうだ?」
「「え・・・?」」
「おっ!そりゃーもちろん参加するぜっ!」
「いい。……遠慮しとく」
あれ?魔理沙と妹紅さんに関してはある程度予想してた返事なんですけど、瑞希さんと島田さんの反応が微妙?
「あ、ひょっとして何か用事がありましたかお2人は?」
「う、ううん。用事はないんだけど・・・ちょっと自信が、ね」
「で、ですよね美波ちゃん・・・」
「へ?自信??でも二人は可愛いと思いますよ?」
この2人が可愛くないというのなら、結構多くの数の女子が涙にぬれることになりますよ?だから大丈夫です!自分の顔に自信を持ってください!
「ありがとう美鈴。……でもウチ…ここだけは可愛いじゃなくて、大人になりたかったわ」
「ごめんなさい美鈴さん。私も……ここだけは可愛いじゃなくて、たくましくなりたかったです…」
そうため息をついて2人は……彼女たちの胸、そしてお腹へと手をやりました。
・・・あ~。そっちですか。咲夜さんと似た感じでそっちですか!
「・・・だ、大丈夫ですよっ!2人のその部分は決して悪いことは――」
「美鈴が言うなあああっ!」
「美鈴さんが言わないでください~っ!」
「い、いだだだだだだああ~っ!?ふ、2人とも!私の胸と腹をつかまないでええ!?」
な、なぜ私にカタキを見るような目を向けながら襲われるのかっ!?別に私がお2人の成長を奪ったわけじゃありません!自然にこうなったんですよ~!
(※ここで声に出していたら、女性陣の仁義なきキャットファイトが繰り広げられていたことでしょう。よく耐えました、美鈴さん。)
「??雄二、あの2人はどうしたのかな?」
「さあな。悩みは人それぞれってことだ」
「美波の気持ち、私には身に染みて分かるぜ…!」
「ふ~ん。アタイはよく分かんないのよさ。ねえもこー?」
「………どうだっていいよ………身体なんか…」
「・・・これは、大儲けできる光景・・・!!」
「お主はどんな時でも通常運転じゃな、ムッツリーニ」
「ちょ、そこでこっちを見ながらつっ立ってる皆さん!他人事みたいにしてないで助けてください~!!」
薄情な皆さんなんて嫌いですっ!今のこの2人、すっごい真剣ですから私は強く言えないんですよ~!!だから助けて~~~~!
「はっ!美鈴!あんたもプールに行くの!?」
「い、行きますよ!?行きますけどそれが何かアウトでしたか!?」
「ひ、卑怯よ美鈴~!あんたは自信を持ってプールにいけるかもしれないけど、ウチなんて・・・!ウチなんてぇ・・・!」
「うう・・・最近ご飯を食べ過ぎちゃってますし・・・」
「あふぅん!?」
うあ~いだだ!やっと解放されましたよっ!もう!ここはびしっと文句の1つを・・・って、なんで次は目の前で打ちひしがれてるんですか!私が被害者なのに、思いっきり加害者みたいになるからやめてちょうだい!?
「ちょっとあんた達。さっきから何やってんのよさ。プールは行くの?行かないの?」
「う・・・い、行くわっ!こうなったら恥かくのも上等よっ!」
「そ、そ、そうですねっ!もう普段から恥ずかしいところなんかいつも見せてますから、大丈夫ですよね!」
「あの瑞希さん!?その発言は大いに勘違いが生じるかと思いますけど!?」
きっとドジをした時の事とかを言ってるんでしょうけど、あまり大きな声で言うのはいかなものかと!?ほら、なんかすっごく誤解している人が!
「・・・明久・・・!なぜ、おれもそこに呼んでくれなかった・・・っ!!」
「え、なになに!?どうしてムッツリーニはそんな無念そうな顔をして僕にボールペンを向けるの!?僕何もしてないよね!?」
「確かに、今回ばかりはこのバカは何もしてないだろうな」
「うむ。こやつにそのような根性があるとも思えんしのう」
「瑞希ってたまに天然になるよなー」
「みんなも何言ってるの!?っていうか秀吉!君が一番ひどいことを言ったことに僕は涙と驚きが隠せないっ!!」
本当に土屋君はエロに情熱をかけますねー。男子と女子の思考は違うって言いますけど、彼を見てるとそれがよ~く伝わりますね。女の子はそこまでエロに情熱はかけません!多分!
