とある最強の正体不明(コードアンノウン)   作:まゆげ剃り機

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どうもまゆげ剃り機です。

どんどん更新していきましょう!!!


第三十五話

 

パラレルスウィーツパークで天草式本隊を発見したものの、法の書とオルソラは発見できなかったとアニェーゼは言う。

 

オルソラの身を心配するところだったが、彼らにとって法の書の解読法を知っているオルソラをどうこうするはずはないだろう。

 

今回行う作戦は、アニェーゼたちが囮となって、正面から天草式と激突。その間に上条さんたちがパーク内の法の書とオルソラを確保するというもの

 

特殊移動法の渦が有効な時間は5分間。そのため、0時5分までが勝負の時間

 

「なぁ彩人?今回は今までみたいに強引に解決はしないのか?」

 

「ん~……ちょっとね……」

(アレイスターが言う『神の右席』がローマ正教禁断の組織なら、今回の首謀者の天草式よりアニェーゼ達ローマ正教の方が怪しいと思うが……ああくそ!!情報が少ねぇ!!)

 

「法の書とオルソラの捜索に、渦の破壊。割と窮屈なスケジュールになりそうだ」

 

とことで、ローマ正教と彩人達とで別れて、作戦が始まる時を待つ

 

当麻が気にかけているのは、時間内に全ての仕事を片づけられるかということ

 

それは正直厳しいことだとステイルは言う。それは、ローマ正教には伝えていない情報が一つあるためでもある

 

「イギリス国内にいたはずの、神裂火織が消えた」

 

かつての仲間を想っての行動だろうと予想されるため、大事なところでその邪魔が入るかもしれない

 

全ての仕事を成功させようなどとは思わないのが賢明。優先事項を選ばなければならないか

 

「まぁもしもの事が有ったら柊彩人…君の出番だよ。あの聖人を止めれるのは今ここにいるどの魔術師でも出来ないだろう…でも君なら止めれるだろう?神裂の唯閃すらねじ伏せたんだから……だけど戦いたくないって言うなら僕がやろう…既に覚悟はできてる」

 

「ハッ!!俺を誰だと思ってやがる!!……戦うさ……」

 

「話を戻すが、最優先はオルソラでいいか?」

 

「良いんじゃないか?それにしても、やっぱ当麻は当麻だということを実感する選択だな」

 

「そうか?」

 

「無駄話はここまでだよ」

 

アニェーゼたちの陽動が始まる

 

「俺は俺で探すから」

 

そう言い、立ち去る

 

 

 

 

「さってと、大きい餌を垂らせば大きい魚は釣れるかな?」

 

俺は腕を引き

 

「えい」

 

近くの建物を殴りぶっ壊す

 

「……これって俺に請求来ないよな……」

 

何だか気分が悪くなってきた……

 

1人で冷や汗を流してると、複数の足音が聞こえてきた

 

「いました!!!」

「1人だけです」

「やるぞ!!」

 

男女あわせて10人か……結構釣れたな……

 

「よし、かかってきなさい」

 

「なめるなー!!!」

 

10人が一斉に襲い掛かってきた。大人数にも関わらず絶妙なコンビネーションで絶えず、隙無く、攻撃してくる

 

「おっ…ほっ…やっ…へへやるなぁ」

 

彩人も負けじと攻撃を避ける

 

そのまま状況が拮抗する

 

しかしいくら鋭い攻撃だとしても、所詮人間範囲である。だからいつもならこの程度の余裕で対処出来るのだが…

 

(最近は相手は殆どが同じ化け物だったからなぁ~、唯の人間相手は手加減が疲れる)

 

「相手は防御で手一杯です!!いけますよ!!」

 

「嘗めんな!!!フォラ!!!!!!」

 

腕を振り切る。そして、出る衝撃波

 

「「「「「「「「「「きゃ!!(おわ!!)」」」」」」」」」」

 

