「アッハハハハハ!モンちゃんモンちゃん!コレ凄くない!?ヤバくない!?異世界だよ!草原だよ!夜空キレー!!」「あの、キャンさ「アルちゃん喋ってる可愛い!エンちゃんも可愛い!!コキュートスカッケェ!」」 作:カミカミュ
あれだ、作品タイトルとあらすじとタグを文字数ぴったりにするのに疲れた。
騒がしいキャラ作ろうとしたら変なところにも力入れすぎたぁぁ…
12年前2126年にサービスを開始したゲームDMMO-RPG【YGGDRASIL】。
異様に広い自由度で爆発的な人気を出したこのゲームは徐々に過疎化していき、ついにサービス終了の日が決まった。
各町にある広場では花火が上がり、パレードが開かれていた。
異種多様な種族が集まり最後の時間を各々過ごしている。
そんな広場の一角で声が上がる。
「えっ…あ、ハァッ!?マジかマジかよ!?なんでうちのギルドが狙われ……他のギルドもって、ひ、被害は……ほうもつこ……すっからかん?…うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!最後の最後に油断したぁぁぁぁぁぁ!!!おい、お前ら【
「はっ!?嘘だろぉ!?」
「俺のギルドほとんど人残ってねーよぉぉぉぉ!!!」
「うわぁぁぁ!!!俺のギルドはワールドアイテム取られたとかぁぁぁぁ!!!」
「うちもやられてんじゃんかよォォォ!!」
「キャンちゃんマジ自重しろよぉぉぉぉぉ!!!」
「ギルドに侵入されたデータないのに宝物庫がやられてんですけどぉぉぉ!!」
「嘘やん!!パクられとるぅぅぅ!!!?!?!」
阿鼻叫喚あらこちらからギルドが荒らされた者達の悲鳴が上がり、膝をついて怒号する者達が複数。
【
YGGDRASILサービス開始時に初心者用の森林フィールドに入ると突然背後から奇襲されHP全損のPKが連続で発生し、公式のメールがパンクするほどの問い合わせが発生した。
その原因が【キャン×2】というプレイヤーであり暗殺を得意とし、全プレイヤーをコンプリートする勢いでPK行為を行ったプレイヤーである。
しかし、一度殺したプレイヤーは狙われないこともあってか迷惑行為のメールはそれほど発生しなかった。
初日以降は、黒装束のプレイヤーが笑い声を上げながら笑顔のアイコンを連続表示しプレイヤーに迫って来てはPKすることが続いた。笑顔のアイコンの塊が迫って来るのは恐怖である。(アイコン連続表示の早すぎで『アイコン濃すぎワロタwww』といった感想が某掲示板でよく書かれていた)
ちなみに、YGGDRASILプレイヤーのほとんどが被害に遭っており、PKランキングのトップになるほどのキャラクターであった。
基本1回PKされれば次以降は狙われないのだが、ギルドを一人で襲うことがよくあり、ギルド所属者は2回以上彼女にPKされるのを覚悟している。
【キャン×2】についてわかっているのは無所属の女性のプレイヤーということぐらいで種族は徹底的に課金アイテムで隠蔽されている。装備も最初の町で売っている『漆黒の布』で作った衣服で特殊効果や防御力ですら皆無の服装であり、武器もNPCが売っている『暗殺者のナイフ』といった一般的な攻撃力しか発揮しない武器である。
しかし、隠密ボーナスや毒効果によるクリティカル攻撃は絶大で5撃持てばいい方だ。
そんなプレイヤーがサービス終了時の油断していたギルドを次々と襲いアイテムやお金を根こそぎ持っていく事件が発生した。
彼女の凄い所は配置されたNPCやプレイヤーに一切気づかれずに荒らして脱出している所である。
被害ギルドはランキング1~30位の30箇所のギルドであり――否、詳しく言えば彼女が襲ったのは"29箇所"のギルドであり、残り1箇所は忍び込まれていない。
そのギルドの名は【アインズ・ウール・ゴウン】。
過去にたった41人のギルドメンバーで1500人を撃退した伝説のギルドであり、彼女と唯一の友好関係にあるギルドである。
そのギルドに鼻歌を歌いながら侵入する。
現時刻は23:30…サービス終了まで残り30分しかないこの時間に【アインズ・ウール・ゴウン】に侵入した。
