いよいよエンデュミオン篇です。
俺の目標はハッピーエンドだ!!!!
第三十六話
全ての始まりは1つの事故―――航空・宇宙開発分野の為に占有させている第23学区で3年前に起こった。
それはオービット・ポータル社によるスペースプレーン・オリオン号の絶望的な事故である
開業記念試験飛行という事もあって、関係者の親族や抽選で選ばれた人達が乗っていた。
学園都市のテクノロジーと優秀なスタッフに保護されているオリオン号は快適な宇宙の旅を提供していました…が、
帰還直前…スペースデブリと衝突してしまい、エンジンブロックが損傷を受けてしまいましまった。
片翼が火を吹き、空中分解していないのが不思議なぐらい…パイロットが逃亡する程の絶望的状況だが、オリオン号は奇蹟的に不時着を成功させた。
だが着陸のショックで片翼と機体が分断されてしまう程の事故であった
しかし、乗っていた乗員乗客88人の内…なんと88人が生存していた。
この『奇蹟』としか呼べない出来事は大々的に報道され、学園都市に…いや、世界に知れ渡った
『88の奇蹟』として語り継がれ、不時着した場所に記念碑が立てられる程に…
しかし『奇蹟』が起きたとしても、スペースプレーン計画で大事故が起きた事実は変わりはない
オービット・ポータル社は大打撃を受け、倒産寸前まで追い込まれてしまった―――が
その会社を『レディリー=タングルロード』という当時7歳の少女が買い取り、
さらにはその少女が天才的な手腕でオービット・ポータル社の経営を立て直してしまった。
『レディリー=タングルロード』次なる大事業として『宇宙エレベーター』の建設に着手し始めた。
まだ見ぬ宇宙への進出の為の『宇宙エレベーター』に人々の胸は期待で一杯であった
---人類の脅威であるにも関わらず
「フフフ……今度こそ私は死ぬことが出来るわ……この『エンデュミオン』によってね…フフ」
そこから3年たった
彩人とインデックスはご飯を食べに一緒に歩いていた
「お腹が減ったんだよ~あやともっと早く歩くんだよ!!」
「落ち着けってインデックス…ご飯は逃げねぇよ」
なぜ外食してるのかって?それは俺が今日は何となく飯を作る気になれないから外食する事にしたんだ
ふと、インデックスが空に視線を向けていた
俺もインデックスが向いてる方を見ると
飛行船のモニターや屋外ビジョンで報道されていたとある単語が気になっていたようだ
「ねーねーあやと、宇宙エレベーターって何?」
「は?…何いってんだよ今まであっただろ?……あのでかい塔だよ。あれに乗ると宇宙空間にある宇宙ステーションまで行ける……ん?」
途中まで饒舌に説明していた彩人だが、急に黙りこんでしまった
(あれ?ちょっと前に宇宙空間に行った時………その時良い感じに足場があったからそれを踏み台にして地球に戻ったけど…まさかあれか?…………っべー、まじやっべーよ思いっきりぶっ壊しちまったよ)
彩人は請求が来るのではないかと冷や汗を滝のように流し始めた
「あやと?」
「あ!…いや何でもない」
説明を再開しようとしたところで、巨大な「宇宙エレベーター」の光景より心に響く、透き通る様に繊細で綺麗な歌声が俺とインデックスの2人に聞こえてきた
「ふわ~すっごい良い歌声なんだよ」
「ん…確かに素敵な歌声だな」
俺達は歌声の聞こえてくる方に行くとそこには、この歌声に聞き入っている聴衆と、たった1人でストリートライブをしている、可愛らしい顔つきをした美少女が居た
しかし彼女の魅力はビジュアルだけではなく…まるで魔術のスペルを歌声に乗せているような、
聴衆には精神感応<テレパス>で脳にダイレクトで声を届けているように感じているだろう
そんな彼女の歌声に人々は魅了される
ここでとあるファミレスに移る
そこでは御坂美琴と初春飾利と佐天涙子が雑談していた。
「88の奇蹟?……ああ、そう言えばあったねぇ……」
美琴はドリンクバーでジュースを注ぎながら記憶の隅にあった事柄を思い出しながら初春に返答する。
「あのオリオン号の事件でスペースプレーン計画が凍結されて、あの宇宙エレベーター建設が本格的に始まったんですって!!」
初春は少し力のこもった声音で美琴に語りかける
「へ~」
「何てったって世界初の宇宙エレベーターですからね~」
本来、日本に宇宙エレベーターを建造したら地球の遠心力で赤道側に倒壊してしまうのだが
学園都市の技術はその不可能を可能に変え、普通ならありえない異常なスピードで建造してしまった
それが『エンデュミオン』である
『88の奇蹟』という運命的なエピソードも重なり…ミーハーな初春は大興奮している様子である
「あはは……ん?それ、何を聞いてるの?佐天さん」
初春の熱弁にちょっと引き気味の美琴は、話を逸らすようにイヤホンで音楽を効いている佐天さんに話しかけた
「ん?……ああ、アリサって言うネットとかストリートライブとかで活動しているアーティストなんですけど…今すっごい人気なんです!!!」
どうやらこっちも熱中してる者があったようだ
