射命丸文は手帳を片手に愚痴っていた。
山の中腹に続く大洞を一人歩きながら。
頭岩頂に続く手前、森が壁に吸い付く形に見える、傾斜のきつくなり始めた場所に開く大穴の道、そこから浅めの大皿のように削られた大洞の奥に、大天狗達の住む屋敷への道がある。
基本的には外の木々に渡りの板を通し、組み方を作って屋敷に住む大天狗達だが、冬の間は寒さをしのぐためにこの大洞を広間に、四方に細道を造った奥に屋敷を居として住んでいる。
中に陽が届く事はなく、夕刻を過ぎれば岩肌も角材を繋いだような断面を際だたせ、洞の奥に続く角地に立てられた灯籠だけが道導となる所。
水気の多い蒸した洞だが、山の奥底に続く抜け穴からもたらされる熱で冬は過ごしやすい。
逆に夏は蒸すため天狗達は滅多にここにはこない。
そして今、この時は冬であるのに大天狗達は一人として穴蔵の屋敷にはいなかった。
「まったくこまったものだわ、大天狗様達が揃い揃って地下へ遊興だなんて……下っ端達に示しがつかないでしょ」
手に持った帳面には、大天狗達が地下にある町に出かけ間の出来事が書き留めてある。
和紙を二つ折りにして、糸で括り合わせ、中腹を切って小間物書き取りの用帳とした手本だが、中に書かれた字はあまりに達筆な毛筆なので、おそらく本人しか読めないだろう。
腰に引っかけた墨坪と、帳面の反対側の手に持った筆を揺らして、射命丸の愚痴は小さく洞の中を小言の読経のように続いていた。
「いつ何時、何が起こるかわからないのだから……どなたか一人は残って頂きたいとあれほど上申したのに……」
射命丸の憂鬱、その原因は新参の大天狗金子と、その配下の妹子の存在。
この二人が山にやってきたのは五十年ほど前の事だ。
それまで外の世界にいた二人も、幻を激流がごとく消し始めた現世にはいられなくなりこの郷に寄ってきた。
それ事態は良くある話しなので気にも留めなかった。
山の近くまできた二人を大天狗、その上に座る天魔大御鞍に紹介したのは射命丸であり、今その事を彼女は猛烈に後悔していた。
二人は不穏を楽しむような性格をずっと隠していたのだが、ここ最近誰の目を憚る事なく策謀に心血を注いでいる。
多くの白狼に、数多のカラスを徒として、八雲の目を前に物取り合戦など……
そういう者がいる事態、山の規律を大きく乱すのではと心配している射命丸にとって、上司達がこぞって遊びに出ているのが信じられない。
ただ山も郷もこの五百年以上大きな騒ぎはなく平坦な日々を過ごしてきた。
そこに来て急に警戒せよというのも無理な話なのかもしれない。
それでも、組織のあり方を決める責任者一同が、全員いないなんとのは呆れる事と大あくびをして一人小言を続ける。
「もーさー、何が会談ですか?怨霊洞の蓋を修復するためとかって……いまだに鬼が怖いって言っているみたいなものでしょう。そんな事より……あのネコが持っている何かについて上申したいのに……」
増えた心配ごと。
新参の大天狗が八雲に取られたくないと探す何かを、白狼達は忘れているという怪奇を射命丸は見過ごしていなかった。
何かは危険なものではないのかという疑念。
だが事態について伝えるべき相手がいないという事に、余計な苛立ちが募っていた。
大天狗ご一行が山の奥、地下へ続く町に酒樽などを担いで降りたのは会談でも交渉でもなく、かつての上司達に挨拶を兼ねた慰労のためである。
平和過ぎる幻想郷の中で、数える程度の心配事があるとすれば、山の管理態勢がその一つである。
