艦娘哀歌   作:絶命火力

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COG.3 -「秋の日の」

 霧が減り、雨が多くなりつつあった夏と秋の境目のある日、練度維持の為の定期演習を終えた舞風と朝潮は艦隊司令官室へと呼び出されていた。

 目の前の司令は事務仕事用の眼鏡を掛け、手に持った書類を睨み、顔を顰めていた。先任になる朝潮が出頭の旨を告げると、書類を執務机に放り出し、吐き捨てるように言った。

 

「テト攻勢だ……全く、奴らは馬鹿だな。本物の馬鹿だ、銃殺しかあるまい」

 

 その後も司令は誰に宛てたか全く舞風たちにはわからない罵詈雑言を二、三呟いた。

 

「て、テト攻勢……ですか?」

 

 朝潮は首を傾げはしなかったが、眉尻を下げ、困惑した表情を見せた。舞風も同じような表情をしていた。呼び出されていきなりのこの状況では、困惑するなという方が無理があった。

 一体かつてのベトナム戦争で起こった北ベトナムによる一大攻勢が何だというのか、何故ここまで司令が不機嫌なのか、そもそもどうして自分たちは呼び出されたのか……と朝潮と舞風の顔はそう言っていた。

 

「まあ、攻守は逆だ、そして、()()()()()確実に成功するだろうな。あーつまりだ、ついに眠れるアメリカ(アンクル・サム)が動く、ということだ。我々にとって最悪の時期にな」

「その、それが我々と何か関係があるのでしょうか」

「大アリだ。テト攻勢と言っただろう、よもや知らんわけではないだろう? 全く、素晴らしい日をXデーにしたものだよ」

 

 あっ、と朝潮は声を漏らした。「まさか、我々もそこに……?」

 司令が一瞬ニヤリと笑い、すぐに元の顰めっ面に戻った。「話が早い」

 

「そのまさかだ。残念なことにな。日本(ウチ)もまた大きな情報を渡してしまったものだ、政治家共は雁首揃えて何を考えていたんだろうな、反吐が出る」

 

 さっきまで下がっていた朝潮の眉が上がり、寄った。顔が険しくなった。対して舞風の眉尻は下がったままだった。

 最初から話に置いて行かれていて、状況が全く理解できていなかった舞風は、多少逡巡したが、心を決め、申し訳なさそうに肩を竦めつつ、右手を少し上げた。

 

「あ、あのー……たいへん、たーいへん申し訳ないんですけども、あたしは、ちょっと、その……今のお話がよくわからないので、出来ればー……そのー、説明を……お願いできませんか?」

 

 舞風は首に手を当てつつ言った。あはは、と照れ笑いを付け加えた。

 あー、と司令は顰めっ面を崩し、口元に笑みを見せた。朝潮は額に手を当て、少し呆れ顔で舞風を見た。

 

「そうか、知らんか……まあ仕方ないだろう。今日はこれ以降特に何も予定が入っていない。少し時間がある、説明するとしようか」

 

 そう言うと司令は眼鏡を外し、抽斗を開け、中から小振りなガラス製の分厚い器と幾つかの箱を取り出した。箱は三つ、掌大の真っ黒な平らな箱と、板ガムのパッケージと同じような大きさで、表に『LACROIX』と白抜きで書かれた赤い箱、そしてマッチ箱だった。こういう時はこいつに限る、と言うと黒色の箱を開け、中にあった焦げ茶色のおが屑のような何かを摘んだ。

 舞風と朝潮はそれを不思議そうな目で見つめた。一体司令が何をやっているかは全く見当がつかなかった。

 

「結論から言えばな」

 

 それだけ言って、司令はそのまま摘んだ何かをほぐしては、箱の中、蓋の裏と思しき位置に置き、それを何度か繰り返した。

 箱から少し甘さを感じる芳香がうっすらと漂ってきた。舞風はその香りが何となく覚えのあるものに思えた。記憶を探るが、引っ掛からなかった。

 

