バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 どうも、村雪です!

 今回は召喚大会の方にも入る回となります!で、文章のきりがいいようにしたいので、いつもより半分ぐらいとなっておりますので、ご了承お願いします!

 そして、今回一人、東方キャラクターに正式に出演してもらっています!とはいえ、こちらもかなり短い出演となってしまいましたが・・・またこれからも出演してもらうので大目に見てもらえれば!


――ごゆっくりお読みください。


立腹―根拠、のない悪いことを言われたら誰でも怒りますとも!

 

「ふ~。もう一時間とはねえ。もう一時間ぐらい欲しくなりますね!」

 

「それはそれで、また時間が欲しくなると思うがのう。それに、ほかのみんなが頑張っている中で好きに過ごしても嬉しくはないのじゃ」

 

「そりゃそうです!もちろん分かってますとも秀吉君!」

 

 

 ちょっと言ってみただけですから!私だってクラスメイトを差し置いて遊ぶなんてしたくありませんよう!

 

 Aクラスで雑談をし、Bクラスで順番を並んでいたら与えられた時間もほんの少し。なので、私たちは買った食べ物を口にしながら教室へと戻っているのであります。おいしっ!魂魄さん作のたこ焼き、トロトロしていておいしいです~!

 

 

「ふむ。なかなかおいしい焼きそばじゃな。水橋はすごいのう」

 

 

 秀吉君もほこほこした顔で焼きそばを味わっています。むむ!そんなことを言われたら、食べたくなるのが人の性です!

 

 

「あ!じゃあちょっと最後の一口を味見してもいいですか?代わりにたこ焼き一つでどうです?」

 

「む、いいぞい?じゃが箸の代わりが・・・・」

 

 

 頷くも困り顔になる秀吉君。代わりの箸?代わりも何も、今目の前にあるじゃないですか?

 

 

「大丈夫です!その箸がありますよ?」

 

 

「・・・ぇ。わ、わしが使っとる箸か!?」

 

「はい!あれ?ダメでしたか?」

 

 

 なんか思ったよりも秀吉君の反応が大きかったので留まりました。う~ん。じゃあどうやって食べればいいか・・・

 

 

「・・・・お、お主はいいのか?」

 

「?全然いいですよ?」

 

 

 むしろお願いしなくては、私は最悪手で食べることになります。

 

 そんな私の切実な思いが届いたのか、秀吉君は少し間をあけてから焼きそばと箸を差し出してくれました。

 

 

「・・・・ま、まあお主がいいのなら・・・ほ、ほれ」

 

「はいはいどうも!」

 

 

 さてさて、香りはとても良かったし、秀吉君も顔を赤くするほど興奮しているみたいですから、味付けも期待できますね!

 

 

「では最後の一口もらいますね!」

 

「・・・・・・!!」

 

 

 秀吉君に見つめられながら――お箸を未使用であるさきの方にひっくり返して、一口いただきました。

 

 

「あ、おいしいですね!ソースもですけど豚とキャベツがまたいけます!」

 

 

 味が濃すぎるわけでもないのがまたいい!水橋さんも魂魄さんに負けない料理の腕前を持っているみたいですね!」

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・て、あの、秀吉君?きゅ、急に顔をほっとしたような残念なような顔になったのは、私のせいですか?」

 

「!?べべ、別に残念がっておらん!本当じゃっ!」

 

「そ、そうですか?」

 

 

 ど、どうも嘘をついているようにしか見えないんですけど・・・あ、最後の一口を食べたかったんでしょうか?なるほど、それは失礼なことをしてしまいました!

 

 

「じゃあ約束通り、一つたこ焼きをあげますね。それでおあいこということにしてください!」

 

「い、いやじゃから、別にわしは不満があるわけでは――」

 

「はい、あーんしてください」

 

「!じじっ、自分で食べれる!さっさと爪楊枝をよこすのじゃ!」

 

「え~!?そんなー!」

 

 

 爪楊枝をさっと取ってたこ焼きを食べる秀吉君に不満をぶつけます!ここはかの有名な『ハイアーン』をするところでしょう!女の子に恥をかかせるなんてひどいです!

 

 

「・・・う、うむ。おいしいのじゃ。ありがとう紅」

 

「ま、まあおいしかったのなら良かったですよ・・・」

 

 

 とりあえず目的は達成できましたし、あまり文句を言うべきではないですね。返してもらった爪楊枝を余ったたこ焼きにプスリと刺します。

 

 

「はあ~。そりゃ可愛くない私にされたくないのは分かりますけども(パク)」

 

「べ、別にそこまでは言っておら・・・っ!?」

 

「・・・?なんでふか?(もぐもぐ)」

 

 

 今の私はふてくされてるのです。今食べたたこ焼きを含め、もうたこ焼きはあげませんからねっ!