「ま、2人も来てなによりだぜ!でも、妹紅は来ないのか?」
「………プールに行くくらいなら……家にいる…」
「・・・なんか妥協したみたいな言い方だけど、それって妹紅にとってはかなり至福の時間じゃないかと思うんだぜ」
「確かにな」
「そんな気がするのじゃ」
「……!ほ、ほっとけ…っ!!」
ですがそこが妹紅さんらしさです!さみしいですけれど、本音を告げてくれる方が嬉しいのですよ!
「え~!もこうも来なさいよ~!こんな機会なんてめったにないのよさ!」
「こ、今回は絶対嫌だからな………っ!どんだけ言われても絶対やだからな!」
「む!この頑固者めー!アタイの言うことが聞けないっての!?」
「いつも聞くと思ってんな、バカ…!」
「バッ!?だだだだっ、だだ誰がよしーよもこおおおっ!」
「ひっ…!?」
「待った!!僕の名前がバカの言葉みたいに使われてることと、僕がバカ扱いされてることに断固として抗議するぞチルノッ!」
「ど、どうどう吉井君にチルノ!揉めたら話がまとまりませんからやるなら後にしてくださいっ!妹紅さんがもっとおびえますから!」
チルノに怒鳴られた妹紅さんが背中にしがみついた状態で、ムキになった二人を落ち着かせに入ります。なんだか最近は『吉井君坂本君の悪童コンビ』よりも『吉井君チルノのおバカコンビ』の方が揉め事を起こしてる気がするのは気のせいですかね!?
「え~と、ではとりあえず、妹紅さん以外が来るってこ――」
「おいおい吉井。全国の『吉井』の皆さんに謝らないといけないぜ」
「あれ、僕が悪いの!?ていうかそれって僕がバカだって暗に認めてない!?」
「ま、魔理沙ちゃん!そんなことを言っちゃダメです!あ、明久君は少し天然さんなだけですよ!」
「姫路さん。フォローしてくれようとしてくれたのはよ~く分かるんだけど、それでも僕は微妙に傷ついた!」
「ふぇっ!?ごご、ごめんなさい明久君っ!」
「え、えっと、確認いいですか?結局プールに――」
「でも・・・アキって・・・・賢い?」
「そう言われたらうなずけない僕の正直さと学力が憎いっ!」
「あ、あの!ちょっとでいいから私の話を――!」
「ほら見なさい!やっぱりよしーはバカなのよさ!」
「やかましいよチルノッ!じゃあ君は天才だって胸を張って言えるのかよ!?」
「当然でしょ!アタイってば最強ねっ!」
「認識できてないのがバカなんだよこのアホチルノが!」
「だ、誰がアホチルノよぉぉ!!」
「・・・・・もおおおおおおうるさーい!あんた達一回黙りなさい!」
「(ゴッ!)あべし!?」
「(ビシッ!)ぴぎゃあ!?」
たくもうっ!これじゃあ話をまとめることも出来ないじゃないですか!ちょっとは私の言葉に耳を傾けてください!!
「ごほんっ!じゃあまとめると、妹紅さん以外が来るってことでしょうか?」
「・・・・いや。あと翔子も呼ぶつもりだ」
「へ?霧島さんですか??」
おや、確認したら思わぬ名前が坂本君から出たではありませんか。
翔子とは2年Aクラスの代表である霧島翔子さんのことで、彼女と坂本君は古くからの仲だそうです。
「ああ。あいつも誘わないと後々後悔するからな・・・」
「ほう、後悔ですか」
「あれか。霧島の水着を見る機会がもうないってことだな?」
「ち、違うわバカッ!別にそういう理由じゃねえ!」
と言う坂本君の顔は少し赤色。ウソではないのでしょうが、完全にではないのかもしれませんね~?うふふふ!
「いいか、考えてみろ。後になってから、翔子に女子とプールに行ったことを知られたらどうなると思う?」
「あん?」
「どう、って・・・」
そりゃー、どうして私も誘ってくれなかったの!って私でしたらなりますかね?
「ん~。私だったら、私も誘え!ってなる気がするぜ」
「甘いな。あいつのことだからおそらく・・・おれは湖の底に捨てられるだろうな」
「「まさかの死体遺棄(かよ)っ!?」」
「いや雄二、捨てられるのは富士の樹海じゃないかな?」
「この際それはどっちでもいいですよね!?」
重い!霧島さんの愛が漬物石のようにすっごい重いです!い、一途に思うということはもしかしたら嫌うよりも怖いものかもしれません!?咲夜さん!レミィ、フラン!わ、私はそこまで行ってませんよね!?よね!?