一階層目…突破。
二階層目…突破。(恐怖公と戯れて)
三階層目…突破。(シャルティアを後ろからじっくり観察した後に)
四階層目…突破。(地底湖で一人シンクロナイズドスイミング後)
五階層目…突破。(コキュートス抱きついた後に)
六階層目…突破。(バレないようにマーレとアウラの装備をネタ武器『ゴボウスタッフ』と『コンニャクムチ』とすり替えて)
七階層目…突破。(デミウルゴスのメガネをネタ装備『提供メガネ』にすり替えて)
八階層目…突破。(ヴィクティムにエノク語を試した後に)
九階層目…突破。(メイド達と食事をした後に)
そして、10階層目。
時刻は23:55…通常プレイヤーではありえない速度での階層突破だが、遊びすぎて遅れたことに反省反省と呟きながら玉座にこっそり侵入する。
座ってるモモンガがいるのを発見し、背後にニヤニヤしながら回り込む。
本人はコンソールを弄っているのか全く気づいた様子はない。
どうやらアルベドのビッチ設定を見つけて変更するようだ。
何を書くのか笑を堪えながら見ていると、
『モモンガを愛している。』
「ぶはっ!あははははは!ないよーそれはヤバイよーモンちゃん!きゃははははははは!!」
「うぇえぃあ?!?きききキャンさん!?」
素っ頓狂な叫び声をあげながら慌ててコンソールを閉じて後ろを見るモモンガ。
彼は私を見つけて再度驚く。
「き、来てくれてたんですねキャンさん……」
「あは♪来ちゃったぜモンちゃん!」
ブイっとピースしながらモンちゃんを見上げる私。
身長は社会人になっても対して伸びず150cm程しかない私はゲームの中でも同じ身長にしており、身長の高いモンちゃんを見上げるのは一苦労だ。
まぁ、ゲームだし苦労はないんだけど。
玉座に座るモンちゃんの膝の上に飛び乗り、最後の時を過ごすとする。
「最後は一人で迎えるものだと思っていたので、いつも迷惑してても来てくれて嬉しいですよキャンさん」
「えー迷惑って、まぁ、褒め言葉として受け取っとくよ。そうだ、最後だしお願い聞いてくれない?」
「珍しいですね頼みごとなんて、もう時間も僅かなんで大したことできませんよ?」
「大丈夫大丈夫!私をギルドに入れて欲しいのさ!」
ポカンとしたモンちゃんは右手で顔を覆ったあとに、「マジですか?」と聞いてきた。
「結局最後までフレンドになったのは、このギルドのみんなだけだったしねー。それにギルドの参加条件満たしてるんだよ?」
「え、えぇぇぇ!!本当ですか!?幼い外見ですし、種族明かさないからてっきり人間だとばかり……」
私は懐から赤いコインの様なものを取り出し砕く。
砕いたのは『種族隠蔽のメダル』有効期限30日の課金アイテムだ。
ついでにスッポリ被っていた頭装備を外す。
バサリと、私の金髪が腰に届くまで流れ落ち、髪が意思があるように動く。
動く髪は集まり複数の蛇となった。
「私は
「……はぁ。キャンさんには驚かせて貰ってばかりですね……いいですよ。貴方をアインズ・ウール・ゴウンは歓迎いたします」
ギルドの手続きを終えた私は時計を見ると23:59もう終わりの時間だ…。
そうだな…終わる前にとっておきの情報をモンちゃんに教えてあげよう。
「ねぇ、モンちゃん……」
「どうしましたか?キャンさん?」
「実はね
アインズ・ウール・ゴウン除いたランキング30位以内のギルドの宝物庫荒らしたおかげでワールドアイテム100個ほど見つけちった✩」
「はっ?えぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇ!?!?!?!?!!!?!?」
00:00:00
モンちゃんの驚きの声でゲームが終わるはずだった。
でも、まだ終わらない。
プレイヤー名…キャン×2(キャンキャン) 異形種 騒がしい暗殺者(スマイルキラー)
カルマ値-500
種族レベル…石化魔眼の蛇女(ゴルゴーン)Lv15 etc
職業レベル…暗殺者(アサシン)Lv10 etc
種族レベル総合35 職業レベル総合65
続くのかこれ?