バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 どうも、村雪です!今日もまたずば抜けて蒸し暑いっ!汗っかきな村雪にはたまらないですね・・・皆さんも熱中症には気をてください!

 今日で準備期間は終了で、次回からは学園祭の開幕とさせていただきます!楽しく、盛り上げていきたいですね~!


――ごゆっくりお読みください


援助―感謝、はいいから早く受け取りなさい

「は~・・・あのおバカ2人はどこに行ったんですかね。全然見つからないじゃないですか」

 

 

 咲夜さんのおかげで窮地を逃れた私たちは、校内を歩きながら二人を探すのですが、姿は一向に見えません。はあ、足、それも逃げ足の速さに関しては凄いですねー。その力を別の方向に回してほしいですよ全く!

 

 

「・・・・・・教室、じゃないの?・・・・・・さっきから思ってたんだけど・・・」

 

「はっ!絶対それです妹紅さん!」

 

「…………天然……?」

 

「ち、違いますよ!?」

 

 

 う、うっかりしてました!?秀吉君と島田さんが教室で待ってるのですから、吉井君は当然教室に戻るに決まってるじゃないですか!妹紅さんを無駄に疲れさせてしまった罪悪感がもの凄いです!

 

 

「さ、さっそく教室に戻りましょう。ここだとおっかない先輩がいるかもしれませんしね」

 

 

 見れば、普段何度も来ている園芸部の部室近くの廊下。今日は部活も無いので、あの人も自分のクラスの出し物を準備しているか家に帰っているとは思います。が、妹紅さんには刺激が強すぎること間違いなしの人ですので、念を入れてあまり近づけないようにしましょう。

 

 

「・・・それって・・・あんたがやってる、園芸部の?」

 

「はいそうです。風見幽香(かざみ ゆうか)って言いましてねー、美人で少し怖い女の人なんですよ」

 

「あら、嬉しい事と残念な事を言ってくれるわね」

 

「ひぇ!?」

 

 

 思わず身をすくませる私。どうやら念入れは全く無意味だったみたいです。

 

 

「ゆ、幽香先輩!?今日って部活ないですよね!?」

 

「部活が無かったらここに来ちゃダメだったかしら?ん?」

 

 

 振り向くと、新芽のように爽やかな緑髪の美女が立っていて、私の方を楽しそうに微笑みながら見やっていました。

 彼女こそ、私の所属する部活の部長、風見幽香先輩でございます!さ、さっきの言葉で怒らせてしまったのでしょうか!?今は喜びより恐怖で胸がいっぱいです!

 

 

「い、いえそういう意味じゃないですけど、わ、私ひょっとして間違えてました!?」

 

「・・・ふふ、ちょっと教科書を忘れたみたいだから、取りに来ただけよ。そんな慌てなくてもいいじゃない」

 

「あ、そ、そうですかー」

 

 ほっ、どうやら余計な不安だったみたいです。最悪、保健室で目覚めることも覚悟しましたよ!

 

 

「で、美鈴は何をしていたの?」

 

「あ、清涼祭の準備です。先輩もですか?」

 

「ええ。でも、今はお祭りの前の雰囲気を楽しんでいるところかしらね。一応ある程度は仕上がってきたから、時間も出来たのよ」

 

「は~、早いですねー!私たちは今日何をするか決めたところですよ。」

 

「・・・っ!今日って・・・ふふふふふっ・・・!本当に、あなたと話をするのは退屈しないわね」

 

「・・・そ、それはどーも・・・」 

 

 

 今のように、先輩は楽しいことや話が好きで、私が話をしていたら控えめながらも愉快そうに笑いをこぼしたりします。が、だいたいは当事者の私からしてみれば笑い話じゃありません。ほとんどが私がバタバタしたときです!

 

 

「何をすることになったの?」

 

「中華喫茶です」 

 

「へえ、中華喫茶?ということはチャイナドレスを着るのかしら?」

 

「いえ、その予定はありませんね」

 

「あら残念ね。もしもあなたが着ていたらおもしろ・・・似合いそうなんだけど」

 

「面白そうって言おうとしましたねこら!」

 

 

 別に素敵って言わなくてもいいですけど、せめて似合うぐらいだけは言ってください!