「ククク…攻撃が激しいから防御してたんじゃなくて、手加減するのが大変だったから防御ばっかしてたんだよ」

 

「くっ…''本当に''規格外ね」

 

「あん?」

 

金髪ウェーブの女性が苦しそうにこぼすが、俺が訝しんだのはちょっと前の発言である

 

「あんた今''本当に''って言ったか?……まるで以前から俺を知っていたみたいだな」

 

「ええ、知ってるわよ……貴方は私たちにとっては何かと有名ですもの…」

 

「へ~」

 

「……ねぇ?…あなたは何であんな奴等に協力してるの?」

 

「協力ねぇ…一応知り合いが俺の力を求めてきたが主な理由だけど、事情を聞いたらそんな事関係無くオルソラって言うシスターを助けたいと思ってる」

 

「だったら何であいつらに協力してるのよ!!!」

 

「ん?どういう事だ?話が噛み合わないな……おめぇ達天草式十字凄教がオルソラ=アクィナスを法の書と共に拐ったんだろ?」

 

「違います!!貴方達はローマ正教に騙されています!!私たちはオルソラ=アクィナスがローマ正教に消されるのを助ける為に拐ったんです!!!」

 

俺の問いに一際大きく反応したのが二重まぶたが印象的で髪はショート、前髪は目より上で色が紫色の女の子である

 

「何だと?それはどういうk!?…待てローマ正教の奴等が来た……一回おめぇら捕まったふりをしてくれ……時が来ればちゃんと開放するから」

 

天草式の連中は渋々頷いた

 

 

 

 

広場には捕らえられた天草式が集められていた。

 

「さて……」

 

俺はさっき俺に強く反発してきた子の縄をほどいた

 

「な!?何やってんだよ彩人!!!」

 

「そうなんだよ!!!天草式は敵なんだよ!!!」

 

「まぁ待て……で?さっきの続きを頼むわ」

 

「分かりました」

 

「ちょっと待てよ!!!何の話だよ!!」

 

「当麻…俺達はアニェーゼ達に唯利用されてただけかもしれないぞ」

 

「何だと!?」

 

ステイルが直ぐに反応する

 

「ほう…既に状況を理解している奴がいるのか」

 

天草式のリーダーっぽい奴。建宮斎字が急に口を開く

 

「悪いが、こいつを解いちゃくれんかな。このまま彼女を放っておけるはずもないんでな」

 

「その前に説明をしてくれ」

 

「お前等、彼女がこの後どういう扱いを受けるかわかってやがんだろうな?」

 

一度息を吸い込み

 

「殺されんのよ。彼女はなぁ!」

 

聞き捨てならぬところ

 

建宮曰く、ローマ正教の本当の目的はオルソラを殺すことなのだという

 

オルソラをさらったのも、法の書を盗んだのも天草式。ならばその言い分はおかしいとも思えるところであったが

 

「我らは、法の書など盗んじゃいねぇのよ」

 

法の書の力を使えば、十字教の支配する時代は終わりを迎える。

 

だからといって、隠れることを得意としてきた天草式がそんな目立つ力を手に入れたいと思うかと訊かれれば、疑問が残るところであろう。

 

十字教最大宗派のローマ正教も同じ。十字教最大宗派であるのだから、十字教の終わりなど望んでいるはずがない

 

「奴らはオルソラ=アクィナスを秘密裏に消すことにした。彼女もそれに気付き、我ら天草式に助けを求めてきたのよ。要するに、法の書が盗まれたというのはローマ正教の演技ってことよな」

 

確かに、建宮が言っていることは辻褄が合っている

 

しかし、それでも当麻がその言葉を信じることができない決定的な理由があった。

 

「仮にお前の言ってることが全部本当だとしたら、どうしてオルソラは、お前から逃げたんだ!」

 

もっともな質問

しかし、建宮はそれを愚問とばかりの反応を見せる

 