 

 

「・・・・お、おお、お主は・・・本当に無頓着じゃな・・・!!」

 

「あれですね!?秀吉君は完全に私にケンカを売ってるんですねちょっと!?」

 

「う、うるさいわい!ぐちぐち言いたくなる原因は全部お主じゃ!」

 

「な、何も悪いことを私はしてませんよ!?全部秀吉君のウソか誤解です!」

 

「その鈍感さが問題なのじゃあっ!!」

 

「誰が鈍感ですかごらあああ!!」

 

 

 敏感とは言わずとも人並みには五感が冴えわたっています!それをバカにされては黙っていられません!

 

 そして、その地点からFクラス教室まで、私たちはやいやいと言い合いました。全く!こんなに男子と言い合うのは、いつぶりでしたでしょうかね~!?

 

 

 

 

 

 

「よいしょ。ではまた召喚大会に行ってきます!」

 

「あ、はい!頑張ってきてください!」

 

「は~い!皆さんすいません!」

 

「しゃあないぜ!しっかり勝って来いよ!」

 

「頑張ります!」

 

 

 秀吉君とぎゃいぎゃい言いながら教室へと戻り、仕事に戻って数十分。再び召喚大会の時間となったので、私は咲夜さんと合流する場所へと移動します。おや、まだ咲夜さんは来てないです。

 

 

「時間に几帳面な咲夜さんにしては珍しいですね?」

 

「悪いけど、私だってそういうときはあるわ」

 

「おっと、それは失礼しました咲夜さん。メイド服で来なかったんですか?」

 

 

 慌てることなく振り向くと、いつも通り制服姿の咲夜さんが仏頂面で近づいていました。どうやら着替えるのに時間がかかったようです。

 

 

「バカ言うんじゃないわよ。もともと制服だったでしょ?」

 

「そうですけど、さっきの咲夜さんのメイド服姿が可愛かったものですから、また見てみたいな~って」

 

「・・・ど、どうでもいいでしょそんなことは。行くわよ」

 

「はい。どうでもいいことはないですけど、行きましょうか!」

 

 

 また時間ができれば、咲夜さんのメイド姿を見に行くとしましょう!そう決定して、私と咲夜さんは何度目かになる会場への道を歩きます。

 

 

「美鈴」

 

「はい?」

 

「あなたはずっとその恰好だけど・・・は、恥ずかしくないの?」

 

「あー。ええ、そうですね。もう慣れたというのもありますけど、一番はこの格好を私が案外気にいってるというのが大きいですね」

 

 

 珍しいものには目がない、とは少し違いますけど、チャイナ服ってかっこいいし、動きやすいから私には最高の一品となっています。ま、着替えるのが面倒って理由も少しはありますがね!

 

 

「そう・・・わ、私――イド姿―きら―じゃな―けれど…」

 

「?」

 

「な、なんでもないわ。行きましょう」

 

「は、はあ・・・」

 

 

 咲夜さんの質問の意図がつかめないままでしたが、私たちはにぎやかな会場、ステージへと到着しました。

 

 すると、マイクを通して大きな女子の声が。

 

 

 

『お~~っと!!ここでこの勝負の一組目が登場です!チャイナ服にかけては右に出るものはナシ!2―Fクラスの紅美鈴さんと、学年でも一二を争う成績の持ち主、瀟洒(しょうしゃ)な女子!2-Aクラス、十六夜咲夜さんでーーーーすっ!』

 

 

「おお、相変わらず元気いっぱいの先輩ですね」

 

「愛子をもっとタチの悪くしたような先輩だわ・・・」

 

 

 私たちがそれぞれ思ったこと言いながら、相変わらず元気いっぱいの実況者、射命丸先輩を見つめました。咲夜さんにつきましては、先ほどの実況での言葉のせいで冷たい目です。コンプレックス部分を刺激されたので仕方ないのですけど・・・

 

 

「そんな2人の対戦相手は、私と同じ三年生です!果たして二人はどのような勝負を見せてくれるのでしょうか!?」

 

 

 へー、相手は三年生ですか。召喚大会の出場者は大半が二年生なのですが、珍しいですね?

 

 

「咲夜さん、聞きました?相手は三年生だそうですよ」

 

「聞こえてるわ。でも、頑張るとしましょう」

 

「無論です!」

 

 

 私たちより召喚獣の扱いが上手なことでしょうけど、気合いでは負けません!ここはあっと言わせてあげましょう!覚悟ですよ、見知らぬせんぱ――!