「お前たちは原隊復帰となる、音楽隊の連中もな」

 

 香りに意識が向いていた舞風は、一瞬、その言葉が意味するところを理解できなかった。理解した瞬間、舞風は目を大きく開け、固まった。何度か目を瞬かせる。対照的に、朝潮は既に覚悟していたのか、少し俯き、じっと唇を噛んでいた。

 そんな様子を尻目に、司令は次に赤い箱を開けた。中から出てきたのはこれまた真っ黒な紙だった。司令はそれを口元に――ちょうどガムを捨てる時の動作と同じように――近付け、右から左へと動かした。どうやら紙を舐めたようで、よく見ると舐めた部分だけ糊のようになっていた。それから紙を同じく蓋の裏にセットするように置くと、そのまま蓋を閉じた。

 ガチャン、という音と共に箱の蓋から一本、煙草が出てきた。

 

「そんな……! 何で、一体、どういうことなんですか? 原隊復帰って、そんな……」

 

 舞風は一歩足を踏み込み、司令に詰め寄らんとして、朝潮に制止され、その足を元に戻した。

 先ほどの照れ笑いとは打って変わって、舞風は目を吊り上げ、顔を紅潮させていた。

 

 対する司令は煙草を取り出し、トントンと煙草の両端を机に軽く押し付けてからマッチで火を着けていた。大きく息を吸い、これでもか、と肺に煙を叩き込んだ。暫くそのまま煙を味わっていたが、椅子にもたれ掛かり、ふう、と息を吐くと、大量の煙が口から溢れ、閉め切った部屋に煙草の煙がふわりふわりと漂った。

 そうして一口目を終えると、舞風に向き直り、真っ直ぐその目を見つめた。

 

「言い換えれば、今日付けで第九艦隊は活動を停止する、何故か? それは今から説明するさ……さて、テト攻勢はわかるだろう? ナムで劣勢になったベトコンが各地で蜂起して、一斉攻撃に乗り出そうとした作戦だ。それ自体はまあ、一つの戦術と言えるだろう。問題はその時期」

「テト……正月でしたっけ」

 

 少し落ち着いたものの、未だ憮然とした表情で舞風が答えた。

 

「まあ正解だ。テト攻勢は本来であれば休戦する祝祭の時期、ここで言えば春節、旧正月に行われた。ベトコンの攻勢は言わば不意打ちを狙ったものだった、結果を見れば戦略はともかく戦術としては大失敗だったがな」

 

 だからそれが何だと言うのか、と舞風の表情は訴えかけていた。朝潮も朝潮で、司令の話は了解済みのことなのでこれまた面白くなさそうな顔をしていた。司令はそれをよそに、煙草を再び大きく吸った。煙草の先が少し赤く染まった。

 

「ここからが問題になる。舞風、どうして新知島基地(ここ)では演奏会なんて洒落た行事が出来ると思う?」

「北の厳しい環境での、一般隊員の精神的ストレスの緩和施策の一つ……でしたっけ」

「それは確かにそうだ、正解だ……だが、私の言いたいことは違う。『いつどこから現れるかもしれない深海棲艦(化け物連中)を相手にする中で、どうしてそんな大掛かりな行事をスケジュール調整できるのか』ということだ。よく見ればすぐにわかるが、演奏会の日の基地機能は本当に最低限のレベルにまで、即応性も何もかもが低下する。仮定の話になるが、連中に基地を襲撃などされたらあっという間に壊滅する。では、どうしてそんなことが出来ると思う? 空城の計が通用する連中ではないぞ」

 

 言葉に詰まる舞風に、まあ、わからないのも当然だ、と司令は笑った。

 

「『特異日』がある。部外秘の機密になっているが、別にお前たちに教えても、知っていても問題は無いレベルの機密だ。さっきまでの話は、朝潮は知っているが、お前さんは知らなかった、ということだ」

「『特異日』……?」

 

 聞き慣れない言葉に舞風は困惑した。朝潮は相変わらずの仏頂面のままだ。

 

