バカと中華小娘とお姉さん   作:村雪

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 どうも、村雪です!

 今回も美鈴さん宅でのお話です!なのでバカテス陣の登場キャラは『木下姉弟』のみです!少しバカテス感を感じないかもしれませんが、楽しんでいただければ!

――では、ごゆっくりお読みください


夕飯――困難、でも私心を貫き通したかったのよ!

「メイリン!あれとって!あの鳥の羽根みたいなやつ!」

 

「手羽先ね?はいはいどうぞ」

 

「ありがと!」

 

「うむ、おいしいのう」

 

「あ、それはよかったですよ!」

 

「咲夜、あの赤いの食べてみたいわ!」

 

「え、でもレミィ。ちょっとまだあなたにはきついと思うわよ?」

 

「大丈夫よ!私もう立派なレディーだもん!」

 

「・・・じゃあ、ちょっとだけよ?はい」

 

「ふん!もっとでも大丈夫よ!」

 

「――ああっ!?わ、私が取ってた手羽先、誰が食べたんですか!」

 

「あ、私よ」

 

「『これ誰の?』って聞かれたときみたいにあっさり答えないでください!私の物だったんですよ!?」

 

「いいじゃん。また取ればいいでしょ?」

 

「もう無くなってるからあなたも取ったんでしょうが!」

 

 

 あー、せっかく楽しみのためと置いてたのにぃ~!塩とかまぶしたりしておいしそうだったのに・・・まあ諦めるしかないか。他にも色々ありますし、そっちを堪能するとしましょう。

 

 私、咲夜さん、霊夢、レミィ、フラン、秀吉君の六人での夕飯は静まることなく、ワイワイと各自箸を進めていました。最初の方は遠慮していた秀吉君も、だいぶ慣れたみたいで進んで箸を動かしています。作った側としては嬉しい限りです!

 

 

「すいません秀吉君。そっちの豚キムチをとってくれませんか?」

 

「うむ。ほれ。」

 

「ありがとうございます」

 

 

……ん~!このピリ辛さが良いですね~!私が作ったから私好みになってるんですけどね!

 

「秀吉君もどうです?意外とイケると思いますよ!」

 

「ああ、さっき頂いたところなのじゃ。ちょっと辛かったが美味しかったぞい。」

 

「それは良かった!ちょっと辛めにしすぎたかと思ってたんですよ。」

 

「まあ確かに、あの2人には少しきついかものう。」

 

「きゃ、きゃらいからい!しゃくやお茶お茶!!」

 

「はい。ほらゆっくり飲みなさい、気管に入るわよ?」

 

「おいしー!!」

 

「それが、フランは大丈夫なんですよ~。」

 

「そ、そうじゃったか」

 

 

 レミィは甘いものが大好きなんですけど、フランは意外と辛いものもいけるんですよねー。だからわざとレミィから離れたところに置いてたんですけど、今度作る時はマイルドに出来上がるようにしないといけませんね!

 

 

「辛いものが好きな小学生というのも変わっておるなあ。」

 

「んー?そ~お?」

 

「そういうあんたも、可愛らしい男子ってので変わってるわよ」

 

「や、やかましいのじゃ!」

 

 

 はい、霊夢に一票です。ここまで性別を間違えそうな容姿の方も珍しいですよ。ああ、私もこれぐらい可愛らしければよかったんですけどねえ~

 

 

「ご、ごほん!しかし、ここにある料理は全部お主が作ったのか?」

 

「いえいえまさか。いくつかはスーパーの料理を皿に出して並べてますし、咲夜さんや霊夢にも手伝ってもらいましたよ。今日は量も多かったですしね。」

 

「なるほど、多いのじゃ。」

 

 

 長方形のちゃぶ台には机の面積かつかつの量の皿が載せられていて、それぞれが好きな物を取るバイキング形式です。

 ちなみに、座り方は私の右に秀吉君、左にはフラン。その対面には咲夜さんを中心にレミィと霊夢となっています。

 

 

「この量を女子が5人、しかも内2人が小学生となると食べ切るのは難しそうじゃな。それを食べきるなど、博麗も無茶な事を考えおるな・・・。」

 

 

 今度は秀吉君に一票。これを食べ切るのは相当お腹に入れなくちゃいけないでしょう。霊夢の食い意地にも困ったものですよ!