妖怪の山の奥深く、大洞が巨大な縦穴となって続く道をおりると町があるのだが、それ意外にも多く脇道の穴が存在している。
時として活発に動く山の内部、その影響で小さな穴を作り出し怨霊、または悪霊のたぐいを地上に出してしまう事がある。
小さな穴を潰し、一つの洞に纏めた穴を一時的に閉ざしているのが怨霊洞の蓋。
不足の事態で怨霊が飛び出る事がないように止めるのが、かつての山を支配した鬼達の仕事。
表に出た怨霊を白狼で駆逐するのは実に大変な作業であるため、地下に潜った鬼が盟約として行っている封じの作業を滞らせないように、ご機嫌取りも兼ねて酒を運び、用向きを頼むという談議を天狗の頂点である大御鞍は定期的に行っていた。
「それにしても大御鞍様は不思議な方だ、好きこのんで呑み会をしようだなんて……鬼になんか合いたい天狗はいないだろうに、大天狗様達はどう考えているのかな?」
大天狗達が住む屋敷の奥、洞を背に山と繋がれた大きな屋敷に住むのが天魔大御鞍だが、射命丸は遠目にしか姿を見たことがなかった。
胡座を掻く大きな影として見える大御鞍は、かつて人間の子、九郎判官を鍛えたことがあるとか?ないとか?噂ばかりを聞く存在。
自分達より大きな体をしている事ぐらいしか知らず、声はまた野太く腹に響く者という程度。
大御鞍は鬼との座談会が好きという変わり者で……
その結果として現在山にいる大天狗はよりにもよって新参の大天狗金子しかいないという状態の中を射命丸は忙しく情報収集のために動き回っていた。
右手の筆を指の開いだで踊らせて回す。
指先、手先、性格や素行にさえ器用さを見せる射命丸は、非常用の通信用具として残された雲外鏡の前に立っていたが……変わらず繋ぎの報告はないという始末だった。
「金子様に妹子か……巨椋池……考えてみたら、あの時代のあの場所で彼奴らに会ったことがないな、本当に千年のカラスだったのかな?」
定時連絡を写さない曇ったままの鏡を背に、問題を起こしそうな二人の名前を、墨を突いて帳面に書く。
字に現し改めても、この名前には憶え無いと首を傾げた。
自分が千年を生きている事を一目で理解した者は少ない、というか時の観念で物事を語られたのは久しぶりで余計に頭に残っていた。
妖怪は時の流れに敏感ではない、寿命のせいもあるが、そういう軛から解かれた結果の存在だと射命丸は考えていたからこそ、千年という言葉に違和感を憶えていた。
「千年前って言うと……この国の都が平安京だった頃だよね。あの頃あの辺りを仕切ってた方と言えば、大天狗の七七八様とか金平様とか……そうだ大御鞍様もそうなんだけどなー。私もちょこちょこ飛んだ所だけど……あの二人はしらないなぁ」
毛筆の尻で右耳の上辺りをグリグリと押す。
知識をねじり出すように何度か掻いてみるが、やはり二人については思い出せなかった。
「大御鞍様が知っていて、大天狗様も知っていて……だから問題なく山に置いたと考えられるけど、なんか妖しい二人なんだよねぇ」
相手は大天狗、山の規律は徹底した縦社会だ。
後から山に入ったとはいえ大天狗に逆らえる白狼はいないし、当然自分達のような御用聞きと近臣であったとしても、金子に正面切って逆らうような事は出来ない。
ただ射命丸は持ち前の勘の良さで、入山許可後早くから二人を危険視していた。
あの時出会ったのが、妹子だけならば入山の申請を断れたかもしれないという後悔と共に。
「ところで……これはなに?」
悔恨に縮んだ自分の背筋を、帆を張り直すように伸ばした射命丸は壁に貼られている札を見ていた。
