咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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主人公ついに麻雀打ちます←麻雀描写があるとは言っていない





四話

宮永さんが麻雀部に入ることになり、ついでに俺も入ることになった

 

男子が須賀くん一人だけだといろいろ大変だろうし男手も必要だからね

 

という理由でほぼ無理矢理麻雀部に入れられた俺

 

てゆーか、男手欲しいから俺誘ったんじゃないかあの部長………

 

なんにせよ、麻雀部に入ったことで、ようやく麻雀が打てるとワクワクしてる自分もいる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ということで小高くん、まこ、和、私で一局行ってみようか」

「やっと打てますよ」

「そういや達也一回も打ってなかったな」

「京太郎が焼き鳥だったせいでな」

「うぐぅ」

「まぁ、これが終わったらちゃんと教えてやるから待ってろ」

「そういえば、小高君は麻雀歴長いの?」

 

宮永さんの質問に少し悩んだが、嘘をついてもしょうがない

 

「うーん、中一の頃から打ってるから大体3年くらいかな」

「ズブの初心者ではないということね」

「まぁ、その辺は打ってみてのお楽しみということで」

「うんじゃ、親を………」

「うん?どうかしたか?」

 

染谷先輩が俺に質問してくる

 

「いや、スイッチってどこすか?」

「ワレ本当に初心者じゃないんよな………」

「いや、いつも手積みでやってるから、自動卓とか初めてで」

「ここじゃ」

「いやースンマセン」

「まぁ、わからんことがあったらなんでも聞きんさい」

 

 

そんなこんなで俺の試合の始まりは和気藹々とした空気だった

 

東一局

 

「リーチ」

「ポン」

 

6巡で久のリーチに対して達也がすぐに鳴く

 

(一発消し?なんにせよデジタルではなさそうね)

 

次順、久のツモはアガリ牌ではなかった

 

(こりゃ流れもってかれたかねぇ)

 

そして達也のツモ、本来久がツモるはずだった牌を達也が引く

 

「へー、これが部長の悪待ちって奴ですね」

 

達也は他人事のよう牌を確認する

 

引いた牌をそのまま倒す

 

「ロッ……」

 

「カン」

 

(ッ?私のアガリ牌が全部もってかれた)

 

「ツモ、嶺上開花ドラドラ5200、1300・2600」

 

(って、そのまま上がるの⁉︎)

(それよりあの捨て牌純チャン蹴って嶺上開花のみとかアホすぎるじゃろ)

(理解できませんね)

 

 

 

東二局

 

親の和の第一打の西を鳴き

次順のまこの9萬を鳴き

そして3巡目

 

「ツモ、チャンタ三色西、1000・2000」

 

流石に唖然としたのか

対局相手だけではなく後ろにいた京太郎達ですら驚いている

 

「はぇぇ」

「わ、私だって3巡目で上がったことあるじょ」

「それでもすごいよ」

 

「さっ、次に行きましょう」

 

東三局

 

(正直一年生だから大した事ないんだろうと思ってた、けどそんな甘い事は考えない全力で倒す)

(どのイメージにもない最速の鳴き、こりゃあ格上の相手じゃったの)

(私の親が流されましたね)

 

しかし、達也の勢いは止まらない

 

「ポン」

「チー」

「ツモ」

 

「チャンタドラ2、1000・2000」

 

これも僅か8巡目の出来事である

 

「さぁ、そろそろ目が覚めましたでしょ」

「こりゃあとんでもないヤツを連れてきたな部長」

「正直そんなつもりは全くなかっただけどね」

「なんにせよ、ガンガン行かせてもらいますよ」

 

 

 

東4局

 

(ううぅ、手配が重い)

(悪くない手配ですね)

(染め手にはちょいと牌がたらんのぅ)

 

そして達也3巡目に不可解のことをする

捨て牌 東

(東を捨てるってことはすでにでき面子があるのかしら)

捨て牌 西

(不要牌ですかね)

捨て牌 東

 

「ポン」

 

(はぁ?自分で切った牌を自分で鳴き返した?)

(何がしたいかよくわかりませんね)

(いや、このイメージは………)

 

それ以降和は4連続ツモ切りをして

達也は手配から牌を切っている

 

(やっぱりのぅ)

 

あの鳴き返しの意味が分かったのはまこだけであった。

彼女は膨大なイメージの中から流れの良くなるイメージを見つける

 

(とたんに和のツモが悪くなって、達也のツモが良くなっている)

 

麻雀に流れがあるかないかと聞かれればあると答える人間は少ないだろう

しかし調子のいい時もあれば悪い時もある

それをただの運としてみるか流れとしてみるかは人の主観である

ただ達也は流れというのを信じてる人間

事実達也の流れはいい

 

(流れのいいイメージがワシの頭の中にもあった。でもそう簡単に流れを持って行かせてたまるかい)

 

「ポン」

「もいっこポンじゃ」

 

達也がツモ切りした牌をまこ2副露

 

そして達也のツモ

 