 

 

 

 

 

『げっ!?お、お前はっ!?』

 

 

「・・・・・・・・・げ」

 

 

・・・見知らぬどころか、ダブルで見た顔でした。ですがあんまり見たくはないお方なため、私は思わず渋い顔です。

 

 

 

『おっと!ここで対戦相手である3―Aクラスの、夏川勇作と常村俊平の登場です!相変わらずいかつい雰囲気ですね~!』

 

 

 射命丸先輩。その解説は実に的を射ています。

 

私たちの目の前に現れたのは、坊主頭、モヒカンといかつい顔にとても似合った髪型をして、なぜか私たちFクラスのお店の妨害をしてくる、夏川先輩と常村先輩、合わせて常夏コンビ先輩でした。へー、あなた達ってAクラスだったんですか。初めてチルノの英語の点数を見た時と似た衝撃を受けましたよ。

 

 

「て、てめえ!なんでこんなとこにいやがる!?」

 

 

 先に声を荒げながら叫んだのは、モヒカンが目立つ常村先輩。何を思い出したのか、顔が若干青くなっています。

 

 

「なんでって・・・召喚大会の勝負だからですけど・・・」

 

「な、なんだと!?お前はFクラスだろ!?なんでそんなカスの奴が準決勝にまで来てんだよ!?」

 

「む」

 

「・・・なんですって?」

 

 

 今の言い方はカチンときますね!そんな言い方をするのはハゲ・・・じゃなくて坊主頭の夏川先輩、でしたっけ?

 

 

「ん~~、失礼を承知で言いますけど・・・私としては、あなたみたいなチンピラもどきがここにいることの方が驚きですよ!」

 

「「んだとぉっ!?」」

 

 

 はい。私の中でその考えを確立させる言動と態度をありがとうございます。全くAクラスとは思えません、というか思いたくないですよっ!

 

 

「・・・確か、うちのクラスでわめいていた男共ね。お客とはいえ、正直うっとうしかった連中だわ」

 

「咲夜さん。まあ、うちのクラスでもやられましてね。正直好きにはなれない先輩がたですよ」

 

「別にいいでしょう。あんな人が腐った連中、嫌いになってもぬるいぐらいよ。消えてほしいぐらいだわ・・・というか、消えろ。消えなさい」

 

「と、隣の女も小さい声でなんてことを言いやがる!?聞かせないつもりだったのかもしれんが丸聞こえだからな!?」

 

「あら、そうでしたか先輩方。ならさっさと消えてください先輩方。目に・・・じゃなくて、肺にも悪いです先輩方」

 

「先輩先輩言ってるけど、ぜったい敬う気がないだろお前!?というか、俺と夏川を目に悪いものどころか空気に触れるのでさえ害がある何かととってねえか!?」

 

「・・・害がないとでも思われてるのですか?」

 

「し、心外そうに言ってんじゃねえっ!?俺たちの方がずっと心外だわっ!」

 

 

 

 お、おおおっと!?さ、咲夜さんがいつになく毒舌になっています!?よほどAクラスで騒がしくわめかれた恨みがたまっていたのでしょうか!?(理由に気づければ、あなたはきっと大喜びしていたことでしょう・・・)

 

 

 そんなピリピリした空間の中に、新たな声が加わります。

 

 

「四人とも。口論はそこまでで止めておきなさい」

 

 

「あ、永琳先生」

 

 

 そんな間に割って入ってきたのは、八意永琳(やごころ えいりん)先生。咲夜さんと同じ銀の髪を三つ編みで一本にまとめて背中に流し、非常に落ち着いた雰囲気を醸し出している彼女は白衣を羽織った保健医です。

 

 以前はうちのFクラスバカ男子たちがお世話になったのですが、その腕はもちろん、些細な相談でも真摯に聞いてくれたりと、『困ったことがあればえーりん先生!』と言われるほど頼りにされているすごい先生なのです!

 

 

「十六夜さん。あまり人を傷付けるような言葉は言ってはだめよ。夏川君と常村君は、後輩が相手なのだから、もう少し優しく話をしてあげなさい」

 

「・・・はい」

 

「ちっ・・・わかったよ」 

 

「仕方ねえな・・・」

 

 

 永琳先生に言われては何も言えないのか、三人は渋々ながらも口を閉じます。そんな私たちを見て先生は微笑みます。

 

 

「よろしい。では二組とも、科目は保健体育だけれど準備はいいかしら?」

 

「無論です!」

 

「当然です」

 

 

 どの科目もしっかり勉強してきましたから!少なくとも、私の最善を尽くしましたとも!