「本来は気象用語なんだが……つまりだ、場所によるが、一年の内に何度か『連中が一切姿を見せない日』というのがある。北なら北、南なら南で、その日に連中と交戦した、連中を見かけた、電探に引っかかった……とそういった記録が一つも、連中の偵察機との接触報告すらも無い、という日がな。この戦争の初期の方から知られていた事実だったが、未だにその理由はわからん。将来的にこれを利用することが検討されていたし、国防上の問題もあって公表はされていない。まあ、勘のいい連中なら既に気付いているだろうが」

 

 司令は煙草を灰皿に押し付けると、立ち上がり、窓を開けた。途端に冷たい風が部屋に吹き込み、一つ結びにされた司令の髪が激しく揺れた。

 

「空気清浄機も欲しいものだな……と、それでだ、まあ、もうだいたい見えてきただろう? 演奏会の日はそれに該当する、という訳だ。『特異日』に一大行事とはな! よくもまあそんなことを思いついたもんだと感心する……さて、ここまでが話の折り返し地点。ここからが今回のこのクソッタレな紙切れが回ってきた理由であり、総務課連中の涙ぐましいスケジュール調整の努力が紙切れのように吹き飛ばされた、そしてお前たちが原隊復帰することになった理由だ」

 

 机の上で飛びかけていた書類を掴むと、それを舞風に渡した。横から朝潮も覗き込んだ。見やすいように舞風は朝潮の方に書類を寄せた。

 書類には、新知島基地に所属する艦隊の一部を一定期間アメリカ海軍の護衛の任にあてよ、という命令が官僚的な言い回しで書かれていた。字面では一部とは書いてあったが、中身を読むと、その実は基地の半分以上の艦隊を出す必要があるようだった。

 舞風は朝潮と顔を見合わせた、どうやら少し予想と違っていたのか、朝潮も目を丸くしており、驚いた様子だった。

 

「近々公表されるらしいが、遂にモンロー主義も終わりらしい。アメリカは正式に参戦し、艦娘を戦線に投入する。とはいえ奴らの規模からすれば極々僅かなものだ、表面的なパフォーマンスと言っても差し支え無いくらいだ。大統領選が近いからかもな……これは邪推かもしれないが。しかしどうだ、いい名前だ! 『Operation Poseidon Awakening(ポセイドンの目覚め作戦)』とはな! お偉方が何度も渋面を突き合わせて考えたと思うと笑えてくる、センスの欠片もない、ダーツで決めたほうがまだマシだ」

 

 司令は鼻で笑った。相当腸が煮えくり返っているように見えた。舞風も朝潮も笑わなかった。

 

「これは……我々がアメリカの艦と共に作戦行動を行う、ということでしょうか?」

 

 舞風が書類を司令に返すと、朝潮が尋ねた。

 

「そうであればまだマシだったんだがな。残念ながら我々の仕事はもっと面倒なものだ。何せ『特異日』だ、聞いて驚くなよ? 奴らはご自慢の人工衛星からのライブ中継だけじゃ足りないようでな、なんとアラスカくんだりテレビカメラと記者、オマケにお偉方を持ってくるのだとさ、呆れたものだ、連中の脳味噌は半世紀前から進化していないようだ」

 

 なおも怒りは収まらず、司令は嘲笑するように口角を吊り上げた。今なら司令の怒りで島の活火山まで一緒に噴火するんじゃないか、と舞風はひどく場違いな思いを抱いた。

 