「これって噂何ですけど、アリサの歌を聞くと''良いこと''が起きるらしいんです!!!」
「あのねぇ」
「良いから聞いてみて下さいってば」
そう言い佐天さんは方耳のイヤホンを美琴に差し出す
一方、初春は初春で何やらパソコンをいじり始めた
美琴は差し出されたイヤホンをはめ歌を聞き始めるが、
「ありゃ?この曲……」
どこかで聞いたことあるようなと思っていると、初春がパソコンを向けてきた
「この人ですね」
向けてきたパソコンの画面に写っていたのははキーボードを弾きながら楽しそうに歌う帽子をかぶったピンクの髪の美少女だった
「……ああ!やっぱりあの子だ」
美琴にとってはこのアーティストは知り合いだったようだ
この事実に佐天さんはかなり驚いて、勢い余って美琴に顔を近づける
初春は、パソコンを戻そうとしたその時
「…ひぃ!!!!」
ファミレスの窓の外にとてつもない悪鬼を初春は視認した……
やがて他の二人も窓の外に何かがいることに気が付く
そこに居たのは
「…キ…キキ……キィィィィ……お…ねぇ…さまぁぁぁぁ」
窓にベッタリ張り付いている白井黒子である
すると、黒子はいきなり消えて直ぐに美琴達の前に降り立つ
そこから始まる黒子の醜い嫉妬の数々……
結局黒子は真っ黒焦げにされてしまったようだ
パチパチパチパチ
数多の拍手の中アーティスト『鳴護アリサ』は嬉しそうにお客さんにお辞儀をする
「ありがとうございました!!!…………ん?」
ワラワラとお客さんが散っていく中、ずっと拍手している人が一人
インデックスである
「わぁ~!!!」
「わぁ…ありがとう!!私は鳴護アリサ…」
鳴護アリサは自己紹介しながらこっちにやって来るが、
「わ!!.はぅわぁ!!」
途中コードに引っ掛かってしまい転びそうになる
「わぁ~…むぎゅ!!」
だが、''自称''紳士こと柊彩人は転びそうになる鳴護アリサを抱き止める
「ん…大丈夫か?」
「ほぇ?…だだだだ大丈夫れふ…ありがとうございました!!」
鳴護アリサは顔から湯気を出しながら即座に離れる
忘れがちだが彩人は一応イケメンである。後は分かるな?
「おkおk……モーマンタイだ……」
(ふっ……今日の俺は最高にクールだ…)
そんな馬鹿みたいな事を考えれる程余裕がある彩人だが、直ぐにその余裕は無くなってしまう……何故なら
「あやと…………」
殺意の波動に目覚めたインデックスが居たからである
その波動……例えるならHUNTER×HUNTERのゴンクラスである
彩人の死期も近い
「おっと……どうやら俺の命はここまでのようだな…へへ…最後にあんたみてぇな別嬪さんに会えておれぁとんだラッキーボーイだぜ……」
「え?…えぇぇぇ!!!!!い…いきなりべ…別嬪さんだなんて急に言われても困ります!!!」
鳴護アリサは再び頬を朱に染めおろおろする
あらかわいい……赤面症かな?
「ばいばいなんだよ……あやと」
ごっがァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!
その後、アリサ、彩人と下の名前で呼び合う事になり、晴れて知り合いになった俺&インデックスは彼女の歌を大絶賛する
「いやぁ本当に凄かったよ!!!感動したよ!!!ね!!あやと!!!」
「ん?そうだな」
「ありがとう……気に入ってくれる…嬉しいかな」
アリサは俺とインデックスの感想を赤面するもはにかみながらお礼を言う
……か…かわえええ!!!今まで俺の周りに居なかった''普通''のタイプの女の子や!!!
インデックスは魔術的な視点から
「歌詞に『呪文(スペル)』を乗せていないのに、人の心を魅了する本物の歌だ」と褒める
…不注意な……
「……」
「イタッ!!……いきなり何するのあやと!!」
俺は科学サイドの人間に魔術サイドの言葉を言ってしまったインデックスに軽くデコピンした
「アホ…アリサが魔術を知るわけ無いだろうし、知らそうとすんなでゲソ」
インデックスに耳打ちをして忠告した
「あ!!…そうなんだよ…後何で最後にゲソ?」
「聞き間違いじゃなイカ?」
「……そこはかとなく馬鹿にされてる気がする」
「あの~」
おっと少し内緒話が長すぎたみたいだ
「いや…クリアに景色が伝わって来たから精神感応<テレパス>か何かじゃないか?ってインデックスが…」
「うん?…あはは…それは無いかな……だって私はLevel0だから……」
「そうか」
「前は悩んだ事もあったけど……今はそれに感謝してるんだ」
「あん?何でだ?」
「だって能力があったら……きっとそっちに頼ってたかな~って」
「……確かにそうかもな」
勉強も運動も全然ダメだったアリサ…そんアリサに残っていたのは、「歌」という特技だけだった
だからアリサは、このたった1つの長所を伸ばしていこう、ずっと歌っていこうと前を向き歩きだし、
そしていつか、もっと大きな場所でたくさんの人達に自分の歌声を届けたい…それがアリサの「夢」なんだとか
ま…まぶしぃぃぃぃ!!!!……自分の醜さを嫌でも意識させられるゥゥゥゥゥ!!!!
