咲-Saki- 神域を継ぐもの   作:スレ主

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後半戦の前に……


十五話

大将戦前半戦終了間際

 

「そろそろ前半戦終わりそうだし誰か宮永さんのところに行く?保護者的意味で……」

 

前半戦と後半戦の休憩時間中にトイレや息抜きをして外にでる選手もいる

 

しかしそのまま迷子になる可能性があると考えた

 

「それなら私が行きます」

「それじゃあ和に頼むわ、咲がどんな感じで打ってるか気になるしいろいろ感想聞いてきてね」

「分かりました」

「俺ちょっと飲み物買ってきますけどなんか要りますか?」

「大丈夫よ、特にいらないわ」

 

皆、特に買うものもなく達也と和は外にでる

 

「宮永さん大丈夫ですかね……」

「………合宿最終日覚えてるか?」

「えぇ、もちろん覚えていますけど?」

「合宿最終日、宮永さんは自信に満ち溢れていなかったか?」

「……確かにそうでしたが」

 

合宿前の咲は相手を伺うような麻雀をしていた………

 

事実、京太郎や優希が振り込むたびにほんの少し顔をしかめていたのだ

 

前はプラマイゼロを打って場が荒れないようにするのが咲の麻雀

 

言いかえればみんなが楽しくできる麻雀をしていた

 

事実咲は一時期麻雀が嫌いだった、故にそんな思いをみんなにして欲しくないとワザと差し込んだり、点数を下げるような麻雀をしていた

 

「それに宮永さんどーも本調子じゃないんだよね」

「本調子ではない?」

「多分合宿の時の方が調子良かったと思う、まぁ、そこは原村さんの役目だから別にいいか」

「えっ⁉︎私ですか⁉︎」

「そっ、うんじゃ自販機コッチだから宮永さんによろしく言っといて」

 

そう言って和と達也は別れた

 

 

 

 

 

 

会場外の自販機

 

 

自販機の前にきたのだが

 

「うーんしょっ、うーんしょっ」

 

天江衣がここにいた、どうやら自販機のボタンが届かないらしい

 

一生懸命足を伸ばすが全く届いてない

 

(一応俺より年上なんだよなぁ………)

 

流石に放置という訳にいかず代わりに押す

 

「あっ?」

「コレでいいんですよね?」

「むー、礼は言わないからな」

 

プイとそっぽ向く天江衣、苦笑しつつコーヒーを一つ買う

 

そして遠くから見覚えのある人

 

「にゅ、フジタ!」

「おや?衣と小高じゃないか?」

「どーも」

「フジタはコイツのことを知っているのか?」

「いわく、相当強いらしいぞ」

 

衣はジッと達也を見る

 

(………何も感じない、凡夫ならそれなりの気、強者なら相当強いものを感じるがここまで何も感じないと不気味だ)

 

「で、どうですかウチの宮永さんは?」

 

目があったので宮永さんの評価を聞いておこう……

 

「宮永?あぁ、清澄の嶺上使いか……」

 

衣も一つ気がかりがあった、鶴賀に対してプレッシャーを跳ね上げた時、清澄はほんの少し顔をしかめていただけということに

 

本来なら気づかない凡夫なのかと考えたが、それは前半戦の連続の嶺上開花で気づいていないという線はない

 

「あいつらごときが衣に勝てるものか、あと小半時もすれば日降ちだから尚更だ‼︎」

 

しかし、所詮プレッシャーに耐えることができるだけで、点差はどんどん広がっていく衣の支配は破られていないし問題ない

 

「日没とか関係あるの?相変わらず面白いなお前は」

「なんならこの後フジタも相手してや、ふわっ」

 

靖子当然のように衣を撫でにいく

 

「…って撫でるな‼︎セクハラ雀士‼︎」

「あははー」

 

そして離れてタバコをふかす

 

「お前さ、そろそろ麻雀打てよ」

「?いま打ってるよ」

「お前は打ってるんじゃない、打たされてるんだ」

 

「お二人さんそろそろ時間ですよ」

「おっと、私も解説室に戻らないとな」

「天江先輩も早く戻らないと」

 

衣はゆっくりと達也を見る

 

(天江……先輩)

 

達也は知るよしもないが、衣はよく子供扱いされる

故に先輩と呼ばれることがなく初めて先輩扱いされたのだ

 

「名前はなんと言う?」

「?清澄の達也ですよ」

「そうか……覚えておこう」

 

 

そう言ってトテテテと効果音がつきそうな足取りで会場に戻った

 

 

 

 

同時刻 和

 

「あっ!宮永さん………ってどこに行くんですか⁉︎」

 

思わず追いかけて手を掴む

 

「原村さん‼︎」

「そっちは何もないんですけど…一体どこに行こうとしたんですか?」

「あぅ、ちょっとトイレに」

「それなら、こっちの方にあります」

 

小高君の予想通り迷子になりそうになりましたね………

 

そしてトイレに連れて行き、外で待つ

 

(小高君は宮永さんがまだ本調子ではないといいましたが私にも原因は思いつかないですね………けど激励の言葉くらいは送ることはできます)

 

「ありがとう原村さん‼︎」

「いえ………宮永さん、あなたはまだ本調子ではないそうですが本当ですか?」

「えっ?うーん?自分で自分の調子がいいとかよくわからないし……」

「小高君は合宿のときの方が調子が良かったと言ってました」

「合宿の方が……」

「合宿最終日のあなたはどこにいってしまったんですか」

「え………」

「あの自信に満ちたあなたは…‼︎」

「自信…」

「全国に行くんじゃなかったですか?」

 

「まもなく後半戦が始まります、出場選手の方は……」

 

「大急ぎで戻りましょう‼︎」

 

 

 

 

