目が腐ったボーダー隊員 ー改稿版ー   作:職業病

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今回初登場の人物

加古望
感覚派レディ。親は普通の人らしいが、この人のセレブ感溢れる出で立ちはやばい。ワールドトリガーを語る上で外せないネタ要素のチャーハンネタの元凶たる存在。この作品では太刀川さん、堤さんの他に3バカと八幡、それに琲世が犠牲になっている。料理過程は由比ヶ浜ののようにぶっとんだものではないが、入れる材料が明らかにチャーハンに入れるものではない。でもこの人はマイウェイをマイペースでモデルウォークで歩く人なので恐らく言ったところでムダ。食べてる人の前で女神のような微笑みを浮かべながら「おいしい?」と聞いてくるが、この時「マズイ」と答えられる人は恐らくこの世にいない。大学では陽乃さんあたりとつるんでそう。八幡ヒロインの一人。

三上歌歩
風間隊のオペレーターで風間さんと共に「小型かつ高性能」というまさに現代電子機器にぴったりなキャッチコピーをもつ。兄妹の中で最も年上なため年上スキルが生まれつき備わっていて面倒見がとてもいい。しかしシスコンの八幡のお兄ちゃんスキルにやられて八幡ヒロインの一人に参加させられてしまった。オペレーター勢を始めとする多数の女性隊員がメロメロにさせられてるらしい。八幡ヒロインの一人。

奈良坂透
たけのこ王子。総武高校の特進クラスでトップの成績を収める秀才であり、雪ノ下に勉学で張り合えるのは総武高校内では恐らく彼だけ。三輪隊でNo.2スナイパーでもある。米屋のバカさに一番苦労させられてるのは恐らくこいつと三輪。那須さんと従兄弟らしいが原作での絡みは一切ない。割と八幡と仲がいいが、那須さんを含め多数の人間にフラグを乱立させてるところを若干呆れてる。見た目きのこ派に見える実際はたけのこ派。無用の流血を避けるためにきのこ派を装っている。日浦の師匠。

材木座義輝
メガネのハム。厨二病患者であり、多数の人間に「つまらない」以外の感想を抱かせないある意味斬新な小説を書き上げる。一度ボーダー入隊試験を受けたが、基礎体力、基礎学力、トリオン量全てにおいて平均を大きく下回ったため余裕で落ちた。だが本人は「自分が入ったらボーダーで瞬く間にトップになってしまい、それだと組織のメンツが丸潰れになってしまうから落とされた」と割と本気思ってる。結論、バカ。今回セリフ無し。


6話 こうして、彼はランク戦の解説をする。

奉仕部であの黒い何かを礼として貰ってから由比ヶ浜は部室に入り浸るようになった。基本雪ノ下と話してるかケータイいじくってるかしてないけど。勉強しろよ。お前のアホさはやばいぞ。

で、そんなこんなしてたらメガネのハムが部室にいたから正拳突きを顔面に叩き込んだ。メガネにヒビ入ったから宇佐美に見られたら殺されそう。依頼内容は「自作小説読んでくれ」だった。適当に目を通したがクソつまらん。じっくり読んだら多分もっとつまらん。そしてその後おれは防衛任務についた。

 

ーー

 

防衛任務も終わり、ランク戦観客席へと向かう。といってもおれは今回解説席だが。

向かう途中で意外な人物に出会う。

 

「比企谷か」

 

「奈良坂…」

 

A級7位三輪隊のNo.2スナイパー奈良坂透。別名たけのこ王子。そして我が総武高校で唯一雪ノ下と勉学で張り合える秀才。

 

「今日は比企谷が解説だと聞いたが」

 

「ああ、そうだ。今日の解説おれ」

 

「どういう心境の変化だ?」

 

「お前おれを何だと思ってんの?呼ばれたらやるよ」

 

「お前ならエスケープくらいしそうだ」

 

「おいコラ」

 

三輪隊の隊長の三輪はおれのこと超嫌ってるけどそれ以外のメンバーとは普通に話せるというか結構仲良い。三輪だけなんだよな、まともに話せないの。というかこちらの話に聞く耳もたないし。

 

「で、お前はなにしてんの?」

 

「これから防衛任務だ」

 

「そうか」

 

「じゃあおれはいくよ。解説ちゃんとやれよ」

 

「ほっとけ」

 

 

「B級ランク戦第2戦。夜の部が間も無く始まります。実況担当は風間隊の三上。そして解説はA級6位加古隊隊長の加古さんと、甘党弾バカでおなじみNo.2シューターの比企谷さんです」

 

「よろしくねー」

 

「ちょっと、最初の弾バカいらないでしょ。No.2シューターだけで十分でしょ。いらん情報まかないでくれる?」

 

弾バカは出水だ。おれはバカではない。甘党ではあるがな!というかそれおなじみなの?