(完全に白、ではおそらくないでしょう)
「まあそういうわけだ。藤原は本当に来ないのか?」
「………そのほうが……助かる…」
「…なんという悲劇……っ!」
「っ…!あっ、あんたみたいな奴がいるから嫌なんだよ……っ!」
霧島さんの恐怖が愛情にあるのに対し、こちらのむっつりスケベの土屋君はその計り知れない下心に恐怖を感じられます。あ~、なんかそういう点では、妹紅さんがこのスケベさんの歯牙にかけられないで済むのでほっとします。
「分かった。じゃあ、藤原以外は来るってことで、土曜日の朝十時に校門前で待ち合わせだ。水着とタオルを忘れるなよ」
「あ。・・・な、なあ坂本」
「ん?なんだ霧雨」
そんなこんなで坂本君が締めの言葉を告げたところで、魔理沙が頬を少し染めながら尋ねました。
「え、え~っと……違うクラスの霧島を誘ってるんだから……その…わ、私も…別のクラスの奴、誘っていいか?」
『・・・・・・』
・・・・あ~。なるほどなるほど。
「いいぞ。アリス・マーガトロイドの都合がつくんなら全く問題ないな」
「ですよね!頑張ってアリスさんも呼びましょう魔理沙ちゃん!」
「賛成です!アリスもきっと喜びますよ魔理沙!」
「ちょ!?わわっ、私はアリスなんて一言も言ってにゃい!!勝手にアリスって決めちゅけるんじゃないじぇ!」
「でも、あっとるじゃろ?」
「・・・十中八九、間違いない」
「うん。ウチもそう思うわよ魔理沙?別にウソをつかなくてもいいじゃない」
そうですよ。もうほとんどの人が知ってるんですから、そんな必死になって隠そうとしなくてもいいじゃないですか~。
「・・・う、うるせえうるせえうるしぇえええっ(ダダッ)!!」
「あっ、ま、魔理沙ちゃん!?」
私達がどことなく生暖かい目で魔理沙を見つめること数秒。真っ赤になった魔理沙は脱兎のごとく扉へと走り、
「アリスにゃんか呼ばないもん!勝手に決めつけるお前らなんかきら(ガララッ)い(ガンッ!)がふうっ!?」
「うおっ?」
ちょうどタイミング良く入ってこられた西村先生と、思いっきり正面衝突しました。ひゃ~。私も前にありましたけど、西村先生って壁みたいに固いんですよね~。魔理沙は大丈夫なのでしょうか?
「む、すまん、霧雨。だが教室から出る時は走って出るものではないぞ」
「・・・きょ、今日は・・・厄日だぜ・・・」
「・・・霧雨も色々と苦労するんだな」
「今のは絶対に自業自得ですけどね」
これはまだまだ時間がかかりそうですね~。鼻血を出して大の字に倒れた魔理沙を見つめながら、私は改めて彼女の恋路の難しさを察しました。
「プール?」
「ほ~。なかなかいいじゃないか」
「………」
「「プールッ!?」」
「はい、プールです。とは言えまずは掃除があるみたいですけどね~」
夕飯時にて今日出来た週末の予定のことを話すと、下の2人の妹、レミリア・スカーレットとフランドール・スカーレット。通称レミィとフランの目の輝かせんことか。そのまぶしさはダイヤモンドにも引けを取っていません。私視点ではっ!
「行きたい!私もプールに行っていいメイリンッ!?」
「わ、私もよっ!い、良いわよね美鈴!?」
「ふふ!もちろんいいわ……よ?ん?」
「?メイリン??」
あれ?良く考えるとこれって連れて行ってもいいのでしょうか?
一応あくまで目的はプール掃除らしいんですけど、このちっちゃく可愛い妹にそんな重労働は難しい――というか出来たとしても絶対やらせたくないです――のに、泳ぎ遊ぶためだけに連れていくというのは、少しいけない気がしなくも……
「・・・う~、ダ、ダメ・・・?」
「全然オッケーよレミィ!」
そんな懸念など知ったことかっ!レミィの無邪気なおねだりの前には全てがひざまずくのです!
「わ~い!プールだプールだ~!」
「ふ、ふんっ!フランったら子供みたいにはしゃいじゃって!少しは私を見習いなさい!」
「レミィ。私の目にはレミィがすごく興奮して手に持った牛乳が落ちそうになってるように見えるわ。お願いだから落とすのだけはやめて頂戴ね?」
「う!わ、分かってるわよ!」
咲夜さんの言う通り、レミィもはしゃぎたいのを抑えることが隠しきれずに、顔をニコニコさせてハワハワしています。そんな姿に私ははあは、じゃなくてニコニコ。
「おっ、レミィ達も行くのか!よかったねぇ2人とも?」
「うんっ、おかあさん!」
「レミィ、姉としてしっかりフランの面倒を見てやるんだよ?」
「う、うんっお母さん!」
「んっ。いい返事だ。じゃあ、2人のこと頼んだよ美鈴」
「もちろん!任せて母さん!」
長身長髪金髪の母さん、星熊勇儀の笑顔は今日も元気で溢れています!!今までに何度その笑顔に元気づけられたことやら!