「県予選決勝大将戦後半、この半荘戦が最終決戦となります‼︎

全国に行けるのはこの中で1校のみ…‼︎」

 

(思い出せ私、合宿の最終日どんな感じだったのか…小高君や原村さんに認められた自信に満ちた私…)

 

「2日間に渡る戦いもついに天王山、ファイナルゲーム‼︎後半戦のスタートです‼︎」

 

 

 

 

後半戦東一局 親池田

 

(あたしの親は今回含め残り2回、普通に考えれば逆転は絶望的…だからこそこの親で稼ぐんだ‼︎)

 

(さて、天江衣の海底の気配なあの差し込み以降見られない…前半戦最終盤の天江は鳴きを入れた速攻…速度の緩急が異常すぎる…牌だけではなくこちらの心までかき回されているかのようだ)

 

 

加治木の読みは合っていた、後半戦東一局終盤まで誰も鳴かず、全員面前……そして誰にも止められず天江衣は海底牌を引く

 

「さっ…3回目海底ーーッ‼︎これが全国レベルの力なのかーー‼︎」

 

 

「また17巡目にツモ切りリーチだじぇ」

「………ありえません」

 

「これで天江選手は3回も海底を和了ったことになります、異常ですよ」

「海底どころか全てが異常だ」

「全て…?」

「天江以外の3人は配牌とツモを全て合わせても国士以外ではテンパイできない、完全に近い一向聴地獄鳴くチャンスもほとんどない流れだ、それでも海底を防ぐ方法はあった、清澄の4索‼︎」

「確かに、清澄が4索を切れば鶴賀が鳴いて潰せましたね」

「だが捨てなかった」

「いや、普通は鳴けるなんてわかりませんよ確実に海底で和了る訳じゃあるまいし」

「まあな」

 

(清澄から見れば嶺上開花の可能性が残っていた、だがそんな無に近い可能性を信じる者はいない………ただ1人をのぞいて、気をつけろ衣、そいつはまだ生きている)

 

 

東二局 親天江

 

「わぁーい、衣の親番だーっ‼︎さいっころっまわれ〜」

 

(そういえばフジタが先刻希代なことをぬかしていたな

衣が麻雀を「打たされている」だって?

烏滸言を‼︎

衣は今此の時、現に此処で打っているではないか‼︎

闇の現を見せてやろう)

 

 

(配牌やツモを呪うのは弱者の思考だけど…これはもう呪わずにはいられない…まるで悪夢だし…)

 

「ロン、12000」

 

東二局一本場

 

「ロン、7700の一本場は8000」

 

(まずいな…風越が危うすぎる…この点差と残り局数だ…手を高く仕上げる上にそうそうオリることもできない状況だろう、だがそれゆえに天江からも読みやすい…このままでは搾り殺されるぞ!)

 

東二局二本場

 

(東…一巡前に鶴賀が捨ててるし、天江は二巡前から手変わりしてないから、これで振り込むことはない‼︎)

 

「ロン‼︎」

 

(な…なんで…⁉︎)

 

(私から和了らず風越を狙い撃ちだと⁉︎風越をとばすためか…いや…違うな天江の最後の手出しは1筒、一盃口を捨てている……奴はワザと手を安くした…なぜだ‼︎)

 

「塵芥共、点数を見よ」

 

龍門渕187900

 

清澄113200

 

鶴賀98900

 

風越0

 

「汝等に生路無し‼︎」

 

 

「風越が0点ぴったりだしょ」

「ツモ和了りすると風越がトンでその瞬間龍門渕の勝ちが決まってしまうわね」

「うんで、ツモができないから、嶺上開花もできない」

 

龍門渕控え室

 

 

「あ〜〜〜〜っもう‼︎また衣の悪い癖がお出ましですわっ」

「1筒残してたらうちの優勝で試合終わってたのにね、でも衣はこうやって相手の心を折りにいくんだ、相手が自分自身で負けの烙印を押すようにどうやってもかなわない、そういう格付けを見せつけるために、ボクが見た絶望があそこにある……」

 

 

「………?」

「のどちゃん……?」

「なんだか一瞬映った宮永さんの顔が、わらっているように見えました……」

 

和の疑問に達也は答える

 

「………うん笑ってたよ」

「こんな状況で笑ってられるって……」

「でもさ、分かるよ俺も」

 

達也が遠く見つめるように言う

 

「逆境って燃えない?相手が強いと思わず笑っちゃうもん俺も」

 

普段怒った時にニッコリと笑う笑顔ではなく年相応と呼べる子供っぽく達也は笑ったのだ

 




ころたん大天使‼︎‼︎‼︎

主人公との初接触ですが、試合の途中ですし、そして何より四校合宿編でがっつり絡ませたいと考えてる所存ですっ‼︎

そしてただいま男子個人戦を書いてるんですけど、なかなか進まない………
誰か敵を考えてくださいっ‼︎噛ませキャラ考えてください‼︎
話の流れはできてるのに敵が思いつかない‼︎
だって主人公が強すぎるから強い個性を出さないと噛ませキャラがただのモブ男子化しちゃう………

…………もう全部モブ男子よくね?

さて、明日は赤木の葬式の日ですね‼︎←唐突の話題変換

すでに気づいている人はいますがこのお話は葬式後の話になっております

もし神域を継いだ高校生がいたら?
もし咲の世界の話だったら?

そんなもしかしたらを頭の中でずっと想像(妄想)してました

そしてここで書くようになって、沢山の方に見られるようになって、最近プレッシャーが半端ないですよwww

なかなか話は進まなくてイライラしてる読者もいると思います、だけど長い目で見てくれるととても助かります

これからも更新を続けていくので、気長にゆっくり待っていてください‼︎

ここまで読んでくださってありがとうございます‼︎
感想や評価等お待ちしております‼︎


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