咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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モモは長野勢でもトップランクで好き


二十六話

「いやーなんだかんだで合宿も終わりっすねー」

「そうだな明日は6時くらいに出れば学校には間に合うな」

 

--この四校合宿は土日に行われたのでそのまま帰ったら学校というそこそこハードな日程であり、一番遠い鶴賀学園は早めに合宿所に出ないと間に合わない。

 

「もうちょっと合宿やりたかったねー」

 

かおりん先輩もこの合宿でいろいろと頑張ってたし。

 

「私もいろいろ考えさせること増えてよかったよ」

 

むっきー先輩も時期部長として他のキャプテンとお話しをしてたりした。

 

でも私は?私はこの合宿で何か掴めたのだろうか?

 

確かにステルスは相変わらず発動してたし、この合宿でも勝ち星は多いほうだ…でもそれは成長じゃない………私だけ変わってない。

 

そう思うと急に怖くなった。

 

もしこのままなにも変わらなかったら?

いずれ私に対応してくる人も出てくるだろう事実とおっぱ……のどかさんと達也さんは普通に対応してきた、当然ステルスなしでも打てる自信はある…けど。

 

「って、アレ?………もしかして置いてかれた?」

 

周りを見るとすでに皆部屋に戻っており、

ぼーっとしてるすぐに置いてかれる…というか誰も気づかれない影の薄さ。

 

「あはは、まっ、これは私がぼーっとしてたせいっすね」

 

ため息がを出して私も部屋に戻ろうとすると、ふと廊下を歩いてる人を見かける。

 

「達也さん?」

 

なにやら麻雀牌を持ってどこかに向かっている。

 

「男子の部屋とは逆方向っすね……」

 

牌を持ってるということは誰かと打ちにいくのかな?

達也さんの打ち筋は正直ためになることが多いから見学させてもらおうかな。

 

 

 

 

ついて行くと外がよく見える廊下に着く。

近くに休憩ようのテーブルが置いてありそこに牌を広げる。

どうやら誰かと打つ訳ではなさそうみたいだった。

 

「こんな時間になにやってんすねぇ?」

 

遠くから見てる私が言うセリフではないがジャラジャラと麻雀牌を混ぜてる。

そして達也さんは大きく息を吸い込みゆっくりと吐いた。

そして、変わった………

 

なにが変わったと聞かれれば雰囲気。

達也さんは確かに人を寄せ付けない空気を出しているが、そんなものが生ぬるく感じる。

遠くにいる私ですら息がつまるような感覚。

そして彼は牌を9個選び伏せて自分の前に置く。

 

そして彼は大きく息吐き、もう一度牌を混ぜる。

 

そして牌を9個選ぶ。

 

遠くから見てると目を閉じてるように見えるがスムーズに牌を選んでいるように見える。

 

そしてその牌を反対側に置く。

………ここからじゃよく見えないっすね。

 

「ん、東横さんか?」

「あっ」

 

結構距離があったのにしっかりと私を認識してる。

 

「どうかしたの?」

「牌を持ってたんで誰かと打つのかと思ってついてきたっす」

 

素直に自分の心情を吐露すると困ったように彼は笑う。

 

「まぁ、誰かと打つって意味じゃあってるね」

「誰かくるんすか?」

「いやもう終わったよ」

「終わった?」

 

彼は9個の内7つ倒れた牌を指差して苦笑する。

 

「ナインっていうゲームでさ、まぁトランプの戦争みたいなゲームなんだよ」

 

彼に説明を受けこのゲームを簡単に理解する。

 

「でもこれって二人用のゲームじゃないっすか?」

「あー、まぁ、自分に勝つというか、まぁ超えるべき目標は自分の中にいるってやつだよ」

「は、はぁ?」

 

いつもは一から十まで理を持って説明するのになんかあやふやな回答が返ってきた。

 

「あー、とりあえずやる?ナイン」

 

ごまかすように彼は牌を9個とる。

 

「まぁいいっすけど、ただやるだけじゃつまんないっすよねー」

「ん?なんか賭けるの?」

「そっすね………負けたほうが勝った方にジュースを奢るってのはどうすか?」

「まぁ、そんなもんだね………引き分けたら?」

「引き分けっすか?うーん、お互いジュース奢るでいいっすかね?」

「………まぁそれでいいか」

 

そうして彼とのゲームは始まった。

 

 

 

 

 

 

 

うーん、最初から高い数字を使うか……それとも低めで行くか。

 

