「アッハハハハハ!モンちゃんモンちゃん!コレ凄くない!?ヤバくない!?異世界だよ!草原だよ!夜空キレー!!」「あの、キャンさ「アルちゃん喋ってる可愛い!エンちゃんも可愛い!!コキュートスカッケェ!」」 作:カミカミュ
最初はアイラ視点です。
目を覚ますと驚く程の豪華なお部屋。
起き上がろうとすると、お姉ちゃんが私の腰に抱きついている。
昨日のことを思い出すと今でも体が震えだす。
突然騎士たちが村に来たと思ったら、知っている人たちが次々と血の海に沈む光景。
お母さんは私を地下倉庫の中に押し込め、蓋に重しを載せた。
必死に息を殺す私と、お母さんの悲鳴と蓋の上に倒れる音。
蓋の隙間から流れ落ちてくる血が頬っぺたに落ちてきたときは叫び声を上げそうになって下唇を噛んで必死に耐えた。
どれくらいか時間が経つと、パチパチって火が木を燃やす音が聞こえてきた。
運が良かったのか私がいた倉庫に火は来なかった。
声を押し殺しながら泣いていると、蓋が開いた。
開けたのは気持ちの悪い笑顔を浮かべた男の人達だった。
そこからの記憶は曖昧で、殴られて斬られてお股がとても痛くて泣き叫んでも男の人達はやめてくれなかった。
右腕を切り飛ばされた時、私は死ぬんだなって思っていたら、キレイな金の長髪に紅い瞳、漆黒の衣装に身を包んだ女の人が突然現れた。
死神が持つような大きな鎌に、死ぬ前に見た幻だと思った。
ゆっくりと意識を失った私。
次に目を覚ますと、体はポカポカしてて不思議な感じがした。
辺りを見渡すと、
女の人に視線を戻す、この人が私を助けてくれたんだと思うと涙が止まらなくなって思わず抱きついてしまった。
そこからは色々と速く事が進んでいった。
お姉ちゃんの義妹になって、ナザリックって所に一緒に行ったら、お姉ちゃんと遊ぶ骸骨の人を紹介してもらって、私の体からブワーって白い光が溢れたりした。
その後は眠たかったのかあまり覚えていない。
そして今、私は横で寝ているお姉ちゃんの頭を撫でています。
「…………
なんでしょう?マヤとは人の名前でしょうか。
そんな疑問を思っていた私は次の瞬間、疑問なんてそんなもの吹き飛んでしまいました。
――お姉ちゃんが泣いていたのです。
私はそっと起こさないようにお姉ちゃんを抱きしめ、もう一度眠りました。
この事は私だけの秘密とします。
「んっ……ふぁ…朝かなぁ…?」
目の前にはアイラがおり、抱きつかれている。
あれ?私が抱き枕にしていたはずなのに、逆転してる…。
まぁ、いいか。
アイラから抜け出し、ぐっと伸びをする。ふと、気づいた私は目元をこする。
あーこんなの私らしくない。パンパンと頬を軽く叩き、気持ちを入れ替える。そこで少し考えたあとに、ポツリとこぼす。
「今年はまだ、お花あげてないのになぁ…」
呟きは誰にも聞かれることなく消え、私は部屋を出た。
プレアデス達にモンちゃんの場所を聞き、目的の部屋に入ると、
何?セバス横に控えさせて、ポーズの練習?いや、アレって指定したポイントを映し出す鏡だったはず。
「はよー、何してるのモンちゃん?」
「あぁ、おはようございますキャンさん。いえ、外を見るためにコレを使っているんですが、操作に難航してたんですよ」
「カッコイイポーズの練習はのちのち黒歴史になるんだよwww」
「操作してるつってんだろうが!?…ふぅ、今日一回目…」
‐それから一時間‐
「おっ!」
「おー…?終わった?」
モモンガが驚きに歓喜、自慢。そういったものが混じりあった声を上げる。
一方キャンは空いた時間を使いセバスと一緒にアイテム整理をしていた。無限大に出てくるアイテム。課金によるインベントリ拡張、課金カバンでの拡張、アイテム
ワールドアイテム【無限の保管庫】
・重量制限なし
・全てのアイテムを1スタックずつ入れることができる。