「ところで、咲夜と妹紅はどうするんだ?2人も行くのかい?」
「私?そうね……妹紅さんはどうするの?」
「………行かない。絶対(もくもく)」
「妹紅さん。じっと見つめてとは言わないから、一瞬でも私の方を見て?私はすごく悲しいわ?」
母さんの質問に咲夜さんはお茶を飲むのを止め、妹紅さんは咲夜さんからの確認に、目を晩御飯のゴーヤチャンプルに向けたまま答えました。
け、決して妹紅さんが咲夜さんを避けてるとかではないんですよ!?妹紅さんは非常に人見知りだから、まだ咲夜さんに対して緊張が解けていないだけなのでございます!
「ええ!?もこうは来ないのっ!?」
「ど、どうして来ないのよ!?」
そんな妹紅さんの小さな不参加声明でしたが、可愛いリトルシスターズには丸聞こえ。妹紅さんに慌てて待ったをかけました。
「……わ、悪いけど………行きたくない、かな」
「う~……そ、そんなこと言わずに来なさいよっ!せっかくのプールでしょ!?」
「そうだよもこう!皆で泳ごうよ!ビーチボールしようよ!スイカ割りしようよ!」
「いや、さすがにスイカ割りはしませんよフラン?」
それは海で行うイベントです。まあしようと思えば確かに出来るんですけども、今回はナシの方向でいきましょう。ちなみに私は塩をかける派です。
「う……で、でも……私はあんまり…」
「行こうよもこ~!」
「い、一緒に来なさいよ妹紅っ!」
「~~うう~~……」
「こらこらやめときな2人とも。妹紅が困ってるじゃないか」
「「!」」
「あ・・・」
2人からの勧誘に困った顔をしていた妹紅さんでしたが、母さんの助け舟に安堵の表情を浮かべました。母さんは、2人の頭に優しく手をのせながら言います。
「レミィ、フラン。妹紅と一緒に行きたいと思う気持ちは全然良いんだが、あんまり強要はさせるのはダメだ。な?」
「あ、ご、ごめんなさいお母さん」
「あぅ……ご、ごめんなさい」
「ん。でもその気持ちは大事にするんだよ?妹紅も、この2人気持ちだけでも汲んでやってくれ」
「………う、うん。分かった。……ありがとう、勇儀」
「ああ(スッ)。まあともかく、妹紅は今回は行かないってことだな?」
「……う、うん」
「む~、残念~!」
「う~……」
頭から手をのけられた二人はやはり妹紅さんの不参加に不満そうでしたが、今度は何も言いません。まだまだ小さい女の子たちですが、とっても聞き分けが良いのです!霊夢やチルノよりもずっと上だと保証しましょう!
「じゃあ、咲夜は来るよね!?一緒に泳ごう!」
妹紅さんがダメとなったので、フランは次の標的、咲夜さんに行くかどうかを尋ねました。レミィも口にはせずとも、咲夜さんに期待の視線をじ~っ向けております。
「そうね……美鈴。それはAクラスの私も参加してもいいの?」
「あ、大丈夫だと思いますよ。霧島さんも参加するみたいですから」
それに小学生のレミィ達も来るんですから、そんなことを気にする段階はもう超えちゃってます!それに、瑞希さん達はきっと友人が増えて大歓迎しますでしょうよ!
「そう。じゃあ私も行こうかしら?」
「!」
「やった!」
おお!どうやら咲夜さんは参加するみたいです!2人だけじゃなく私も思わず笑顔です!こういう風に家族で遊びに行くっていうのは、いくつになっても心躍りますね~!
「じゃあ来るのは、私と咲夜さん、レミィとフランの四人ですね」
「そうなるわ。しっかり水着の準備をしておかないといけないわね」
「ですね~。水着を選ぶのが楽しみです!」
いや~、週末が楽しみです!一年に数度しかないこの機会!後悔しないぐらい水と戯れてやりますよ~!
「あら?新しい水着を買うの美鈴?」
「あ。い、いえ。まあ絶対というわけではないんですけど……」
「?」
実は先ほど、去年使っていた水着をサイズ確認のために着てみたんですけれど…………え、え~と……あ、あんまりこういうのを言うのは恥ずかしいのですが……
「す、少しサイズと合わなくなって――」
「バカッ!美鈴の裏切り者っ!(ダダッ!)」
「え、ええ!?ささ咲夜さんーっ!?」
な、なにゆえの涙ながらの退室!?まだ食事中ですよーっ!?
