2日目男子個人戦は、25000の30000返しの半荘を10回やりその成績で決める
午前に4回、午後に6回
「600人近くの高校生が50人までふるい落とされ
さらにここから3人まで選抜される男子個人戦‼︎
そして最有力候補は2名‼︎
1日目にインターハイ歴代最高記録を叩き出し、数々の記録を更新した神懸かりな闘牌見せつける清澄高校1年小高達也選手‼︎
そして同じく清澄高校一年須賀京太郎選手
この2名は確実に個人戦を抜けると思いますが、どう思いますか藤田プロ」
「そうだな、この2人明らかに他の男子……いや他の高校生とは違う感覚をもっている…主観的ではなく客観的にみてもこの2人抜けると思うな」
「つまり実質的に男子個人戦は残り一つの席を争う勝負となると……」
「言い方は悪いがそういうことだな」
この読みは的中している、言うまでもなく達也と京太郎は淀むことなくトップを取り続ける
それはもうすでに3位の選手がどちらか二人からトップを取っても逆転することはないほどの差
そして午後最後の卓
「午後の途中で、ほぼ確定的に決まったのは小高選手と須賀選手‼︎
3位争いがとても激化しております‼︎
そしてここまでなんと、小高選手、須賀選手はいまだに放銃率0という記録をもっていますがどう思いますか?」
「この2人の読みはすでに高校生レベルじゃないな、捨て牌は当然として、それ以外の情報から相手の待ち牌を読んでいる……だからこそ午後最後の卓が気になるんだけどな」
なんのめぐり合わせか午後最終卓は、トップの達也、2位の京太郎が今日のラス卓
これは大会側が意図したものではなく、偶然この2人がラス卓になったという
当然注目度があるのは達也と京太郎の勝負
そして今その戦いが始まろうとする
「さぁ、個人戦最終卓、トップの達也選手と二位の京太郎選手、同校が一二位とはかなり珍しい状況ですっ‼︎」
「テレビ的にはおいしいな」
「………さぁ、そんなテレビ的にもおいしい最終卓、始まります‼︎」
東一局 親秋山
(起家だけど、今回ばかりは早逃げは当然無理だな………)
秋山、第一打中
「ポン」
上家の達也いきなり鳴く
そして達也の捨て牌南
「ポン」
ここで、京太郎の鳴きが入れる
(いきなり中鳴くってことは、最速で三巡、遅くても6巡目くらいで和了るじゃないかこれ‼︎)
京太郎の膨大の達也との対局を思い出しそこからもっと近い牌譜をみつける
そして田島の1筒だす
「チー」
達也いきなり2副露
「小高選手は2日目はよくチャンタで和了るんですけど、なぜ手になりにくいチャンタを狙うんでしょう?」
「………個人戦最終卓だから言うがあれは戦略なんだよ」
「戦略?」
「単純に手作りを考えたら断么が最適だ、横に伸びたり膨らんだり縦横無尽だ……
その点チャンタにいいとこない、
第一に順子が存在しない、一二三、七八九は順子だが横への伸びが期待できない以上順子としての役割をしていない、性質的には暗刻に近いな
しかし、別の光をあてると全く違った物が見えてくる……チャンタと断么それぞれ使用できる牌の枚数は分かるか?」
「えーっと、断么が84牌で、チャンタは………100牌ですかね?」
「そうだ、つまり使用できる牌はチャンタの方が16枚も多い、言い換えれば待てる牌がそれだけ多いということ…
しかも単に数の問題ではなくこのチャンタの100牌は後半…前半問わず溢れてくる100…つまり捨てたい牌だ
そして、ここに強力の打ち手つまり小高のような打ち手がチャンタを全面に出した打ち方をするとどうなる…
雀力の弱い者は、小高の捨て牌、気配、そういうものに踊らされるようになる
自分の考えで打っているように思っているかもしれないが、すでに小高の支配の中だ」
「ロン、役牌チャンタドラ1 3900だ」
「くっ、はい」
東二局 親京太郎
達也11巡目
「リーチ」
(達也のリーチ、しかも捨て牌が不気味すぎんだろ)
達也は七巡目まで中張牌を連打し、8、9、10巡目に字牌整理してから9萬切りリーチ
(普通に考えれば1-4か6-9辺りのスジ、全体的に萬子を切り捨てていて、数字の高い牌が多い、となると1-4辺りが濃厚)
この時京太郎の手配、一気通貫ドラ3一向聴
(合宿の時達也の癖を探したけど、全く隙がねぇな、いや、隙らしい隙をたまに見せるが深く思考してみると罠だったりするからな……)
他家は現物を切っての様子見
(達也のチャンタシステムは決まれば強いけど、手作りに時間がかかるのが問題……つまり、達也より早くあがるか、達也より高い手配を作るかのどちらかだ)
三巡後
京太郎、2萬を引き、6萬を切ればテンパイ
(6萬切ればテンパイ……ここはダマで連荘狙いでいく)
「ロン、リーチ、断么、平和、三色、裏ドラ2枚のって跳満だ」
「えっ………??」
「ここで、須賀選手初めての放銃だー‼︎」
「これはたとえトッププロでもこれは振り込むさ、神懸かり的な捨て牌だな」