(普段なら気にしない無駄ヅモ、だけど染谷先輩の2鳴きからのこのツモは流れが消えたかな………だけど、この卓にはカモがいるからなんとかなるか)

 

14巡目

 

(こりゃ無理そうね、オリですわ)

(ツモが途中からヨレてようやくテンパイになりましたが)

(張ってるけど流石に誰も振り込まんか)

 

ツモ切りが続く中

 

「ロン、一気通貫ダフ東ドラ1、12000だ」

「はい」

 

流れがなくても達也は上がる

しかし達也が上がったのは偶然じゃない

 

(本当綺麗な麻雀するよな原村さんは)

 

達也は狙ったのだ

インターミドルチャンピオンを

 

 

東4局一本場

 

「ここまで、達也が全部上がってる」

「いくら何でもすごすぎるじょ」

「………」

「どうかしたか?咲?」

「うん、なんでもないよ」

 

咲は驚いているのは理由がある

咲レベルの雀士になるとある程度打てるか感覚でわかる

つまり、京太郎が全然打てないのはある程度分かっていた

しかし、達也がこれほど打てるなんて思ってもいなかったのだ。

 

(和了ってるのに凄みがない、こんなに強いのに何にも感じない………変な感覚)

 

「ポン」

「チー」

「ポン」

 

和の3副露、索子の染手

 

そして切った牌

 

「ロン、チートイツのみ一本場で2700だ」

「はい」

 

「和の余り牌の狙い打ちかしら」

「そっすね、原村さん綺麗に麻雀するから狙いやすいですよ」

「ほうー、インターミドルチャンピオンを狙いやすいとか大した自信じゃのう」

「牌効率だけの人ならたくさん打ってきましたから」

「………次に行きましょう」

 

現在の点数は

 

久19600

 

和16000

 

まこ20700

 

達也51900

 

 

東4局2本場

 

(流石にこれ以上はまずいわね)

(小高君の親を流すための速攻だったんですが、完全にこちらの手配を読みきられてのチートイツ………)

(こりゃあ協力プレイかの)

 

「ポン」

「ポン」

「もう一個ポン」

 

久がまこに対して3副露

達也のツモ番が3回飛ばされてしまった

そしてまこが差し込んだ

 

「ロン、断么、ドラ2、2本場で4500ね」

「あいよ」

 

なんでもないようにまこが久に点数を渡す

 

「ありゃ、親が流されましたね」

「これ以上はさせないわよ」

 

部長が笑いながらこちら見てくるが、目は笑ってませんよ

 

「流れも染谷先輩に消されたし防御に回りますか」

 

染谷先輩の鳴きには正直驚いていた、あの鳴きから達也のツモは悪くなり正直辛かった

しかし、達也の発言に噛み付いてくる人物がいる

 

「流れなんてそんな非科学的ものありません」

 

デジタル麻雀を極めている和にとって達也の発言は戯言のように聞こえた

流れではなく、確率や期待値による最も信頼できる理

 

「流れがあるかないかは人の主観だぜ、俺は信じる、原村さんは信じない、それだけだよ」

 

人によって主観は違う、同じ花を見て綺麗と感じるか感じないかは人によって違う

ゆえに和の発言もまた自然である

 

「あらあら、流れ論者とデジタルの典型的会話が始まりましたねぇ」

「まっ、ウチの部は感覚派のほうが多いのは事実じゃのう」

 

清澄高校麻雀部の分かりやすい特徴をあげる

 

久←悪待ち

まこ←イメージから予想

咲←カンしてツモる

優希←東場で上がれる

達也←流れを信じる

 

こうして見てみると中々個性的な面子ばかりであることも事実である

 

「だからといって俺はデジタルを否定はしないけどな」

 

達也も実際デジタル打ちはできるが、今回は流れのままに打っている

 

「まぁの、牌効率も上がる為には必要じゃからのぅ」

 

まこの言った通り、いくら流れがあるからと言っても牌効率を無視して上がるのは不可能に近い

牌が透けて見えない限り、牌効率で打つのが無難である

 

「だからと言って牌効率と期待値だけが麻雀じゃないってのも事実ですけどね」

 

この場はネット麻雀ではなく現実にある麻雀である

人が牌をツモり河に出す、表情や視線、手の動き、人間が繰り出す麻雀

そこには目に見える要因だけではなく、見えない本質すら見えてくる

 

「私は私の麻雀を貫き通すだけです」

 

しかし、和は曲げない

決してブレない心を持っている………といえば聞こえがいいが

目に見えるものが真実とも限らないのが現実であり麻雀である

 

「原村さんは頑固だな」

 

皆が思ってることを口にだす俺に視線一瞬だけ集まった

 

「そうですね、あんまり他人に振り回されるタイプではないですね」

「まっ、見えない変数を見えないままにしとく痛めに会うよ」

「なんにせよ続きをやりましょう」

「そうだね、南入しようか、さっ、部長サイコロ回してください」

「え、えぇ」

 

和気藹々と始まった空気だったが思った以上に空気の重い中で麻雀をすることになった

 

 

 




アカギもかっこいいですが、個人的には天の赤木のほうが好きです


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