 

 

「しかし、喫茶店ね・・・・・・Fクラスの教室でやるからには、相当手を加えないといけないんじゃないの?」

 

「・・・…そ、そうですね。頭の痛い問題ですよ…」

 

 

 思わぬ幽香先輩の懸念に、私は頭をかきます。

 

 喫茶店の重要なポイントは、料理に加えて店の外装。幽香先輩の言う通り、Fクラスの見た目ではお客さんから好評をいただくのは難しいでしょう。むしろ、『あそこの店は汚い!』とか悪評を広げられる可能性がありますよねー。そこをなんとかカバーするには・・・

 

 

「何か、きれいな布とかあればあればいいんですけどねえ」

 

 

 それをテーブルクロスにするなり壁にはるなりすれば、だいぶ雰囲気が変わるのですが、こればっかりは自分たちで準備するしかありません。学校側が支給してくれるわけありませんしねー。

 こうなったら家を探して、何か持ってきましょうか。

 

 

「では、すみません幽香先輩。私たちはこれで失礼しますね。行きましょう妹紅さん」

 

「・・・ん」

 

 

 教室で坂本君達が大切な話をしてるなら、私達も聞かないといけませんからね。早く戻るとしましょう。

 幽香先輩に別れを告げ、ずっと静かだった妹紅さんと一緒に教室に戻ろ

 

 

「待ちなさい、美鈴」

 

「?はい」

 

 

 うとする前に、先輩から呼び止められました。

 

 

「なんですか幽香先輩?」

 

 

 

 

「少し、人を集めなさい」

 

「へっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

 

「あ、おかえり美鈴、妹紅」

 

「上手くやったようじゃな。先ほど明久が雄二を連れて来たぞい」

 

「あ、わかりました」

 

 

 教室に戻ると、中には島田さんと秀吉君が待っていました。秀吉君の言葉だと、どうやら2人はやはりここ戻ってきたみたいですが、どこにいるのでしょう?

 

・・・でもまあ、2人もいれば大丈夫ですかね!

 

 

「島田さん、秀吉君。ちょっとお手伝いしてほしいことがあるのですが、いいですか?」

 

「ん、いいわよ」

 

「了解じゃ」

 

 

 2人は何も文句を言わず頷いてくれました。その優しさに感謝です!

 

 

「ありがとうございます!では、ちょっとついてきてくれますか?」

 

「「了解」」

 

 

 戻ってすぐに、私と妹紅さんは2人を連れて教室を出ました。向かうは本棟の一教室です。

 

 

「ところで、吉井君と坂本君はどこへ行ったんですか?」

 

 

 カバンは残ってあったし学校にいるのでしょうが、これだけ探してもいなかったのにどこにいるのでしょう?私は暇つぶしをかねて聞いてみました。

 

 

「ああ。あの2人なら学園長室に行ったわよ」

 

 

 あー、確かにそこは見てませんでした

 

 

「って、学園長室!?な、なんでそんなところに行ってるんですか!?」

 

 

 ふ、普通に聞き流しそうでしたけど、全く聞き逃がせられない言葉ですよね!?いったいどういう経緯があってそんなことに!?

 

 

「うむ、さきほど雄二が言っておったのじゃが、姫路の父上殿が転校をさせようとする原因は三つあり、そのうちの一つがFクラスの内装が悪すぎるという事だそうじゃ」

 

「ま、まあそうですね。さっきも言ってましたけど・・・」

 

「じゃから、生徒の健康に害があるので、教室を改善してくれと2人が直訴しに学園長の下へ行ったのじゃ」

 

「・・・な、なるほど」

 

 

 確かに、いくら学力で教室が決まると言えども生徒の健康に影響が出てしまえば、教育者の立場としても改善してくれるかもしれませんね・・・

 

 

「ところで、その学園長さんってどんな人でしたっけ?」

 

「確か、藤堂カオルとかいう女性じゃったかの?召喚獣のプログラムを生み出した人だそうじゃ」

 

「………白髪の、けっこう年のばあさんだった」

 

「ほら、ちょっと口が悪い女の先生よ」

 

「・・あ~、思い出しました思い出しました!」

 

 

 教師として生徒に使っていいのかなって言葉を気にすることなく使ってましたね~。

 

 

・・・そんな人が、素直に私たちの要求を呑んでくれると思えない私は、お、おかしくないですよね?

