さて。前回で学園祭編も終わって、原作の時系列で言えばいわゆる『雄二回』となるところなのですが・・・・ど~しても原作とほぼ同じ流れにしか書けなかったので、とばさせてもらいます!原作の流れを期待していた方々、申し訳ありません~!
というわけで今回からは、そこをとばした回を始めさせていただきます!
色々と忙しくなってきてなかなか文章の量が少ないのですが、間を空けすぎるわけにもいかないので投稿させていただきましたが、果たしてどうなるやら・・・!短いながらも楽しんでもらえればっ!
――ごゆっくりお読みください。
衝突―バカ、じゃないわ。これはれっきとした決闘だったのよさ
「バカよしー」
「何さバカチルノ。よっと」
「誰がバカよ、ていっ。アタイはお腹が減ったわ」
「わっ。だから雄二が買い物に行ってくれてるんでしょ。もう少し待ちなよ。でいっ」
「おっ、危ないわね。最強のアタイを待たせるとは、あんた達もバカなのよさ」
「それを言うなら〝悪〟だよね?っていうか、チルノの方がバカだよ。とうっ!」
「アタイはバカじゃな、あああああっ!?ア、アタイのキャラクターが画面のお星様にー!?」
「よっしゃあ僕の勝ちだチルノーっ!これでバカなのは君だと証明されたね!」
「ま、まだよ!まだ終わらんのよさバカよしー!次はアタイが勝ってみせるわよ!」
「ふふん!そんなことが出来るのならやってみろってんだい!」
「言ったわねぇ!やったろうじゃないのよさー!」
「上等だっ!」
「「うおおおおおおっ!くたばれバカ(チルノー)(よしー)っ!!」」
今僕達は、譲ることのできない聖戦(ゲーム)を繰り広げていた。
僕、吉井明久はマンションの一室で一人暮らしをしている。両親の目なんかがないため、色んなゲームやマンガ、あと大人向けの保険の教科書なんかを買ったりしてるんだけど、今はその内のゲームを使って、クラスメイトである大バカ少女、チルノと雌雄を決さんとしていた。
どうして僕の部屋にチルノが、と思うかもしれないけれど、そんなに深い理由があるわけではないよ?ただチルノが僕の家にたくさんのお宝(ゲーム)があるって言ったら、
「アタイをあんたの家に入れなさい!入れなきゃアンタはバカよバカよしー!」
と、すでにバカって言われたけど、バカって言われたくないから悪友の雄二が遊びに来るときに一緒に来てもらっただけである。
というわけで、初めてウチに来た女の子がチルノってことになるんだけど、チルノの場合だと、女の子が来たというよりバカをする友達が来たって感じだな~。
「帰ったぞー」
あ。何度目かの熱い勝負が終わったところで、雄二が帰ってきた。
「よしチルノ、名残惜しいけれどここでいったん休戦しようじゃないか」
「む。仕方ないわね。ケリはあとでつけてやるわ」
いやー、チルノってば意外とゲーム上手なんだね~。これは雄二に並ぶ好敵手になりそうな予感で、ご飯の後も楽しみだ!
「さかもと遅いわよ!アタイはお腹ペコペコなのよさ!」
「悪い悪いチルノ。だが飯は買ってきたから許してくれ」
「雄二、何を買ってきたの?」
チルノに謝りながら机に袋を置く雄二に尋ねる。袋はなかなか大きいから、中にはたくさん食品があるに違いない。僕には何を買ってくれたんだろう?
「ああ、自分の目で確認してくれ。ほら」
・コーラ
・ソーダ
・アイスコーヒー
・カップラーメン
・カップ焼きそば
・冷麺
ふむふむ。飲み物が三つに麺類が三つか。どれにしようかな?
「じゃあアタイはソーダとコーヒーとれーめんね!」
「おれはコーラと焼きそばとラーメンだ」
「って待った!雄二にチルノッ!それだと僕の食べ物がなくなるよ!?」
僕の食べ物を勝手に2人で分けようったってそうはいかないぞ!僕だってお腹はすいてるんだよ!!
