咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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天使はちょっぴり心配性


二十一話

「四校合宿ですか?」

 

京太郎が思わず訪ねる

 

「団体戦女子決勝チーム4校で合宿をしようと思ってるの」

 

女子四校ねぇ……

 

「うんじゃ俺らはお留守番ですか?」

 

京太郎と俺は男子だけだし、つか龍門渕以外全部女子校じゃなかったっけ?

 

「男子はお留守番………って言いたいけどそうはいかないわ、てゆーか、もう少し2人とも自分の実力を考えたらどう?」

 

染谷先輩がため息を吐きながら近くの雑誌を読む

 

「須賀京太郎、男子個人戦二位、安定した闘牌と鋭い読み、そして注目するべき点は1日目個人戦での放銃は0、2日目もたった一回のみの防御力、牌譜をみるとデジタルだけではなく場の空気と手配読み相手の当たり牌を潰しつつ自分は和了る麻雀」

 

京太郎は頭をかきながら、大したことじゃないっすよ、と言っている

 

「うんで小高達也、男子個人戦一位、歴代1日目のスコアをほとんど更新、和了スピード、打点の高さ、そして放銃率0という記録、どれを取っても一つ頭を抜けている、しかし一番の注目点はそこではなく、その打ち筋……綺麗な麻雀もすれば彼にしかできない麻雀も見せてくる、彼の麻雀は既にプロでも通用するのではないのかという声も上がっている………ついでに男子の注目選手第一位じゃ」

 

雑誌を渡してくるが、その中には京太郎が振り込んだ牌譜が載ってたりする

そしてこの牌譜には細かく京太郎のコメントも入ってる

 

「それだけの注目選手がお留守番とか私達が許しても他の学校が許さないわよ」

 

そういうもんなのかな?

 

「また強い人と打てるんだッ‼︎」

「あのノッポには借りがあるじょ」

「いろんな人と打てるのはいい経験になりますね」

 

まぁ、男子が入っても問題なさそうだしいいか………

 

ーーしかし女子メンバーの心の中はちょっとした悪戯心もあった

 

(((((とりあえず皆小高君(達也)と麻雀打ってもらおう)))))

 

ーー合宿の時ボコボコにされた想いを少しでも皆に体験してもらいたいと黒いことを考えていた

 

 

 

 

 

 

四校合宿同時

 

「この度は合同合宿にご賛同いただき…そしてばっちりお集まりいただきまして、まことにありがとうございます」

 

こう時は部長っていうより、生徒議会長ぽいよなぁ

 

「今回の合同合宿ですが、我が校は男子メンバーも参加させていただきます」

 

なんか挨拶するようなジェスチャーされたけど京太郎が代表して挨拶させればいいだろう

 

「ちょっ⁉︎達也は出ないのかよ‼︎」

「お前が代表してやれ、長い挨拶は嫌われるぞ」

「おいっ、ちょっ」

 

背中を無理矢理押しつつ京太郎を女子の皆に立ってもらった

 

「えっ…と、この度、合宿に参加させていただきます清澄高校の須賀京太郎です、男子は今回もう一人いますが、代表で挨拶させていただきます、女子の中に男子が居るの多少の不便を感じるとおもいますが一生懸命練習させていただきます、よろしくお願いします」

 

なんか思ってたのと違う…………

 

「意外と京太郎って挨拶できんだな」

「あー、京ちゃんハンドボール部でキャプテンやってたし、集まりとかでもよく挨拶とかやってたからね」

「へー、さすが嫁さん良く知っておられる」

「嫁さんちがいますっ‼︎」

 

「移動の疲れもあることと思いますので今日は自由行動ということでよろしいでしょうか」

 

「「「異議なーし」」」

 

そういうと女子は部屋に戻る人や、温泉の方向へ行ったりする人もいるが、こっちに近づく人物もいる

 

「咲!ノノカ!いっしょにあそぼう!」

「うん何しよっか」

「麻雀‼︎」

 

こっちにというか、宮永さんたちに近づいたと言った方が正しいか……とか思ってたらこっち気づいた

 

「達也もいっしょにあそばないか?」

「いいですよ天江先輩」

「…………ッ‼︎」

 

なんか知らないけど悶えてる、………いや多分だけど先輩扱いされて嬉しいだなきっと

 

「せっかくだから私も見学していいかな?」

「えっと、加治木先輩でしたよね?」

「おや?男子個人戦一位に名前を覚えられるとは光栄だな」

「決勝戦での立ち回りはすごく良かったから記憶に残ってましたよ」

「立ち回りが良くても勝たなきゃだめなんだけどな」

 