「我々の任務はこうだ。『お客様』が快適に過ごせるように、テレビによーく映るように、念入りに、丹精込めて『道路掃除』を行う。『お客様』は何をするかって? ()()()官僚の考えそうなことさ、処女航海と政治パフォーマンスの両方を同時に、そしてドラマチックにやろう、って魂胆だ。『お客様』は化け物のいない平和な『特異日』の海で優雅にクルーズを楽しみつつ、なんとアッツ島に上陸する。悪い冗談のようだな、星条旗でも立ててくるのかね? そしてそれをバックにお偉方が記者共の前で声明を読み上げる。『我々は今、平和への大いなる一歩を踏みしめた』とか何とかな。それで最後に全員で笑顔で写真に収まって、翌日には『USA TODAY』なり『WaPo(ワシントン・ポスト)』なりの一面を飾り、FOXなりCNNなりでトップニュースになるってシナリオだろうさ。けったくそ悪い、今更何をしようと言うんだろうな、バスはとうの昔に出発したというのに」

 

 司令は流れるような罵倒を言い終えると、はあ、と溜息を吐いた。ほんの一瞬だが、疲れた表情が見えた。電灯と化粧でわかりづらくはなっていたが、司令の顔には疲労の色が浮かんでいた。

 そこにコンコン、と艦隊司令官室の扉を叩く音が聞こえた。司令の眉がピクリと動いた。「少し待て!」

 司令は灰皿と箱を抽斗の中に無造作に突っ込み、眼鏡を掛けた。

 

「……さて、もう頃合いだ。これでだいたいはわかっただろう。そういう訳だ……ああ、一応こいつはまだ機密だ、口外はしてくれるなよ。では、駆逐艦朝潮! 同じく駆逐艦舞風! 貴艦らはこれより第九艦隊を離れ、原隊復帰とする。以上!」

 

 

――――――――

 

 

 そう、アメリカの参戦。まあご存知だと思います。実は、全っ然知られてませんけど――というか表にはなってないんですかね――あの場にあたしたちもいたんですよ。まーあたしたちは遠ーく離れた場所での裏方、まさに黒子でしたけど。ええ、知っての通り平穏無事、成功裏に終わりましたよ。見事司令の言う通りになりました。

 

 思い返すと、当日はぶっちゃけると暇でしたねー。そりゃー警戒も索敵も抜かり無く行ってましたけど、なんたって『特異日』ですから。それよりも、行き帰りと作戦の下準備、後始末の方が大変でした。ほっとんど手弁当でしたし、まるで参勤交代ですよ、あれじゃあ。あたしたちは下請け業者かー! ふざけるなー! 責任者出せー! バカヤロー! 演奏会返しやがれー! って、多分みーんな思ってましたよ。正直に言って二度とゴメンです、疲労に次ぐ疲労でヘロヘロになりましたもん。ちょっと危ない状況も何度か……ってもうこれは蛇足ですね。

 

 えーっと、そんなわけで演奏会は中止、あたしのオーボエもお終いになりました。先生は残念がってましたけど、まあそうなっちゃたものは仕方ないですからね、握手してそれでもうお別れです。

 これで演奏会は途切れちゃったんですけど、一度途切れた行事って、なかなか復活させるのが難しいですよね? 演奏会もそうでした。予算だかスケジュールだか、何か色々な理由付きで、それ以後はやらなくなりました。基地司令があんなに乗り気だったのに、です。……いえ、真相の程はあたしにはわかりません。興味があったら調べてくださいよ、あたしも結構気になります、それ。楽器だって、まだあるはずですよ。あ、自己責任でお願いしますね。闇はふかーいですよー、なんてね。あはは、冗談ですよ。

 

 それから、『喜び艦隊』から第五艦隊に戻ってからは、粛々と日々を――ちょっとしたらアメリカさんのお手伝いに行くことになりましたけど――過ごしていました。訓練、演習、哨戒、護衛、非番……まあ言ってしまえばいつもの日常に戻ったような感じです。

 何かの拍子に、オーボエ、楽しかったなー、って思うことはあっても、もうそれを手にすることは叶わない、どう足掻いても無理です。でも、やっぱり何か心のどこかで音楽を、『あたし』の音楽を求める自分がいるんですよ。途中で終わったのがどうしても、どうしても心残りだった、そんな感じです、多分。朝潮はあたしと違ってもう割り切っちゃったのかそんな風な様子は見せませんでした。心中はどうかわかりませんが。

 