 

 

「……急には、止まらないでほしいん…だけど…」

 

「あっ、ご、ごめんなさい妹紅さん!」

 

 

 どうやら妹紅さんが私の背中にぶつかっちゃったみたいで、鼻を押さえながら私をジトッと見上げていました。声は冷静ながら、少しだけ目に涙が溜まっているのが…可愛いっ!なんだかレミィを見てるみたいです!

 

 

「で、美鈴。どこにウチらは行ってるの?」

 

「あ、もう着きます!そこですよ!」

 

 

 それなりに歩いたと思うのですが、旧校舎と新校舎は距離がありますねー。雑談も交えて歩いていると思ったよりも時間がかかりました

 

 

「裁縫室?こんなところに何の用じゃ?」

 

 

 秀吉君は首を傾げました。裁縫室は、ミシンなどで縫物をするとき以外はめったに来ない教室で、私も来たのは数えられるほどですね。男子の秀吉君ならさらにその回数は少ないでしょう!

 

「まあまあ、とりあえず入りましょう!失礼しまーす!」

 

「し、失礼しまーす」

 

「失礼するのじゃ」

 

「・・・失礼します」

 

 

 私が先頭になって部屋へと入ると、中はミシンや糸が並べられていて、実にそれらしい雰囲気を醸し出しています。

 

 

 

「来たわね美鈴。待ちくたびれたわよ」

 

 

そんな教室で、幽香先輩は悠然としながら私たちを出迎えてくれました。

 

 

「ま、まあまあ!早く来たんですから勘弁してくださいよー幽香先輩!」

 

「・・・え、ええっと・・・?」

 

「紅。彼女は誰じゃ?」

 

 

 弁明をしようとする私に、幽香先輩と初対面となる秀吉君と島田さんが、後ろから聞いてきます。そ、そうですね。互いに知らないと気まずいでしょうし、ここで互いの紹介をさせてもらいましょうか!

 

 

「こちらですね。私が所属する園芸部の部長をされてます、三年生の風見幽香さんです!」

 

「初めまして。そこの白い髪の子とはさっき会ったけど、風見幽香よ。あなた達の名前を聞いてもいいかしら?」

 

「あ、に、2年の島田美波です。美鈴とは友達です」

 

「木下秀吉じゃ。紅の・・・し、親友で、演劇部をやっていますのじゃ」

 

「・・・・・・ふ、藤原(ふじわらの)妹紅。……居候だ」

 

「島田、木下、藤原、ね。あまり関わることはないでしょうけど、よろしくね」

 

「よ、よろしく」

 

「よろしくなのじゃ」

 

「・・・・・・」

 

「じゃあ、ついてきなさい。こっちにあるから」

 

「あ、了解です」

 

 

 自己紹介を端的に終えた幽香先輩は、さっと身を翻(ひるがえ)して後ろの方へと進んでいきます、

 私も続こうとしたところで、再び耳打ちがありました。

 

 

「ちょっと、美鈴。大丈夫なの?」

 

「ん?何がですか?」

 

「・・・〝風見幽香〟先輩って、凄い怖い三年生って聞いたことがあるわ。話しかけても、冷たくあしらわれたとか・・・」

 

「わしも聞いたことがあるのじゃ。言い寄った男をぐうの音が出んほど罵倒して、涙を流させた、とかのう」

 

「・・・なんとなく、分かる」

 

「あ~。たぶん、虫の居所が悪かったか、誘った人が嫌いな人だったんじゃないですかねー」

 

 

2人の言う通り、幽香先輩は怒ったら確かに怖いですよ?私も寝坊した時には身に染みてその恐ろしさを味わってますからね!

 

 

「でも、普段はいい先輩ですよ?今回のこともそうじゃないですか!」

 

 

 そっけない態度が多い人ですけど、その行動から、私には暖かさがしっかり伝わってますからね~っ!

 

 

「今回って、そういえばここに何しに来たの?」

 

「あ、それですけど」

 

「何をやってるの?早く持っていきなさい」

 

「あ、はい!」

 

「も、持っていく・・・?」

 

 

 いけないいけない、このままだと幽香先輩の雷が落ちてしまいます!