「結局、彼女は最後の最後で我々を信じきることができんかったのよ。見返りに法の書の解読方法を求めてくるはずだとな」

 

「じゃあ、何のためにオルソラを!」

 

建宮は少し間を置き

 

「理由なんてねぇのよ。そんなもん、ハナっからねぇのよ」

 

 

 

「ハハハハハハハハ!!!!当麻!!おめぇがそれ聞いちゃ駄目じゃねぇか!!!結局は天草式も当麻と同じだったということか!!」

 

建宮たちは、プリエステス様の後ろ姿をずっと見てきた

 

だからこそ、道を違えることなくやってこれていた。しかし、自分たちの未熟さがプリエステス様を苦しめてしまった

 

もうそんなことがないよう、プリエステス様に居場所を返すように、天草式は助けを求めるオルソラに手を差し伸べた。理由があるとするならばそれだけのことだった

 

オルソラの悲鳴が聞こえてくる。

 

「お前さん、彼女をローマ正教に預けるだなんて言ったのか?」

 

 

「彼女はローマ正教じゃなく、お前さんを信用してたんじゃねぇのよなぁ」

 

まさにその通りであっただろう

 

オルソラはすぐさまこの場で殺されないとはいえ、もうあまり時間はない

 

この際、建宮は自分たちを信じる信じないは関係なしに、ただ一つの目的のために当麻に言う

 

「約束しろ。必ずオルソラ=アクィナスをローマ正教から連れ戻して、奴らの手にも我らの手にも届かんところにつれていくと」

 

それならば、天草式を信じる信じないに関係なく、オルソラは間違いなく救われることになるのだから

 

間もなく、建宮の身柄を預かりにローマ正教の者がやってくるだろう

 

「よっし、じゃあ今からオルソラを助けに行くぞ」

 

「え?もう?」

 

「何チキッてんの?バカなの?死ぬの?」

 

「唐突に辛辣だな!!!」

 

「よし……まずは役割分担だな!俺は部隊の奴等を叩くからおめぇらオルソラ助けろ」

 

「決めるの早!!!後適当過ぎんだろ」

 

「大丈夫だよ!!それとは俺1人でええよ」

 

「な!?一人で戦うなんていくら彩人さんでも危険ですよ!!」

 

……どうでも良いけどさっきからこの子やけに俺に噛みついてくるな……しかも、いきなり名前呼びだし

 

「それに……どうして貴方は平然と助けに行こうと思えるのですか?……相手は皆プロの魔術師でしかも252人もいるんですよ!!!……それでも助けに行く事をいとわないんですか?」

 

「……ハッ!!愚問も良いとこだぜ!!…月並みのセリフだが、自分達を信じてくれている人が助けを求めているなら例えどんな敵が立ちはだかっても助けに行くだろ」

 

「!?……でも相手は沢山居るんですよ?」

 

「たった252人だろ?……それっぽっちの人数が怖くて助けに行くのを止めるなんて絶対にあり得ないね……そう言う事だかr…どうした?顔が真っ赤だぞ…」

 

さっきから俺に噛みついて来ていた女の子が顔を真っ赤にし、潤んだ目でてこっちを見ていた

 

「え!?…あ…えっと…そのぉ…だ.大丈夫です!!気にしないで下さい!!!」

 

「?まぁ良い……とりあえず部隊奴等は任せろ!!!」

 

 

 

 

 

 

教会

そこでは、アニェーゼがオルソラを痛めつけていた

 

オルソラの救いとしては、当麻がアニェーゼたちに騙されていたのだということ

 

その事実を知り、当麻の善意が本物であったことを知る

 

上条さん達は信じることによって行動する。人や想い、その気持ちを信じて駆け付ける

 

それに対し、ローマ正教は疑うことでしか行動できない。それはオルソラ自身もそうであったように

 

その醜さを指摘したオルソラを、アニェーゼは厚底の靴で何度も踏みつける

 

