咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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日常回かな?


二十二話

東京のとある控え室

 

「咏ちゃん来月インターハイの解説のお仕事入ってる?」

 

私の前に座っているのは瑞原はやりプロ

その容姿とプロポーションでプロの雀士だけではなくアイドルも兼業している。

あと妙に交友関係広いんだよねこの人………

 

「そりゃがっつり入ってるよ、あと他の知り合いはすこやんと戒能プロと野依プロあたりかな?あとは知らんけど」

「いいないいな〜私も解説したかった〜」

 

ぶーたれてる姿は同性の私からでも可愛らしく見えるがコレ一応私より年上なんだよなぁ………

 

「むっ?咏ちゃんなんか失礼なこと考えてない?」

「いや別に何でもないですよ」

 

ここ数年、歳の話になると機敏に反応するから扱いづらいだよなぁ……

 

「はやりんはテレビの収録時間と被ってるからオファーが来なかっただけでしょ?」

「そーなんだよねー、あぁ〜せっかく知り合いが監督やってる高校あったから解説したかったのに〜」

「ふーん?ついでになんて高校?」

「阿知賀女子って高校、あと個人的に警戒してるのが有珠山高校かな?それと目をつけてる選手が………」

「男子の小高達也でしょ」

「あれ?咏ちゃんも知ってたの?」

「まぁね一応私の記録を破った選手だからねぇ」

 

記録を破られたその選手が男子と聞いた時、その日は馬鹿ヅキだったかな?と考えたが牌譜を見た時その可能性はなくなった。

 

相手の余り牌をピンポイントに待つ洞察力、次の牌が見えてるじゃないかと思われる手作り、相手を降ろさせる鳴き、完成度は既にトッププロレベル………

 

「これがまだ高校一年生なのが恐ろしいねぇい」

 

--牌譜を見ながら彼女は呟く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合宿1日目

 

「なんつーか、場違い感がはんぱねぇな」

 

--女子20人近くの中に男子が2人入ってることに物凄く違和感を感じる達也

 

「はだける浴衣、無防備なオモチ………ふぉぉぉぉ」

「煩悩ダダ漏れだぞ」

 

とりあえず脇腹に手刀入れとくか

 

「ぐっ、だけどこんな桃源郷みたいな所で煩悩が出ない訳がないだろッ‼︎」

「いや、自信持って言えることじゃねぇから」

 

ジト目で京太郎を見ると流石に下心ありありの視線を見せる訳には行かず

大きく深呼吸してから、切り替える

 

「うっし、うんじゃ打ちますかッ‼︎」

「俺らは最初は牌譜取るんだけどな」

 

--気合いを入れたのに肩透かしされた気分の京太郎だった……

 

 

 

 

 

 

 

さて、いろいろあったが、ようやく麻雀が打てるぜ

 

空いてる席空いてる席はと………

 

「あら須賀君こちらへこない?」

 

部長に呼ばれ見てみるとそこは部長、加治木先輩、福路先輩が座ってる

 

「おー、3校のキャプテン卓ですか」

「いや、私はキャプテンではないんだが」

「えっ?」

「鶴賀の部長は蒲原だ」

 

ワハハー別に悲しくないぞー

 

「私も同じ学年に人がいなかったから自動的にキャプテンになっただけですし」

 

いやいや、あなた長野個人戦3位じゃないですか、実力的にもキャプテンですって

 

「あら、そしたら私も同じ学年に人がいないから自動的にキャプテンになったわよ」

 

ちょっと遠い目しないでください部長

風越とは部員数はちがうんですから………

 

「まぁとりあえず入ってみない?須賀君が男子予選でどれだけ強くなったか」

「ふふっ、あの決勝戦また俺は強くなりましたよ」

「あらじゃあそれなりに期待してもいいかしら?」

「これでも一応長野個人戦2位ですからねッ‼︎」

 

 

 

東一局 親久

 

(んー、配牌はよくないわねでも一応親だし強気に行きますかねぇ)

(よくよく考えたら私だけじゃないのか個人戦で活躍してないの………)

(まずまずかしら)

 

そして9巡目

「リーチ」

 

--福路の先制リーチ、待ちは萬子の147の3面待ち

 

(うん、無理降りるわ)

(待ちは萬子辺りか)

(手配の入れ方からしても待ちは萬子、けど流石に何かまでは読めないか)

 

そして三巡後

 

「ツモ、リーチ断么平和ドラ1、2000、4000です」

 

--福路ここは上々の立ち上がり

 

東二局 親福路

 

 

「ポン」

加治木の発を鳴き………

 

「チー」

福路の8萬を鳴く

 