 

 

「なによ、私だってしっかり食べるわよ。秀吉にもしっかり食べてもらわないといけけないけどね」

 

「ど、努力するのじゃ。」

 

「頼むわよ秀吉ー。最後には男であるあんたに頑張ってもらうんだから」

 

「そう言うときだけ男を強調するでない!」

 

 

 そう言いつつも、霊夢の皿にはどっさり。なんだかんだで霊夢も食べれる方みたいでした。

 

 

 

「メイリン。」

 

「んー?」

 

 お茶を飲みながらでも話は聞けます。ごくごくと飲みながらフランの言葉に耳を傾けました。

 

 

 

 

「秀吉って、霊夢とメイリンのどっちが付き合ってるの?」

 

「んぶっ!?」

 

「はあ?」

 

「ん?」

 

 

 ばしゃあっ

 

 

「あっちぃ!さくやがお味噌汁こぼしたああ!!」 

 

 

 お、お茶が気管に・・・!!

 

 

「ごほっ!ごほっ!……フ、フラン?どうして急にそんなことを?」

 

 

 ほら、2人も固まって・・・あ、そうでもないや。首を傾げてるだけでした。咲夜さんはタイミングがかぶって味噌汁をこぼしちゃったみたいですから聞いてないみたいです。レミィは服に味噌汁がこぼれたことで一杯、私もフランの言ったことで頭一杯です!

 

 私にだけ影響を及ぼした言葉を吐いたフランは、首をかしげながら聞いてきます。

 

 

「え?付き合ってないの?」

 

「え、ええ。付き合ってないわよ?」

 

 

 付き合っていたと思っていたことの方が驚きです。

 

 

「じゃあ、霊夢が付き合ってるの?」

 

「あのね。私はこいつと今日知り合ったのよ?そんなわけないじゃない。」

 

「へ~。そうなの秀吉?」

 

「そうじゃな。わしは紅(ホン)とも博麗とも付き合っておらんのじゃ、フランドールよ。」

 

「ふ~ん。そっかあ。」

 

 

 お、驚きましたよ。まさかそんな事を思われていようとは思っていませんでした!そういう話が好きなお年頃かもしれません。かく言う私はいつでも大好きですけどね!

 

 

「全く、いきなり変なことを……ん?咲夜、あんた早くこぼしたのふいてやんなさいよ。」

 

「さ、さくやも手伝いなさいよお!しみになっちゃうでしょ!」

 

「………あ。ま、待ってて。ええと、タオルと…レミィ、じっとしててね」

 

 ああ~、かなり多めにお洋服にかかっちゃったんですか。でも大丈夫!水で濡らしたタオルで拭けば簡単に―

 

 

「――って咲夜さん!それは台拭き用のタオルです!」

 

「あ」

 

「ひ!?ど、どしてもっと汚すのよお!!ざぐやのバガーっ!!」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「あ、あ~…」

 

 

 め、珍しくやらかしましたね咲夜さん~・・・あれ、レミィのお気に入りの服ですよ。私だってお気に入りの物を汚されたら泣きます!だから、レミィが油で汚された服を見てわんわん泣くのも仕方ないですよね~

 

 

「あ~~ん!ざぐやによござれだあああっ!!ぎずものにざれだああああ!!」

 

 

 でもその発言はアウト!子どもが言うとだいぶ誤解が生じますよっ!

 

 

「お。落ち着いてレミィ!洗えば落ちる!だからまだ着れるわ!」

 

 

 このままでは咲夜さんが犯罪者になりそうなので、レミィをなだめましょう!

 

 

「うう~……ほんど?」

 

「本当っ!」

 

 

 嘘ではありません!今どきの洗剤は侮れませんからね!きっとガンコな汚れも落としてくれます!

 

 

「……(ぐしゅぐしゅ)」

 

 

 私の言葉を聞いたレミィは、ぐしゅぐしゅと腕で涙をぬぐいだしました。腕を退けると、目が赤いながらも泣き止んだレミィになっていました。

ほっ、なんとか泣き止んでくれましたか。やっぱり泣き顔は見たくないですね~。笑顔が一番です!まだ笑顔ではないですけど。

 

 

「・・・さくやっ!ちゃんときれいにして責任取りなさいよっ!」

 

「か、必ず!約束するわ!」

 

「絶対だからね!」

 

「はい!」

 

「……じゃ、いい。」

 

 

 咲夜さんの必死な言葉に、レミィもやっと許してくれました。

・・・それにしても、おつゆをこぼしたり汚れた布巾で拭いたりと、立て続けにミスをするなんて咲夜さんにしては珍しい。何か変わったことでもあったんですかね?

