保存食やドライフーズばかりの食事でない限り、キャンプでの食材の保存にはクーラーボックスやソフトクーラー等(以下、全体を表すときは「クーラー」という)を使う。
たくさんの種類のクーラーが出回っているので、どのようなクーラーを買えばいいか、様々なレビュー記事を参考にしても、いまいちよくわからないことがある。
ここではクーラーの選び方をメモ程度に記したい。
なお、書き手個人が集めた偏った情報や知識、実体験に基づくものなので、必ずしも正確ではない。ボチボチと、書き手の経験値の増加とともにバージョンアップしていきたい。
【固さ、重さでの選び方】
クーラーには大きく分けて「ハードクーラー」と「ソフトクーラー」がある。
ハードクーラーは、プラスチックや金属、樹脂など、外装が固い素材で出来た箱型のもの。
ソフトクーラーは、ショルダーバッグやトートバッグ等のような、柔らかい素材で出来たもの。
一般的には、ハードクーラーのほうが保冷力は高いが、重くて場所を取る。
ソフトクーラーは、保冷力は高くないが、軽くて柔らかく、大人一人で持ち運びが比較的、楽にできるものが多い。
●ハードクーラーの種類
(外装)
スチールなどの金属板でできたもの、プラスチックや樹脂で出来たものがある。外装の保冷力よりも、見た目で考えることのほうが多い。
(断熱材)
・発泡スチロール(発泡ポリスチレン)…最も軽くて安いが、保冷力は最低限。ホームセンターで安く売られているのは大抵コレ。
・発泡ウレタン…ちょっと重くてちょっと高いが、保冷力はまぁまぁ高い。
・真空断熱パネル…中を真空にした板状の断熱材。クーラーの壁面に仕込んで、いわゆる「魔法瓶」のような状態にする。かなり高いが、保冷力は最強。
真空断熱材は、ボックスの6つの面のうち、1面、4面、など、部分的に使われているものもある。使われている枚数に比例して保冷力も価格も高くなる。
なお、「真空断熱パネル」を使っているハードクーラーは、釣り用のものに多い。キャンパーの中には、釣り用のハードクーラー(性能が高いものが多い)を流用している人もいる。
ちなみに、容量20Lくらいで真空断熱材を6面全部に仕込んであるものだと、軽く4〜5万円はする。
(書き手の個人的な選び方)
書き手のキャンプは、もっぱら涼しい時期に1泊2日、片道移動時間2〜4時間程度。ソロキャンプ。
食事は、おもに肉と米等の炭水化物と少しの野菜。酒はビール1本とバーボン位。
その他、チョコや豆大福(好物)や果物、コーラやジュース、缶コーヒー等を適当に持っていく。
使っているのは、容量35Lのハードクーラー(発泡ウレタン)を1個。保冷剤を考えてもかなり余裕があるが、欲しかったメーカーで、ウレタンを使用しているものがこの容量しか作られてなかったので仕方なく。
結局、選び方などそんなもんだ。
しかし、ソロキャンプ以外でもちょこちょこと出番がある。この容量は汎用性が高い。
なお、発泡スチロール製とウレタン製の見分け方。もとい「聞き分け方」。
面を叩くと、ポコポコと太鼓っぽく響くのが発泡スチロール。カツカツと個体っぽく響くのがウレタン。
●ソフトクーラーの種類
(外装)
普通のバッグのようなものから、ホームセンターで見かける全体が銀色のものまで、本当に様々ある。
ファッション性のあるカラフルなものか、防水、防汚使用のターポリン(PVC)生地か、外からの熱を跳ね返す銀色シート風のものか、好みで選んでいいと思う。
(断熱材)
主にアルミシートと思われる。いわゆる厚手の銀マットのようなもの、アルミシートを何重にも重ねて空気の層を挟んでいるもの等があると思われる(詳細な比較や説明が見つからなかった。判明次第更新予定)。
(書き手の個人的な選び方)