「いいじゃない別に。割りばしも食べれるし、バカなよしーにはぴったりなのよさ。これが格差社会ってやつね!」
「何おうっ!?そんなことを言ったらチルノなんか僕より下の階級じゃないか!」
「なにー!?アタイがいつよしーの子分になったってのよ!?」
「待て明久。割りばしの部分はつっこまないのか?そしてチルノの中では子分になるのが下になるって意味なのか?」
割りばしだって確かに食べられる!でもそれだけじゃあお腹は膨れないし、何より口に刺さって痛い!そしてチルノが親分だなんてこっちからお断りだっ!
「雄二!チルノ!その飲み物とラーメンをよこすんだっ!」
「いやよっ!いーっ!」
おのれチルノ!そんなむかつく顔をするとは、こうなったら力ずくにでも奪ってやるよっ!
「落ち着け明久。お前用にもちゃんと買ってきてある」
「へ?な~んだ、それならそう言ってくれればいいのに!」
まったくもう。危うく紳士な僕が崩れ落ちるところだったじゃないか。食料があるのならそんな心配もいらな――
「ほれ、こんにゃくゼリーとところてんとダイエットコーラだ」
「君たちの食料を僕によこせええっ!」
重要なカロリーをオフなんかされて、紳士なんか知ったことか!盗賊になってでもこのバカ2人から貴重な栄養源を奪取してやるよ!
「いった!?よしぃいい!あんたよっぽどアタイを怒らせたいのねーっ!」
「君が怒ったところで怖くなんてないよっ!だからその冷麺を僕にわた」
ぶしゃああああ!!
「さぎゃああああ!?目がっ、目がぁあああああ!!」
何か液体がかかって目が痛いぃぃぃぃ!!な、何をしたチルノォォオオオ~~!?
「あはははははっ!どーよ、アタイの力を思い知ったかしら!?」
涙と別の液体でにじむ目で必死に見ると、自信にあふれた笑顔のチルノが、ふたの開いたソーダのペットボトルをこっちに構えているのが見えた。
さ、さては炭酸を思い切り振ってソーダを噴出させたんだな!?掃除が大変なのは間違いなしの攻撃を僕の部屋でぶちかますなんて…!絶対に許すまじっ!目には目をだ!
「いいわね!これに懲りたなら、バカなよしーはバカなよしーらしくアタイに逆らわないこ」
ブシャアアアアアアッ!
「と、っびゃああああああ!!?アアアタイの目がぁ~~~っ!!」
カロリーオフとは言えコーラはコーラ!チルノへのダメージはばつぐんだ!
「うぐぐぐ・・・!やややっ、やったわねええええ!!!このばかよしーがぁあああああ!!」
「先にやったのはそっちだろバカチルノォォォオオ!!」
「おい待てお前ら!食い物は粗末にするんじゃ――!?」
雄二の言葉なんか耳に入らないまま、僕たちは譲れない戦いを現実で再開させた。
「…………どうやらここまでのようだね、チルノ」
「……そうみたいね。次に戦ったらアタイが勝ってやるのよさ」
「お前ら……オレも遠慮なしに巻き込みやがって…」
コーラやところてん、はては麺類のおつゆまで使った結果、僕たちの全身はべとべとになってとても外に出られない状況になっていた。あともう少し弾(食品or飲み物)があったら僕が勝ててたんだけど、弾切れだからここは引いてあげるとしよう。感謝するんだね、チルノ。
「たくっ。よくもこんな派手にやったもんだ。おい明久、シャワーを借りるぞ」
「うん。別にいいよ。タオルは適当に使ってね」
「言われなくてもそうする」
「次はアタイね。さっさと出んのよさかもと」
「分かった分かった。少し待ってろ」
そう言って雄二は風呂場に向かっていく。僕の順番は最後かあ。一応僕の家なんだけど、それまでは我慢しないと……
「―――あ、そうだ。雄二にウチのガスが止められてるって言わないと」
『ほわぁぁっーーっ!?』
「あんた、そんなことぐらい先に言っときなさいよ。まあアタイも似たようなことがあるけれど」
雄二の悲鳴を背景に、チルノが頷きながらそんなことを言った。こんな似たようなことはめったにない気がするけどなあ。
「(ガチャ!ずかずかずか!)先に言えやこら!これじゃあ風邪をひくわっ!」
「でも、先に言ったところでお湯が出ないのには変わりないよ?」
「冷水シャワーを浴びずに済んだだろうがっ!ったく…」
