「アッハハハハハ!モンちゃんモンちゃん!コレ凄くない!?ヤバくない!?異世界だよ!草原だよ!夜空キレー!!」「あの、キャンさ「アルちゃん喋ってる可愛い!エンちゃんも可愛い!!コキュートスカッケェ!」」   作:カミカミュ

9 / 12

知り合いに『オバロのキャラって本性現しても可愛いよね?』って聞いたらマジなトーンで『は?』って返ってきた私です。

血の狂乱のシャルティアは刺激が強かったみたいです。


9話 守護者の忠義

 

 

 

 

「さて、それでは皆、至高の御二方に忠誠の儀を」

 

 

先程の事がなかったかのように――むしろ、無かった事にしたかもしれない――一斉に守護者各員が頷き、私たちから少し離れた位置に移動して、アルベドを前に立てる形で横一列に並んで跪く。

 

空気は真剣なものとなり、そんな物と無縁なキャンはアイラの髪を梳いている。

 

 

「第一、第二、第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン、御身の前に」

 

 

「第五階層守護者、コキュートス、御身ノ前ニ」

 

 

「第六階層守護者、アウラ・ベラ・フィオーラ、御身の前に」

 

 

「お、同じく、第六階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ、お、御身の前に」

 

 

「第七階層守護者、デミウルゴス、御身の前に」

 

 

「守護者統括、アルベド、御身の前に。 第四階層守護者ガルガンチュア及び第八階層守護者ヴィクティムを除き、各階層守護者、至高の御方の治める領域守護者、御二方に平伏し奉る。……ご命令を、至高なる御二方よ…。 我等の忠義全てを御身の為に捧げます」

 

 

モモンガは六つの下がった頭を前に、ピリピリとした空気感じ、この先どうすればいいのか分からない。

 

こんな場面一般人なら一生経験することのないものだ。モモンガは混乱から誤って特殊能力を一部解放し、絶望のオーラが自身から溢れる。

それを見たキャンは。

 

 

「絶望のオーラとアイラの神聖なオーラが混ざり合って空間ギシギシしてるから収めないと大変なことになるよん♪wwwアイラちゃん一応収めようか。ホラ練習練習w」

 

 

神聖なオーラが収まり、というよりアイラの体の表面に纏うような感じになった。悲鳴を上げていた空間が元に戻ったが、内心冷汗ダクダクのモモンガは(この事態にすら)(それ自体に)気づいてない。

 

 

「面を上げよ」

 

 

全員の頭が一斉に上がる。その動きは一糸乱れぬ素晴らしいものだが、頭を下げていた時に空間の悲鳴を聞いたのか冷汗が流れている。

 

 

「では……まず良く集まってくれた、感謝しよう」

 

 

「感謝なぞおやめください。我ら、モモンガ様に忠義のみならずこの身全てを捧げた者たち。至極当然のことでございます」

 

 

アルベドの言葉に守護者全員口を挟む気配はない。

 

真剣な面持ちでこちらを窺う守護者たちの顔を見ていたキャンが聞く。

 

 

「それは魂もなの?」

 

 

『もちろんです!』

 

 

「きひひ、イイね!聞いたよねモンちゃん。この子達ならモンちゃんの手助けとしては十分に活躍できそうだよ。もちろん私もモンちゃんの下に付くわけだから"ギルド長・モモンガの絶対的な命令"なら私に出来ることなら全力で従うよ♪」

 

 

ニヤリと笑いながら宣言するキャンにモモンガは。

 

 

「キャンさん……なら、やかましさを「それは無理w」デスヨネー」

 

 

分かりきった事なので、気を取り直し、守護者たちの顔を一度見渡す。

 

 

「さて、素晴らしいぞ守護者たちよ!お前たちならば私たちの命令に、失態なくことを運べると今この瞬間、強く確信した。まずは、意味が不明瞭な部分があるかもしれないが、心して聞いて欲しい。現在、ナザリック地下大墳墓は原因不明かつ不測の事態に巻き込まれていると思われる。…キャンさん状況について説明をお願いしても?」

 

 