ここ何日かの間にあちらこちらで見られるようになった、長方形の短冊のような紙が灯籠を飾る道にそって無象に貼られている。
文字と線が重ね書きされたそれは見覚えのあるものだった。
「これって陰陽札に……似てる?」
本来ならこんな些末な事でも注意を払うべきだった射命丸だが、ため息でそれを一枚剥がすとなぞられた文字? 模様を見つめた。普通の青墨で書かれ、中央に赤い点を置いた字に指を滑らした。
「マリーチ?……何かの願掛けですかね? いろいろ流行るわね」
山の生活は退屈だ。
白狼や高鼻達は新しい物を見つけると右ならえで始める。
そういうたぐいの物だと考えた射命丸は、それでも自分が知らない事があるのは悔しいと思い、もぎ取った一枚を胸ポケットにしまった。
洞から向こうに見える太陽はもう姿を消し、残った地平に赤い燐光の線を引いていた。
春はまだ少し遠く、肌を刺す風は岩肌の山を駆け下り、下から拭き上げるという、見えぬ波として続いていた。
「大御鞍様も大天狗様も、春までには戻って来るとして……とりあえず今日も平穏に終わりましたっと」
手持ちの帳面を閉じて軽やかに、自分の住処のある下山に飛び立っていった。
「なんだ? 何が騒いでいる?」
橙に張った糸をたぐり山の裾野を登り始めた藍は、前方を行く篝火の集団に目を細めていた。
夜は深く幕を落とし森は底なしの闇を広げているのに、その群れは二列に並んで銅鑼に模した鍋を叩き、大声を上げている。
「人間? 何故こんな時間に?」
「ネコを探せ!!!化け猫を叩き殺せ!!」
「何?」
郷から妖怪の山の頂に行くのはずっと遠いが、裾野は広く、橙が潜伏している転げ大木の窪地は広がった裾野の森を少し入った所にあった。
人が何かを駆り立てるというのは少なくない景色でもあるが、こんな夜に事を行おうとしているのに少しの驚きを憶えていた藍の耳は、刈ろうとしているのが自分も探している橙と知り粟立った。
長身の美しい体は、青の法衣を枝に触らせることなく闇の間を滑るように走ると一向の前に立ち止まった
「何をしている? 人が山に入るような刻ではないぞ」
静かな息で、ゆっくりと進人の群れに対して言う。
こういう時に声は荒立てるものではない、重く構えた口調で手を翳すと。
鍋を手に、森を騒がす雑音の集団に。
藍の言葉以上に存在に驚きを見せてもいいハズの集団は、足並みを緩め遠巻きに相手を見るか達を取っているが、どこか空気を濁らせた薄引きの布に包まれたような顔色と白目の真ん中に渦巻く目。
夜におぼれかかっているような顔色の郷人に、藍は強制を実行した。
待って騒ぎを大きくするのも、自分の姿で驚かないのも、危険の予兆でしかないからだ。
『とまれ、ここには何もない』
波状の矢は指先に集約される星の輝き、向かってくる人の目に指先に灯した惑いの火をかざすと、言霊に封刃を込めて
『帰れ、ここより下に』
言霊を使う空気の波の前で人差し指に灯った青白い炎を揺らしたが、人の行軍は止まらなかった。
それどころか、言葉の力を揺らした波が、堤防にぶつかって弾かれるのを感じ自らに戻る力を避けるため右手を奮った後、信じられないものを見ていた。
川の中州にある石に自分がそうなってしまったように、群れは藍を避けて走りだした。
妖術を混ぜた声にまるで反応しない。
「これは?どういう事だ?」
「こんばんは、騒がしくも良き夜にお会い出来て嬉しいぞ」
人の背中を見て状況を整理しようと息を呑んだ藍に懸けられた声。
風が巻く空の羽音に藍は感覚を集約する耳を傾けた。
黒を基調とした鈴懸、結袈裟の中に細かく編み込んだ金糸、丈の長めに作ったスカート。