Prrrrrr
突然ケータイが鳴ったと思ったらアリサが素早い動きでケータイを取る
「…………出ても?」
「「どうぞ」」
Pi
電話に出たアリサ。しばらく待ってると急にアリサが大きな声をあげた
「本当ですか!?ありがとうございます!!!」
「何か良いことがあったのかな?あやと聞こえる?」
「聞こうと思えば聞こえるけどマナーじゃない」
「それもそうだね」
すると、電話を終えたアリサがこっちに戻ってきた
話を聞くとどうやらオーディションを受かったらしい。これで正式にデビューだそうだ
「よっしゃ!!デビュー祝いだ飯食いに行くぞ!!因みに拒否権は無い!!!」
「いやったー!!!アリサも一緒にご飯だー!!!」
俺とインデックスはアリサの手を引っ張る
「わ!?ちょ…ちょっと!!引っ張らないでぇ~」
「アリサの思いがきっと神に届いたんだよ!」
ファミレスで主役を差し置いてインデックスが俺の財布をガリガリにした後、今回のオーディションについての話になった時インデックスがそんな事を言い出した
どうやらデビューする舞台はあの『エンデュミオン』だそうだ
だが、その話になるとアリサは急に複雑そうな顔をし始める
「どうした?」
「……私ね……とっても運が良いんだ…今度の話も…ほんと運が良いって……」
アリサは少し俯いてしまった
俺はアリサの目を至近距離で覗く
「うえ!?…ど、どうしたの!?ち、近いよ彩人君」
「アリサ…おめぇはさっき自分には「歌」しかないから、それを伸ばして、いつか大勢の人の前で自分の歌声を届けたいっていってただろ?……それなのに今の言葉は自分の努力を自分で否定してるんじゃねぇか?」
「あ…それは………でも…」
一度は顔を上げたがまた俯いてしまった
「アリサ…自信を持てアリサ!!おめぇの歌は紛れもなく本物だ!!歌に詳しく無い俺でもすげぇって思った…素敵だと思ったんだ!!だから決して運なんかじゃねぇ!!…………おめぇは何より努力したんだ…報われても罰はあたんねぇさ……まぁ、罰なんかが当たりそうになったら俺が守ってやんよ」
ふぅ…久しぶりに熱くなったな…秋沙以来だな
「………うん…うん!ありがとうね彩人君!!おかげで元気でたよ!!…えへへ…」
アリサはさっきの暗い表情とは違い明るい笑顔を見せてくれた
「おほん…良い雰囲気なところ悪いけど私が居る事忘れないでほしいかも」
「べべべ別に良い雰囲気とか…そ、そんなんじゃないよ!!」
「ああそうだな…そんな事は無いぞ」
「彩人君?いくらなんでも否定しすぎじゃない?」
「Why!!!?」
俺はアリサの意見にただ便乗しただけなのにいきなり掌を返され恐い笑顔でこっちを見てくるアリサ氏……思わず英語になっちゃった……
その後、色々とアリサと遊び気付けばもう空は真っ暗に、
俺たちは近くの公園まで歩くそこでアリサはまだ歌詞が無い綺麗なメロディを披露する
噴水の近くで歩くのをやめる俺たち
「素敵な旋律だね」
「そう?歌詞は今作ってるところなの…………今日は本当にありがとう…デビューライブ決まったら絶対に知らせるね」
「……」
「楽しみにしてるよ」
「あれ?彩人君……余計だった…かな?」
「む!?あやと!!」
アリサが悲しそうに、インデックスは責めるような目線で俺を見てくるが
「ちげぇ……張りつめた空気だ…まるでこれから闘争が始まるような……そんな空気だ」
「「え!?」」
と、今まで静かだった噴水の水面が突然渦を巻き始める。そして池の中から、箒を持った魔女が出現する
いや、1人だけじゃない…風と一緒に上空から二人目、さらに地面のレンガを砕きながら三人目が現れた
「え?何これ……」
「下がってなアリサ……インデックス!!アリサに魔術攻撃が来たらスペルインターセプトをしろよ」
「了解なんだよ」
相手の魔術師3人はそれぞれ水、風、土の属性のようだ
「ククク…闘争の時間だ」
言い忘れてしまいましたけど、私エンデュミオンは映画しか知りませんので悪しからず
くっそどうでも良いかもしれないが禁書ってたまにスポットが当たるモブの女の子が可愛いよなぁ
虚数学区篇で当麻達に必死でテレパス送ってた女の子とか、今回のエンデュミオンでのインデックスがファミレスで食いまくった時のウェイトレスさんとか…
どうでもいいか…
感想をくれェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!