などと他愛の無い会話をしてると後ろから視線を感じた

 

「………加治木先輩に悪い虫がつかないように監視しとくっす」

「別にそういうことはしないけどな」

 

そしたら突然周りに驚いたようなリアクションをされた

 

「えっと……どうかしました?」

「いや、突然一人言を言ったからビックリしただけだ」

 

加治木先輩も気づいてないみたいだった

 

「いや、後ろにいる東横さんに言ったんですよ」

 

「ッ⁉︎」

 

本人もビックリしたのかササッと加治木さんの後ろに隠れる

 

「モモなんか言ったのか?」

「えっとまぁ………加治木先輩に悪い虫でもつかないように……と」

「モモ……お前はまったく」

「ううぅ、だって加治木先輩が男について行くんすよ‼︎絶対その男、加治木先輩に惚れる決まってるっす‼︎」

「なにをいってるのやら」

 

頭を押さえる加治木先輩……なんて言うかあの人もいろいろと苦労してるな

 

「というか、小高君はモモが見えるのか?」

「見える?あぁ、あれって麻雀限定じゃないんですね」

「モモは日常生活から影が極端に薄くてな、そう簡単には見つからないんだが」

 

ーーこれは言わば感度の差である、普通の人が見逃すような小さな現象を見逃さないのが達也である

こうなると原村和が彼女の見える理由にはならない、つまり原村和は彼女の捨てる河は見えるけど本人を捉えてる訳ではないのだ

ついでに、京太郎は彼女が動いてる時のみ完全に認識できる、これは彼女を捉えてるのではなく、彼女の揺れるナニかを見てる為に認識できる(後に達也に怒られ認識出来るように小言を言われる)

 

「良かったなモモ完全に認識できる奴なんてそうそういないだろう」

 

ハギヨシさんあたりも普通に認識できるだろうな………

こちらジッと見ていたから挨拶はした方がいいだろう

 

「俺は清澄の小高達也よろしくな」

「………鶴賀の東横桃子っす」

 

そう言ってササッと隠れる

 

「すまないな、多分だが完全に認識できる相手と会話するなんて初めてなんで照れてるだけだと思う」

「ちょッ⁉︎違うっすよ加治木先輩‼︎」

「そうか?それはすまなかった」

「全然謝ってる感じがしないっすよー」

 

仲が良くて何よりです

 

「ほら達也早く部屋に行くぞ」

「はいはい」

 

天江先輩が手を引いて卓がある部屋に連れて行かれる

 

 

 

 

 

 

 

「ロン、逆転で俺の勝ちです」

「うぅー」

 

ーー終わってみれば案外早いものだった

衣も日が高い内はあのイーシャンテン地獄も半減しており、何回か海底を和了ったが、それ以上のこともしない

 

「よくまぁ、あんなに有効牌をポンポン切れますっすね」

「和了りもチャンタに偏っていたし、么九牌を上手く集めた印象はあるな」

 

ーー達也は何回も初手の断么平和の良型を平然と崩し、執拗にチャンタばかりを狙う

中張牌を切れば当然鳴く回数も増えツモ番も変わる、そして他人の不要牌は達也にとって必要なチャンタの材料となる

そして鳴かなければ衣が海底を和了る

達也を警戒すれば衣が和了り、衣を警戒すれば達也が和了る………このループが止められず

二人の独壇場になっていたが、最後に衣が達也に振り込んで終わった

 

「ころたん先輩と達也さんは相性が悪いっすね」

「そうだな、男子の個人戦2日目の牌譜も見たがチャンタの比率も多かったしな」

「あらら、随分と調べられてますね」

 

加治木先輩がこの試合の牌譜を取っていたのだが他にも俺の個人戦の牌譜も持っている

 

「ふふっ、個人戦の男女共に歴代記録を大きく更新した奴が長野にいるんだ、そりゃ気になるさ」

「へー凄いっすね………って⁉︎男女共に記録更新⁉︎男子だけじゃなくて‼︎」

「あぁ、そうだ前の有名な記録は小鍛冶プロの連荘記録や三尋木プロの個人戦2日目の最高スコア記録を更新したぞ……ついでに1日目の東風戦女子の記録保持者は清澄の片岡優希だ」

「加治木先輩はなんでそんなに知ってるんすか………」

 

………通りで取材が毎日くる訳だ

 

「達也は………… 楽しいか?」

 

ふと目の前に天江先輩が来て真剣な表情で俺に問いかけてきた

 

「咲に話を聞いたが、まだ一度も負けてないみたいだが、その……衣達と麻雀をやっていて楽しいか?」

 