普段見る山の天狗とは一線を画した姿。
「誰だ、貴様は?」
問いに対し、空に浮く相手は答えなかった。
答える代わりに顔を柏扇で隠したまま、静かな笑いを零した。
「何を笑っている?」
相手の余裕? それを知り素早く次の一手を、印を組もう手を下げたのを見計らったように、空にいるカラスは笑った。
頭襟を付けない藍色を織り交ぜた濡れ羽根の黒髪、赤く尖った瞳孔の目。
人ではなく物の怪、山座る天狗は扇を開いて顔を見せると聞いた。
「我をお忘れか? 得子様が姉君……九尾の狐よ」
「……、誰だ?」
普段ならば、問答の間を利用して相手を弾く印を結ぶ。
話しを聞くのは術の時を得るために過ぎないとしていた藍の手が止まった。
懐かしい妹の名前に、訝しく斜めに相手の目線をそらすと。
「得子を知っていて、私を知っているのならば……聞こう。何をしているここで、人を操っているのは貴様だな」
「いかにも、ご察しがようございますが……、我の事は忘れたと?」
風に合わせ平に扇を泳がす。
菱型に尖った目と相反して笑う口。
「我は良う知っておりますぞ、人の地を滅ぼし楽しみ舞踊った貴女様の事を。なのに我を忘れるとは無礼ではないか」
「ふん、そんな輩は今までに何人といた。忘れる程度の者も何人もな」
「……実に不愉快……」
歪む口調と額の亀裂、相手の中にある平常心を揺さぶる言葉に手応えを憶えた藍は、素早く印を結び詠唱した。
「宣ふこれ、祓い禍々の風におりし風、徒に従えし我申さん」
風を操る言の葉に、追撃する相手を指した指。
背に集まる山風の束は……
動かなかった。
石を投げても波紋を起こさぬ泉のように、祝詞の集合に微動もしない森は、静かに夜を生きる動物の声と橙を追う人の怒号しか響かせなかった。
「……何?」
詠みにしくじる? そんな事はここに住む以前から失敗した事がない。
驚きに自分の指を確かめる藍の姿を、空の天狗は声も大きく笑った。
品のない大口の笑みで、見下した目を輝かせると。
「あははははは、やはりか、金子の言ったとおりよ。貴女様の術は古く個々しく、無謀よな」
古式を別に下劣な笑みを許す事など出来ない、藍は自分の心が揺らされていると知りながらももう一度印を結ぶと詠んだ。
「宣ふこれ、祓い禍々の大風よ、風におりし風、徒を従えて……」
「無駄じゃ!!」
煽る扇、空から振る風は壁のような塊になって藍の体を吹き飛ばした。
勢い立木の根に背中をぶつけ、受け身も取れないまま前のめりに倒れた。
「なっ何故……」
「わからぬのか? 千年の狐よ。いつよりこの郷におるのかは知らぬが、我らがここに来たのは平安をずっと下り、乱世も遊んだ後ぞ」
「それが……どうした」
相手が話す、その時間を回復に努めたい。
無防備に構え、護りの盾もないまま打ち付けられたのは千年ぶり、いや岩に閉じ込められた時以来の打撃に膝が笑うのを手で押さえる。
なまなかな事で対峙できる相手でない事を身をもって知ったのは、主紫以来のもの。
「それがわからぬ故にそのざまよ。時が下れば、貴女様使った術を解く者もおろう、そう……平安の御代にもすでにおった事をお忘れか?」
「その術……」
「さらに言えば、術式を己が物とだけ思うていたご様子……まことに滑稽。方術は方外を押さえて地の利を作るが道理。何も持たずにここに来るとは間抜けの極みよ」
方外、つまり結界壁をつくる事で方術の有効性は高まる。
素体で突然術を使うのは自然の大きさに勝てない時の方が多いからだ。
