咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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ふと思った全国前の清澄


二十七話

 

忘れがちだが、俺たちは学生でありその本文は勉強である。

まぁ、学校の勉強自体は社会に出ても役に立たない。

しかし、物事を測ることにおいて勉強をとてつもない効果がでる。

老若男女、全ての人間にチャンスがあるのは勉強だけといってもいい。

満点という上限があり、誰もができる思考と記憶力を測るもの。

出題範囲が存在し、そこに運というものは一切介入しておらず、知っている奴が勝ち、知らない奴が負ける。

当然個人差もあるが、努力で埋まるものが大抵であり、勉強ができないというのは自分の努力不足であり、他人のせいではない。

つまり何が言いたいのか言うと

 

「頼むからテスト受かれよ…優希」

 

 

 

 

 

麻雀部1年で一番成績が良いのは俺………というか学年一位だ。

事実入学式の新入生の挨拶を任されそうになったが、一人暮らしの手続きや準備等で辞退させてもらった。

 

次に頭が良いのは原村さん、勉強はしっかり予習復習はしており、分からないところはしっかり聞く………典型的な優等生である。学年順位は常に一桁。

 

次に良いのは宮永さん、特に国語で90点以下を取ったことがないのが自慢らしい。

数学はできない文学少女に見えがちだが、彼女は別に数学は苦手ではなく普通に平均以上はとっている。

プラマイゼロできるのに数学できないのはありえないか…

苦手教科は特に無し。順位は中の上らしい。

 

次に京太郎、曰く中学の時から宮永さんが京太郎の世話をしていて勉強だけでは宮永さんに頭が上がらないそうだ。

順位は真ん中より下

 

そして………

 

「優希、頼みますから赤点だけは回避してくださいよっ!!赤点取ったら補習でインターハイ行けなくなりますからねっ!!」

「あはは、何とかなるじょ………多分」

「ついでに前回のテストは?」

「何と赤点は3つで済んだじぇっ!!」

 

頭が痛くなってきた………

 

「まぁ、優希以外は特に言うことは無いわ、ということで一年生は何としても優希に赤点を取らせないようにしなさい」

 

部長に優希を丸投げされるし。

 

「勉強会ですね」

「そうだな、部室は部長が鍵を持ってて使えませんし、無難に図書館でも」

「「「それがむりなん(だ)(よ)(です)」」」

「えっ?」

「この辺に図書館って中学校近くにあってテスト期間になると中学生たちが図書館の席全部埋まってるんだよね………」

「しかもそんなに大きい図書館じゃないですし、席もすぐに埋まってしまいますからね」

「だから高校生はテスト期間は自宅でやるのが大概なんだよ」

「へぇー知らなかった」

 

引っ越して3ヶ月近く…図書館には行ったがテスト期間になるとそんな風になるのか

 

「じゃあ、誰かの家でやるか?」

「うーん、私の家は電車に乗ってそこそこ歩くしあんまり向いてないかも」

「私の家もそうですね、帰りの電車の時間を考慮するとちょっぴり辛いですね」

「俺の家も辛いなー」

「私も辛いじぇ」

「うんじゃ、俺の家がいいな駅の近くだし」

「そういえば京ちゃん小高君の家に行ったんだよね?」

「あぁ、そこそこ広いし、綺麗だし、飯美味いし最高だったぞ、出来ればもう一回泊まりたい」

「なんだよそのホテルみたいなレビュー」

「いや、飯がマジで美味かったわ」

「そういや達也は一人暮らしか………ということでタコス作って欲しいじょ」

「何を持ってタコスを作って欲しいことに繋がったんだよ……」

「とりあえず小高くんの家で勉強会でいいんですかね?」

「みたいだね」

 

 

 

 

小高家

 

「おおー、確かに広いじょ」

「東京でこの家賃だとかなり狭くなるからな………」

「田舎ならではの部屋の広さだね」

「綺麗にしてるというより、物が少ないんですね」

 

キョロキョロと女子勢にみられるが特に困る物もないしな。

 

「うんじゃ、早速勉強始めるか」

「えぇー、もう少し探索させてほしいじょ」

「何言ってるですか優希の為の勉強会でしょっ!!」

「優希ちゃん頑張ろ」

「う〜、仕方ないじぇ」

 

基本的に教えるのは原村さん、原村さんの教えでそれでも理解できなければ俺が教える。

宮永さんは久しぶりに京太郎に勉強を教えてるせいかほんのすこしテンションが上がってる。

そして俺はテスト予想問題を作る。

 

ぶっちゃけ優希に赤点を取るのは優希のミスであり自分でどうにかしてほしいのが本音である。

しかし今回ばかりはインターハイがあるので緊急処置である。

 

 

 

そして数時間の勉強会もそろそろ解散させようかと考え始めた。

 

この時期は日が落ちてなくても案外時間は過ぎている、いくら日が長くとも帰る時間に変わりない。

しかしそんな流れが変わったのは京太郎の電話からだった。

 

