リ・エスティーゼ王国に、魔王を追う。
とだけ伝えナザリック地下大墳墓へアインズは戻ってきていた。
かなり不味い状況だ。
デミウルゴスが危機に襲われていたとはいえ、さらにエントマが殺されたと聞いたのだ。
沈静作用が追いつかないほどの怒りに襲われ全力で攻撃を仕掛けてしまった。
しかも王国、かなりの広範囲を生きるものが存在出来なくなるような惨状を招いている。
せめて、効果範囲拡大を、スキルに乗せなければ良かったのにと思う。
あれほどの被害が起こったのだ。
アインズが、この惨状を引き起こしたと、もしプレイヤーの集団が耳にしたとしたら?
ナザリック地下大墳墓へ攻め込んでくるかもしれない・・・・・・・・・
どうやって、この失態を補うべきか――――――――――――――
玉座の間に回復したデミウルゴスを含め守護者が集まっていた。
「デミウルゴス。怪我は大丈夫なのか?」
「はっ、ルプスレギナのおかげで問題ありません」
「ならばよい。だが身体に問題があるようであれば、すぐに報告するのだぞ?」
「なんと勿体ないお言葉。慈悲深き配慮、身に余る光栄です。」
「よい、それで報告すべきことはあるか?」
「・・・アインズ様。至高の御身を前に、最高の叡智を持つ御方に、私めが発言することをお許しください。
「アインズ様は、私が倒されそうになることを含め計算されていたのではないでしょうか?」
どういうことだ?俺がしたことって王都を砂漠化したことだけだよな?
「ほう?」
とりあえず、よく分かったな?という振りをしてみる。
「やはり、アインズ様は全てを承知なのですね」
いやいやいや、どういうことだ?モモンガは疑問に思う。
たまたま、マーレが疑問の声を上げた。
「どういうことです?」
デミウルゴスが私が説明してもよろしいですか?という目線を送っているのは理解できた。
軽く頷くと
「いいかね?私が倒されようとしたが、目撃者は誰も生きていないのだよ。
それもアインズ様がわざわざ魔法のスキルを範囲拡大してまで念入りに行ってくれたのだ。」
まだ分からないのか?という雰囲気がデミウルゴスから伝わってくるが、アインズにも分からない。
「仕方ないね。アインズ様は人間種へ破滅しかないと悟らせたんだよ?
そうすればどうなるか。簡単なことだよ。
人間種というのは、未曽有の危機に対しては敵対関係を乗り越えて団結しようとする習性があるのだよ。
そのことを踏まえるにだ。
逃げていったグレンという人間は、
スレイン法国を起点として、王国と帝国、出来れば評議国と、聖王国による連合を作ろうと考えるだろうね。
人間種に対する絶対的な存在を前に、絶滅させられるという恐怖をエサにをまとめ上げるよう動くだろう。
その結果どうなるか?
当然だが、持ちうる全ての最高戦力を集結させるだろう。
最高戦力を集めるのだよ?
当然、捕獲しているシャルティアとて前線に立てるよう動くと思わないかね?
あれほどの戦闘力をもっているのだ。使わない理由はないだろう?
さらにだよ?。
我らがナザリック側からすれば、仲間を卑怯にも取られ、
襲われそうになっている。
そのように演出すれば大義名分もと思わないかね?」
ナザリック最高位の知恵者にそう言われては、そうだろうと納得してしまう。
「アインズ様―――この私めに、王国襲撃への失態を払しょくする機会をいただけないでしょうか?
至高の御方の御考えに少しでも近づきたく思います。
この身にある全力をもってして、御身への期待に応えたいと思っております。」
「デミウルゴス・・・・・・・・そなたの全てをもって今回の事態に対するならば、今回の失態を許そう。
我は命ずる。シャルティアを救うべく行動せよっ」
「はっ。必ず御身が望む未来を捧げますっ」
無理やりな気がするけど、デミウルゴスが言うので許してください