「せいぜい自分をこんな目にあわせちまった、あのバカどもを恨みながら死にゆけばいいんですよ」

 

そう言うアニェーゼであったが、オルソラは恨む要素を見つけられないでいた

 

「彼らには元々……戦う理由はなかったのでございますよ。 それでも、見ず知らずの私のために……駆け付けてきてくれたのでございます」

 

オルソラは当麻の善意を信じることにより、恨みなど持ってはいなかった。あるのは感謝の心のみであろう

 

 

教会には結界が張ってある

しかし、それは呆気なく壊されることとなった。

 

とことで、姿を現したのは当麻であった

 

「一応訊くけどよ、もう誤魔化すつもりはねぇんだな?」

 

アニェーゼはこの期に及んで取り繕うようなことはしない。

この場の状況こそが現実であり真実。

 

「これが最後のチャンスです。自分が何をすべきかぐらいわかっちまってますよね?」

 

もちろん、ここに多くのシスターがいて、それに上条さん一人で抵抗するのが難しいのも事実。

 

それを理解した上で、上条さんはアニェーゼとの間合いを一気に詰め、殴りかかる。

 

「何をすべきか……だと? なめやがって。助けるに決まってんだろうが!!」

 

さすがは上条さんといったところ。

しかし、この状況では無謀が過ぎるというところである――――が。

 

激しい炎が教会の壁をぶち破ってくる。

 

「まったく。勝手に始めないでほしいね」

 

そこにはステイルが立っていた。

 

ローマ正教内だけの問題にイギリス清教が関わるのはマズイ。内政干渉とみなされるのは確実というところであったが、それは適用されないとステイルは言う。

 

「オルソラ=アクィナスの胸を見ろ」

 

豊満な胸に目がいってしまうが、ステイルが言っているのはそれではなく、かけられた十字架のネックレスのこと。

 

それはイギリス清教の十字架で、それを誰かにかけてもらうというのはイギリス清教の庇護をうけるということ。

 

「つまり、オルソラ=アクィナスはローマ正教ではなく、僕たちイギリス清教の一員になったということさ」

 

なんという屁理屈

 

そんな詭弁がローマ正教側に通じるわけがない。しかし、ステイルが言ったことは事実であり、それはとても大事なこと。これでイギリス清教が関わる理由ができるのだから。

 

とは言え、ステイルが加わったところでローマ正教側の優位は動かないのだが……

 

「二人で済むとか思ってんじゃねぇのよ」

 

建宮率いる天草式もやってくる

 

「助けよう、とうま。オルソラ=アクィナスを、私たちの手で」

 

インデックスも現れる

 

ローマ正教と天草式+αの戦いが始まる

 

混戦の中上条さんはその隙にオルソラを連れて教会を脱出する

 

 

神裂は事の顛末を知り、安心してその様子を見守る

 

「彼らがいるなら、私がいなくても、天草式は正しき道を進めるでしょう」

 

 

オルソラを上手く連れ出せた為天草式+αは教会の外に出る

 

「追え!!!!」

 

アニェーゼ部隊は天草式+αを追って教会を出ると

 

「やぁやぁ皆のアイドル柊彩人さんだよ~」

 

ものすっごいゲスな顔をしている彩人が居た

 

その後ろに天草式と当麻達が居た

 

アニェーゼとアニェーゼ部隊総勢252人は彩人を無視して後ろの当麻達を捕まえに行こうとした

 

瞬間

 

「おいおい無視は酷いんだぜ!!!」

 

彩人の近くに居たシスター10人が吹っ飛んだ

 

「な!?何が起こったんですか!?」

 

アニェーゼは突如自分の部隊のシスターが吹っ飛んだ事に酷く狼狽する

 

「いいか?アニェーゼ部隊の皆さん……おめぇ達は俺、たった一人の人間に殲滅されるんだからな」

 