(例)
・無限の水差し×15個(このアイテムはこれ以上入りません)
・神秘の雫×99(このアイテムはこれ以上入りません)
・広範囲殲滅氷結ボム×500(このアイテムはこれ以上入りません)
・現所有者の許可なしにアイテムの取り出し不可。
ワールドアイテムまで使いインベ拡張をしているキャンだが、すでに9割埋まっていたので整理を行った。世界級や神級の使わないアイテムはパンドラズ・アクターに預けてきた。今頃宝物庫に飾られている頃だろう。総数1000種類以上のアイテムとにらめっこしていたせいで目と頭が痛い。最後に盗みまくったアイテムがこれほどあるとは、自分でやっておきながらよくこれだけ盗めたものだ。
元々所持していたアイテム、宝物庫から盗んだアイテム、宝物庫に行くまでに解除し回収したトラップアイテム、守護していたNPCやプレイヤーから奪取したアイテムと12年間課金し続けてほぼ使わなかったハズレアイテム(キャンにとっては)。こうして整理してみると、ヤバ気なアイテムも豊富に発見できた(主にハズレアイテムにて)。因みにめちゃくちゃ使いたいアイテムは『完全なる狂騒』。モンちゃんに使えればものすごく楽しいことになりそうである。
さて、話を戻そう。
モモンガが
キャンが探索時に進んだ方向とは真逆の方へと進めていくと、ナザリックから10キロほど進んだところで森が見えてきた。その森の付近には村がある。村の周囲には麦畑が広がり放牧的という言葉が似合いそうだ。村を拡大しようとしたところでモモンガの手が止まる。
「……祭りか?」
「んー?祭りは祭りでも血祭りっぽいよこれ」
鏡には逃げる村人を切り捨てる騎士達が映っていた。
モモンガは人が死んでいく光景に自分が冷静に見ていることに疑問を覚え、キャンの方を見る。
笑顔。
静かに笑うその姿にモモンガは。
「キャンさん?」
声をかける。
「モンちゃん…一方的に虐殺をしている騎士が立場が入れ替わって虐殺される側になったときどんな表情をするんだろうね♪諦め、驚き、怒り、不安、絶望、屈辱、恐怖、憎悪。どんな表情で首をを飛ばされるのかを考えただけでもゾクゾクしちゃう☆きひひひ、騎士の首を並べたら素敵なオブジェがたくさん出来るねぇ」
恍惚とした顔で紡ぐ言葉に薄ら寒さを感じる。そして、同意しかけている自分も人間をやめているのだと再認識させられた。
が、唐突にキャンの表情が変わる。普段あまり見せることのない真面目な顔だ。一体何がと思い鏡に視線を向けると、キャンが操作した光景が映し出される。
一人の少女が騎士を殴り飛ばし、妹と思われる幼子を連れて逃げようとしている。少女は、もう一人いた騎士に追いつかてしまい、妹を庇い背中を切られた。
その瞬間に部屋を埋め尽くす重圧が現れる。
それは殺気。
セバスが目を見開きフラつき、モモンガは体中がバラバラに切り裂かれる光景を幻視し、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを瞬時に取り出しキャンに向ける。それほどの濃密で死の幻覚を見せほどの殺気が絶えず溢れている。
「モンちゃん〈
何がキャンの気に触れたのか分からないが、モモンガは〈
すでにキャンはこの場におらず、鏡の向こうには驚愕する姉妹の周囲が崩壊している光景と一人の死神が映し出されていた。
なんかやっちまった感。
まぁ、殺っちまったんだけども。
ちょっと追加↓
プレイヤー名…キャン×2(キャンキャン) 異形種 騒がしい暗殺者(スマイルキラー)
カルマ値-500
種族レベル…石化魔眼の蛇女(ゴルゴーン)Lv15 etc
職業レベル…暗殺者(アサシン)Lv10 盗賊(シーフ)Lv10 運び屋Lv2 etc
種族レベル総合35 職業レベル総合65
じょじょに明かしていきますね。