F-1で怪異に物申す!   作:べっけべけ

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そのまんまです。サブタイトルが思い浮かばない……何故ならこれといってストーリーに進展が無いから!

つまらない小説ですみません……。


何も思い浮かばない

坂本少佐に一通り基地の中を案内されたあと、現在俺は個室?のような部屋にいた。一時的に部屋を貸してもらったわけだが、今までずっと操縦し続けたのだから本来眠る必要など俺には無い。

 

まず夜間飛行中の彼女らに遭遇したのだから時間的には現在かなりの深夜となっていた。

 

(でもまぁ……ベッドもあるし久々に寝ようかな?)

 

そう思い横になる。

体がベッドに少しだけ沈み込み力が抜けていく。これまで狭い操縦席にずっと座っていたのでこうして体を大の字のように伸ばすのは何時ぶりだろうか?

 

「んん~……」

 

目一杯に体を伸ばすと両肘や腰からパキパキと関節で空気が破裂する音が骨越しに伝わるのを感じながら、久しぶりに体を伸ばす気持ちよさを噛み締めていた。

 

 

 

 

……深い溜め息が無意識の内に溢れ、部屋の中を静寂が包む。

 

 

 

 

 

 

 

睡眠とまではいかなくともうつらうつらと瞼が重くなり、思考が鈍くなっていくのを感じる。 

 

……やがて時間が経つに連れて体から力が抜けていき意識が本格的に遠退いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あれ?」

 

いつの間にか寝たのか、意識が飛んでいた。

 

あれほど暗い真夜中だったというのに現在は窓から日の光が差し込んでいた。

 

(何だろう……この感覚……?)

 

体に走る感覚が今までとは何かが違うように思える。強いて言うのならばまるで一部の感覚が遮断された状態のような……何とも不可思議な感覚に陥ったものだ。

 

 

とりあえず起きて窓の外を見るとちょうど日の出の様子が見えていた。そこで壁に掛けられていた時計に目をやると短針は5時を指しており、早朝らしい。

 

空自の基地の近くに住んでいた時は毎日6時頃に朝のラッパが鳴っていたが……ここはどうなのだろうか?今のところスクランブルのようなサイレンも鳴っていないだろうしよくわからん。

 

(誰か起きてるかな……?)

 

廊下へと続くドアを開けると物音1つ立たない不気味な程の静けさが漂っていた。

 

早朝だからかはしらないが誰か一人くらい起きていてもおかしくはないのではなかろうか?そんなことを考えつつ廊下を一人寂しく進んでゆく……彼女等は戦闘員なのでゆっくりしているかもしれない。

そう考え整備員達が居るであろう格納庫へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……あれ?あいつ(F-1)は何処行った?)

 

無い……昨日置いておいた機体が無い。あんなに大きなシルエットが消えるなど微塵も無く、神様仕様によってボルト1本微動だにしないようになっていたはずだ。

 

……ならば一体何処にいった?

 

キィィィィン

 

遠くの方から小さく聞こえるのは聞き覚えのあるエンジン音。音の発信源はどうやらこの格納庫の外にいるようで、その正体を確認するために1度俺は外に出ることにした。

 

 

 

 

 

 

「…………まじかよ」

 

思わずそう呟く。

外には坂本少佐らしき人影がいて、足にあの機械を装着して空を飛んでいた。しかしよく音を聞くととそれはレシプロ独特のプロペラが空気を切り裂くようなではなくやはり甲高いジェットの音だった。

 

こちらに気がついたのか白い軍服が迫ってくる。やっぱり坂本少佐だ。

 

「おお!お前も起きたのか!朝早くから外に出るとはな、朝練か?だとしたら感心感心」

 

俺はまだ何も答えていないのに腕を組み頷いて勝手に自己完結する坂本少佐。

 

(……ていうかなんでこの人は朝から真剣振り回しているんだ!?)

 

彼女の手には竹刀……でもなく木刀……でもなく紛れもない日本刀、それも模造刀ではなさそうな真剣が握られていた。少佐ではなく刃紋の方に見とれていたことは余談である。

 

「お……おはようございます。少佐……その~……足に着いているそれは一体?」

 

「ん?このストライカーユニットのことか?それが……その……今朝お前の機体に興味本意で触れてな……するとこの姿に形を変えてしまったんだ」

 

そう言いながら頬をポリポリとかく少佐の顔には冷や汗が流れていた。

 

(エ?ドユコト?)

 

今の俺は一体どんな顔をしているのだろうか?全身真っ白になっているか死んだ魚の目をしていることだろう。

 

その事実を理解したとき両膝からガクンと力が抜けていきorzの体勢へと自動的に移行していった。

 

 

(機体が無いとなると俺の存在価値って……あ、元から無いじゃねぇか……)

 

 

「嘘だ………………」

 

ポツリとそう口にする。

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だぁぁぁぁぁぁ!……あ?」

 

そう叫んでいた。しかもベッドの上で。

 

(……あれ?……夢?)