--京太郎の早仕掛け……

 

そして6巡目

 

「ツモ、発ドラ2、1000、2000です」

 

東三局 親京太郎

 

久の第一打赤5萬

 

そして8巡目

「リーチ」

 

(きたわね)

(お得意の)

(悪待ち)

 

 

 

(最後の手出しが一番端からの北切り、つまり最後の最後まで不要牌の北を取っておいた、出来ることなら北で待ちたかったのかしら、つまりこれは多面待ちの方)

 

(と考えるのが普通だが、その普通じゃない待ちをするのが久の悪待ち、ここは現物で逃げるのがベターな選択)

 

(だけど、部長の悪待ちの一発率も無視出来ない、つまり部長の当たり牌を避けつつ誰か鳴ける牌を出さなきゃいけない)

 

福路 打5萬

 

(現物で、鳴けそうな牌だけど須賀君は鳴かないみたいわね)

(3〜6萬なら鳴けたけどそう都合よくいけないな………さて)

 

部長と目が会うとニヤッと笑ってくる

 

(読めるもんなら読んでみなさいってか?しかしあの顔は女の子がしていい顔なのか………だけど部長俺には見えてますよ、その待ち)

 

京太郎 打7索

 

「チー」

 

加治木が一発を消す

 

そして打 4索

 

--そして加治木顔には出さないが内心ヒヤヒヤしている

 

(いきなりなんていう牌を切るんだ、多面待ちだったら一発目で振り込むような牌だぞ)

 

--そして久はツモ切り

 

--そして本来のツモ持ってくる福路

 

(萬子の4、これは切れないわ)

 

--そして、そのまま流局

 

「「「ノーテン」」」

(なんとか流せたか)

(さて久の待ちは何かしら?)

 

「あら、皆硬いわねテンパイ」

 

--待ちは萬子の4

 

「須賀君が何度も強い牌を切るからみんなも安心して降りられちゃったわ」

「あはは、当たらなくてよかったですよ」

 

東四局 親加治木

 

「ッ⁉︎」

 

--外から牌譜をとっていた国広一は加治木の手配を見て少し驚いていた

 

(初手の手配から白と中が対子、発は一枚持っているしかも東と南が対子、13枚中8枚が字牌………大三元もしくは字一色の役満が出るかも)

 

--そして一枚目の南が出る

 

(スルー?どうして鳴かないの?)

 

そして白も出る

が、鳴かない

 

(はぁ?もしかして一枚目全部スルーするつもり?王牌とかドラ裏にあったらどうすんのさ?)

 

--そして二枚目の南も鳴かない

 

(はぁ、もう訳が分からない、せっかく役満狙える手なのになんでねらわないのかなぁ〜?

………もしかして、役満蹴ったのかな?)

 

--そして

 

「ツモ、七対子 混老頭 混一色、8000オールだ」

「その手を鳴かずに進められるのね…」

「これを鳴いて和了れるメンツではなさそうだからな」

 

(なるほどね、鋭い読みができる福路さんと須賀君、そんな選手に二つも三つも牌を晒したら和了れなくなると考えたのか………僕ならすぐに役満狙える手だったら狙っちゃうからな勉強になります)

 

 

--そして局は続くが、親の倍満をツモった加治木が有利に立ち回り、トップ加治木、2位福路、三位が京太郎、4位が久という結果になった

 

「うーあ、あとちょっとだったのに」

 

最後の逆転の跳満手の途中で加治木先輩が役牌のみの和了りをして試合が終わった

 

「流石に早和了りさせてもらったさ、それより南三局の福路さんと須賀君のバトルが中々印象的だったよ」

 

南三局、福路先輩の余り牌を待っていたが、福路先輩が躱す躱す

 

「あれもあとちょっとだったんすよ」

「あの読み勝負はワクワクしたわ、あと最後のフリテンツモは偶然よ」

「むー、いつか絶対直撃狙いますからね」

「あら?私もそう簡単に直撃はさせないわよ」

 

読み勝負自体は負けてなかった、あとはほんの少し上回る部分を見つけだせば勝てた

 

「須賀君も強くなったわね」

「ふっふっ、部長は自信があると牌を強打する癖があったから悪待ちか多面待ちか分かりやすかったですよ」

「なるほどね、だからあんなにスパスパ強い牌を強打した訳ね、おかげで最下位よ」

「まぁ、その癖が無かったら勝負もどう転んでいたか分からなかったですけどね」

「まっ、なんにせよ県2位は伊達じゃないみたいね」

「一位は遠いみたいですけど」

 