 

・・・あ、このスーパーの酢豚おいしっ。酢豚って自分で作るのはなかなか難しいんですよね~。

 

 

「ひでよし、前のお茶を取ってほしいな。」

 

「ほれ。コップを貸してくれるかの?」

 

「わ~、ありがと!」

 

「秀吉、あの豚キムチ取って。」

 

「今手がふさがっておるし、お主の方が近いじゃろう。自分で取るといいのじゃ。」

 

「何よ、あんたロリコンなの?うっわ」

 

「お主がものぐさなだけじゃろうが!ええいそんな目で見るでないっ!ちょっと待っとれ!」

 

「あ、取りますよ?ほら霊夢。」

 

「遅い。次はもっと早くにとってちょうだい。」

 

「ひっぱたきますよ!?」

 

「そん時は全力で叩きのめしてやるわ。」

 

「倍返しどころじゃない!?」

 

 

――とまあ、やいやいと騒ぎながら私たちは食事を進めていきました。

 

 

・・・が、当然限界というものがあるわけでして…

 

 

 

「……も、もう無理です。」

 

 

 目の前にはそこそこの料理の数。私はそこでギブアップしました。うぅ、胃が苦しい・・・

 

「わ、私もちょっと…」

 

「わしも・・・限界じゃ。」

 

「・・・・・・・・・ごめん。やっぱり無理があったかも・・・うぉえ……」

 

 

 い。今更過ぎますよ、このバカ霊夢・・・!

 

 レミィ達小学生組は早々にギブアップ。残った私達高校生組が食べ続けましたけど、もともとの量がやはり多かったとしか言いようがありません。だから、あんなに買わなくていいって言ったのに~!

 

 

「す、すまぬ。力が及ばなかったのじゃ・・・」

 

「し、仕方ないわよこの量なんだから・・・ああ、ウエストが・・・。」

 

「誰が悪いって言えば、4人で一番早く離脱したあなたですよね、霊夢・・・」

 

「う~・・・だって全部食べたかったし・・・」

 

「やかましいです。」

 

 

 全種類食べたはいいですけど、そこで箸を止めた人が何を言おうと無意味です。まったく、次からは腹をわきまえなさい。

 

 

「・・・まあ、無理な物は仕方ありません。残ったのは母さんに食べてもらうとしましょう。」

 

 

 残っていると言っても数人分くらいで、母さんなら食べ切ってくれるかもしれない。それでもダメだったら明日の朝食に出しますか。

 

 

「う~ん・・・」

 

「ぁう~…」

 

 

 横の畳から苦しそうなうめき声。そちらではレミィ(服はお着替え済み. 余談:お気に入りの服は後日、咲夜の努力の甲斐あってきれいになりました。「う~~っ!」) とフランが、仲良く苦しそうに寝ているところです。あの2人も頑張って食べてくれましたからねえ。お菓子は明日にするとしましょう。

 

 

「ふむ…こう並んで見ると、髪の色が違うだけでやはりそっくりじゃな。」

 

「双子のあんたが言うとなんか変に思えるわ・・・」

 

 

 霊夢の意見に咲夜さんもコクリ。あ~、そこまで似てるってことですよね!?早く会って見たいですよ~!!

 

 

「あ、そういえば、秀吉。」

 

「ん?なんじゃ?」

 

 

 フランの頭を秀吉君は撫でます。そよそよと優しい撫で方です。

 

 

「あんた今日、木下に化けてCクラスを煽ったでしょ。あんたに会って分かったわ。」

 

「あいだっ!?」

 

 

 ああ!フランの髪の毛がっ!秀吉君!動揺しすぎです!