「嘗めないでほしいですね!!!!全員でやっちまって下さい!!!」

 

アニェーゼの声と同時に部隊252人が襲い掛かってくる

 

(ふん!所詮強くても人間…数にものを言わせればこっちのもになんですよ)

 

「どっこいしょーーーーー!!!!」

 

変な掛け声とともに彩人は地面に拳を叩き付けた

 

そして、クレーターと衝撃波によって一瞬にして部隊は''全滅''した

 

(いや、約2人程気を失って無い奴がいるな…軍覇じゃないけど根性あんじゃん…)

 

「あう~…きゅ…急に風が来たと思ったらいつの間にか倒れてたんです…イタタ」

 

背が低い三つ編みの少女と

 

「く…くそ!!……異教徒めがぁ!!!」

 

背が高く猫目。

修道服はスカート部分が短くガーターベルトに黒ストッキングという目立つ服装の少女

 

……我ながらこんな時にこんな事考える俺は変態だと思う

 

「うっそ……教皇代理!彼本当に部隊を殲滅してしまいましたよ!!」

 

「ハハハハ!!!噂は本当だったのよな!!パンチで地面が凹むとこを見たのはキレた時の女教皇<プリエステス>以来だな」

 

若い男が信じられない者を見たような顔をして建宮に話しかけ、建宮は気分が良さそうに豪快に笑う

 

「……ステキ…」

 

さっきの少女が彩人を見て呟く

 

「ひっ!!何なんですかこの化け物!!」

 

……ハハ……化け物か…知ってるよそんな事

 

 

「俺がやっても良いんだけど……おめぇが納得しねぇよな…当麻」

 

「ああ俺にやらせてくれ」

 

当麻がズイっと前に出てくる

 

 

「……ふん!何のつもりか知りませんがここは一つ、あなたの幻想を打ち砕いて手慰みといきましょうか」

 

(ほう…幻想を打ち砕くのは当麻の専売特許なんだがな……)

 

「万物照応。五大の素の第五。平和と秩序の象徴・司教杖を展開。偶像の一。神の子と十字架の法則に従い、異なる物と異なる者を…接続せよ!」

 

そう言い、アニェーゼは杖を柱にぶつける。すると当麻は側頭部に衝撃を受け、倒れてしまう

 

さらにアニェーゼは杖を床にぶつける。すると当麻が倒れていた床が大きく凹む。当麻はこれをなんとか回避し、次の攻撃もかわす。

 

そこで気付く。杖を傷つけると、他のものにそのダメージが移るというそれに

 

かわせる攻撃だけでなく、上条さんの動きも予測したかわしようのない攻撃が襲いかかってくる。

 

窮地に追い込まれながらも、上条さんはご立腹

 

「テメェも、こんなことのために力をバンバン使うんだな」

 

十字教は皆を助ける目的のために広められた。それを逆手にとって悪事に利用するのは、アニェーゼ自身がまさにそうだった。

 

怒りながらも冷静さを保ちつつ、当麻はアニェーゼのもとへと走り出す。相手の攻撃を誘いだし、それを自慢の右手でぶち壊す

 

アニェーゼが驚きを見せた隙に間合いを詰め、容赦なしの一発を喰らわせる

 

「あらあら、幼い少女の顔面をパンチするなんて鬼畜だね~」

 

彩人は茶化すが、この男も平気でミーシャをボコボコしていた過去がある

 

吹っ飛んだアニェーゼは、“敗北”を意識する。それは、思い出したくもない過去へと戻ることを意味していた。

 

「やだ!」

 

過去に戻ることを拒むアニェーゼは、なおも立ち上がる。

 

しかし、アニェーゼはいろいろ頭を巡らせるが、抗う術はもうない

 

「テメェはもう自分でわかってんだろ。テメェの自信は、とっくの昔に殺されてんだよ!」

 

当麻はアニェーゼとの間合いを一気に詰め、その頬にやはり容赦のない一発を喰らわせる

 