 

「でも紹介のところでそういえと横山さんから言われましたので」

 

横山、あとでしめる。

というか加古さん?すごい近いんですけど?肩思いっきり触れてますけど?ゼロ距離なんですけど?あ、いい匂い、じゃなくて!

 

「それと加古さん、近いんすけど…」

 

「あら、いいじゃない別に。減るもんじゃないのだし」

 

そうではない。周囲からの嫉妬の視線と隣の三上からの凍てつく波動がおれの肌に突き刺さるから!ある意味減るものならあるから!おれの精神的ヒットポイントがゴリゴリ削れてるから!影浦さんの気持ちが今だけよくわかるぜ!胃にあながあきそうだぜ!

助けろ!と3バカに視線を向けるが我関せず。おいてめぇら!この前佐々木メシ食わせてやったろ!最後の希望、佐々木さん!と佐々木さんの方をみたが、いい笑顔で親指を立てられた。なんか横に「♢」が見えるし。なんでだよ……。

 

「さて柿崎隊が選んだのは市街地B。これはどういう狙いがあるのでしょうか。では比企谷さん」

 

笑顔で話をふられるがちょっとふてくされてる。なんだこれ、なんだこれ!おれは悪くない!とりあえず答えとこ

 

「えーと、多分スナイパー封じじゃないですかね。今回のメンバーの中で那須隊の日浦だけがスナイパーですからね。今回の面子は全体的に近中距離型のメンバーが多いですから遠距離からの狙撃は中々面倒だと思います。柿崎隊はともかく諏訪隊はかなり面倒じゃないですかね」

 

「そうね、確かに今回はスナイパーの援護ができる那須隊が有利ね。それに玲ちゃんのバイパーもあるし地形でスナイパーを封じるだけでもかなり違うものね」

 

市街地Bはスナイパーの射線が通りにくい地形だ。スナイパーが狙撃できるところはかなり限られる。

 

「さあスタートまであと僅か。全部隊転送開始です!」

 

さて、どうなるかね。それと加古さんそろそろはなれて。

 

 

なんとか加古さんをひっぺがしモニターを見る。若干不満そうだが無視だ。おれの精神がもたない。ランダム位置に転送が完了している。

 

「さあ転送が完了!各隊員は一定の距離を置きランダムな位置からのスタートとなります!そして那須隊日浦隊員がバッグワームを起動。レーダーから姿を消しました」

 

まぁそうだろう。スナイパーは寄られると不利になる。まずは姿を隠すのが定石だ。

 

「そして各隊員合流を急ぐようですが、やはり日浦隊員は狙撃ポイントへと移動するようです」

 

「この地形だと狙撃ポイントが限られてくるものね。先にあまり人のいないポイントを押さえておくのはまぁ当然かしらね」

 

「そうしてるうちに那須隊の那須隊長と熊谷隊員が合流を果たします。転送位置が近かったようです」

 

「那須隊の戦い方は近距離を熊谷がガードして、那須がバイパーで仕留める感じですからね。それに合流できなくても那須は機動力があるからソロでも点とれるでしょう」

 

とはいっても今回は諏訪隊がいるから近距離ガードはあまり意味ないであろう。それなら諏訪隊の笹森あたり落としてあとは他のを日浦が狙撃しやすいように釣るのがいいかもしれない。

 

「転送位置が遠かった巴隊員だけが未だチームに合流をできておりません。そしてその巴隊員を近くの那須隊が狙う」

 

まぁ浮いた駒から狩るのは当たり前だろう。つっても柿崎隊も近くに来てるから場合によっては挟み撃ちとかもできそうだ。

諏訪隊も近寄ろうとしてるからこのままいくと混戦になるなーと考えていると那須がバイパーで巴を狩りにいく。

 