 

私達は急いで、幽香先輩が入っていった準備室へ入ります。

 

 

 

 

「!わっ!綺麗ねーっ!」

 

「おお、これはすごい・・・!」

 

「・・・すげえ、鮮やか・・・」

 

 

 さっきまでの緊張した雰囲気が一転して、3人は驚いた声をあげて目を光らせます。

そこへ、幽香先輩が皆に聞こえるように、告げます。

 

 

「ここの布、全て持って行っていいわ。有効活用なさい」

 

 

 そう言って、近くにあった一つ・・・一辺2メートルほどの、正方形の様々な色の布の1枚を指さしました。

 

 幽香先輩が私たちに運べと言ったものは、色彩豊かな布十数枚のこと。これを机に覆うテーブルクロスなどに使えばいいと、幽香先輩がわざわざ準備をしてくれたのです!ね!優しいでしょう!?

 

 

「すいません幽香先輩。お言葉に甘えまして使わせてもらいますね」

 

「ええ。そのぶん、しっかり部活で働いてもらうわよ?」

 

「あ、あいあいさ!」

 

 

 この恩にはそれぐらいお安い御用です!・・・ちょっと不安も覚えますけどね!

 

 

「――あ、あの、風見先輩」

 

「なにかしら?」

 

「ありがとう、ございます。ウチらのためにこんなに準備してもらって」

 

「すみませんのう、風見先輩。このご恩は忘れませんのじゃ」

 

「・・・どうも」

 

「・・・・・」

 

 

 3人のお礼に風見先輩は少し黙ったあと、ふうと軽い溜息をついて淡々と指示し始めます。

 

 

「せいぜい頑張りなさいな。ほら、礼をするぐらいならさっさと運びなさい。いつまでもここにいるわけにはいかないのよ」

 

『あ、はい!』

 

 

 私たちはすぐに布を手に取りました。あ、肌触りも結構いいですね!これは本当に助かりますよー!

 

 そのまま4人が手分けしてなのですぐに回収を終え、私たちは準備室、裁縫室と出ていきます。

 

 

「ありがとうございます幽香先輩。今度先輩が困ったことがあったら、全力で助太刀しますね!」

 

「悪いけど、私は後輩に助けられるほど弱い先輩ではないわよ?」

 

「・・・そ、それはそうですけど~」

 

 

 鍵をかけながら迷い気なく言う幽香先輩。うん、泣いたりしてる幽香先輩なんて見たことありませんし、想像できません。私はしょっちゅう涙しますのに!

 

 

「・・・まあ、その時はしっかり助けてもらおうかしらね」

 

「え?」

 

「じゃあね。せいぜい頑張りなさい」

 

 

 その前が聞き取れないまま、幽香先輩は言葉少なく背を向けて歩いていきます。とてもあっさりした解散に、私たちは慌てて幽香先輩に感謝の意を告げました

 

 

「あ、はい!ありがとうございました先輩!」

 

「あ、ありがとうございました!」

 

「感謝するのじゃ」

 

「……あ、ありがとう…ございます」

 

 

 

「(スッ)・・・・・・ふん」

 

 

 幽香先輩は一度後ろを振り向いくだけで、すぐに足を動かして廊下の角へと消えてしまいました。う、う~ん。なんだか準備だけしてもらって、さっさと帰ってもらったみたいで申し訳ないです!この恩は本当に部活で返さないといけませんね!

 

 

「じゃあ、私達も戻りましょうか?」

 

「そうね。この布はやっぱり洗うべきかしら?」

 

「うむ。万が一もあるし、洗ってから使うべきじゃな」

 

「そうよね。じゃあウチら四人で洗う?それとも明日、皆で分ける方がいいかな?」

 

「ここの四人で分けませんか?あまり分担しすぎて誰が持ったかわかんなくなると厄介になりますし」

 

「オッケー。あれ?でもそれだと妹紅と美鈴が一緒になるけど、大丈夫なの?」

 

「あ……ま、まあ大丈夫でしょ!いざとなれば、近所の友達の家で借ります!」

 

「……恥ずかしいから、絶対やめろ・・・!!」

 

「し、新参者(しんざんもの)の妹紅さんにご近所とのことで怒られました!?」

 

「うん。ウチも妹紅が正解だと思う」

 

「わしもそう思うのぞい。ではわしと島田の量を少し増やすとするかの。紅、少し布を渡すのじゃ」

 

「い、いやいやいいですって!そんなの申し訳ないですよ!あ、そうだ!少し遠くにコインランドリーがあります!それを使えば何枚でも――」

 

「「そっちの方が申し訳ない(のじゃっ!)(わよ!)さっさと渡(すのじゃ!)(しなさいっ!)」」

 

「ひぃ!そ、そんな怒られるようなこと言ってません~!!」

 

「……………………………バカだ」

 

「がふぅっ!?」

 

 

 ぼそりと、本当にぼそりとつぶやかれた妹紅さんの強烈な言葉に、私は胸に風穴を開けられたようなショックを受けながら、皆さんと裁縫室を後にしました。

 

 バ、バカとまで言われるとは…!妹紅さんが自分の気持ちに正直になってもらえて、私は嬉しくて涙がとまりません・・・!う・れ・し・く・て!涙が止まりまぜんんんんっ~~!!