カッコイイのを選んだ(笑)。容量は20L程度。主に日帰りキャンプ用として。
これもキャンプ以外で(生鮮食料の買い出しなど)汎用性が高いため、少し大きめを選んだ。
といっても、見た目がよく、価格もそれなりにするものほど、保冷力もだいたい比例して高くなるように感じる。
ただし、保冷力が高くなるほど、断熱材の量が増えるので、単体で重くなる。
【容量での選び方】
献立、食材の種類や量によりいちがいには言えないが、例えば以下のような場合で考える。飲み物や十分な保冷剤を入れることも考え、すこし大きめの値で書く。
①ソロで日帰り。昼食のみ
…ソフトクーラーでも可。15L(リットル)〜20Lもあれば十分。
②ソロで一泊。1日目昼食、夕食、2日目朝食の3食+α。酒はビール4缶程度。
…ハードクーラー推奨。秋冬、早春ならソフトでも可。20〜30Lくらい。
③二人で日帰り。昼食のみ
…20〜30Lくらい。ハードクーラーのほうがいいかもしれない。
④二人で一泊、1日目昼食、夕食、2日目朝食の3食+α。酒はビール8〜10本程度。
…45〜50Lくらいのハードクーラー推奨。
この位の容量では、某アメリカのメーカーから金属製外装のかっこいいハードクーラーが販売されている。高いけど。
運搬する荷物量に余裕があれば、20〜30Lのハードクーラー、ソフトクーラーを二個以上組み合わせて使うほうが安く済むかもしれない。
【保冷剤について】
クーラーには欠かせないのが保冷剤。いくつか種類があるのでメモ程度に。
●通常の保冷剤(ソフト・ハード)
ホームセンターで売っていたり、ケーキ屋の持ち帰り用についてくるようなレベル。日帰りなら十分な性能。
●氷点下キープ型(ハード)
「−1●℃!」とか書いてるやつ。
これは注意が必要。たしかに使い始めは氷点下10度以下でモノを冷やすが、あまり持続性があるわけではない。
「ものを冷やす」ということは、「ものから熱を激しく奪い取る」ということであり、その結果、通常の保冷剤よりも早く、自身の温度が急上昇し、解けるのが早い。
アイスを挟むように上下に置いて、半日以下の範囲で持ち運ぶのにはいいのかも知れない。
書き手はコレを使うとき、「同時に入れている他の保冷剤の、凍った状態をキープするため」に使う。そうすると、双方の凍り具合の持ちがいいように思う。
●アイス○ン
でかいソフトタイプの保冷剤として使える。汚れにも強く、意外と使える。
●ペットボトルに入れて凍らせた水
何気に一番使える保冷剤かもしれない。キャンプの前に毎回作って使う。
解けたら飲めるように、浄水を凍らせるのをおすすめする。
完全に凍らせるには3日以上冷凍庫に入れておく必要がある。逆に、あえて凍らせ度を抑えて、現地で飲み物として使う手もある。
●スーパーやコンビニ、ドラッグストアで売っている「板氷」「ロックアイス」
主に補充用・緊急用として考える。二泊以上のキャンプをするときに、現地近くで買う。
【小ネタ、豆知識】
・クーラーを地面に直接置くと、地面の温度が中に伝わったり、底面に結露を生じてビショビショになり、ドロで汚れたりする。クーラースタンド(すのこなどの代替品でも可)の使用をおすすめする。
・CBガス缶をセットすると、冷蔵庫のように冷やしてくれるクーラーボックスがある。高い。
・ハードクーラーのフタの開け閉めは、中の冷気が逃げて一気に保冷力が落ちる。
対策として、お風呂のお湯保温用の薄い銀マット(百円ショップにもある)などを切って加工し、内ブタとして入れておくと、冷気の逃げが全然違う。書き手も実践中。オススメ。
・ソフトクーラーや発泡スチロールのハードクーラーでも、内部に、一回り小さい発泡スチロールの箱やソフトクーラーをさらに入れ込むことで、容量は少なくなるが、保冷力アップを図れる。