「急に冷たい水がかかったらびっくりするわよね~。そのたびに水の奴をぶっ倒してやりたくなるのよさ」
さすがにそこまでの発想には僕はならない。水がなければ生きていけないというのに、やはりチルノはバカだね。僕が保証しよう。(※その保証にいかほどの価値があるのやら…)
「仕方ねえ。2人とも、外に出ないか?」
すると、雄二がそんなことを提案して服を着始めた。ちなみに先ほどまではタオル一枚だったんだけど、雄二もチルノも全く動じない。互いにそれはいいのかな?
「外?いいけど、何しに行くのよさ?」
「あ、もしかして雄二の家に行くの?」
「それでもいいが、どうせならシャワーだけじゃなくてプールもあるところに行こうぜ」
「プールもあるところ?」
「ああ。加えて金がかからないところだ」
はて。この近くにそんなところがあったかな?シャワーもあって、プールもあってさらにはお金要らずの無料な施設だなんて……
「―――あ、あそこか。分かったよ雄二」
あそこならその条件を全部満たしている。場所が分かれば何も気にすることはないから、僕は頷いて雄二の案に乗った。あとはチルノだ。
「むむ。どこかわかんないけど、アタイは全然いいわよさかもと」
「分からんのに承諾するのもどうかと思うが……よし、じゃあこれで意見は一致したな」
さて、そうと決まれば準備だ。体を拭くタオルと去年使っていた水着を取ってこないとねー。
「って、雄二とチルノは水着はどうするの?」
今日泳ぎに行くなんて約束はしていない。2人とも水着なんて持ってきてないんじゃ…
「ん?ああ、このズボンは一応水着にもなるから問題ないぞ」
「アタイはいつもカバンに水着を用意してるから問題ないのよさ」
「2人は夏というものをどこまでもエンジョイする気なんだね」
いつでもどこでもプールに行ける準備をしている2人に驚きながら、僕も水着を準備しに移動を始めた。
「………で、何か言い訳があるか?」
「この2人が悪いんです」
「この2人が悪いんだ」
「夜のプールはとっても気持ちよかったのよさ」
「……………はあ…」
「こらっ!せめて少しは悪びれんかチルノッ!(ゴンッ!)」
「ギャフンッ!?」
「……あなたもいてくれて本当に助かりますよ、上白沢先生」
そして約二時間後。僕たちは文月学園のプールサイドにて、生活指導である鉄人こと西村先生と、同じく生活指導で日本史の女の先生、上白沢慧音(かみしらさわ けいね)先生に説教を受けていた。お日様も彼方に沈んだというのに、なんてまじめな2人なのだろう。
まあそれはともかく、
「なんでさ!そもそも雄二が僕に変なものを買ってきたのが始まりだし、チルノが僕にバカみたいにソーダぶちまけたのが最大の原因でしょ!?」
「違うだろ!発端についてはともかく、お前がガス代をちゃんと払ってなかったのが事の根源だろうが!」
「そうよ!それにあんたがアタイ達の食べ物を横取りしようとしたのが始まりじゃない!アタイに責任を押し付けんじゃないのよさ!」
「その言葉そっくり返してやるよ!この薄情者たちめ!」
「なにぃ!?誰がバカ者達ってぇ!?」
「こらっ!説教中に暴れるなチルノ!今のはチルノの聞き間違えだ!」
うん、チルノを止めてくれてありがとう、上白沢先生。正座をしている今の僕では大いに不利だったからね。
「まったく……なぜお前らは、普通に友人の家で遊ぶということも出来ないんだ…」
「鉄人先生。その言葉はあっちのアホ雄二とあっちのバカチルノに言ってくださいよ。僕はごく普通に遊んでたんだから」
「テメエ明久!どの口がそんな戯言を言うんだ大バカが!」
「そうよこの大バカよしーが!あんたなんかにバカって言われるなら小学生にバカにされる方がマシよっ!」
「チルノこの野郎っ!誰が小学生以下の頭脳の持ち主だっ!」
「違うわね!あんたなんか幼稚園生と一緒で十分よ!」
「よぉしぬかしたなっ!今度こそ君を叩き潰してやる!」
「ふん!やってみなさいよこのバカよしーが!」
「こら!チルノに吉井!」
やはりこのチルノとは最後までケリをつけなければ!僕としても収まりがつかないぞっ!いくら上白沢先生の言葉でもね!