「那須隊長のバイパーによる全方位攻撃が炸裂。巴隊員シールドで防ぐが防ぎきれず削られていくが負けじとアステロイドで反撃」

 

「やり返さないと那須のバイパーがいつまでも降り続きますからね。多少はやり返さないとあっという間におとされます」

 

やられたらやり返す、倍返しだ!くらいの気持ちでないとあっという間に落ちるぜ、那須相手だと。おれなら倍返しさせる前に3倍返しするけどな。なにそれ鬼畜

ここで柿崎隊の二人が巴に合流。人数にものいわせ、一気に反撃する。

 

「ここで柿崎隊が合流。那須隊に反撃にまわりました」

 

あれ、そこは挟み撃ちしないんだ。しておけば那須のバイパーの降ってくる数が半々になったのに。

ここで諏訪隊が乱入。予想通り混戦になった。

 

「ここで諏訪隊が乱入。混戦になりました。人数的に那須隊が少し不利になります」

 

確かにこういう混戦では人数が多い方が有利だ。この現状なら多分連射による集中砲火ができる柿崎隊が有利だ。

だがおれはこれであることに気づく。

 

「あー、これ釣りですね」

 

「と、言いますと?」

 

「まぁすぐわかりますよ」

 

そこでおれの予想通りに日浦が巴を狙撃。ヘッドショットを決める。

 

「ここで日浦隊員による狙撃が炸裂!巴隊員を狙撃し1ポイントをもぎ取った!」

 

「なるほど、わざと混戦にして茜ちゃんの狙撃のターゲットを増やすために射線の通りやすいとこに他の全部隊を誘い込んだということね」

 

とは言っても射線が通りやすいとこ付近にたまたま巴がいただけでもある。まぁそこは運だろう。

日浦の位置が割れるがその場は結構遠いから行くまで時間がかかりそうだ。グラスホッパーあれば別だろうが恐らくこの中で入れてる人はいない。

 

「ここで熊谷隊員と那須隊長が別行動に移りました。これにはどういう意図があるのでしょうか?」

 

「多分ですけど、熊谷は日浦のガードに回るんじゃないですかね。日浦の場所が割れたから諏訪隊の笹森が日浦仕留めに行ってますからそのガードに行くんじゃないすか?」

 

「やっぱスナイパーいるいないだと違うからねー」

 

「やはり今回の試合ではスナイパーの日浦隊員の存在がどの隊でも鍵となっているようです」

 

とは言っても那須隊は最悪スナイパーなしでも普通に戦えるだろう。那須の鳥籠なかなか凌ぐのきついし。

ま、おれの方が強いんだけど?…い、いや本当だよ?一応No.2だし?というか鳥籠教えたのおれだけど。

 

「おっと?ここで堤隊員が諏訪隊長と別行動にでました。日浦隊員の方へ向かっています」

 

「笹森くんがくまちゃんを止めてる間に茜ちゃんを仕留めようとしてるんじゃないかしら。今ならガードいないし姿が完全に隠れる前に仕留めとかないとまた狙撃でだれかやられる可能性あるし」

 

これは日浦やられたかもな。機動力なら堤さんの方が上だし。なにより近寄られたらスナイパーほぼ終わりだし。まぁ一点とればとりあえず問題ないだろ。よければもう一点とれるかもだけどな。

 

「一方、市街地中心部では射撃戦が激化!威力はあるが射程が短く連射できない諏訪隊長がやや不利か」

 

「いっそ日浦に諏訪さんもいっちゃえばよかったかもしれませんね。本来諏訪隊の強みは堤さんと組んで集中砲火ですから」

 

まぁ諏訪さんなりになんか考えがあるのだろう。もしかしたらないかもだけど。あの人かなりテキトーだし。

 

「ここで笹森隊員がベイルアウト!しかし最後に熊谷隊員の左腕を切り落とし一矢報いた!」

 

おお、笹森最後にやったな。熊谷は両手持ち孤月だから片手だと戦力かなり下がるぞ。

 

「しかしここで日浦隊員が堤隊員に追いつかれる」

 