「じゃあ私はコレで」

「それじゃ俺はコレで」

 

「「オープン」」

 

出た数字はお互い3

 

「ありゃ、引き分けっすか」

「みたいだね」

 

達也さんも3っすか………じゃあ今度は勝ちたいから高めの数字で行きますか。

 

「私はいいっすよー」

「どうぞ」

 

「「オープン」」

 

出た数字はお互い9

 

「むっ」

「引き分けだね」

 

むー、また引き分けっすか、虎の子の9で点数が取れなかったのは痛いっすね。

ここはなんとしても点が欲しいっす。

 

「じゃあいくよ」

 

「「オープン」」

 

またしてもお互い8

 

三回連続で引き分け………思考が偶然似てたとしても中々の確率っすね。

さて、8と9を使って点数が取れなかったのは痛い………けどそれはお互い同じっす。

そしてこのゲームの重要の数字は多分1っす。

どれだけ1でダメージを減らすかがこのゲーム

本質っすね。

 

 

--1はどの数字に負ける運が良くて引き分け、しかしそんな可能性は限りなくゼロに近い。

ナインにおいての1は必敗の1ッ!!

その1をどこで出しどれだけダメージを減らすのもナイン特徴であるッ!!

 

 

だけどここで1をだせるほど勇者ではないっすね……

ここはなんとしてリードが欲しいっす

 

「いいっすよ」

「じゃあ」

 

「「オープン」」

 

出た目はお互い7

 

4回連続引き分け………もしかして

 

「引き分け狙いっすか?」

「さぁどうだろう」

 

始まる前に引き分けはどうする?って意味が今わかったっすよ………

さて、達也さんは引き分け狙いってのはわかった。

さっきから私の後に出してましたし。

うーん………つまり私が達也さんの予想以上の牌を出せばいいってことすか?

今手配にあるのは1.2.4.5.6

これはお互い同じ条件っす、この中で一番強い牌は6コレで5に勝てば11点もらえる……

だけどこの思考も読まれてるとしたら………

うーがー、もう、考えすぎて頭おかしくなりそうっすね

ここは指運に任せますか

牌を倒し混ぜて、適当な牌を選ぶ。

 

「いいっすよー」

「運に任せたのね……うんじゃ」

 

「「オープン」」

 

私の牌は4達也さんの牌は………6?

 

「10点もらーいっと」

「えっ………あれ?達也さんは引き分け狙いなんじゃ?」

「さぁどうだろう?とは答えたけど引き分け狙いをしてるとは言ってないでしょ?」

 

すんごいいい笑顔で言われた。

そしてそのまま達也さんのリードのままゲームは終わった 。

 

 

 

 

 

「むーー」

 

頬を膨らましながら自動販売機の前に立つ東横さん。

 

「そんな怒らないでよ」

「別に怒ってないっす………なにがいいんすか?」

「うんじゃコーラで、東横さんは好きな飲み物はなに?」

「ピーチ系ならなんでも好きっすけど」

「炭酸はいけるクチ?」

「まぁ、特に好き嫌いはないっすね」

 

自販機にお金を入れて桃の天○水を買う

 

「ほいじゃ、コレ」

「えっ、いやでも」

「まぁまぁ、貰ってくれや」

 

コーラ一口飲んで隣を見る

 

「うんでなに悩んでんの?」

「うぇ……こほん、別に悩んでないっすよ」

 

ジーっと東横さんを見る………本人も視線に気づいたのか顔を背けるが、少しため息をついてポツポツ語る。

 

「そっか」

 

彼女は元々ボッチだったから麻雀部という居場所を大事にしてる。

しかしその居場所は徐々に変わってくる、彼女を見つけた加治木さん、部をまとめてる蒲原さんの引退。

成長する先輩達……しかし変わらない自分。

 

「いいんじゃねぇの変わらなくて」

「え?」

「原村さんいるじゃん、ウチの麻雀部の」

「あっ、はい、おっぱ…じゃなくてのどかさんですよね」

「あの子さ、宮永さんが何回も何回も嶺上開花してもさ『偶然です、たまたまです』っていうんだよ」

「えっ」

「そりゃさぁ、俺もさ、理では説明できない感覚ってのもあるけどそのたびに『そんなオカルトありえませんっ!!』っていうんだよ………個人的に感覚について否定するのは別にいいけどさ、それを信じてる人まで否定しちゃうのが彼女の悪いところなんだけど………おっとコレはオフレコでよろしく」