そうして、俺はいろんな人と打った、途中からプロの藤田選手と風越のコーチも入り、実りのある練習が出来た

 

だけど………

 

「んー、そろそろ時間も時間だし、風呂か飯にしませんか部長?」

 

達也の周りには突っ伏した女子が固まっている

清澄は達也と打ち慣れているから精神的疲労には慣れたが慣れてない人が打つと大概ああなる

 

「そうね、今日の練習はここまでにしましょう」

 

「「「賛成」」」

 

ゾンビみたいに手を挙げる女子達………うん、気にしないようにしよう

 

 

 

 

風呂、そして夕食も食べ終わり、あとは自由時間なので適当に過ごそうと思ったら部長から呼び出しがきた

 

「うんで?何の用すか部長?」

 

「第1回枕投げ大会っ!!」

 

「「「いぇーーい」」」

 

「おい、話を聞けよ」

 

「ルールを説明します、

まずこの16枚の布団を半分で仕切りそこが自分のチームのフィールドです

そして4対4の枕投げをします

当たり判定は体に枕に当たったら当たりです

当たりの場合フィールドから出てもらいます

そして最後まで残ったチームが勝者です

そして参加してないチームは散らばった枕をフィールドに戻してもらいます」

 

「狭いドッチボールみたいのようだな、しかしキャッチは駄目みたいだな」

 

加治木先輩ご丁寧に推察するのは構いませんけど、俺と京太郎のことを構ってもらいませんかねぇ?

 

「そして、チームは厳正なるくじ引きで決めました、ではこちらです」

 

紙を配っている当たりこの枕投げの本気度が伝わるが、もしかして

 

「えっ⁉︎部長俺らも参加するんですか?」

「あったりまえじゃない、何のために呼んだと思ってるの?」

 

みたいだ………

 

「まぁ、男子はか弱い女の子組に意図的に入れてるけど問題ないでしょ」

「いや、そもそもパワーが違いすぎるでしょ」

「男子は女子に投げる時は利き手と逆の手で投げてもらうわ………あと怪我させないように気をつければ大丈夫よ」

「はぁ……」

「ほら、後は自分のチームに行った行った」

「はぁ」

「へーい」

 

とりあえず渡された紙を見ていると

 

Aチームに俺の名前があった

 

えっと

 

天江衣

福路美穂子

沢村智紀

蒲原智美

小高達也

 

「おー、達也と一緒か」

「みたいですね」

 

天江先輩か……か弱いというか体格的にスポーツ向きじゃないな

 

「よろしく」

「こちらこそ」

 

確かに沢村智紀さんだっけ?………スポーツやっているようには見えないよな……

 

「あら?男子が入ってくれるなら心強いわ」

「そんな期待しないでください」

 

福路さんかぁ………か弱い部類に入るのか?普通………とは言いづらいよなぁ……

 

「ワハハー、まぁ期待しているぞ」

「あはは」

 

うん、この人は動けるみたいだな………ってなんで俺真剣に枕投げやろうとしてるんだ…適当に流せばいいだろ………

 

 

「AチームとBチーム入って」

 

確かBチームは

 

「おっ!?そっちには達也がいるのか、麻雀では負けたが枕投げなら勝ち目があるじぇ」

「衣がいるけど容赦しないぜぇ」

「キャプテンがいるのかぁ……ちょっとやりづらいな」

「ふむ、相手は蒲原か………なんとかなるか」

 

 

えっと、優希、井上純さん、深堀純代さん、加治木さん、………ちょっと無理くさくないか?

 

「メンバーだけ見れば優勝候補の一つ」

 

沢村さんがチーム表を確認しつつ答えてくれるが、ある戦力だけで頑張ろう

 

「始めるけど準備いいかしら?」

「ちょいと作戦タイムが欲しいけどいいですか?」

「そうね、各チーム1分よ」

 

部長はそう言って時計をみる

 

「さて、どうしますか?」

 

時間がないので指揮を取る

 

「単純に枕を投げるだけなら、背の高い人は後ろの方がいい」

 

沢村さんが簡単に意見を言ってくれる

 

「ワハハー、確かに背の低い人が後ろだと味方が邪魔になるからな」

「むぅ、なら衣は前か」

「あらあら、ふて腐っちゃダメよ」

「ふわぁ〜、はっ!?衣の頭をなでるなぁー」

 

なんていうか、マイペースの人が多いことで

 

「あと、一発でも貰ったら即退場ルールですからね、躱すというよりも投げる方を意識した方がいいみたいですね」

「最初が肝心」

「そうね、全員が一斉に投げれば躱す場所も減るわ」

「あとは個人個人で頑張るしかないなー」

「うむ、一騎当千の活躍を期待しとるぞ」

 

「それじゃあ始めるわよー、位置についてよーいスタートっ!!」

 

「おるるぁぁぁぁ」

「おいしょー」

 

掛け声よく投げたのは優希と井上さん

 

というか全員俺に向かって投げてないかっ!?