今度こそ、それは戦闘不能にさせるのに充分な一発だった。

 

深い傷を負っていた当麻も、その場に倒れる――

 

前に彩人が抱き止める

 

「…お疲れ様……かっこよかったぜ…」

 

 

 

後日

 

俺は病院内の広場のベンチで座っていた。

 

「……火織」

 

「……お久し振りです…オルソラ=アクィナスの動向などを伝えに来たのですが……余計なお世話でしたでしょうか?」

 

「いや……気になっていたから別に余計なお世話と思ってないぞ」

 

「そうですか……」

 

オルソラと天草式はイギリス清教の傘下に入ることとなったという

 

オルソラが持っていた解読法は、実はダミーの解読法だったらしい。だからにダミーの解読法は公開したとことで、法の書絡みで追われることもなくなるだろうとの事

 

天草式がイギリス清教の傘下に入るのは、彼らがその展開を望んでいたためでもある

 

「私の後を追うなと、きつく厳命しておいたはずなんですが……」

 

「それだけ天草式にとって火織は大切な存在なんじゃないか?」

 

「何だか気恥ずかしいですね…」

 

そんな事を言う火織だが、満更でもなさそうな顔だった

 

「えーと…、あの、今回は、すみませんでした!」

 

神裂は、一身上の都合で迷惑かけたことを彩人に謝罪する

 

「ハハ!!全然気にしてねぇよ」

 

「ですが…」

 

「……天草式の奴等…うん、面白い奴等ばっかだな…何よりそれぞれがちゃんと芯が通っているな……さぞかし素敵な目標が居るんだろうな…」

 

俺はニヤニヤしながら火織を見る

 

「な…何なんですか!その顔は!!今すぐやめて下さい!!!!」

 

火織は顔を火照らせて、恥ずかしそうにこっちへズンズンと歩いて来る

 

「ハハハハ!!!嫌なこった」

 

「あ!?待ちなさい!!!」

 

俺は逃げ、火織が追う。だが二人の間には剣呑な空気があるんじゃなく、とても穏やかな空気がながれてた

 

だけど、二人は忘れていた

 

 

 

 

ここが病院ということを

 

「病院では静かにしてください!他の患者に迷惑です!!」

 

「「は、はい!すみませんでした!!」」

 

看護婦さんに怒られちゃったよ……

 

 

 

 

 

 

ステイルはローラと話す。

 

ローマ正教の真意をほとんど知っていたローラは、オルソラを助けるよう命令しなかった。それは、オルソラが助けられようとそうでなくとも、状況は変化しなかったため。法の書が解読されることはなかったであろうから、ローラにとってそれはどうでもいいことだった。

 

「だったら何でアークビショップ自らオルソラに十字架を渡せだなんて……何だかんだ言って、最初っから助ける気満々だったんじゃないんですか?」

 

それにも理由がある

 

『神裂火織よ』

 

ローラが横槍をいれなければ、彼女はどうなっていたか……

 

言うこと聞く内は、天草式をローマ正教から守るというプラスの足枷。独断で動く彼女にその足枷を用意すべく動いた今回の件。それはうまいように事が運んだか

 

「ね? かくもおいしい利益はないでしょう?」

 

ローラは、見た目はどうあれやはりアークビショップ。それをステイルは実感したであろう。

 

「あの女狐めが……」

 

 

 

 

 

 

 




ちっくしょー!!!!オルソラさんにフラグを建たせる事無く法の書篇が終わってしまったーーーー!!!!

オルソラめっちゃめっちゃ好きなのにーーーー!!!

まぁ一人は建てたから良かったのかな……てかそっちを建たせるのに必死でオルソラまで手が回んなかったわ……

あ!!フラグを建てた子わかったかな?

二重まぶたが印象的であって、髪は紫色でショート。 
そして『隠れ巨乳』のあの子ですよ!!!

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