僕は正座を崩してチルノへと攻撃をしかけ
「いい加減にせんかバカ共がっ!」
ゴツンッ!×2
「げふっ!?」
「きゃぷっ!?」
ぐおおおお!!い、一瞬意識を失いかけた!?なんて拳骨をかましてくれるんだよ鉄人っ!
「いいか!お前らは一度親しくするということを学ぶべきだ!週末にプール掃除をすることを命じるっ!」
「「ええええ!?」」
なんだよその命令は!僕たちがそんなことをしなきゃいけない義理はないでしょ!?
「文句を言うな!勝手にプールへ忍び込んだ罰も兼ねているから拒否権はないぞ!」
「ぐぅぅ!?」
「な、なんて冷たいのよさ・・・!」
そう言われたら何も言い返せない!ちくしょう!こんなことならプールに来るんじゃなかったよ!
そんなわけで、僕たちの週末はプール掃除ということになった。これは人手を増やさないと、一日が終わっちゃうなぁ・・・
僕はみちづ、げふん。一緒に手伝ってもらう心優しい人を考えながら、鉄人、上白沢先生の説教をこってり受けつづけた。
『ねえ鉄人。だったら坂本も一緒にプール掃除をするべきよね?」
『だよね?僕達と一緒にプールに忍び込んだんだからさ』
『おおい!?おれを巻き込もうとすんな!そこはお前らだけでやる流れだったろ!?』
『ふっ、あんただけが助かると思ったら大間違いなのよさ。ねえよしー?』
『その通りだよチルノ。よく言うでしょ?散らば諸共ってね』
『分かってるじゃない、よし-』
『お前らなんでそういうときだけ息が合うんだボケッ!』
『誰がバカよこの大バカゴリラっ!』』
『誰がバカだよこの霧島雄二っ!』
『いい加減おれもブチ切れたぞてめぇらぁぁああああ!!』
『ええええい!!だからやめんか大バカどもがぁあああああ!!』
『『『ぎゃあああああああ!?』』』
『・・・西村先生。苦労されるんだな・・・。今度滋養剤でも八意先生に作ってもらって、差し上げようかな・・・」
お読みいただきありがとうございます!
今回はこの回の発端となる出来事を書いて終わらせていただきました。少し中途半端な感じもしますがすみませんっ!
よくよく考えると、明久の自宅に仮にも女子であるチルノを上げるというのも、あんのFクラスの中では大波乱が起きそうな気もしますが、原作そのままにしないためにも誰か女子が必要だったのでこのことに関しての暴動はありませんのでご了承を!話の展開上、ど~してもチルノが都合が良かったのです~!
さて、次回も投稿するのに間が空くかもしれませんが、気長に次回も待っていただけたら幸いです!
それではまた次回っ!