「うん、まずねナザリックがあった沼地が見渡す限りの草原になってたよ。そこはセバスちゃんが詳しく調べてるだろうから任せるよ。んで、草原の先には森があって、知的生物はいなかったけど普通の動物はいたね。森をしばらく進んでたら赤く輝く場所が遠くから見えたから、そこへ行ったら。人間の村が一つ襲撃を受けたみたいで燃えてた。村人は切り刻まれてるか、燃えてるかの二つ、さらに周辺を探索してたら野盗が20人と村人の生き残りでアイラちゃんが暴行を受けてたんだ。あ、コレが野盗ね」

 

 

少し離れた場所に空間に穴が空き死体がドサドサと落ちてくる。

 

 

「んーこれどうしょうか?アンデッドでも作る?それとも、皆で分ける?今まで収納してたから新鮮だと思うけど」

 

 

「ふむ、恐怖公やプレアデスにでもあげたらどうだ?」

 

 

「んーあ、デミちゃんも少しいる?死んでるから色々弄っても大丈夫だし」

 

 

「では、1体貰えませんでしょうか?少し試したいこともあるので」

 

 

「んじゃ、デミちゃんに1体に、恐怖公やプレアデスにお土産で後で持っていこ。おっと、話が逸れたけど後は半神化させたらモンちゃんから連絡あったからこれで終わりだよ」

 

 

「ありがとうございますキャンさん。…おや、アイラの顔色が悪そうですよ休ませたらどうですか?」

 

 

キャンはアイラを見ると野盗の死体を見て顔を青くしている。しかし、これは死体への恐怖によるものではなく、キャンが来るまでの出来事を思い出しているのだろう。その感情を察したキャンは、アイラの頭を軽く撫で死体へと歩く。

 

頭だった盗賊の死体を引きずり出し、上へと投げる。重力に従い落ちてくる死体へ大鎌を一閃、紅い光と漆黒の光が大鎌から溢れて組み合わさり、巨大な刃となり死体を消し飛ばす。斬撃はそのまま強固な円形闘技場の壁にぶち当たり破壊し、消えた。

 

 

「他の奴らは餌として有効活用してやる。…テメーは魂すら残さず消えろ」

 

 

いつもとは違う、聞けば凍えるような冷たい声が響く。

 

シンと静まる空間の中でキャンはアイラを背負い。

 

 

「あ、大きな音を出してごめんねモンちゃん☆私はアイラちゃんを客室に連れて行くからまたねー♪」

 

 

先程の声の冷たさは消え去り、普段の明るい声で喋りながら闘技場から出て行った。

 

残ったのは静寂とキャンが起こした破壊の爪痕だけだった。

 

 

 

 

 

キャンは客室の一室にアイラを寝かせたあとに、ゴーレムが並ぶレメゲントを歩いていると、モモンガが転移してきた。

 

 

「およ?戻ろうと思ったけど、終わちゃった?ってなんか疲れてるけど、大丈夫?」

 

 

「…あぁ、キャンさん。守護者たちの俺らへの評価が高評価過ぎで疲れちゃって…」

 

 

「"俺ら"って私も?」

 

 

「えぇ、何でも俺は"死の支配者"でキャンさんは"死神"らしいですよ」

 

 

「ありゃ?私の種族の一つじゃん。教えたっけ?」

 

 

「え?」

 

 

「え?」

 

 

「と、とりあえず。リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを渡しておきますね。毎回高速移動でも不便でしょうし」

 

 

「おー指輪だー左手の薬指にでもつけようか?www」

 

 

「やめてくれませんかね!?」

 

 

「えーじゃぁ、右手の中指ね」

 

 

「その指になにか意味でも?」

 

 

「『行動力・迅速さを発揮する。直感力や行動力を高める。パワー爆発!元気になりたいならココ!?』って何かに書いてた☆」

 

 

「…………キャンさんですしね…」

 

 

はぁ…と溜息をつくモモンガ。

 

 

「あ、そうだ。外の見回りに少ししたら行こうと思うんですがどうですか?」

 

 

「んぁー…悪いけど少し眠いや。今日はアイラちゃんと一緒に寝る事にするよーふぁ…」

 

 

「本当に眠そうですね。わかりました。おやすみなさいキャンさん」

 

 

「おやすーモンちゃん」

 

 

パタパタと手を振りながらキャンはアイラの部屋へと行く。

 

気持ち良さそうに眠っているアイラを抱き枕にし、眠るのであった。

 

 

 

 

 





野盗の死体は美味しく頂かれました。

エントマが手を食べながら笑顔になるところを想像して、食事シーンを書こうと思いましたが、書いたら消されそうなのでボツですね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。