「悪い電話」

「おう」

 

少ししてから出てくると

 

「咲、今日親父さんが遅くなるから夕飯先に食っていいよってさ」

「うんわかった」

 

ちょっと待って

 

「………なんで京太郎の電話に宮永さんのお父さんが掛けるんだ?」

「あー、咲携帯持ってないからな、代わりに俺に電話するんだよ」

「お父さんは一回家に電話してから出なかったら京ちゃんに電話するんだよ」

「………迷子癖もあるしスマホの一つくらい持ったほうがいいだろ」

 

少し遠い目をしつつ俺が言うと、京太郎も遠い目をして

 

「あー、………咲、スマホ買うか」

「すんごく持ちたくなくなったんだけどっ!?」

「それで今日はいつもノリで部室の方に行って途中で気づいて帰ったら迷子になったって、咲ちゃんそろそろ道を覚えようじぇ?」

「私が校門の前で待ってる間そんなことがあったんですか?………すいません失礼します」

 

今度は原村さんの携帯が鳴る、少し経つと

 

「私も夕飯を作らなくていいみたいになりましたね…」

「おー、のどちゃんのお父さんも遅くなるのか」

 

へー、………という事は原村さんもお父さんと二人暮らしか?

………まぁ、野暮なことは聞かないにするか

 

「どうしよっかな、夕飯作らなくてもいいなら外食にしようかな…」

「そうですね、私も夕飯は外食にしましょうか」

「ならタコスにしたほうがいいじょ!!」

「いや、それはないだろ………どうせならさ達也の家でなんか食べないか?俺も勉強して腹減ったし」

「………ならビーフシチュー食うか?作り置きのビーフシチューなら温めれば直ぐに食えるぞ?」

 

--この時、和と咲に電流走るっ!!

 

「(ビーフシチュー?確かに作り置きにするなら、カレーシチュー系はいいけど、ビーフシチューはお肉が柔らかくなるまで煮込まなきゃいけない)」

「(しかも、お弁当の事を考慮するとカレーシチュー系は敬遠がちです、どうしても揚げ物などが多くなります………父も揚げ物は喜んで食べますが)」

 

「今回は市販のルーは使わずに香辛料をブレンドして作ったんだぜ」

「それって美味いのか?」

 

--和、咲に再び電流走るっ!!

 

「(しかも、市販のルーを作らずに作った?)」

「(無難に作るならルーは市販の物が必須ですそれなのに自作のブレンド香辛料?)」

 

「いろいろ試したけど今回は中々自信作だぜ」

「おっ、そりゃいいこと聞いた」

「そんなに美味いなら私もたべたいじょ!!」

「お、いいぞ作り置きって言っても昨日の夜作ったからな全然大丈夫だぞ」

「「あの私も貰っていいですか?」」

「お、おう」

 

急に目の色変えて迫ってくるからびっくりするじゃん。

 

 

「ホイ、ビーフシチュー3人前」

「あれ?俺の分は?」

「あー、途中でデミグラスソースが足りなくなったからお前は別メニュー」

「えー、まじかよ」

「まー、5分くらい待ってろよ」

 

 

5分後

「ほい、デミグラスソースオムライス」

「おおっ!!オムライスか!!」

「がっつり食うならこっちの方がいいだろ………誰も食ってないのかよ?」

「5分くらいなら待てますよ、みんなでいただきましょう」

「達也早く席に座れじょ!!」

「………思いっきり待ててないぞ、うんじゃ、いただきます」

「「「いただきます」」」

 

うん、上手くできてるなと軽く自画自賛。

 

「中々やるじゃないか達也」

「食いながら喋るな………えっと二人とも口に合わなかった?」

 

基本的京太郎は食ってる時は喋らずガツガツ食っているので話しかけない

宮永さんと原村さんは一口食べ止まっている。

 

「(………初めて作ったビーフシチューは美味しいけど酸味が強くて単品じゃ辛いな、そう思ってたけど)」

「(このビーフシチューはまろやかな味付けですね、これなら単品で食べる分には問題ないですね)」

 

二口、三口とようやく食べてくれた。

 

「え、えっと二人とも感想を言ってくれると助かるんだが」

 

パクパクとスプーンを進める。

 

「(そしてこのビーフシチュー1番のメインのお肉………柔らかいだけじゃなく、ほんの少し弾力がある)」

「(煮詰め過ぎると直ぐにお肉が崩れてしまってお肉本来の食感がなくなってしまいますがこのビーフシチューはちゃんと残してあります)」

 

お肉を食べると、頬が緩んだ。

 

「おおぅ、二人ともめっちゃ笑顔になったじょ」

「………美味そうに食ってるならいいけどさ」

「あっ、達也、私もオムライス食べたいじょ」

「………えっ?えっと………俺のオムライス食うか?まだ一口しか食べてないから」

「おー、食えるならもらうじょ」

 

優希には結構多めによそったんだけどな………

 