(す……すげぇ、この捨て牌からこの綺麗な断么三色、端の牌や字牌はほとんど手出しだった、つまりチャンタの二向聴から、断么三色に持っていったのかよ……
しかも序盤は中張牌から整理していく……
まるで綱渡りのように急所の牌を外して捨てていく……こんなの神業だろ)
東三局は他家のテンパイが早いと見ると、
「ポン」
「ロン役牌のみ」
達也が軽く和了り局を流す
東四局 親達也
「ここまで小高選手の平均連荘率は何と4連荘‼︎、そして今大会では八連荘は役満扱いではありませんが、すでに八連荘を二回出しています!」
「女子のインターハイチャンピオンのように制限がある訳がない分余計にタチが悪いな」
そしてわずかの五巡目
「リーチ」
(くっ、やばいどんどん勢いに乗ってきてる何としても止めないと)
「ツモ、リーチ、一発、七対子…裏乗って親跳6000オールだ」
もうすでに達也の勢いは止まらない……ッ
このままいくと誰かがトビ終了になる……ッ
(どうする……ッ‼︎どうする……ッ‼︎どうにかして止めないと本気でやばいっ‼︎
考えろッ‼︎考えろッ‼︎打開する方法をッ‼︎)
この時京太郎あることを思い出す……
「勝つことに必要なのは今お前が持っているような勝とうとする意思じゃない、そんなもの邪魔なだけだ、ただ普通にいつもの打ち方をする、そういう事が試される平常心が必要なんだよ………あとお前は潜れ」
(平常心と潜れ……潜れって記憶の中から牌譜を探すことじゃないのか?
仮に違うとしたらなんだ?
考えろ‼︎
考えろ‼︎
考えろ‼︎)
「……………考えても答えは出ないぜ」
達也が独り言を言う
「………思考は確かに大事……が、「運」は見えない、故に感じるしかない」
見えない変数は、説明できないから見えない変数なのだ……ッ‼︎
見えてしまったらそれはただの理……ッ‼︎
京太郎はいわば理に縛られすぎている……ッ‼︎
「そうか………失礼」
京太郎は大きく深呼吸をする
何度も何度もして、ふと止める
「…………ダイブ」
京太郎は潜った……136牌ある麻雀の卓上の中に……ッ‼︎
達也と特訓した時以来の感覚……ッ‼︎
頭の中に潜るのではなく、卓上の中を駆け巡る感覚……ッ‼︎
「………ロン、平和のみ」
「えっ、はい!」
「多分初めてじゃないか?小高が二本場いかなかったの」
「………確かに今大会、小高選手は親の連荘を二本場以下はありませんっ⁉︎
確かにすごい記録ですが、たった今、須賀選手に東場の親を流されました‼︎」
「……流れが変わったか」
否ッ‼︎流れが変わったのではない‼︎
流れを変えたのだ……ッ‼︎
本流とも言える達也という大きな川に逆らい自力で和了った平和のみ……ッ‼︎
しかしまだ本流の勢いは止まってない……ッ‼︎
もし仮にこの本流を止め、自分の流れにしたらそれは一流……ッ‼︎
ここからが京太郎の進化と言える闘牌が見せられる……ッ‼︎
咲の本編もそうですが、やっぱり咲のラスボス感と主人公のラスボス感は完全に一致ですわwww
今回の「「運」は見えない、故に感じるしかない」はプロ雀士の桜井章一さんのお言葉をちょこっといじらせてもらいました
確かに、麻雀に限らず運って絶対に見えないですよね
理ではほぼ説明できない何か、そういうあやふやな物を感じることができるのはアカギでいう麻雀のセンスってやつですね
この言葉見つけて普通にカッケェってなりましたもん……
それとついに説明がありました、赤木の不敗のチャンタ戦法ッ‼︎←不敗ではなくなったが
普通の人間は真似してはいけません、絶対に成績落ちます←経験談
これはアカギ並みの感覚の鋭さと相手の溢れ牌を読む能力が高くないとできませんッ‼︎
でもチャンタという役が思いの外使えるようになったのはこの説明があったのは事実ですね←チャンタでロンは気持ちいい
咲の世界だと赤ドラの関係でどうしても点数は伸びませんが、逆を言えば切られる可能性がグンと上がりやすいのも事実です
そして京ちゃん覚醒まであと少しッ‼︎
気づいた人もいますが、今回のダイブ発言はのハチワンダイバーっていう将棋の作品です
本編でも書きましたが、主人公はアカギのように高みに登る麻雀なので、京ちゃんは潜る麻雀を意識して書きました‼︎
厳密に何が違うのかは特にありませんっ‼︎
ただ、大きく深呼吸してからボソッと「ダイブ」って言うのかっこいいじゃん←厨二的発想
まぁ、これは完全に作者の厨二病が作品に投影された回ですね←黒歴史
さて、ストックがなくなったので本当に亀更新になります
もう作者のiPhoneに次回の話は一文字もありませんっ‼︎
ここまでいろんな人に自分の作品を見られるのは初めてで、ボコボコに批評されたらどうしようとか考えつつ投稿してしまいましたね……
なにはともあれここまで読んでくださり本当にありがとうございました‼︎
感想や評価等お待ちしておりますっ‼︎