とある最強の正体不明(コードアンノウン)   作:まゆげ剃り機

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どうもまゆげ剃り機です

今回も暇潰し程度に見ていただけたら幸いです


第十四話

 

暴れ狂う心臓の鼓動、不規則極まりない呼吸、明滅し混乱する思考―

 その一つ一つは、確実に彼女が狩られる側の人間である事を証明している

 

 

 

 

「ンだァその逃げ腰は。愉快にケツ振りやがって誘ってンのかァ!?」

 

少女は構えたライフルを白い少年に向け発砲、弾丸は少年に確かに命中した後、向きを変え彼女を襲う

 

肉を潰す音、被弾した少女の肩から血が噴出す

 

「さァって問題、一方通行(アクセレータ)は果たしてナニをやっているでしょォかァ!?」

 

幾度かの試みを実行した後、倒れた少女は「反、射……」と答える

 

「残念。おしいけど、俺の本質とは違うんだよねェ!

答えは『向き(ベクトル)』変換!運動量、熱量、電気量。あらゆる『向き』は俺の皮膚に触れただけで変更可能。デフォじゃ『反射』に設定してあるけどなァ!」

 

白い少年はぐちゅりと少女の傷口に指をねじ込むと、血を逆流させると人間の身体はどうなるでしょうか?と彼女に問い、壊れた笑みでそれを実行する

 

 

 

 

 

 

「あいつ、猫を置いてどこにいきやがった‥...ん?‥...!!!!」

 

ビル隙間の路地、何気ない風景に俺は強烈な血の匂いと死の雰囲気を感じた

 

急いで進むと、そこに彼女は居た

 

数十分前まで笑顔で話していた少女は、全身を鮮血で染められた死体となってそこにある

 

「ミサカ!!!」

 

俺はミサカの元に駆け寄った

 

「‥...何がどうなってる」

 

俺は目の前の光景にただ茫然とした

 

すると

 

「申し訳ありません。「作業」を終えたらそちらへ戻る予定だったのですが、と、ミサカははじめに謝罪しておきます」

 

「っ!!?」

 

本来聞こえるはずの無い声が聞こえてきて

 

思わず振り向くと

 

ミサカがいた

 

「どういう事だ?」

 

俺はミサカ問う

 

「‥...あなたは「実験」の関係者ではなさそうですね?と、ミサカは確認します

 

が、ミサカはあくまでも淡々と告げる

 

「妹達(シスターズ)ですよ、と、ミサカは答えます」

 

もう1人、ミサカそっくりな人物が登場

 

「黒猫を置き去りにしたことについては謝罪します。と、ミサカは告げます」

 

「ですが、無用な争いに、動物を巻き込むことは気が引けました。と、ミサカは弁解します」

 

「どうやら、本「実験」のせいで、無用な心配を掛けてしまったようですね。と、ミサカは謝罪します」

 

「ここにいるミサカは全てミサカです。と‥...」

 

妹達(シスターズ)が際限なく増えてゆく・・・

 

「あなたが今日まで接してきたミサカは、シリアルナンバー10032。つまり、このミサカです。ミサカは電気を操る能力を応用し、互いの脳波をリンクさせています。他のミサカは10032の記憶を「共有」させているに過ぎません。と、ミサカは追加説明します」

 

「学園都市で七人しか存在しないレベル5、お姉様の量産軍用モデルとして作られた体細胞クローン――妹達(シスターズ)ですよ、とミサカは答えます」

 

「おめぇなにやってる?」

 

「ただの「実験」ですよ?と、ミサカは答えます。詳細は機密事項となっているため説明出来ませんが、とにかく事件性はありません。と、ミサカは弁明します。本「実験」にあなたを巻き込んでしまったことは、重ねて謝罪しましょう。と、ミサカは頭を下げます。・・・では、ネコをお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は小萌先生の家で居候中の姫神

 

「焼肉のおこげに含まれる成分‥...実は発ガン性物質」

 

ピンポーン

 

「回覧板だと思いますが、姫神ちゃん♪丁寧に対応してあげてください♪先生はーその間に勝手にお肉焼いてーもぐもぐ、勝手に食べちゃいますー♪」

 

姫神がドアを開けると地面に倒れているインデックスが目に入る

 

「お・・・お腹へ」

 

 ガゴンッ!即座にドアを閉める姫神

 

「あれぇ?だれだったんですかぁー?」

 

「いえ、別になんでも」

 

もう一度ドアを開けるとスフィンクスを差し出してきたので、なんとなく可哀相になり入れてあげる姫神

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥..」

(御坂に聞くか?いや、聞いたところで答えるはずがねぇだけど‥...あー、グダグダ考えるのめんどくせぇ、いくっきゃねぇ)

 

第7学区の常盤台中学学生寮に辿り着いた

 