 

 

「・・・え、ええとじゃな。それには深いわけがあっての?決して悪戯な気持ちでやったわけではないのじゃ。」

 

「あ~、そこらへんはどうでもいいわ。でも、木下にはさっさと謝っといたほうが良いわよ。あいつ、だいぶ頭にきてたから。」

 

「そうよ木下君。まだあなたが暗躍したことには気づいてないからいいけど気付かれたら大目玉よ?早いうちに謝りなさい。」

 

「・・・う、うむ。わかったのじゃ。」

 

 秀吉君の顔が青色に変化していきます。お姉さんの事をどう思っているのかがよ~くわかる変化です。

 

 

「で、では姉上にも謝らねばならぬし、時間も頃合いじゃからそろそろお暇させてもらおうかのう。」

 

「そ、そうですか。」

 

 

 時計を見れば、確かにお友達には我が家へとお帰り頂く時間帯。丁度一段落も着きましたし、ここら辺りでお開きとしましょうか。

 

 

「じゃあ、霊夢はどうしますか?」

 

「ん~・・・苦しいけど、帰るとするわ。お風呂もしないといけないしねー・・・おえっ」

 

 

 ちょ、畳の上でモドすのだけはやめてくださいよっ!? 味噌汁とは勝手が全然違うんですから!

 

 

「あ~、食べすぎた~…咲夜、お茶ちょうだい。」

 

「私も同じなんだけれど…はい。」

 

「ん……ふあ~。じゃあ失礼するわ。」

 

「はいは~いっと。」

 

 

 霊夢も立ち上がって、玄関へと向かいます。う~、お腹が張って苦しいですけど、見送りはしなくちゃいけませ~ん。私も立って、秀吉君達と一緒に霊夢の後をついていきました。

 

 

「秀吉君。今日は突然の誘いに来てくれてありがとうございました。」

 

 

 そしてお別れの時間です。霊夢と秀吉君が靴を履き終え、準備は万端です。

 

 

「こちらこそ、夕飯をたんとごちそうになって本当に済まないのう。ありがとうなのじゃ。」

 

「いやいや、今日みたいなことはしょっちゅうしてますから気にしないでください」

 

 

その顕著さの一割で良いですから、そこで口元を押さえてる霊夢に分けてやってほしいですよ~

 

 

「ぅおえぇ………」

 

「れ、霊夢!?こんなところでやらないでよ!?やるならトイレに行きなさい!!」 

 

「だ、大丈夫よ。今のはちょっとえずいただけだから」

 

「それを前兆と言うんでしょうが!もう!完全に食べすぎじゃない!」

 

 

「・・・私達より食べた量は少ないはずなんですけどね~」

 

「あやつは案外、少食なのじゃな・・・。」

 

 

 というより、今日までの食生活に問題があるんだと思います。普段はっぱばかり食べてて、急に色々と食べたらそりゃ胃がビックリします。なので、明日からはそんなことにもならないでしょう!……霊夢がまたヨモギとかを食べない限りね!

 

 玄関の外へ出ると、すでに夕日は地平線の彼方。真っ暗になっていました。

 

 

「暗いですね。1人で大丈夫ですか?なんでしたら近くまで付き添いますよ?」

 

「立場的には逆なのじゃが・・・大丈夫じゃ。ここからさほど離れておるわけでもないのでな。」

 

「そうですか?じゃあ、気を付けて帰って下さいね。」

 

「うむ。では紅よ。また明日なのじゃ。」

「はい、また明日!」

 

「あ、十六夜とレミリアとフランドールによろしく言うておいてほしいのじゃ。」

 

「分かりました!伝えておきます!」

 

 

 その言葉を最後に、秀吉君は走って遠ざかっていきました。お姉さんへの謝罪、上手くいくことを遠くから祈ってます!

 

 

「…あ、もう木下君は行ったのね。」

 

「あ、ちょうど今です。霊夢もですか?」

 

「ええ。トイレにも行かなくて…道端でモドしたりしないでしょうね。」

 

「た、多分大丈夫でしょう」 

 

 

 もしも実現したら、私の居眠り試験0点事件をはるかに上回る黒歴史が霊夢に誕生しますね。

 霊夢!乙女としてほんとにだめよそれは!? 乙女失格にならないよう、近くから本気で祈ります!

 

 

「じゃあ咲夜さん、私たちも戻りましょうか。」

 

「片づけをしなくちゃね。ふう、大変だわ。」

 

「2人でやればすぐに終わりますよ!私と咲夜さんが組めば何でもできる!な~んてね!」

 

「速攻で片付けるわよ。」

 

「へ?え、さ、咲夜さん!?急に力が痛たた!?そ、そんなに慌てて戻る必要もありませんよ!?」

 

「今の私なら、瞬く間に全てを終わらせられるわ。」

 

「片づけに取り組む前に私の健康体が終止符を打ちますよおあいたあっ!!?」

 

 宣言通り、咲夜さんは瞬く間に後片付けを終わらせました。額のばんそうこうはその対価として受け取っておくとしましょう。おお痛い~・・・

 