あ、日浦死んだな

 

「堤隊員の一撃により日浦隊員がベイルアウト!しかし最後にライトニングで柿崎隊長の腕を削った!」

 

なんか今回最後に一撃やるやつ多いな。日浦といい笹森といい。

んで、これで那須隊が二点、諏訪隊一点、柿崎隊0点と。がんばれ、柿崎隊。

 

 

残ってるメンバーは那須、熊谷、諏訪さん、堤さん、柿崎さん、照屋だ。

 

「ここで再び全隊の残りメンバーが集結し混戦になります」

 

那須がバイパーで削り、熊谷が来た攻撃をシールドで防ぐ。柿崎隊の二人が負けじとアステロイドで応戦。諏訪隊二人は相変わらずショットガンぶっ放す。

攻撃の手数によりやはり諏訪隊が不利か。でも腕削られた柿崎さんも結構きつそう。熊谷は多分もうすぐおちるな。多分。

 

「ここで熊谷隊員のシールドが破られ柿崎隊の集中砲火の餌食となりベイルアウト!柿崎隊長一点を獲得した!」

 

まぁいずれこうなってただろう。熊谷は片手なくなると攻撃の鋭さがなくなりガードくらいしかできることなくなるし。他にトリガーいれてないのか?

 

「しかしその隙を突いた諏訪隊が柿崎隊長を襲う!凌ぎきれず柿崎隊長がベイルアウト!」

 

「混戦だと攻撃直後をよく狙われるんですよね。漁夫の利みたいなことするのもよくありますから。おれもよくやってたし」

 

「比企谷くんはよくやるのよねー。しかも全く攻撃来そうにないとこからバイパー打ってきたりするから相手にすんのやだったわ」

 

ふっ、何とでも言え。所詮勝負など勝てばよかろうなのだァァァァ!

と、心の中で謎のハイテンションをしているとさらにその隙を突いた那須がバイパーの鳥籠で堤さんを削るというかほぼ仕留めてる。あれなら多分ほっといてもベイルアウトだな。

 

そこで照屋が諏訪隊のショットガンの再装填のタイムラグを使って一気に踏み込み那須によって足を削られ機動力をほぼ無くした堤さんのトリオン供給器官をスコーピオンで破壊する。

 

「ここで堤隊員がベイルアウト!那須隊長のバイパーにより足を削られ機動力が死んでいたところをうまく狙った!」

 

「今のはいい判断ですね。そのままアステロイドで追撃してても多分シールドに防がれてその間にショットガンぶっ放されてたでしょうから」

 

「ショットガンって威力は高いけど連射できないのがあれよね。うまく隙を狙っていかないと本当にただやられるだけになっちゃう」

 

おれだったらまず使わないトリガーだな。おれは一発で仕留めるより手数で少しづつ削ってじわじわやる方が好きだ。

やだ!これだけ聞いたらおれすごい性格悪い!ドSみたい!

 

ここで那須が再びバイパーを放つ、と思ったら着弾した弾は爆発した。ここでメテオラ使うか。一気に決めに行く気だな。

そしてメテオラにより視界が悪くなりその間にバイパーで鳥籠をし、残りメンバーを削る。

 

「ここで那須隊長のメテオラが炸裂!しかしあまり当てようとする軌道には見えませんでしたが…」

 

「あれはただ視界遮るためだけのメテオラですね。この状況で視界悪くなって加えて鳥籠だと凌ぐのはかなりきついでしょうね。残りどっちも多分仕留める気なんでしょう」

 

ほう、教えた通りの使い方になってるな。まぁおれだったらもっとメテオラ落としてそれを避けようとしたとこをバイパーで仕留めるがな。そうすれば視界を悪くし、かつ釣りもできる。最高だろ?え、性格悪い?うん知ってる。…知ってる…。

 

と、ぼっち特有の超ムダな脳内会話を繰り広げている間に残りメンバーはトリオン漏出過多でベイルアウト。試合終了だ。

 

「ここで試合終了!生存点を含め6対2対2で那須隊の勝利です!」

 

まぁ、今回は相性の問題だろうな。B級中位で那須隊相手に中距離戦挑んで勝てるとこそうそうないだろ。作戦とかいろいろあるだろうけど今回は那須隊に運もあったかな。

 