場を区切り、利を作り上げてからこそ最大の力を得るという乗法を守っているという事に気が付いた藍の目は四方を注視した。
木々の間に張られた札、正しく卦を張った方陣に見覚えが脳をよぎった。
「陰陽師のものか」
「さにあらず、今や我らのものよ」
空にいた妹子は、藍のいる地に足を下ろすと今一度扇で顔を隠した。
「いや、読み解き、作り上げ我らのものとした。それが正しい」
「そうか」
藍は相手が自分を見下し地に足を下ろした事を決起と読むと、素早く手の中に作った風の礫を放った。
見えぬ風を動かすよりも、物に返還する事の方が難しい。
高等方術を内側の詠唱で作り上げ、相手の足と腹めがけて体を回し刺すように投げた
「凡封月影○○○降賛風」
囁くように封じ言葉を、埃を払うように扇を。
体の上から足に向かって滑らした扇、その宣にそって軽く弾かれ消える礫。
信じられないものを見た藍の口は驚きに開いたまま、息だけを吐き出していた。
「申し遅れた、我が名は妹子。以後失礼無きよう憶えておけ、美福門院得子様が女房……妖狐瑞九女。今宵は我を忘れていた罰を与えようぞ」
下ろした手を上げ、その場で風を結い上げた。
目に見える程大きな暴風は、塊とになって尖る。
集約する力の前で藍は走った。
囲いの卦の中にいる自分の術が優位に立てぬのならば、強靱な徒手で相手をする。
優雅からは遠いが、それも出来てこその強さを忘れたわけではない。
妹子のあげた右手をくぐり左手の付け根を切る手刀を突き上げた。
「甘いわ、そしてそれは舞にあらず」
狙われた脇ごと、妹子の体はその黒い服ごと霧散化した。
蝶の見せる惑わしの粉が藍の体を巻くように笑う。
「誰と戦っておるか? そこにはおらぬぞ」
幾重となった影は割れ、妹子の姿は白い粒が作る影となり、口だけが笑う。
姿は有って無いものとして、薄ペラな紙で作った札が踊り、菖蒲の刀が藍の体を刺し通していた。
柔らかな進駐、自分の中に相手の幻惑が染みこむ痛みで膝を屈し頭から倒れた。
「幻術? 方陣の中で……いや私の五感を刺すための布石としたのか……そんなバカな……」
耳と鼻、口、肌、全てに塗された粉が幻惑をより強く見せている事を藍は実感したが、すでに遅すぎる理解だった。
相手は自分より、方術を細分化し再構築。有効に使う方法に長けている。
舐めてかかれる者でなかった事と、自分があまりにも迂闊過ぎたことに。
痺れを満たす痛みの中で。頭の中を巡る妹子の影に問うた。
「お前は……誰だ……お前に方術を知らしめたのは……」
「言うたであろう、我は妹子。そしてその術は……さあ目を開けろ」
コの後に及んで幻術の目を奪われる事は死を意味していたが、藍は伏して倒れた自分の顔を上げた。
「我は……私です」
白と極紅を重ねた春を待つ十二単、その上に舞う白銀の髪と金色の瞳。
「私?」
「否、私は美福門院得子。貴女を処罰した者」
己と己。
微差に重なる己の姿、色違いの妹に藍の意識は沈み始めた。
かつて自分を死に至らしめた妹が、もう一度自分を殺しに来た。
涙に濡れた頬と、悲しみに落ちた眉に、対峙した姉は問うた。
「まだ……私を許さないのか……得子」
後は深く沈み続けるだけだった。
遠くに続く橙を追う人の喧噪を聞きながら。
作中の方術魂言は基本は祝詞です。
後妹子が使った「凡封月影○○○」の○は漢字がないために書けませんでした。
名前
七七八様=ななやさま
金平さま=かねひらさま
大御鞍様=おおみくらさま
どれもオリジナルです。
瑞九女=みずくめ
後に玉藻前になるらしいけど、ここではならないかもです。
九郎判官=