 あれは確か……そう、アメリカさんのお手伝いに行ってから一週間後くらいだったと思います。非番の日、酒保で音楽を――酒保にはCDとかDVDを置いてあるスペースがあったんです。第五艦隊に戻ってから、非番の時はよくそこで過ごしてました――聴いていたら、後ろから肩を叩かれたんです。割と長い時間そこを占領してたんで、ああしまった、やっちゃった、こりゃーかーなり怒ってるぞー……と思って振り返ったら鬼怒がいたんです。鬼怒、そうです、私の前任のオーボエ演奏者のあの鬼怒です。

 

 えーっと、やっとティンホイッスル(これ)の話になります。そんなつもりはなかったんですけど、何だか長くなっちゃいましたね、ごめんなさい。ええ、鬼怒が誘ってくれたんですよ、「演奏会中止になっちゃったしさー、ティンホイッスルやらない? それでさ、鬼怒とデュオを組まない? 自分だけでやるのはそろそろ飽きちゃったんだよねー」って。

 そこで初めて、鬼怒がティンホイッスルをやっていたことを知ったんです。それまで全っ然知りませんでした。まさか、まさか楽器を持ってるだなんて!

 

 

――――――――

 

 

「楽器を持つ、という考えは全くなかったんですか?」

「全く考えもしてませんでしたねー、そりゃー本とかCDは持ってる艦は沢山いましたけど、楽器を持っていいなんて……」

 

 舞風は軽く左右に頭を振り、笑った。「全っ然、思いもよりませんでした。目から鱗が落ちるような思いでしたよ、本当に」

 

「もしかしたら黙認だったのかもしれません、前例なんてないと思いますし。……あ、でも、ここでも、えーっと、龍驤だったかなあ、違うかもしれないんですけど、ハーモニカを持ってる艦いるんですよね。見た時はちょっとビックリしました、あたし以外にも楽器持ってる艦がいるんだー、って」

 

 ハーモニカを持っている奴がいる、と黒潮が言っていたのを男は思い出した。ハーモニカ、空母龍驤、と独り言を呟き、メモに――実際は『CV(空母)竜ジョー』というかなりいい加減で乱雑な字だった――書き留めた。

 

「鬼怒さんはどういった経緯でティンホイッスルを?」

「貰ったらしいです、演奏会が終わった後、担当だった音楽隊の隊員さんに。運指だけサッと教わって、後は色んなCDを買って見よう見まねで覚えた、って言ってました」

「それでは、舞風さんの方のティンホイッスルはどこから手に入れたんですか?」

 

 それは……、と舞風は口に指を当て、少し言い淀んだ。目線が上方を向く。男の目が僅かに細くなった。

 

「方法はまあ……色々と、ありますよ。色々と、ね。ちょっと詳しくは言えませんけど、別に楽器だって買えたんですよ……あ、別に内規違反とかじゃないですよ? そんなことやったらすぐにバレて重営倉になっちゃいますって」

 

 舞風はウインクし、微笑んだ。少し迷ったが、話の本筋ではなかったことから、男はそこには触れないことにした。

 

「まあ、そういうものですかね……えーと、では、それからティンホイッスルを?」

「ええ、鬼怒の演奏を聴いて、これだ、って思ったんです。……よかったら、やりましょうか? 鬼怒の演奏とは全然違うんですけど、それでよければ」

「やっていただけるなら、是非、是非ともお願いします」

 

 そんな期待を込めた目で見ないでください、緊張しちゃいますから、と舞風は苦笑した。ティンホイッスルをケースから取り出し、少し椅子を引いた。テラスのパラソルが作る影から出た舞風に、南洋の強く明るい日差しが降り注ぎ、ティンホイッスルがより一層、黄金色に眩しく光った。

 




手巻き煙草は紙巻き煙草が高額な欧州では喫煙方法の一つとして広く行われているらしいです。
煙草の増税が報じられましたが、増税が続けば、日本でも手巻き煙草にする人が出るかもしれませんね。

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