部屋番号を確かめ玄関からインターホンの呼出ボタンを押す

 

するとルームメートの黒子が出た

 

「御坂に用があるんだが」

 

俺は端的に告げた

 

「お姉様はまだ戻っておられませんわ、御用がおありでしたら中に入って待つことをお勧めしますの」

 

俺は黒子の言う通り部屋に入った

 

「お姉様を待つのでしたら、そのベッドに腰掛けてくださいですの」 

 

「良いのか?」

 

「ご心配なさらずに、そちらがわたくしのべッドです‥...それにしても、お姉さまに何か用ですの?」

 

「‥...ああ、大事な用だ」

 

俺はいつになく真剣な表情をしていた

 

「!?‥...貴方のそのような顔は初めて見ますの‥...なかなか凛々しいですのね‥...」ボソ

 

すると外から靴音が

 

「ま、まずいですの!!寮監の見回りですの!!!お姉さまのベッドの下に隠れてくださいまし!!!…ってなにをやっていますの!!?」

 

彩人は御坂のベッドの下からファスナーが付けられた大きなくまのぬいぐるみを取りだしていた

 

開けてみるとレポート用紙が数枚、そこに書かれた言葉を見つめ彩人の瞳孔が開く

 

『量産異能者(レディオノイズ)「妹達(シスターズ)の運用における

「一方通行(アクセレータ)」(レベル5)の絶対能力(レベル6)への進化法』

 

内容は「樹形図の設計者」を用いて予測演算した結果、まだ見ぬレベル6へ到達できる者は一名のみと判明

 

その方法とは、一二八種類の戦場を用意し、超電磁砲を一二八回殺害することで一方通行は絶対能力へ進化するもの

 

しかし、超電磁砲を一二八人用意するのは不可能

 

故に量産計画「妹達(シスターズ)」に着目した

 

やはり、本家とは性能が異なりレベル2~3程度のもの

 

これを用いて「樹形図の設計者」に再演算させた結果、二万通りの戦場を用意し、二万人の妹達を用意する事で、上記と同じ結果が得られることを確認

 

×印がいくつか付いた地図を見る。そこに記されているのは研究所‥...

 

「な、なにをやっていますの!!早く隠れてくださいまし」

 

黒子はかなり焦っているが

 

「‥..わりぃ、もういくわ」

 

と言い窓を開ける

 

「な、なにをするんですの?」

 

「逃げるんだよ、サンキューな部屋にあげてくれて‥...愛してるぜ黒子」無表情に少し笑み

 

いつものような軽口を言ったつもりだが

 

「な、なにを言ってますの!!!わたくしにはお姉さまがいますの!!…ってもういない!!?」

 

どうやら彩人は白井の乙女心を刺激してしまったようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......」

(御坂はこの学園都市でトップのエレクトロマスターだから、一際でけぇ磁界を感じられたらそこにいるはずだ.............いた)

 

「......よし、あいつに連絡するか」

(ミサカを戦いの余波から守ってもらうためにな)

 

Prrrr

 

 

 

 

 

 

電話をし終わった後

 

俺はすぐに美琴のもとへ向かった

 

そこには3メートル程のクレーターがあった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美琴は鉄橋の手すりに寄りかかり思い詰めた表情で虚空を眺めていた

 

『能力が開花する瞬間、少女はそこに無限の可能性を見る―。』

 

『筋ジストロフィー。原因不明の不治の病の一つで、少しずつ筋肉が動かなくなっていく病気。

そんな人達を、助けてみたくはないかと言った研究者がいた―。』

 

『かつて幼い子供は、そんな言葉を信じて疑わなかった―。』

 

『こうして御坂美琴のDNAマップは学園都市のバンクに正式登録されることになる。』

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして……こんな事になっちゃったのかな……

 

…………たすけて

            たすけてよ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『脅え、傷つき、ボロボロになった呟きは、ただ闇に消えていく』

 

『軍用に開発された劣化複製品(レディオノイズ)、妹達(シスターズ)はすでに生産ラインを確率され、後はボタンを押せば無尽蔵に作られてしまう状態。』

 

『しかも作られた妹達(シスターズ)は、兵器として生きる事さえ許されず、実験動物として殺される事だけを生きる目的とされた。まるで、解剖されるカエルのように―。』

 

 

 

 

 

 

 

 

だがこの物語にヒーローはいない

 

困った時に都合の良いように現れるヒーローはいない

 

でも御坂に絶望の結末はない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静寂の中に突如美琴の近くから鳴り響く爆音

 

「な!!!?なに!!!何事」

 

何が起きたか全くわからなくてパニックになっている

 

そこにいたのは

 

「よぉ…何センチになってるんだよ」

 

柊彩人、規格外である

 

 

 

 

 

 

 

 

 




黒子がヒロインするのって良いと思う

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