 

「にゃろ」

 

投げようと思っていた枕を両手で掴み、回避不可の枕を全部叩き落とす

 

「チッ、やはり枕でガードをするのはルールの範囲内か」

 

加治木先輩が悔しそうに言うが、アンタもどんだけ本気なんだよッ!?

 

「よしッ!今よッ」

 

相手が枕を投げた後に福路さんの掛け声によりこっちも投げ返す

 

「あっ」

 

「深堀さんアウト!退場よ」

 

「うぅ、すいません」

「大丈夫だッ!!仇はとるじょッ!!」

 

後方から枕が補給されるのを確認してから、優希は両手に枕を持ち、勢いよく走り自分のフィールド範囲ギリギリのところで投げる

 

「おいしょー」

 

「きゃッ」

「ふぐぅ」

 

「美穂子と天江さんアウト」

 

こっちは2人やられたか

 

「余所見してると危ねぇぞぉ」

 

井上さんが投げる枕は明らかに女子が投げるスピードではないが、避けれないスピードではない

 

「チッ、単発じゃ避けられるか」

 

大きな身体を限界まで使ってるいるのか、優希のような連射はできないみたいだな

 

「うーん、井上さんも左手ルールつけようかしら」

 

遠くからそんな声が聞こえるが今は右手を使ってるいるし

 

「おいタコス、達也は2人がかりじゃないとキツイ」

「分かってるじょッ!!」

 

今度は連携攻撃ってか?そりゃ辛い

 

「おいしょー」

「うるるぁ」

 

絶対これ麻雀の恨み入ってるよな………まぁ、そう簡単には当てられないけど

 

まず、井上さんの豪速球は躱す、ガードしてたら優希の二段攻撃に間に合わない、うんで優希の二段攻撃は………

 

「えいっ」

 

沢村さんが優希の枕に一つぶつける

これであと一つは簡単に避けれる

 

「まだだ」

 

ここに来て加治木さんの時間差攻撃だが、流石に枕でブロック

 

「これでラストッ!!」

 

自軍のフィールドギリギリまで来て飛ぶように投げる井上さん

とっさに俺は野球のスライディングのように前に出ながら避ける

うんでこっちも反撃だ

 

「ワハハー」

 

前線はもう1人蒲原さんがいる

 

左手とはいえここまで距離がないと流石に避けれない井上さん、そして時間差攻撃の為に前線にきた加治木先輩、優希は蒲原さんが当てる

 

「はい、Bチーム全員アウト、よってAチームの勝ち」

 

「「「おおぉ」」」

 

「ふぅ」

 

「やるなぁ、あそこまで集中狙いしたのによくもまぁ、あんなに避けるよ」

 

目の前に一緒に座り込んでいる井上さんも笑いながらこっちを見ている

 

「いやいや、井上さんも……」

「それッ!!その井上さんってやめようぜ、せっかく楽しくやってるんだ、固苦しくやるなんて野暮だぜ」

「はぁ……」

「純でいいよ、純で」

「いや、流石に先輩ですし」

「なら、純さんとか、純先輩とかにしろ」

「分かりましたよ、純さん」

「おうよ」

 

なにはともあれ、勝ってしまった………適当に流すとか思いつつ思いっきり全力でやってしまった

意外と負けず嫌いかもな俺、とか自己分析してると後ろから抱きしめられる感覚

天江先輩か………

 

「よくやったぞ達也」

 

あーもう、なんからしくないな俺

 

「期待添えてよかったです………よっと」

 

頭に抱きついていたのでそのまま肩車をする

 

「うんじゃ、他のチームもやりますし移動しますか」

「うむ」

 

偶には悪くないか、なんとなくそう思った。




甘いお話が書きたいのに甘くないッ!!

とまぁ、この話は次回の布石回なのでそこはかとなく見守ってください

合宿後は主人公は夏休みを利用して挨拶回りに行きます。

東京はもちろん北海道と大阪などに近況報告しに行きます。
この辺は咲というより天のキャラクターとのお話ですね。

もちろん、東京、北海道、大阪に行くんだから咲のキャラクターも当然絡んできます。

そう考えるとオラワクワクするぞッ!!


ここまで読んでくださいありがとうございましたッ!!
感想、評価等お待ちしておりますッ!!

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