ーー衣は懸念していたのだ、ただの一度も負けもなく、勝って当然な麻雀を……

 

(似ている……衣が咲に負けるまでずっと抱えていた悩み「特別」が故に隔離された存在)

 

ーー「特別」………と言えば聞こえはいいが違う側面からみれば「異常」

他とは違うが故に遠ざけられ、虐げられ、隔離される

達也から感じる壁は麻雀の実力だけではない形容しがたい見えない壁が存在する

そして咲や衣レベルの超感覚でようやく捉えることができる壁の向こう側

しかし、触れるにはあまりに遠すぎる

 

「楽しいですよ」

 

ーーしかしそれは衣の杞憂だった

 

「俺の知らない麻雀がこんなにたくさんあるんですよ?楽しいにきまってるじゃないですか?」

 

(………何か強い意志を持って麻雀をしてる、それ故にブレないのか)

 

ーー達也はブレない、他人の評価や世間一般的な普通など達也にとってはどうでもいいこと

ただ自分の為、自己満足のために打っている

 

「それに俺高校になってから負け無しですけど中学の時は普通に負けてますからね」

 

「「「「は?」」」」

 

「いやいや、小高君が負けるとか想像出来ないんだけど」

「そんなオカルトありえません(錯乱)」

「これだけ打ててまだ上がいるのか………」

「それは気になる話っすねー」

 

(そうか………達也は負けを知ってる「人」なのか………なら安心だきっと衣みたいにはならないだろう)

 

ーー彼女は安心し、達也の胡座の上に座る

 

「ちょっ、天江先輩」

 

ーー意外にも、初心な反応をするので少し笑うのも無理もないだろう

 

「衣は先輩だから、多少のことは言うこと聞くんだぞ!」

 

ーー確かに達也との壁が存在するが、今こうして触れることができる

 

「では、聞かせて貰おうじゃないか、達也に泥を付けた試合とやらを」

 

ーーちょっとずつでいい………彼の壁を壊してあげよう

 

「はぁー、ハイハイ仰せのままに」

 

「うむ、よきにはからえ」




次回予告
小高君の周りに女の子ばかりいると、何故か胸が痛い
「それは胸の成長だじぇ、のどちゃん」
「あー胸の成長じゃない?」
「胸の成長じゃろ」
「うぅ、のどちゃんくらいあったら京ちゃんも………」(自分の胸を抑えながら)

どうやら私は相談相手を間違えたみたいですね

次回 咲-Saki-神域を継ぐもの「恋?愛?両方あって恋愛よッ‼︎」

次回もデュエルスタンバイッ‼︎(半分くらい嘘)


はい茶番はさておき、あとがきです。

何気にあとがきって楽しいんですよね、小説とか書いてると主人公の口調とかナレーションの口調とかキャラの口調を意識して書くから自分でもすんごい違和感を感じるんですよ。

あ、あと最近スマホの麻雀アプリのMJで六段になりましたッ‼︎
スレ主って見かけたらそれ自分ですからよろしくっす‼︎
(作者は無課金勢)


今回のメインは主人公の特別故の孤独………を心配したころたんって感じですかね。

特別故の孤独っていういうのは物語の王道ですよね。

某一方○行さんとか、青春間違ってそうなゆき○ん&はるの○んとか漫画とかなら○子のバスケのキセキの世代の色黒の人とか

意識的には、ワンパンで相手を倒すハゲマント先輩のイメージですけどね

そして今回のメインなヒロインころたんですよ
個人的にはもっところたんの可愛さと背伸びしてお姉さんぽく頑張るころたんを前面に出したいのに作者の語彙不足で引き出せない……ッ‼︎

誰かキュンキュンしちゃう可愛いころたんだして下さいお願いしますなんでも(ry

そしてちゃっかり居ますモモちゃん

原作だと

和「河が見えない?そんなオカルトありえません」

って感じだったんですけど、本編の説明は自己解釈です。
そして安定の京ちゃんです。

しかしまだモモは警戒してます………

確かにいきなり好感度を振り切っている状態も良いッ‼︎
だけど違うッ‼︎そうじゃないッ‼︎
例えるならそうツンデレ‼︎
ツンデレはツンからデレになる過程が美味しいんや‼︎
最初から好感度Maxのヒロインは完全に溶けたアイス……ッ‼︎

だから作者ここは待つ……ッ‼︎機を熟すのを待つ……ッ‼︎

と、まぁ冗談はさておき

ここまで見ていただきありがとうございましたッ‼︎
感想や評価等お待ちしております

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