 

 

 

 

 

 

「失礼します」

 

「あら幽香。もういいの?」

 

「ええ、もうあの子に渡したから充分よ。無理を言って悪かったわね」

 

「全く、あなたはいっつもそう言って、悪いとは思ってないでしょ?私には分かってるんだからね?」

 

「なるほど、確かに分かってるみたいじゃない。私のことをよく知るという、部活の顧問の仕事をしっかりしてるようでなによりよ」

 

「え?ちょ、ちょっと!否定してくれないの!?褒められてるみたいだけど全く喜べないわよ!?」

 

「分かってたことなんでしょ?ならいちいち聞かないで。淡い期待なんかしてもむなしいだけよ」

 

「そ、そこまで言うの!?ひどいわ!私はあなた達のためにと思って一肌脱いであげたのに!わざわざ使用許可を取ってあげたのにぃ!」

 

「別に私は関係ないわ・・・美鈴が辛気臭い顔をして困ってたから、仕方なくあなたに頼んだだけよ」

 

「・・・あらあらあらぁ~?相変らず素直じゃないわねぇ。あなたが真剣な顔で私に頼むなんて、ずいぶん久方ぶりだったじゃない。そんなに無関心ぶらなくていいわよー?別に、美鈴ちゃんをどーしても助けたかったからって言っても私は笑わないわ。うふふ」

 

「・・・・・・見当違いな事を言ってる上に笑ってるんじゃないわよ、この腐敗女が」

 

「だっだだだ誰が腐った女よ!?誰から見ても、私はまだまだ魅力あふれるレディーじゃない!」

 

「ふうん。まあそう思ってるんなら、そう思っていればいいんじゃない?で、妹さんみたいにパートナーを見つけなさいよ。まあ、そんなもの好きがいるかは分からないけどね」

 

「キィーッ!い、いっつもそう言って私をバカにして!教師を何だと思っているの幽香!」

 

「私たちに教育を教えてくれる人よ。まあ、目の前の人は違うみたいだけどね。女の悲しさ、年を取るという残酷なものを教えてもらってるわ」

 

「・・・・・う、うう~!わ、私だって、好きで独身やってるんじゃないわよ!!年齢なんて、どうしようもないから仕方ないじゃないいいいいっ!藍!らーんんんんんっ!」

 

 

『!!ぅえっ!?ね、ねえさ・・・紫先生!職員室では静かに――きゃんっ!?』

 

『藍~~!!あなただけは私の味方でいて!わっ、私だって、結婚できるわよね!?できるわよねぇぇぇ!?』

 

『………はあ。大丈夫、姉さんならきっと結婚できますよ』

 

『そ、そう!?そうよねっ!?ありがとう藍!やっぱり藍は優し―』

 

『世界はどこまでも広いんですから。きっとどこかにそんな殿方は存在します』

 

『くないわよっ!?もっと優しく!いつもみたいに優しくしてよ藍~!』

 

『仕事が残っていますので、また今度にしてください。あと、他の先生方の目が痛いので離れてください』

 

『う、ううう~~・・・永琳~!やっぱり藍が冷たいわよぉぉおおおお!』

 

 

 

 

「・・・・・・そういうところがなかったら、素直に感謝の言葉を言えてたかもしれないのだけどね………」

 

 




 お読みいただきありがとうございます!

 
 幽香さんに先輩らしいところを見せてもらいたいと、少し幽香さんに頑張ってもらいました!彼女のあっさりした性格に隠れる優しさ。これをもっとうまく出せれたら・・・!

 そして、最後に出てきた彼女!まだ紹介はしませんが、あんな感じの彼女も村雪は嫌いではありませんので、ああさせてもらいました!

 では次回からは、大盛り上がりな清涼祭の開始!楽しみにしていただければ幸いです!

 それではっ!

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