「スナイパー封じである市街地Bというステージ。しかし転送場所により混戦となりチームの地力が試されたこの試合、振り返ってみていかがでしたか?」

 

え、ここでおれからかよ。何言えばいいかまだ決めてないんだけど。とりあえず引き伸ばして時間を稼ごう。

 

「さーどーですかねー」

 

「比企谷さん、マジメに」

 

「アッハイ」

 

言うこと考えてただけなのに怒られた…。いやでも今のはおれが悪いか…。

 

「そうですね、今回のは相性がかなり大きいんじゃないですかね。あと那須隊の転送場所が結構よかったりもしましたし。途中混戦になってしまったしステージ選択権があった柿崎隊もなんかしら作戦立ててきてたと思いますが、今回は運がなかった感じですかね」

 

「つまり今回は相性と運によって那須隊が勝利した、ということでしょうか?」

 

「それはないんじゃないかしらねー。ただスナイパーを封じるだけでなく玲ちゃんのバイパーも一緒に封じるステージと作戦を立てられたら多分今回みんないい動きしてた柿崎隊が勝ってた可能性も充分あるしね」

 

「諏訪隊についてはどうでしょうか?」

 

「まぁこっちが一番相性の問題じゃないすか?那須のバイパーと柿崎隊のアサルトライフルによる集中砲火、どっちも諏訪隊とは相性かなり悪いし。アタッカーメインのとこだと相性がすこぶるいいスタイルなので今回は本当に相性でしょう。でも不利な中でもかなり頑張ってたと思いますよ」

 

「頑張ってた、と言いますと?」

 

「まず笹森が、まぁ結果的にはやられましたけどそれでも最後に左腕削ったのは大きいと思います。あれなかったら多分熊谷がもう一点くらいとってた可能性ありますし。それに笹森が熊谷引きつけたおかげで堤さんが日浦を簡単に落とせるようにしましたからね。堤さんの別行動も結果的にはよかったと思います」

 

「続いて那須隊について加古さん、お願いします」

 

「そうね、今回みんなチームとしての役割を十二分に果たしてたと思うわ。那須隊のスタイルはくまちゃんが玲ちゃんのガードをしながらアタッカーへの対処、それでその相手を玲ちゃんがバイパーでしとめたりすることもあるし、遠くの敵に鳥籠で少しづつ削っていったりもする。それで茜ちゃんが隙をついて狙撃したりくまちゃんが相手してる人を釣ってその人を狙撃したりもするスタイルだからね。運も多少あるだろうけどみんなちゃんと仕事しきったってとこかしらね」

 

「ありがとうございました。さて、今回6得点という快挙をあげた那須隊はB級中位のトップに立ちました。次の試合結果次第では上位に入る可能性が高いです。次の試合にも期待がかかりますね。以上をもちましてB級ランク戦第2戦夜の部を終了します。お疲れ様でした。解説の比企谷さん、加古さん、ありがとうございました!比企谷さんは次回もよろしくお願いします」

 

え、次もやんの?やだよ?勘弁してよ。満面の笑みしてんじゃねぇよやんねぇよ。ほんと毎回呼ぼうとすんのやめてよマジで…。

おれはげんなりしてるが、加古さんはセレブオーラ全開でお疲れーとかいってるし。というかまた近くなってません?三上も近寄ってきてるし。なに?みんなおれの精神的ヒットポイントを削りたいの?おれを鬱病にしたいの?嫌われてんの?おれ。

マジで勘弁してよ。周囲からの視線が本気で痛いから…。

 

 

「お疲れ様、比企谷くん」

 

「どもっす……」

 

いや本当に疲れた。解説ってこんな疲れるっけ。次はいかないようにしよう。

 

「さすがだね。結構うまかったよ」

 

「そういって貰えるとありがたいっすけど…」

 

でも疲れる……。

と、そこで那須隊が出てくる。

 

「あ、比企谷くん、佐々木さん」

 

「お、比企谷。佐々木さんもお疲れ様です」

 

「比企谷先輩、佐々木さん、お疲れ様です!」

 

「あ、比企谷先輩と……」

 

あれ、志岐佐々木さんシカト?佐々木メシ好物のくせにシカトかよ。てかいい加減慣れろよ。

 