 

 

 

 

 

『た、ただいま帰ったのじゃー・・・・・・ん?姉上ー?・・・・・・・・・おらんのか?姉上、あねう・・・・・・お、おお?姉上。おるなら返事をしてほしかったのじゃ。』

 

『・・・・・・あんた、アタシを見てそんなことを言うなんて、なかなかひどいじゃない』

 

『・・・なぜそんなに昇天しそうな目なのじゃ?・・・・・・腹の虫が鳴いておるが・・・・・・・・・ま、まさか、本当に何も食べておらんのか?』

 

『・・・ええ、私は言ったわよね。あの博麗なんかの施しを受けたご飯なんて、食べるぐらいなら何も食べないってね。・・・・・・私はねぇ、一度言ったことはやり通すようにしてんのよ。それがどんなバカげたことであっても、やり通すのが絶対なのよ』

 

『い、いやいや姉上。何もそんな意固地にならずとも・・・・・・ちょっとぐらい食べてもいいじゃろう。健康のこともあるしのう』

 

 

『ざけんじゃないわよ!?博麗に負けを認めるぐらいなら、健康のことなんかどうだっていいのよ!』

 

『い、いや、別にあれは勝ち負けの話ではなかったはずじゃが』

 

『博麗の奴に負けるなんて・・・・・・!病気になるより体重が倍になるより嫌よっ!デブになる方がよっぽどましよ!』

 

『た、体重を気にする姉上がそこまで言うじゃと・・・!?な、なぜそれほどまでに博麗のことを嫌っておるのじゃ姉上!?何かよほどのことがあったのか!?』

 

『………』

 

『………』

 

『………………よ。』

 

『ん?』

 

『テストの点数が私より高かったからよっ!』

 

『・・・・・・・・・・・・え~・・・・・・・姉上……』

 

『待ちなさい秀吉ぃ!ただ点数が高いからじゃないわっ!だから、そんな哀れな物を見る目で見るのはやめなさい!』

 

『・・・・・・・・・じゃあ、他の理由とはなんなんじゃ?』

 

『……学年で一番、とはさすがに言わないけど、私、これまで頑張って勉強に取り組んできたわ』

 

『ん。まあ、確かにそうじゃな。それはわしが保証するのじゃ』

 

『ん、ありがと。・・・・・・・・・そのおかげで、私は一番上のAクラスに編入することが出来たわ。』

 

『うむ。・・・で?』

 

『……なのに!あのにっくき博麗は!授業中も寝てるわ宿題もさぼるわ変な葉っぱを口にしたりとか!何も勉強せずにやりたい放題だったのに、Aクラスなのよ!?おかしいじゃない!一生懸命頑張ってきた私とぐーたらして勉強のべの字もしなかった博麗が一緒のクラスって!私はウサギみたいにさぼったりしなかったわよ!』

 

『う、むう。それはあれじゃないかの?天才肌と言う奴じゃ。カメでも足が速い特例な存在もおるかもしれぬ。じゃから姉上もそこまで怒らなくても…』

 

『何よ秀吉。あんたは博麗の肩を持つの?』

 

『そ、そういうわけじゃあないが…』

 

『ふんっ、いいわよ。明後日にあるCクラスとの試召戦争で、どっちが活躍するかを楽しみにしていなさい!私が博麗を叩き潰して、努力は報われるって証明してあげるわっ!』

 

『あ、姉上。努力はAクラスに入れた時点で報われておるし、仲間同士でつぶし合ってどうするんじゃ…』

 

『うるさいわね!今日の友は明日の敵と言うでしょう!』

 

『・・・・・・姉上。わしは少し悲しいのじゃ・・・』

 

『だ、だから!その憐みの目はやめなさい!しめるわよ!?』

 

『!い、言う前にしめておるぞい!?ってあ、姉上!こっ、呼吸が…………!』

 

 

 

 

 

 




 お読みいただきありがとうございます!霊夢さんも優子さんも、自分の考えを大事に最後まで行動する!そんなところはそっくりだと分かった今回でした!

 ようやく次回からAクラス戦に突入です!そこまではもう何話か設けるつもりですが、戦闘描写についてはメチャクチャ自信が無いので、さくさくと進んでいくと思います!今のうちに言っておきますねー!

 それでも、皆さんが楽しんでいただける内容を作っていこうと思いますので!


それではっ!

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