「・・・メーリン、咲夜すっごい気にしてるのに、今のはひどいと思うなあ」
「え、え?何かまずかったかな私?」
「デ、デリカシーがなさすぎよ美鈴っ!」
「レミィまで!?え、で、デリカシーもなにも私の恥ずかしいことを言っただけよ!?」
「ん~……その天然さは私譲りなのかねえ?んぐっ」
「喜べばいいのか悲しめばいいのかすごい迷うからそういう言い方はやめて母さん!?そしてお酒を飲みながら言うのもやめて!?」
「…………そこまで気にすることか…………?」
「も、妹紅さんは1人だけでわかったような顔しないで私にも教えてください~っ!」
結局、誰も咲夜さんの逃亡の理由を教えてくれず、私は何が理由か分からぬまま咲夜さんに謝りに行きました。
その時、体育座りの状態でまくらに顔をうずめ、涙目を向けてきた咲夜さんに抱き着きたい衝動にかられましたが、それをやったら本気でまずいと第六感が告げましたので、必死に抑えたのはここだけの話です。
と、とにかく週末のプール!今日の分も含めて絶対楽しんでやりますよ~!
『――しかし、妹紅はプールが嫌いなのかい?あんなに妹紅が拒絶をしたのは久しぶりに見たよ』
『う……だ、だって……か、身体をさらけ出すなんて……恥ずかしいし…!』
『なんだか卑猥な言い方だが、まあそうさね。水着はどうしても肌を出さにゃあいけないから、仕方ないことか』
『……ゆ、勇儀は気にならないの…?』
『あっはっはっは!悲しくも、わたしゃそういうことを気にする年頃じゃなくなった女だからね~。それにもともと気にする性質(たち)じゃなかったし、何より泳ぐのは好きさ。許されるなら私も行ってみたいぐらいだよ!』
『………ぃぃなぁ…』
『ん?どういうことだい?』
『!?あ、な、なんでもない!』
『……ひょっとして、水着というより、〝泳ぐ〟のが嫌いなのか、妹紅?』
『………………』
『ん、当たりみたいだね』
『…………………』
『ちなみに、どのくらい泳げるんだい?』
『…………………うううううううう~……!!』
『うおっ!?泣くな妹紅!悪い!言いたくないことを聞いた私が悪かった!』
『………泳げなくてごめんなさいぃ…!』
『大丈夫だ大丈夫だ!私も子供のころ泳げなかった時ぐらいあるさ!だからそんなに気にするな!な?な?』
『……ぐずっ……ありがとう、勇儀。また頑張ってみる…』
『おう。ふ~…まあそんだけ嫌なのなら仕方ないねえ。また次から頑張んな。今の時代なら、練習する場所なんかいくらでもあるからさ』
『……うん。
………でも……………さ――れと―はし―方がいいかな・・・』
『ん?何か言ったかい妹紅?』
『あ、ううん。………ちょ、ちょっとだけでもいいから……喜んでもらえれたら良いなあ…』
お読みいただきありがとうございます!
はい、それでは冒頭謝罪の件について・・・読んでくださった方には意味が分かって残念がられたのではと思うのですが・・・・・今回!妹紅さんはプールには行きませんっ!もこうさんファンの皆様、誠にすみませんんん!!
そんな残酷なことをした理由なのですが・・・以前も学園祭編あたりで似たようなことを書いた気もするのですが、少しずつ会話数が多くなってきている妹紅さん。少しずつ主要メンバーと距離を近づけつつあるのですが、やはり本質的には極度の人見知りであります。
二話前には打ち上げにも頑張って行った彼女でも、肌をさらしたりするプールに行くのはまだ難しいのでは?と思いましたし、何より泳ぎが苦手(今回初めて書いたのですが)なので、プールに行くのはかなり嫌になると思うのです!!
そんな彼女にプールに来てもらうには強引に誘うしかないと思うのですが、その選択肢だけはとりたくなかったので、泣く泣く妹紅さんには家でまったりくつろいでもらうようにしました!決して仲間はずれではなく、妹紅さんの性格を考えての決定!なので彼女の水着を期待していた方にはすみませんが、どうか村雪の判断を責めないでください~!!
と長々と書きましたが、ようやく次回からプール回となります!妹紅さんファンには申し訳ありませんが、他のメンバーの水着なんかを楽しみにして次回も読んでいただければ!
それではまた次回っ!気軽に感想とか質問とかしてください~!