 

 

「お?やけに自信があるみたいじゃねえか?」

 

 

「へっ、どうせ二年生なんだから大したことじゃねえだろうがな!せいぜい頑張りな!」

 

 

 

「ほほう?」

 

「うざいわね」

 

 

 

 Fクラスである私だけならともかく、最高クラスのAクラスの咲夜さんをバカにするとは、よっぽど私を怒らせたいみたいですね?そもそもあんたらも二年生だったころはあるでしょうに、そんなこともこのバカ先輩たちは忘れたのでしょうか?

 

 ま、なんにせよ・・・・

 

 

 

「咲夜さん。絶対あの2人、負かせますよ」

 

「そうね美鈴。その目標、激しく乗ったわ」

 

 

 咲夜さんの目も暗く光り、私たちは意見を一致させました。

 

 宣言します!この根性のひん曲がった先輩方に、世の中予想通りいかないってことを教えてやろうではないですか!

 

 

「じゃあ、四人とも。召喚をしてもらえるかしら?」

 

「「おう、試獣召喚(サモン)っ!」」

 

 

 そんな私の意気込みなど知った様子もなく、チンピラ常夏コンビは永琳先生の言葉に従って召喚獣を召喚します。

 

 

 

 

『Aクラス 夏川 俊平 保健体育 224点

         &

 Aクラス 常村 勇作 保健体育 254点  』 

 

 

 なるほど、確かに威張るだけあって、まあまあの点数なんじゃないでしょうか?

装備もよくある剣と鎧で、質も良さそうです。

 

 

「どうした?俺たちの点数見て腰が引けたか?」

 

「Fクラスの奴にはなかなかお目にかかれない点数だろうから、仕方ないだろうな!」

 

 

 得意げに挑発してくる常夏コンビ。よっぽど自分たちの点数が凄いと思っているようです。

 

 

「咲夜さん。どうやら私たちは、ずいぶん弱い奴らだと思われてるみたいですよ」

 

「・・・そのようね。自分たちが負ける姿を全く夢にも思ってないわね、あれは」

 

「ああ?当たり前だ!Fクラスの奴に負ける道理がねえよ!」

 

「その通りだ常村!隣にいる奴は知らねえが、お前みたいなやつと組む女だ。大した点数じゃねえだろ?」

 

 

 そう言ってぎゃははと笑うハゲ先輩。まったく、あなた方の言動はなんといいますか・・・小物っぽいんですよね~。そこで黙っているだけでもだいぶ違って見えるでしょうに、自分たちを大きく見せたがってるのが逆に働いてます。

 

・・・ま、私としてはどうでもいいんですがね!ここで一発、反撃をしてやるとしますか!

 

 

「――先輩方」

 

「あ?なんだよ?」

 

 

 私たちを弱いと思い自分達の勝利を信じて疑わない口の悪い先輩方に、私ははっきりと、たずねます。 

 

 

 

 

 

「じゃあ――――、そんなバカな私たちに負けるあなた方は、何になるんでしょうね?」

 

 

「「は?」」

 

 

 さあ、行きましょうか咲夜さん!

 

 

「試獣召喚っ!」

 

「試獣召喚!」

 

 

 

 

 

『Aクラス 十六夜咲夜 保健体育 315点

            &

 Fクラス 紅 美鈴   保健体育 257点 』

 

 

 

 

「「な、なぁっ!?」」

 

 

 

 

 咲夜さんもあなた達と同じくAクラスだってこと。そして私は、その咲夜さんに勉強を教えてもらっていることを身に染みて分かってもらいましょうかっ!

 

 覚悟するんですよ、この常夏三年コンビさん!!

 

 

 

 

 




 お読みいただきありがとうございます!

 さて、ではまずはご紹介を!

 月の姫の従者にして、神の腕を持つ薬師!永遠亭を実質的に取り仕切る女性、八意永琳さんのご登場です!いや~、前から出てもらっていたのですが、ようやく正式に名前を紹介することが出来ました!

 永琳さんがいるだけで、どんなケガでもやってこい!と思ってしまうその絶大な安心感。別の意味で、勇儀の姐さんに並ぶ頼もしさを備えた女性な気がします!まさに『困ったときのえーりん先生!』ですね!


 その永琳先生に審判をしてもらっている今回の召喚大会。美鈴さんの相手は常夏コンビとなっているのですが、展開的にやはり美鈴さんと勝負をしてもらおうと思って、最終的にこの形で決めさせてもらいました!これで、この後の召喚大会の流れもバレてしまったでしょうかね・・・


 さて、中途半端な形で話を切ることになりましたが、次回を楽しみにしてもらえたら幸いです!

 それではまたっ!

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