「アッハハハハハ!モンちゃんモンちゃん!コレ凄くない!?ヤバくない!?異世界だよ!草原だよ!夜空キレー!!」「あの、キャンさ「アルちゃん喋ってる可愛い!エンちゃんも可愛い!!コキュートスカッケェ!」」   作:カミカミュ

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短い


4話 爆死回避

 

 

 

 

 

ナザリック大墳墓から出た私はとセバスちゃんは、目の前に広がる光景に目を見開く。

 

大草原。

 

モンスターが蔓延る湿地の奥にあった毒沼に囲まれた形でナザリックは存在していたはずだ。

 

それが広大な草原になっており、夜空には無数に輝く星がある。

 

本格的になにか異変が起きていると感じ、私はセバスちゃんに指示を出す。

 

ちなみに私のセバスの呼び方はセバス・チャンではなくセバスちゃんである。

 

 

「ちょw沼地が大草原にwwwwこれは草を生やすしかないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

 

 

「あの、キャン様。これからの行動はいかがいたしますか?私はモモンガ様の指示通りに周辺一キロの探索を行いますが」

 

 

「あ~、うん、少しだけ別行動しようか。私なら誰かに見つかる心配もないし、結構な距離を探れると思うの」

 

 

「畏まりました。しかし、大丈夫でしょうか?護衛も付けずに単独行動とは…」

 

 

「護衛があると私の隠密力が半減するのよねー。このぶっ壊れ装備なら…って、あれ?」

 

 

違和感を感じインベントリに手を突っ込む。

 

取り出したのは盗んだワールドアイテムの一つ。青紫色の宝玉でどんな効果かまだ調べてなかったものだ。

 

しかし、宝玉に赤いタイマーが表示されており、【00:08:37】と表示されている。

 

キャンの顔はソレを見た瞬間に強張りセバスへと投げ渡す。

 

 

「セバスちゃん!それを思いっきり空へぶん投げて!!早く!!!」

 

 

「ッ!了解しました!」

 

 

切羽詰まったキャンの声を聞き、時間がないと、了解の意を唱えながら空へと宝玉を全力で投げる。

 

竜人であるセバスの腕力で投げられた宝玉は一瞬で空の彼方へ、そして、一瞬の赤い閃光の後に轟音。

 

大規模の爆発が空で起こり、衝撃波が頬を打つ。

 

 

「あ、あっぶなー……課金アイテムの【偽りの罠(フェイクボム)】じゃないかー!!気づいたから良かったけど、私じゃなきゃ死んでるぞぉぉぉ!!!」

 

 

偽りの罠(フェイクボム)

 

課金額1個900円の盗人対策のアイテムである。

 

対象のアイテムと触れさせることで、外見を同じすることができ、勝手に持ち出すと設定されたタイマーが起動し、盗人とインベントリのアイテムごと爆発するキャンが苦手とするアイテムの一つである。

 

盗んで、インベントリに入れるまで本物か偽物か分からなので、次に取り出しタイマーを確認するか、爆発するかが判断基準となっている。

 

 

キャンは再度インベントリを確認する。

 

結果、最初のを含め20回夜空に花が咲いた。

 

ちなみに、全部ワールドアイテムであり、キャンは悔しさで唸っている。

 

 

「うがー…油断してたのは私も一緒かー。くそぉ、あれって発売されて2ヶ月で販売終了になったアイテムじゃなかったかー?まだ持ってる奴いたのかよー…ぐぬぬ、時間無かったとはいえもっと奥まで探索するべきだったかなぁ?」

 

 

このアイテム盗人対策にもなるのだが、ワザと盗みインベントリに入れ、街中のプレイヤーが複数いる場所で爆発させる行為が行われた。

 

元々、爆発時に周りのプレイヤーを巻き込む事件が発生していたのもあってか、すぐに販売中止となった。

 

 

「さてと、んじゃぁ、探索始めようか。ごめんね、巻き込んじゃって」

 

 

「いえ、怪我がなくてなによりです」

 

 

探索を初めて30分が経過した。

 

広大だった草原を抜け、今は森の中にいる。

 

しかし、周りに人がいたら黒い靄が大鎌を持ち高速移動しているところを見られれば死神の様に見られていたかもしれない。

 

隠密の関係上見られることはないのだが。

 

暫くすると、煙の匂いと血の臭いが漂ってきたのを感じ取る。

 

そこから少し進めば夜にも関わらず明るくなっている場所が見えて来た。

 

森を抜けるとそこは、地獄絵図だった。

 

ごうごうと家屋を燃やす炎が暗闇を照らし、何人もの村人が惨殺され倒れている。

 

キャンは冷静にそれを眺め、何かないかと辺りを見回す。

 

すると、少し離れた場所で話し声が聞こえる。

 

そこへ移動すると、小汚い男達が20人ほどおり、何やら話している。

 

 

「騎士共が村を襲ってるのを見つけたときはビビったが地下倉庫に生き延びた女と食料を見つけたのはラッキーだったなぁ」

 

 

「だが、20人も相手してんだ。女はもう使い物にならなくなってきてんじゃねぇか?つーか、いま頭がヤってるだろ?頭は荒いし、すぐ死ぬんじゃねーか?」

 

 

「死んだら死んだでそのへんで燃えてる炎があるんだ薪にすりゃよく燃えるだろうよ」

 

 

ぎゃははははと目の前で笑っている男共は野盗か何かだろう。

 

先ほどの会話で出てきた女とやらも気になるが、それよりも丁度いい獲物たちがここにいるのだ狩らなければ損だろう。

 

キャンは大鎌を構え、野盗の間を高速で移動し、止まる。

 

 

「男だらけのポロリ大会♪」

 

 

次の瞬間一斉に野盗達の首が飛び大量の鮮血が辺を汚す。

 

キャンは頭巾を外し、顔に血を浴び笑う。

 

 

「さて、奥に居る頭も殺っちゃいますかね」

 

 

いるであろう森の中へとゆっくりと笑いながら歩いてゆく。

 

 

「きひひひ、もっと狩りたいなぁ☆」

 

 

 

 

 






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