「はぁ」

「仮に原村さんが俺みたいな打ち方とか想像できる?」

「………想像できないっすね」

「でしょ、変わるって別に強くなる訳じゃないんだよ、変わってもむしろ今より弱くなることもある。………変わらない強さも必要なんだよ原村さんみたいにね」

「変わらない強さっすか………」

 

 

そう言い少し考え込むとスマホのアラームが鳴る。

確認すると部長からの呼び出しだ。

 

「なんかまた変なことでもやるのか?」

「誰からっすか?」

「部長が遊技場に来いってさ」

「あー、そういえば卓球やるとかなんとか言ってたような」

「まぁ、息に抜きにはなるか、うんじゃ怒られる前に行くか」

「そっすね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卓球大会は龍門渕さんの優勝だった。

なんでも勝てそうと周りに言われたがなんでも勝てる訳じゃないんだよな。

 

それから龍門渕さんから運んでくれたお礼をしたいと言われたので夏休みに龍門渕さんの家でちょっとバイトさせてもらうことにした。

ついでに京太郎もついてくことが決まり日程は夏休みの始めにお願いした。

 

中学生組は夕飯前に帰宅しており、来年必ず清澄に来ると言って帰って行った。

全国も決まったし、来年は部員もそこそこ増えるかも………

 

卓球大会が終われば後は寝るだけなのだが、皆この合宿がよかったのか中々部屋に戻ろうとはしない。

しかし鶴賀学園組は明日は朝が早いのでちょっと遅め解散。

東横……モモにメアドを聞かれるとなぜかいろんな人からメアドを交換することになった。

天江……じゃなくて衣先輩は携帯を持っていないので膨れていたが名前呼びにしたらご機嫌になったな……うん、かわいい。

 

そんなこんなな四校合宿も今日で終わりだ。

いろいろあったが充実した合宿だったな

 

「あー、このまま学校に行くのかー」

「まだねむいじょ」

「二人とも学校で寝ないでくださいよ?」

 

京太郎と優希を注意する原村さん………オカンだな。

 

「宮永さんは意外と大丈夫なんだな?」

「途中からメアド交換したでしょ?………私ケータイ持ってないからすぐ部屋に…」

「うん、ゴメン、謝るからそんな遠い目しないで」

 

遠い目をし始めたので即謝罪する

 

「なんだかんだで一年の仲もよくなったのぉ」

「あら、仲良くだけじゃなくて強くなってもらわないきゃいけないのに」

「だからこそ仲良くさせたんじゃろ、達也が遠慮なく言える間柄にさせる為に…」

「お見通しでしたか」

「まぁのぉ」

「後は夏休みにどれだけ詰めこめるかね」

 

………そういや

 

「あっ、部長」

「ん?なにかしら」

「夏休みは近況報告しなきゃいけないんで部活でれませんので」

「えっ?………どこに行くの?」

「あー、東京、大阪、岩手、北海道っすね」

「「「遠っ!!」」」

 

 




お悩み相談室でしたね。

そして伝説のナイン………

くぅ〜、アレは痺れましたね、曽我の人柄も赤木の強さも何もかも好きですっ!

作者は本当の意味で赤木が神域だったのはあの通夜のナインだと思ってますね。
あの時の赤木は豪運とか誰にも真似できない理とかそういうレベルじゃなくて本当に神域。
神の領域に入っていったと思いましたね。

そういう意味では主人公は赤木を超えるのではなく、あの時の赤木を超えたいんですよ。
そういう意味では主人公は神域を見せてないし、神域に到達してないですね。



--すんごくどうでもいい話--

作者は結構お悩み相談室をやってますね…主に恋愛について←年齢=彼女いない歴

まぁ、恋愛とかさておき、悩んだらやっぱり誰かに相談したほうがいいですね。
口に出すと悩みは余計に辛くなりますが、誰かと共有することでやっぱり人って安心するとおもいますね。
作者の経験論ですが、大概いつもニコニコ笑ってる人は強がってる人が多いです。
「大丈夫」とか「平気平気」とか言っちゃう人とか特に強がりです。
だからそういう時はちょっと強めにこっちは心配なんだぞってことを伝えましょう。
そうするとポツポツ言ってくれます。←作者の経験談であり万人に通用するとは言ってない

まぁ、悩んでる人がいたら助けてやってください、損得とかじゃなくてそれが縁だと思って話しかけてください。

ここまで読んでくださりありがとうございましたっ!!
感想や評価等お待ちしておりますっ!!

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