 

辺りをキョロキョロと見渡すと昨夜寝たあの部屋だった……壁にかけられた時計が指すのは午前5時40分。今度は夢じゃないぞ……たぶん。

 

「…………良かった……」

 

本当によかった、夢オチで。ホッとしたのかかなり深い溜め息が漏れ現実であることを実感する。

 

(…………あんな夢見た後だとなんか凄く不安になってきた……。俺のF-1何もされていないよな?大丈夫だよな?)

 

正夢にならないことを切実に願おう。

……とはいってもリアルな悪夢を見たので一応この目で確認しておきたいところだ。

 

(よし……行こう)

 

念のため見ておくために俺は体を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(えっと……たしかこっちに行けば格納庫に行ける……よな……?)

 

靴と床が擦れ合う音が静かに響く廊下を一人歩く俺は、昨日坂本少佐に案内してもらった微かな記憶を辿りつつ自分の機体が置かれているであろう格納庫へと向かっていた。こうしてみると今見ている景色と今朝ベッドで叫ぶ前まで見ていた基地内の光景とは一致しないからやはりあれは夢だったのだと実感する。

 

(案内してもらった時はそんなに時間がかからなかったし……

 

 

 

 

 

 

 

 

~数分後~

 

 

「……ここ…………どこ?」

 

 

あれから結局迷った。デパートのように案内図が基地内にあるわけなど無く、さっきからあっちへ行ったりこっちへ行ったりと繰り返していた。

 

どうやら前の世界から方向音痴の特性までも持ってきてしまったらしい。個人的にはこういった人工物に囲まれた環境というものはどうも慣れずにいる……まるで京都の碁盤のような形をした都市は俺の天敵だと言えば良いだろうか?北○○条○○丁目などといった住所は目が眩みそうになる。

 

 

(よし、これでいこう……多少危険だけどまぁいっか)

 

ある考えを思いついたので来た道を戻っていく。方向音痴なのに来た道は覚えるところが矛盾していると自覚しているが……どのみち覚えていられるのは数時間と満たないのでなんとも言えない。

 

 

(んで、自分の部屋に着いたわけだが……)

 

早速ベッドのすぐ近くにある外開き式の窓を開けて身を乗り出す。するとレンガのように白い石が敷き詰められた壁が目に入り、なおかつ窓のすぐ横には雨水用であろうパイプが設置されていた。

 

すぐにスリッパから耐Gスーツを着ていた際のブーツに履き替えると窓の縁に足を掛ける。手にはグローブも着けている為壁で怪我をすることもないだろう。

 

(…………割りと高いように感じるなぁ……)

 

高さとしては三階程だが落ちれば死にはしなくとも骨折なんかは免れないだろう。俺は何処ぞの狂ってる団と揶揄される隊員達のように身体能力が優れているわけではないため飛び降りる事など不可能だ。

 

 

(よし……大丈夫だよな?う……怖っ)

 

パイプに掴まって下を見たが最後、下半身に猛烈な悪寒が走っていく。一瞬平衡感覚が狂う事に加えて耳元で風を切っていく音がする……谷の上に掛けられた橋から下の光景を覗いたかのようなあの感覚といえばわかるだろう。

 

これ迄の戦闘機に乗っていた時の方が高度としては高いが環境が段違いだ。ベルトに固定された状態と命綱無しのこの状況とでは比べ物になりやしない。

 

 

少しずつではあるが確実に下りていく。パイプを固定しているボルトや固定具に足先を引っ掻けて一段一段をゆっくりと。

 

(……もうちょい?)

 

心に余裕ができ始めたその時だった。

 

 

 

 

 

ズルッ

 

 

「……あ」

 

そう口にするが最後……足が空を蹴る。

 

「ぬわぁっ!?ちょっ!?」

 

それまで支えていた体重が全て両手に切り替わった為にパイプから手が引き剥がされる。

 

 

 

 

 

 

 

「あらぁぁぁぁぁぁ!?」

 

某ファストフード店のマスコットキャラクターの人のような声を発しながなら約三階の高さから地面へと真っ逆さまに落ちていく。

 

 

(どうか生きてますように……)

 

全てを諦めたかのような表情をしながら俺は自由落下に身を預けるしかなかったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「案外大丈夫だった……」

 

そう口にした通り案外大丈夫だった。建物の下辺りには垣根?のように植物が生い茂っていたためそれがクッション代わりになったようだ。……にしてもこの体勢は酷いと思う、なにせ八○墓村のように上半身だけ木に突き刺さり下半身がVの字のように突き出しているのだから。

 

(……大丈夫?誰も見てない?)

 

物凄く恥ずかしい状況に陥った俺は顔を真っ赤にしつつも外からなら見えやすいであろう格納庫へと向かっていくのであった。

 

 

 

 

 




今日からやっと部活が無いので他の小説も進めたいと思っています。なのでまた期間を空けさせて……一月には高校のロボット大会があるので書けませぬ。すいません……。

この小説を見てくれてる人でその大会に出る人がいたら僕はその日個人を特定されるかも(笑)

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