「ごっそさん」

「お粗末、うんでどうだった?」

「美味かった!!」

「そりゃよかったよ」

 

京太郎は感想はシンプルでいいんだが、もうちょい感想が欲しい。

 

「優希はどうだった?」

「今度は私も最初からオムライスにして欲しいじょ、後タコスも作っとけ」

「タコスはオカズかなにかか?」

 

どんだけタコス好きなんだよ………

 

「原村さんと宮永さんはどうだった?」

 

いつの間にか食べ終わっていたので感想を聞くと物凄く複雑そうに。

 

「えぇ、すごく美味しかったですよ………自分が女子という自信がなくなるくらい」

「本当美味しかったよ………明日の夕飯を作る気がなくなるくらい」

 

後半ボソボソっとなにか言ったが、美味かったならそれが1番だ。

 

「うんじゃ、時間も時間だしそろそろ帰るか」

「そうだな」

「おっ、咲ちゃんは京太郎と方向が一緒かー、送りオオカミになるなよ〜」

「………それより、迷子にならないか心配だ」

 

割と本気で遠い目になってたので、皆京太郎の肩をそっと叩く。

 

「京太郎なんかすまないじょ」

「流石に私も不憫だと感じましたね」

「今日はお疲れ」

 

「なんでみんなしてそんな哀愁漂う目で京ちゃんを見るのさっ!!」

 

「うんじゃ、俺は優希と原村さんを送ってくから」

「じゃあな、京太郎、咲ちゃん」

「また明日」

 

「おうじゃあな」

「ちょ、もーーー、みんなして迷子扱いするんだからっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

答案返却日

 

「まっ、いつも通り」←学年1位 前回1位

 

「今回はそこそこよかったです」←学年4位 前回8位

 

「小高君の対策プリントがモロ当たってたね」←学年60位 前回146位

 

「本当マジビックリだったよな」←学年156位 前回220位

 

「神様、仏様、達也様だじぇ」←学年187位 前回284位

 

一年生は300人近くいる………つか、前回どんだけ順位低かったんだよ………

 

「さぁ、テストも終わったし、小高君は夏休みほとんど居ないからガンガン打って貰うわよっ!!」

「「「はいっ!!」」」

 

 

 

「ダブリー、一発ツモ、裏乗ってハネ満」

「2巡で終わったじょ!?」

 

「ん、ツモ、親倍だ」

「すいません、今のでトビました…」

 

「ロン、ハネ満」

「なんでそんな所で待つんじゃ!!」

 

「悪いな、スッタンだ」

「ぐっは、流せなかったか………」

 

「三暗刻………裏ドラモロ乗りで数えだな」

「うぅ、次引けたら嶺上開花だったのに」

 

「………そろそろ小高くん抜けない?」

「なに言ってんですか、夏休み居ないから沢山打てって言ったのは部長でしょ?」

 

「「「もうやめたげてぇよっ!!」」」

 

いつもより打てて満足満足

 




大会が決まったら勉強回というお約束。
少しづつですけど主人公と清澄の距離が縮まっていく感じですね。

そして次回は夏休みになり全国巡りっ!!………の前に龍門渕に遊びにいきますっ!!

最強の執事の元で修行?奈良からの刺客?大天使と………お風呂!?

………次回の話、一文字も書いてないですけどね。



ここからは作者のどうでもいい話

みなさんは年末年始はどのようにお過ごしでしたか?
作者は正直忙しすぎて大変でした、忘年会とか新年会とかクラス会とか同窓会とかめっちゃ飲んでました。
そして1番大変だったのが年末の神社のお手伝いでした。
神社といってもお参りとか初詣とか来るような神社じゃないので、お守り作りとか袴を着て誘導とかする訳じゃないですが、年越しは神社で過ごしたいという人たちの為に豚汁と甘酒を作ってたことですね。
豚汁や甘酒などを配って「おいしいよ」と言われるとすんごく嬉しくなりますね、大変でしたがいい思い出になりました。

まぁその代わり投稿が遅れたんですけどね………

あんまり投稿がないんで感想欄に待ってますとか書かれると胸が痛くなると同時に嬉しくなります。

「こんな拙い作品でも待ってる人がいるんだ」とか「もっと頑張ろう」ってあったかい気持ちになりますね。

なんとか毎日投稿してた頃に戻りたいけど、クオリティを上げつつ話の展開というのは中々難しいです。
更新を待って暇になったら皆さんも是非作品などを書いてみて下さい。
寝る前にベットでいろんな妄想してる人が沢山いると思います(笑)
それを字にしてお話にするのは語彙力ととんでもない想像力が必要です、正直毎日投稿をしてる人は神だと思いますね!!
特にR18で毎日投稿してるあの作品本当に凄い、私も毎日楽しみにしてる人ですし………

まぁ、忙しい期間も終わり、実家からアパートに帰ってきたのでなんとかペース上げて行きたいと思います。

ここまで見てくださってありがとうございますっ!!
感想や評価等お待ちしておりますっ!!

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