「おお、お疲れ」

 

「みんなお疲れ様。ランク戦勝利おめでとう。次は上位狙いかな?」

 

「そうですね、次は上位に入れるようにしたいですね」

 

「でも次狙われる立ち位置ですからねー。まだどうなるかわかりませんねー。あ、佐々木さん!今度佐々木メシ食べさせて下さい!」

 

「うんいいよ。茜ちゃんはなに食べたい?」

 

「なんでも!」

 

「……それが一番困るけどね」

 

確かになんでも、って一番困るよな。でもこの人のメシなんでもうまいからな。さすが木崎メシに次ぐうまさのメシと言われるだけのことある。

と、そこで那須が話しかけてくる。

 

「メテオラどうだった?」

 

「おお、いい感じだったぞ。ただもうちょい当てようとする軌道で打ってもよかったかもな」

 

「そっか。わかった」

 

「それより小夜子、あんたいい加減慣れなさいよ。佐々木さんに失礼でしょ」

 

志岐は熊谷の後ろに隠れてる。どんだけ年上男性ダメなんだよ。いやおれもなんだけど。それとおれは引きこもりではない。

 

「あはは、大丈夫だよ友子ちゃん。僕は気にしないし」

 

「でもいろいろ作って貰ってこれってねぇ…」

 

「まぁまぁくまちゃん、いつか慣れるだろうしさ。気長に待とうよ」

 

「そうですよ、いつかどうにかなるでしょうし」

 

なんで佐々木さんが問題みたいになってんだよ。佐々木さん何も悪くねぇだろ。

 

「じゃ、おれらそろそろいくわ」

 

「じゃあみんなまたね」

 

「「「お疲れ様でしたー」」」

 

「お、お疲れ様、です」

 

どんだけコミュ障だよ志岐。

 

***

 

おまけ

 

「おーす、おかえりハッチ、サッサン」

 

「おいコラ横山てめぇ三上になに吹き込んでんだ」

 

「いやー受けを狙うため?」

 

こいつ喧嘩うってんのか?

 

「とりあえず処刑」

 

「ほう、やるか?」

 

なんかお互い身構え始める。フッ、オペレーターの横山なんぞに負けるほど生身の戦闘力も低くないわ!さすがにゾエさんや影浦さんには負けるけど。あ、でもこいつ喧嘩だけは無駄に強いんだよな。正拳突き超痛いし。

 

「ストップストップ。ここで暴れないでよ。片付けるの僕なんだから」

 

「サッサンだからいいよ」

 

ひでぇ!佐々木さんもなんか言えよ!苦笑してないで!

 

「そういやハッチ、これなに?」

 

そう言って取り出したのは、おれがハムからもらったクソつまらん原稿。

 

「ああ、なんか部活で依頼されたやつ。読んでくれって。どうだった?」

 

「すごいつまんなかった」

 

あーやっぱそうですよね。

 

「逆につまらない以外の感想を抱かせない小説ってのもすごいね…」

 

「サッサンも読んだら?」

 

読むだけムダだと思うけどな……。

 

ーー

 

「うーん、これは、オブラートに包んだ方がいいのかな?」

 

「いや、いいっすよ。正直に言ってください」

 

「もはや文書として成り立っていない」

 

ズバっとキターーーーーーーー!

佐々木さんがここまでズバっと言うのは珍しい。本が好きだから余計こんなクソみたいな文読まされたのが腹立たしかったんだろうな。いやでも本当につまらないし。

 

「逆にこれ書いた人は小説の何をわかって書いたのかすら疑問に思うレベルだね」

 

「まぁそうっすね。それ書いたやつ厨二病患者だし、バカだしでろくな人間じゃないっすから」

 

「まぁこれは続き書かない方がいいよ。収拾つかなくなるし」

 

ひでぇけど事実だな。よし、この感想そのままやつに伝えよう。

 

 

 

そしてそのまま伝えたら「返事がない、ただの屍のようだ」状態になった。

めでたしめでたし。




13巻の修の特訓のとこに八幡を早くぶちこみたいと思う作者です。前作なら次回はランク戦ですが、次回は息抜き回的なアレで八幡とワートリメンバーの日常的なのです。

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